コーヒー

コーヒーに関わる革新(Neuerung)の歴史
コーヒー・ブームの歴史
「日本の「コーヒーイノベーション」が止まらない レジェンド菅野眞博がその理由を語る」『BUSINESS TIMELINE』 Vol.40では、菅野眞博(ドトールコーヒー常務取締役、日本スペシャルティコーヒー協会理事)氏がコーヒーの歴史的ブームを次の4つに分けている。(引用に際して、一部表現を変更してある)

1.ファーストウェーブ:19世紀後半〜 コーヒーの大衆化による大量消費の開始
2.セカンドウェーブ:1960年~ アメリカのシアトル系チェーン店の広がり
3.サードウェーブ:1990年〜 スペシャルティコーヒーの台頭
4.フォースウェーブ:2018年〜 高品質なコーヒーを自宅で飲む?
https://businesstimeline.jp/contents/tieup/244

 
コーヒーの販売形態に関するイノベーションの歴史
世界最初の缶コーヒー 1969年UCC
 
コーヒー豆の焙煎技術に関するイノベーションの歴史
UCC「アロマフリージング製法」(特許3617906号)[焙煎直後の炒り豆をマイナス2℃の冷気で急速冷却し、焙煎したての香気成分を封じ込める焙煎システム]
 
コーヒー豆の焙煎技術に関するイノベーションの歴史
缶コーヒーにも香り高くキレのよい味わいを実現した「TTND製法(特許3057026号)」
「単品焙煎」

[参考WEBページ]
「メーカー各社が独自のこだわり、缶コーヒーの製法」Livedoor News, 2012年3月20日
http://news.livedoor.com/article/detail/6385259/

 
缶コーヒーの製造技術・製造方法(製法)に関するイノベーションの歴史
UCC「スーパーアロマ製法」(1996)

 
コーヒー豆販売時の包装技術に関するイノベーションの歴史
真空パック(世界××年、日本UCC 1970年)
 
コーヒー関係の統計資料
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洗剤のイノベーション

洗剤に関する技術的イノベーションの歴史
中曽根弓夫(2007)「石鹸・合成洗剤の技術発展の系統化調査」『国立科学博物館技術の系統化調査報告』Vol.9、57pp.
http://sts.kahaku.go.jp/diversity/document/system/pdf/033.pdf

衣料用洗剤の技術的イノベーションの展開に関して、日本における最初の民間の石鹸製造所の開業(1873年)から、現在のコンパクト洗剤が普及し、成熟期を迎えた1996年頃までの約120年間を取り扱った報告書。
本報告書では下記のように5つに時期区分をしている。

第Ⅰ期(1873~1937年)石鹸時代
第Ⅱ期(1937~1951年)合成洗剤の黎明期
第Ⅲ期(1951~1966年)合成洗剤の普及期
第Ⅳ期(1966~1987年)合成洗剤の環境対応期
第Ⅴ期(1987~1996年)合成洗剤のコンパクト化・成熟期
 
P&Gのジェルボール
 
アタック
 
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清涼飲料水に関するデータ - イノベーションを論じるための基本的素材

 
清涼飲料水の定義・分類・製品特性などの視点が参考になる。また、清涼飲料水の市場成長 ( ‘8 6 – ‘0 8 )、近年のミネラルウォーター生産量の推移に関するデータをさらに最近のものにまで拡張して調べることも有意義である。
 
「1. 清涼飲料って何?」のような視点が参考になる。
 

小川長(2011)「清涼飲料市場にみるコモディティ化とマーケティング戦略」『尾道大学経済情報論集』11(2),pp.111-151
http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/onomichi-u/metadata/10012

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インターネット関連の技術革新にともなう広告市場におけるイノベーション(2018)

下記課題のpdfファイルは下記からダウンロードできる。
http://www.sanosemi.com/sanosemi/2014-06-11-3nen.pdf

参考となる統計データは下記から入手できる。
http://sanosemi.info/archives/category/統計データ

innovationに関する事例研究は、「個別製品」レベルだけでなく、「製品セグメント」・「市場セグメント」レベルで考察することもできる。ここでは、技術的イノベーション(技術革新)を契機とした広告市場のイノベーション問題を取り扱う。
 
インターネット関連の技術革新にともなう広告市場におけるイノベーション
 
問1 下記文章は2014年6月11日のゼミ課題である。下記文章を現時点にあうように書き変えなさい。
問2 インターネット関連の技術革新にともなう広告市場におけるイノベーションに関して、下記で挙げられている以外の問題文を考え出しなさい。
問3 問1、問2で求められた変更をおこなった後の文章に基づいて、レポートを作成しなさい。


