カセット・テープ関連資料

ダウンロード可能資料
阿部美春(2012)「カセット(1)」(「テープ録音機物語」その63)『JAS journal』Vol.52 No.3、pp.17-28
1 カセットの誕生
2 初期のカセット・レコーダーの規格
3 DCインターナショナル方式カセットの登場
4 日本におけるカセットのスタート
5 アメリカにおけるカセット・ブームの到来
6 ステレオ・カセットデッキの進歩
阿部美春(2012)「カセット(2)」(「テープ録音機物語」その64)『JAS journal』Vol.52 No.3、pp.29-37
7 ノイズ・リダクション (NR) の導入
8 ポータブル・カセットレコーダーと生録ブーム
9 ラジオ付きカセット・レコーダーの普及
阿部美春(2012)「カセット(3)」(「テープ録音機物語」その65)『JAS journal』Vol.52 No.3、pp.38-53
1 カセットテープの発展
2 IECによる分類
3 カセット部品の役割
4 機械的特性
5 磁気テープの磁気特性
6 電磁変換特性
7 エンドレス・カセット

https://www.jas-audio.or.jp/jas-cms/wp-content/uploads/2012/05/201205-all2.pdf

資料
飯野祐之助(1980)「カセットテープの技術的変遷とその将来」『JASジャーナル』(1980.10)
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デジタルカメラの出荷台数、出荷金額、製品単価の歴史的推移(2022年版)

[目標]
数値データをもとに分析・考察をおこなうための練習として、下記のPDFファイルの数値をもとに、グラフを作成し、分析・考察すべき課題を自分で考え出してみよう。
 
 
課題1 上記PDFデータをエクセル・ファイル化したものが下記ファイルである。
課題1-1 下記ファイルを利用して、次に挙げるグラフなどを自分で作成して、デジタルカメラへの製品イノベーションに関してどのようなことを問題とすべきかを考えなさい。ただし課題2で挙げた問題以外のものを自分で一つ考えだしさない。
 
課題1-2 課題1-1で自分が挙げた問題について、その模範解答を書きなさい。
 
課題2 下記のグラフからは、すぐに下記のような現象を見て取ることができる。
現象1. それまで順調に成長してきたデジカメ市場が2009年に出荷台数が前年割れした後、2010年は1億2146万台となり、2008年の1億1976万台を超える成長を遂げている。
 
現象2. それまで順調に成長してきたデジカメ市場は2008年の2兆1640億円をピークとして基本的に減少傾向にある。出荷台数と異なり、2010年の出荷金額は2009年とほぼ同一で、2008年より20%以上も減少した数値になっている。
 
現象3. レンズ一体型デジタルカメラ市場は2008年の1兆6387億円をピークとして基本的に減少傾向にあり、2021年にはピーク時の10分の1以下の731億円まで落ち込んでいる。
 これに対してレンズ交換式デジタルカメラ市場のピークは、レンズ一体型の4年後の2012年と少し遅れた。また2012年の7,532億円をピークに基本的には減少傾向にあるとはいえ、2021年は対前年比で約3割増の4,158億円となるなど、減少の度合いは低い。10%以上も上回る数値をキープしている。
 
上記の現象1、2、3ということからは次のようなことが考察すべき疑問として浮かぶ。
 
課題2-1 デジタルカメラの総出荷金額は2008年をピークとしてその後は基本的に減少傾向が続いている。また総出荷台数は、総出荷金額の2年後の2010年にピークを迎え、その後は基本的に減少傾向が続いている。こうした現象の原因・理由は何か?
 
課題2-2 デジタルカメラの総出荷金額は2008年をピークとして基本的に減少傾向が続いているのはなぜなのか?
 
課題2-3 出荷金額の面から見ると、レンズ一体型とレンズ交換式では市場動向がかなり異なるのはなぜなのか?
細かな課題1 デジタルカメラの総出荷台数が2009年に前年から1,389万台も落ち込んだのはなぜなのか?また2010年にはその逆に1,560万台も増加したのはしゅなぜなのか?
 
