http://sts.kahaku.go.jp/diversity/document/system/pdf/033.pdf
本報告書では下記のように5つに時期区分をしている。
第Ⅱ期(1937~1951年)合成洗剤の黎明期
第Ⅲ期(1951~1966年)合成洗剤の普及期
第Ⅳ期(1966~1987年)合成洗剤の環境対応期
第Ⅴ期(1987~1996年)合成洗剤のコンパクト化・成熟期
https://diamond.jp/articles/-/77216
P&Gによれば、市場投入から1年で、市場シェア8%に達する「予測を大きく上回る大ヒット」となった製品である。
P&Gによれば、そのようにヒットした理由は「水溶性のフィルムに洗濯1回分のジェル状洗剤を密封することで計量の手間を省いた手軽さ」と「高い洗浄力」にある。
ただし花王やライオンも以前にジェルボールと類似の製品開発コンセプトに基づく水溶性のシート型やタブレット型の製品を市場投入したが、結局のところ失敗した。
そうした失敗の経験から、「洗濯物の量で、洗剤の量も節約しがちな日本の主婦の間で、分量の調整ができないジェルボール型が主流になるとは考えにくい。今の勢いは一時の流行で、そろそろ頭打ち」であるとする見方も強い。
福島久美子、池原照雄(2015)「欧米発のジェル状洗剤 ー 難題は日本の洗濯環境」WEDGE Infinity>ヒットメーカーの舞台裏、2015年5月5日
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4937
池原照雄 (ジャーナリスト)
P&Gで日本およびアジア向け製品の開発責任者を務める研究開発本部シニアサイエンティストの福島久美子氏によると、「日本の洗濯は欧米に比べ、水温の低さや洗濯時間の短さなど、洗剤にとっての条件は厳しい」とのことである。すなわち、ヨーロッパでは温水を使うのが一般的で平均水温は約40℃、洗う時間は平均60分であるのに対して、日本では水温の低い水道水を使うのが普通で、洗う時間も平均8分と短い。
こうした欧米と日本による洗濯の条件の違いのため、製品化で先行した欧米のジェルボール製品を日本にそのまま投入することはできなかった。低水温で洗濯時間が短い日本では、洗剤を包むフィルムが十分に溶けないといったような不具合の克服が必要となった。P&Gはそのために4年にわたる試行錯誤を続けてようやく日本での製品化にこぎつけた。
「1億個売れた新型洗剤 「精神的な時短」がヒットの鍵」(特集 人気「時短」商品 ヒットへのアプローチ 中編)『日経トレンディネット』2017/11/12
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO22783870X21C17A0000000/
井上佐保子8(2017)「業務を曜日で分別管理!「アリエールパワージェルボール」開発者の手帳拝見」『PRESIDENT』2015年2月2日号、President online, 2015.7.24
https://president.jp/articles/-/15727
発明協会HOME > イノベーション100選 > 安定成長期 > 酵素入りコンパクト洗剤(アタック)
藤原雅俊、武石彰(2004)「花王 酵素入りコンパクト洗剤「アタック」」一橋大学21世紀COEプログラム「知識・企業・イノベーションのダイナミクス」大河内賞ケース研究プロジェクト(一橋大学イノベーション研究センター)、CASE#04-13
http://sts.kahaku.go.jp/diversity/document/system/pdf/033.pdf
佐々木麻紀子(2016)「最近の洗濯用洗剤−家庭洗濯の視点から−」(特集:洗たくの科学,最前線1)『日本衣服学会誌』59(2), pp.53-56
https://www.jstage.jst.go.jp/article/clothingresearch/59/2/59_53/_pdf
山田勲(2015)「衣料用洗剤の進化とその成分について」未来洗浄研究会セミナー 2021.5.24 配布資料
https://www.futurewashing.org/pdf/20210524_3.pdf