イノベーションのライフサイクル論としての、アッターバックのドミナントデザイン論

イノベーションのライフサイクル論としての、アッターバックのドミナントデザイン論
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[図の出典]Utterback, J.M., Abernathy, W.J. (1975) “A Dynamic Model of Process and Product Innovation,” OMEGA: The International Journal of Management of Science, Vol.3, No.6, p.645
Utterback, J.M. (1996) Mastering the Dynamics of Innovation, Harvard Business School Press,p.xviiの図1は上記の図を簡略化したものであると同時に、時期区分に関する用語が異なる。
Utterback and Abernathy(1975)では、p.656で詳しく論じているように、StageI,II,IIIという名称が使われている。
Stage I: uncoordinated process, product performance-maximizing strategy
Stage II: segmental process, sales-maximizing strategy
Stage III: systemic process, cost-minimizing strategy
Utterback(1996)では、Fluid phase, Trasitional pahse, Specific phaseという語句が使われている。これはdominant designとの関係で時期区分をしたものである。すなわち、dominant designの成立前をFluid phase、市場でdominant designが形成されつつある時期をTrasitional phase、市場でdominantなdesignが確固たる地位を築いた時期をSpecific phaseとしている。
これを市場のライフサイクルに当てはめると、Stage I (Fluid phase)が市場形成期、Stage II (Trasitional pahse)が市場成長期、Stage III (Specific phase)が市場成熟期に相当するものと考えられる。
 
今回の授業で特に取り上げたのは、下記のような特徴である。そしてこのことをPorterの基本戦略(generic strategies)と関連づけて論じた。
市場形成期 — product innovationが最も活発
市場成熟期 — process innovationが相対的に盛ん
 
カテゴリー: dominant design, イノベーション論, プロセス・イノベーション, プロダクト・イノベーション パーマリンク