 

デジタルカメラの出荷金額の歴史的推移1999-2021

 
 
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製造コストと販売価格の関係・区別に関わる問題

「販売価格はSC-1000が15,000円、ファミリーコンピューターが14,800円とほぼ同一であり、SC-1000は製造コストに関する相対的競争優位性を実現することがなかった。」という文章はどこが不適切であるのかを説明しなさい。

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FinTechによるイノベーション

証券業におけるFinTech
  1. 証券業界とフィンテックに関する研究会(2018)「フィンテック時代の証券業」2018年6月, 30pp.
    https://www.jsri.or.jp/publish/other/pdf/010.pdf

  2. 近藤真史(2019)「証券業界におけるブロックチェーンの活用に向けた検討とオープンイノベーションの推進」『デジタルプラクティス』Vol.10 No.3(July 2019)
    https://www.ipsj.or.jp/dp/contents/publication/39/S1003-S02.html

  3. 東京国際金融機構(2021)「日本におけるFintech市場:証券(資産運用)」『Monthly Market Report』Vol.5(January 2021)
    https://fincity.tokyo/wp-content/uploads/2021/01/1611286774-354b35b7d1326c2558a1a9fb1c56469b.pdf

  4. 城田真琴 (2015)「銀行や証券会社を「破壊」するFintech、対抗するための「5+1」の対策とは」ビジネス+IT,2015/10/21
    https://www.sbbit.jp/article/cont1/30278

  5. 青木(赤星)里恵(2017)「証券業界とフィンテック」証券経済学会,2017年10月28日講演
    https://researchmap.jp/rie1005/presentations/31689234

  6. 経済産業省 経済産業政策局 産業資金課(2016)「産業・金融・IT融合に関する研究会(FinTech研究会)発言集」2016年3月
    https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/fintech/pdf/001_hatsugen.pdf

  7. 東海林正(2019)「日本のフィンテック最新事情」『フィナンシャル・レビュー』(財務省財務総合政策研究所)139(2019年9月)
    https://www.mof.go.jp/pri/publication/financial_review/fr_list7/r139/r139_03.pdf

    金融庁(2017)「フィンテックに関する現状と 金融庁における取組み」
    http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/4th_sangyokakumei_dai4/siryou1.pdf

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引用や参考資料の利用の仕方に関して

引用する場合,および,参考資料を利用する場合には下記事項を厳守してください。
 
  1. 重要な論点・主張の根拠となる数値データや事実的データに関しては、その元データがどこにあるのかを調べて、元データを参考資料として挙げておくこと
  2. 例えば、www.statista.comというサイトの資料は興味深く有用ですが、同サイトの無料機能では元データの情報が記載されていませんので、その数値データ・グラフは引用しないで下さい。
     例えば、Facebookの月間アクティブユーザー数の推移のグラフなどは、www.statista.comから引用するのではなく、FacebookのIR情報(FB Earnings Presentation Q4 2020など)から引用して下さい。
     
  3. 引用文献や参考文献は可能な限りネタ元を探して、ネタ元に基づいて記述を行うこと
  4. 「まとめサイト」(業界動向サーチ、https://gyokai-search.comシットクナインCar2、https://sittoku-car2.comのような「業界情報まとめサイト」も含む)、「Q&Aサイト」(教えてサイトなど)、「就活生向け業界サイト」、「日本語版Wikipedia」(以下、まとめサイトなどと略記)の利用は事実やデータのクロスチェックに止めるとともに、引用元が明記されている場合には必ずその引用元を参照してください。
     なお、信頼できるWEBニュース記事、政府等の白書・報告書、あるいは、学術論文の場合であっても、引用元を見ずに引用の孫引きで終わらせることは不適切です。
    伝言ゲームなどでお分かりのように、他者の引用や孫引きを利用して文章を書くと、内容がどうしても不正確になります。また他者の引用だけでは、自分が知りたいことや内容記述に際して必要不可欠な事項が書かれていないことも多いので、オリジナルに当たることが絶対に必要です。
     
