課題 — アナログカメラからデジタルカメラへの製品イノベーションの社会的普及のあり方の分析
下記のグラフのように、デジタルカメラの総出荷台数のピーク値(2010年に12,146万台)が、アナログカメラの総出荷台数のピーク値(1997年に3,667万台)の約3.3倍と高くなっている。
しかも製品の出荷単価はデジタルカメラの方(2010年に1.4万円)がアナログカメラ(1997年に1.0万円)よりも40%も高いにも関わらず、出荷台数が3.3倍も高い。
しかも製品の出荷単価はデジタルカメラの方(2010年に1.4万円)がアナログカメラ(1997年に1.0万円)よりも40%も高いにも関わらず、出荷台数が3.3倍も高い。
このように、「製品の出荷単価が40%も高いにも関わらず、出荷台数が3.3倍にもなっている」ということは一見したところ奇妙な現象である。
こうした現象に関して、下記の補足的指示、補足的説明、補足資料を参考にしながら、「製品本体とその補完財製品で構成される製品システム」および「TCO」(Total Cost of Ownership)という視点から分析しなさい。
[補足的指示]
TCOは、イニシャルコスト、ランニングコスト、廃棄コストに大別できる。しかしながら、授業ではイニシャルコストに関しては製品単価という要因だけを、ランニングコストとしてはフィルム代金(フィルム購入代金、フィルム現像代金、フィルムプリント代金)だけを取り上げた。「廃棄コストなど他の要因としては何があるのか?」、「なぜそうした他の要因を無視したのか?」を論じなさい。
[補足的説明 — 製品システム]
アナログカメラを中心とする製品システム(アナログカメラ・システム)と、デジタルカメラを中心とする製品システム(デジタルカメラ・システム)の構成は下記のようになっている。
製品システム | 製品本体 | 補完財製品 |
アナログカメラ・システム | アナログカメラ | フィルム |
デジタルカメラ・システム | デジタルカメラ | 半導体メモリ |
[補足的資料 — フィルムの料金]
ヨドバシカメラ(2002)「ISO100以下(35ミリネガ)」
http://web.archive.org/web/20020228102825/http://www7.yodobashi.com/shopping/productslist.jsp?oid=446
http://web.archive.org/web/20020228102825/http://www7.yodobashi.com/shopping/productslist.jsp?oid=446
[補足的資料 — フィルムの現像料金、プリント料金]
[補足的資料 — TCOに関する解説WEBページ]
[資料 — カメラの出荷統計]
カメラの出荷台数、出荷金額、出荷単価の歴史的推移1951-2020のエクセル・ファイル
[数値の出典]カメラ映像機器工業会(2021)「カメラ・交換レンズの総出荷」
https://www.cipa.jp/stats/documents/common/cr200.pdf
図1 カメラの出荷台数の歴史的推移1951-2020(単位:万台)
図2 カメラの出荷金額の歴史的推移1951-2020(単位:億円)
図3 カメラの出荷単価の歴史的推移1951-2020(単位:万円/台)