課題レポート作成・提出に関わる注意事項

教員としては、いわゆる「守破離」といった考え方に基づいて、皆さんが卒業論文やレポートを作成していただければと考えています。

すなわち、元となる素材もアイデアも何もない中から、課題レポートを作成することは困難ですし、効率的でもありません。課題レポートのもととなる素材やアイデアのすべてを自分で作成・用意することも現実的には不可能なことです。他の人や企業がすでにおこなった調査・研究の成果を、課題レポートのためのネタ元(素材)として積極的に使うことは良い課題レポートを作成するのに有用ですし、必要不可欠なことです。

ただし自分の知的能力を高めるためには「課題レポートの文章のoriginが自分である」というoriginalityが決定的に重要です。他人の文章をコピペするということは、いわば「知的窃盗行為」(知的犯罪)であると同時に、自分の知的能力を無にする「知的自殺行為」です。

 
それゆえ課題レポート作成に当たっては、下記の注意事項を絶対に守ってください。
 
  1. 日本語版Wikipediaや、まとめサイトなどの記述だけを見て課題レポートを作成するような手抜きは絶対にしないこと。
  2. そのような行為は、卒論やレポートの作成を課題としてこなすことの教育的意味を損なうものとして知的自殺行為です。そうしたことは社会のAI化イノベーションの中でたくましく生き抜くために必要な自分の能力を伸ばすことにつながらず、単なる時間の無駄です。
    課題レポートの作成に際して、まとめサイト、教えてサイトやウィキペディアなどに類いするWEBサイトの記述を参照することそれ自体はレポート作成時間の短縮のためにも有用ですので構いません。しかしながらそのようにした場合には、そうしたWEBサイトの記述が参照している元のWEBページや文献資料を必ず読んでください。またまとめサイト、教えてサイトは原則として参考資料としては挙げず、それらのサイトが参照している元のWEBページや文献資料を参考資料として挙げるようにして下さい。
     
  3. 引用文献や参考文献は可能な限りネタ元を探して、ネタ元に基づいて記述を行うこと
  4. 自分が利用使用している文献やWEBページが他の文献やWEBページに基づいた記述である場合には、可能な限り、オリジナルの文献やWEBページを探し出して、それに基づく記述にしてください。
     前述のWikipediaやまとめサイトの記述に限らず、信頼できるWEBニュース記事、政府等の白書・報告書、あるいは、学術論文の場合であっても、引用元を見ずに引用の孫引きで終わらせるような手抜き行為は絶対にしないでください。
    伝言ゲームなどでお分かりのように、他者の引用や孫引きを利用して文章を書くと、内容がどうしても不正確になります。また他者の引用だけでは、自分が知りたいことや内容記述に際して必要不可欠な事項が書かれていないことも多いので、オリジナルに当たることが絶対に必要です。
     
  5. 課題レポート作成に際しては、日本語版Wikipediaやまとめサイト以外に、5つ以上の参考資料[originalのWEBページまたは文献資料]を必ず参照すること。
    なお参考資料の中には、下記に例示した「pdfタイプのまとまった資料」、または、「当該論点に関して数多くの資料に基づいて論じている学術的WEBページ」のいずれかを必ず1つ以上含むこと。
  6.  
     
  7. 参考資料の記載に際しては、Who, When, What, Whereという4つの情報、すなわち、Who(書いたのは誰か?著者・執筆者は誰か?あるいはどの企業・組織か?)、When(いつ書かれたのか?いつ発表または作成されたのか?)、What(タイトルは何か?)、Where(資料の掲載場所はどこか?どこの出版社なのか?どの雑誌なのか?URLアドレスは何か?)という4つの情報を必ず盛り込んでおくこと
  8. 詳しくは、佐野正博(2021)「参考資料の記載方法(詳細版)」sanosemi.info、2021年4月26日を参照の上、記載を行ってください。
カテゴリー: 論文作成法 パーマリンク