  5. 他人の文章をそのまま引用する際には、かぎ括弧「」を使用するか、改行とインデントをして直接引用であることがはっきりとわかるようにしておくこと
  6.  
  7. 他人の文章表現をそのまま使わなかった場合でも、参考にした場合には、「ポーター (1985,p.207)によれば・・・・である」と言った形式で、利用した参考資料を本文中に明示しておくこと
  8.  
  9. 主張の根拠となる重要な数値データまたは事実的データに関しては、そのデータを記載した文章のすぐ後に、引用元を(佐野,2021a,p.12)といった形で明示的に示しておくこと。なお数値データを表の形で引用した場合にはその表のすぐ下に出典を明記すること
  10.  
  11. 参考資料の記載に際しては、Who, When, What, Whereという4つの情報、すなわち、Who(書いたのは誰か?著者・執筆者は誰か?あるいはどの企業・組織か?)、When(いつ書かれたのか?いつ発表または作成されたのか?)、What(タイトルは何か?)、Where(資料の掲載場所はどこか?どこの出版社なのか?どの雑誌なのか?URLアドレスは何か?)という4つの情報を必ず盛り込んでおくこと。詳細については、「参考資料の記載方法(詳細版)」を参照のこと
  12. 例えば、下記のような記載は、アクセス日が記載されていますが、同WEBページの「執筆者」というWhoに関する情報、「記載内容の作成日時」というWhenに関する情報が記載されておらず、まったく不適切です。

    SYNERGY,枯れた技術の水平志向(2020/11/29)
    https://www.kk-synergy.co.jp/cat01/211547/
     
    上記は正しくは下記のように記載すべきです。
     
    吉本憲矢(2019)「枯れた技術の水平思考」シナジー活動記、2019/09/07
    https://www.kk-synergy.co.jp/cat01/211547/
    アクセス日:2020/11/29

     
  13. WEBページの著者名が明記されていない場合には、そのWEBページを作成した団体名・企業名を著者名として挙げておくこと
  14. https://web.archive.org/web/20061010194521/www.nintendo.co.jp/wii/features/virtual_console.htmlといったWEBページには、そのWEBページの著者名が明記されてはいません。そうした場合には、任天堂(2006)「Wii バーチャルコンソール」というようにWEBページを開設しているサイトの企業名を著者名として取り扱って下さい。
     
  15. WEBニュース記事、新聞記事、プレスリリースなど発表年月日が分かる資料に関しては、発表年月日の情報をタイトルの後に記載しておくこと
  16.  
  17. 雑誌記事の場合には、巻号数または発行年月を必ず記載しておくこと
  18. これは、同一著者が同一年に同一雑誌で書いた資料を参考資料として複数挙げる場合に、発表順に参考資料を並べることができるようにするためです。
     
  19. 作成年が不明なWEBページの場合には、著者名の後に作成年を入れることができないので、その代わりにWEBアーカイブ(https://web.archive.org/)の初出の年月日を利用してWhen情報を入れておいて下さい。それができない場合には自分のアクセス日を入れておいてください。
  20.  
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dataサイト

International Energy Agency(IEA)
https://www.iea.org/

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イノベーションの社会学的普及モデルとしての、Rogersの議論

イノベーションの社会学的普及モデルとしての、Rogersの議論
ロジャース(Everett M. Rogers)は、product innovationの社会的普及を説明する理論的モデルとして、下記のような5分類をおこなっている。
1.Innovators (市場全体の2.27%)
2.Early Adopters (市場全体の13.59%, ロジャースはこの層をオピニオンリーダー層と規定している)
3.Early Majority(市場全体の34.13%)
4.Late Majority(市場全体の34.13%)
5.Laggards(市場全体の15.87%)

 
上記はイノベーションの採用時期が正規分布曲線(ベルカーブ)を描くという理論的仮定に基づいて、5分類をおこなったものと考えられる。単純化して「イノベーション」偏差値で考えると、偏差値70以上がInnovators、偏差値60-70がEarly Adopters、偏差値50-60がEarly Majority、偏差値40-50がLate Majority、偏差値40以下がLaggardsということになる。
Rogers-Innovation-diffusion
 
実際、カラーテレビの世帯別普及率増加は下記のように、上記の正規分布曲線(ベルカーブ)とかなり近い。
カラーテレビの普及率増加の歴史的推移1966-1977
 
 上記の内閣府「主要耐久消費財等の普及率(一般世帯)」に掲載されている数値データに基づき、カラーテレビと同じような普及率の変化を示している製品を一つ見つけ出して、上記のカラーテレビと同じようなグラフを作成しなさい。
 