———— 以下 2014年6月11日のゼミ課題 ————-
 1990年代後半期以降の日本におけるWWW、ネット検索エンジン、ADSL、光ケーブル、PCサーバーなどインターネット関連技術のイノベーションの進展を受けて、広告という製品セグメントにおける内部構成は下記の図1「日本の広告市場の歴史的推移1996-2013」に示したように大きく変化した。

CM01
[データの出典]

電通(2014) 「2013年 日本の広告費」は5兆9,762億円、前年比101.4%― 総広告費は2年連続で増加、成長軌道へ」電通2014年2月20日付けニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2014014-0220.pdf
テレビ広告費:全国民間放送の電波料および番組制作費とテレビCM制作費
インターネット広告費:インターネットサイトやアプリ上の広告掲載費および広告制作費(バナー広告等の制作費および企業ホームページの内、商品/サービス・キャンペーン関連の制作費)
新聞広告費:全国日刊紙、業界紙の広告料および新聞広告制作費
 

 インターネットの社会的普及にともない、インターネット広告が20世紀末から急激に伸びた。20世紀末の2000年には590億円という市場規模であったものが、2009年には2000年の約12倍の7,069億円となって新聞広告を抜き、2013年には2000年の約16倍の9,381億円となり新聞広告市場の約1.5倍の規模となったのである。
 こうしたインターネット広告市場の成長は、以前から存在する「広告」製品サブセグメントである新聞広告やテレビ広告に打撃を与えた。

 新聞広告市場は1990年代後半期には約1兆2千億円であったのが、最近は約1/2にまで落ち込んだ。またテレビ広告市場は新聞広告市場ほどではないにしろ、1990年代後半期には約2兆円であったのが最近は1兆7千億円台と約2千億円の落ち込みを記録している。
 新聞広告とテレビ広告という二つの製品サブセグメントを合わせた減少分は約8千億円を超える大きさとなっている。

こうした広告市場セグメントの内部構成の変化に関して、下記に挙げた問いの一つまたはいくつかを取り上げてミニレポートを作成して下さい。

(1) インターネットの1990年代以降における社会的普及はデータ的にどのようなものであったか? インターネットの社会的普及が進んだ技術的理由や技術的要因、あるいは、社会的理由や社会的要因としてはどのようなものがあるのかを考察しなさい。

(2) 1990年代以降におけるテレビの視聴時間の変化はデータ的にどのようなものであったのか? できれば、年代別、性別、年収別のデータも調べなさい。さらにまた、そうした変化が起きた理由にはどのようなものがあるのかを考察しなさい。

(3) 1990年代以降における新聞の購読時間の変化はデータ的にどのようなものであったのか? できれば、年代別、性別、年収別のデータも調べなさい。さらにまた、そうした変化が起きた理由にはどのようなものがあるのかを考察しなさい。

(4) 1990年代以降におけるインターネットの利用時間の変化はデータ的にどのようなものであったのか? できれば、年代別、性別、年収別のデータも調べなさい。さらにまた、そうした変化が起きた理由にはどのようなものがあるのかを考察しなさい。

(5) 新聞広告の市場規模が約1/2になったことに関して、「新聞社はその事態についてどのようなことを述べているのか?」「新聞社はその事態に対応してどのように対処しようとしているのか?」「新聞社の収益構造との関係で、広告収入の減少の持つ影響・意味はどのようなものなのか?」を調べなさい。
 なおレポートに際しては新聞業界全体を対象として論じても構わないし、特定の企業(例えば、朝日新聞社、読売新聞社など)だけを取り上げて論じても構わない。

(6) インターネット広告市場の拡大という現在の状態に対して、新聞社はどのように対応するのが最も適切と考えられるのかを論じなさい。

(7)  テレビ広告市場は新聞広告市場ほどではないにしろ、1990年代後半期には約2兆円であったのが最近は1兆7千億円台と2千~3千億円の落ち込みを記録していることに関して、「テレビ局はその事態についてどのようなことを述べているのか?」「テレビ局はその事態に対応してどのように対処しようとしているのか?」「テレビ局の収益構造との関係で、広告収入の減少の持つ影響・意味はどのようなものなのか?」を調べなさい。
 なおレポートに際してはテレビ局業界全体を対象として論じても構わないし、特定の企業(例えば、日本テレビ、フジテレビなど)だけを取り上げて論じても構わない。

(8) インターネット広告市場の拡大という現在の状態に対して、テレビ局はどのように対応するのが最も適切と考えられるのかを論じなさい。なおその際には、自分の推測の根拠を分かりやすく説明しなさい。