 
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イノベーションのライフサイクル論としての、アッターバックのドミナントデザイン論

イノベーションのライフサイクル論としての、アッターバックのドミナントデザイン論
dominant-design1
[図の出典]Utterback, J.M., Abernathy, W.J. (1975) “A Dynamic Model of Process and Product Innovation,” OMEGA: The International Journal of Management of Science, Vol.3, No.6, p.645
Utterback, J.M. (1996) Mastering the Dynamics of Innovation, Harvard Business School Press,p.xviiの図1は上記の図を簡略化したものであると同時に、時期区分に関する用語が異なる。
Utterback and Abernathy(1975)では、p.656で詳しく論じているように、StageI,II,IIIという名称が使われている。
Stage I: uncoordinated process, product performance-maximizing strategy
Stage II: segmental process, sales-maximizing strategy
Stage III: systemic process, cost-minimizing strategy
Utterback(1996)では、Fluid phase, Trasitional pahse, Specific phaseという語句が使われている。これはdominant designとの関係で時期区分をしたものである。すなわち、dominant designの成立前をFluid phase、市場でdominant designが形成されつつある時期をTrasitional phase、市場でdominantなdesignが確固たる地位を築いた時期をSpecific phaseとしている。
これを市場のライフサイクルに当てはめると、Stage I (Fluid phase)が市場形成期、Stage II (Trasitional pahse)が市場成長期、Stage III (Specific phase)が市場成熟期に相当するものと考えられる。
 
今回の授業で特に取り上げたのは、下記のような特徴である。そしてこのことをPorterの基本戦略(generic strategies)と関連づけて論じた。
市場形成期 — product innovationが最も活発
市場成熟期 — process innovationが相対的に盛ん
 
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ビジネス・プロセスに関するイノベーションとしての「中間者排除」

ビジネス・プロセスにおける「中間者の排除」
単純化して言えば、ビジネス・プロセスは「製造」と「販売」という2要素で構成されている。
「製造」「販売」という要素はさらにいくつかの諸要素に分解することができる。それをどのような形で編成するのかは「企業の境界」設定の問題でもある。

「製造」と【販売」という要素の具体的構成の類型の一つは下記のようなものである。

類型1>「製造業者」-「卸売業者」-「小売業者」-「消費者」
類型2>「製造業者」-「販売業者」-「消費者」
類型3>「製造小売業者」-「消費者」
どのような類型が一般的なのかは業界によって異なる。
 
[考察してみよう]
問8 下記の会社は、「どの類型のどこに位置するのか?」を説明するとともに、「それぞれの業界においてどのような役割を果たしているのか?」あるいは「なぜそのような類型を採用しているのか?」を考察しなさい。
(1) 三菱食品
(2) ユニクロ
(3) トヨタ自動車
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動画視聴ニーズの充足の仕方に関する歴史的変遷

動画視聴ニーズの充足に関わる「機能」的定義視点 vs 「物理」的定義視点
 映画、テレビ番組、ネット動画は、動画視聴ニーズに対応する機能を持つものであるという機能的定義視点から見ると同一範疇に属する製品であるが、その物理的存在形態から見ると、「映画フィルムに記録された動画コンテンツ」としての映画、「テレビ電波を用いて放送される動画コンテンツ」としてのテレビ番組、「ネットで配信される動画コンテンツ」としてのネット動画というように物理的存在形態はそれぞれ異なる。
 
物理的視点から見た動画視聴ニーズの充足方法の歴史的推移
物理的視点から見ると、動画視聴ニーズの充足方法の主要な形態は下記の3つである。物理的視点から見たそうした差異に応じて、それぞれのニーズ充足を事業ドメインとする主要な企業は、映画会社、テレビ会社(テレビ局)、ネット企業というように異なる。

  1. 映画を見る - 映画館で映画を、big screen、すなわち、映画スクリーンで視聴する
  2. テレビを見る - 家でテレビ番組を、small screen、すなわち、テレビで視聴する
  3. ネット動画を見る - 通勤・通学の途中などでネット動画を、より小さな画面のスマホで視聴する
[考えてみよう]
歴史的順序としては、「映画を見る」→「テレビを見る」→「ネット動画を見る」という順序で、イノベーションが生起した。こうしたイノベーションの推移に関して、「制約からの自由」(free from)という視点から考察するとどうなるであろうか?
 
電波利用によるテレビ放送が生み出した録画・再生ニーズの充足に関わる法的問題
「電波利用によるテレビ放送」は、リアルタイム配信型サービスに限定されていた結果として、必然的にテレビ放送番組の録画ニーズを生み出した。すなわち、「自分が見たいテレビ放送番組を、ビデオテープレコーダー(VTR)やハードディスクレコーダーなどに録画して、自分が好きな時間に再生して視聴したい」というニーズを生み出した。
 
しかしながらアメリカでは、日本とは異なり、私的使用を目的とした著作物の複製が認められていなかった。そのため、テレビ放送番組について著作権を有するユニバーサルスタジオやディズニーは、下記のような理由から、ビデオテープレコーダー(VTR)を製造・販売していたソニー、および、広告代理店、小売店、実際にビデオ録画した個人などを著作権侵害で訴えた。
 
  1. 個人消費者が家庭用VTRを用いて著作権者に無断でテレビ放送番組を録画すること、すなわち、複製することは、著作物の複製に関する著作権者の権利に対する侵害行為である
  2. そうした侵害行為を可能とする家庭用VTR装置を製造・販売している企業、すなわち、ソニーは、各個人の著作権侵害行為を幇助している
 
第一審の地方裁判所は家庭内の録画はフェアユースに該当し著作権侵害に当たらないとしたが、第二審の控訴裁判所はフェアユースに該当せず著作権侵害に当たると逆の判決を下した。そして第三審の最高裁判所は、第一審と同じく、家庭内の録画にフェアユースを認め、「無料テレビ放送の電波から家庭内でビデオ録画を行うことは、著作権侵害には当たらない」とした。
 
 フェアユースの認定をめぐる議論のポイントは下記のようなものであった。
 
  1. 公共経済学的視点から見たテレビ放送の公共性、すなわち、「ビデオ録画の対象となるテレビ放送番組は、公共の電波を用いて、一般の人々=公衆(public)に無料で提供されているものである」という事実
  2. 利用の非営利性、すなわち、「家庭でのビデオ録画は営業目的のものではなく、非営利な私的目的のためのものである」という事実
  3. テレビ放送番組を録画して放送時間帯に縛られずに個人が自分の好きな時間にテレビ放送番組を視聴する行為は、「ビデオ・コンテンツに関する著作権者の潜在的市場を減少させるのかどうか?」、「ビデオ・コンテンツの価値を損ない、低下させるものであるのかどうか?」という問題(アメリカでは第二審は潜在的市場の減少を認めたが、第一審および第三審は潜在的市場の減少や著作物の価値の低下を認めなかった。)
 
 
 
ビデオソフトに関する物理的メディアの歴史的推移
 動画ニーズに関わる製品は、ビデオソフトに関してはVTR → DVD →ブルーレイディスクというように、より技術的性能の高い製品への世代交代が比較的スムーズに進んだ。(下記の図1,図2参照)
図1 日本におけるビデオソフトのメディア別売上数量の推移1978-2020
 
図2 日本におけるビデオソフトのメディア別売上金額の推移1978-2020
 
 ビデオソフトの動画ニーズに関わる製品イノベーションは、レンタル店用ビデオソフトに関してはVTR → DVDまではより技術的性能の高い製品への世代交代がスムーズに進んだが、ブルーレイディスクはDVDに取って代わることができなかった。
 
図3 日本におけるビデオソフトの販売用およびレンタル用のメディア別売上金額の推移1991-2020
(左図は販売用ビデオソフト、右図はレンタル用ビデオソフト)
 
 レンタルビデオ市場においてブルーレイディスクがDVDに取って代わることができなかったというこの後者の現象も、ある意味で「技術のロックイン」現象である。このように販売用とレンタルビデオ店用で異なる結果になったということは、ビデオソフトがFAXのような「ネットワーク外部性に関するバンドワゴン効果」には従っていないことを暗に示すものである。
ビデオソフトの場合には、ビデオソフト、そのビデオソフトを再生する装置、レンタルビデオ店数との間に存在する相互補完性に関するバンドワゴン効果によってそのイノベーション・プロセスが規定されているのである
 
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