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洗濯機のイノベーション

大西正幸(2011)「洗濯機技術発展の系統化調査」『国立科学博物館 技術の系統化調査 第16集』pp.147-226
http://sts.kahaku.go.jp/diversity/document/system/pdf/068.pdf

岩下繁昭(2018)「洗濯機100年のイノベーション史」
http://www.monotsukuri.net/washing.pdf

東芝「東芝電気洗濯機75年の歩み」東芝ライフスタイル > 家電製品 Toshiba Living Doors > 東芝家電75周年記念商品について
https://www.toshiba-lifestyle.co.jp/living/exhibition/history/laundry.htm

「家電の昭和史 洗濯機編 昭和20年~60年代」家電月報『ALLE』2007年1月・3月号掲載
http://www.kdb.or.jp/syouwasisentakuki.html
[家電月報『ALLE』2006年5月号~2010年2月号に「家電の昭和史」シリーズが掲載されている。本稿はその中の一つである。]

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自動車の自動運転というイノベーション(2018.10.01)

自動車の自動運転というイノベーションに関わる問題
  1. 自動運転車の定義は何か?(レベル1~レベル5)
  2. 自動運転車のneedsは何か?(自動運転車はどのような必要性[necessity]に応えようとするものなのか?自動運転車の有用性[usefulness]は何か?自動運転車に対するwantsを持つ顧客はどのような顧客なのか?自動運転車を購入する顧客はどのような顧客なのか?)
  3. 自動運転車のseedsは何か?(自動運転車の実現に必要な技術的seedsは何か?)
  4. 自動運転車の社会的普及を妨げている法的規制は何か?を促進する法的規制は何か?(レベル1~レベル5というレベル区分との関連で論じること)
  5. 自動運転車の実現に向けて各国政府はどのような対応をしているのか?(たとえば日本政府は何をしているのか?)
 
自動車の自動運転に関わる文書
 
自動車の自動運転というイノベーションを促進するための背景的要素
日本政府ほかの政策的対応
2013年3月 世界最先端IT国家創造宣言
2013年10月 「運転支援システム高度化計画」(省庁連絡会議)
2014年6月 「官民 ITS 構想・ロードマップ」
2015年6月 「官民 ITS 構想・ロードマップ2015」
2016年5月 「官民 ITS 構想・ロードマップ2016」
2017年5月 「官民 ITS 構想・ロードマップ2017」
2018年6月 「官民 ITS 構想・ロードマップ2018」

関連研究会
 
[参考資料]

 
自動車の自動運転に関するneeds-seeds視点からの考察
1.自動車の自動運転に関する顧客視点から見たneeds(自動運転の必要性・有用性、自動運転車に対する市場ニーズ)
  1. 運転手のヒューマンエラー[人間の判断ミス・反応ミスによる運転ミス、酒酔い運転、脇見運転、居眠り、突然死、認知症]による交通事故の防止
  2. 運転経路や運転操作のシステム的最適化による渋滞の緩和・温暖化ガス排出量の削減
  3. バス・鉄道などの公共交通システムの維持が困難な過疎地における交通システムとしての自動運転
  4. 営業マン等の運転操作からの解放による労働生産性の向上
 
2.自動車の自動運転に関するseedsー自動運転車メーカー視点から見た自動運転を可能にするための技術的needs
  1. GPS精度の向上
  2. アダプティブクルーズコントロール(Adaptive Cruise Control,ACC, 定速走行・車間距離制御装置)機能
  3. 速度標識の認識
  4. 衝突等の危険を予測しての停車
  5. レーンに添っての自動走行
  6. 駐車場や自宅ガレージでの自動駐車機能

[参考資料]
日本自動車工業会「ACCとは」
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/asv_cg/acc/about_acc/

 
自動運転車イノベーションに関する既存自動車メーカーの戦略的対応 vs 新規参入メーカーの戦略的対応
[佐野ゼミミニレポート用課題]
上記記事などを参考にしながら、自動運転車のイノベーションによって自動車業界の構造がどのように変化すると予想されているのかをまとめなさい。
 
自動運転に対する既存自動車メーカーの対応
[佐野ゼミミニレポート用課題]
上記記事などを参考にしながら、既存自動車メーカーにおける自動運転車への取り組みについて、企業別にまとめなさい。
 
自動運転に対する新興電気自動車メーカー・テスラの対応
[佐野ゼミミニレポート用課題]
上記記事などを参考にしながら、電気自動車メーカー・テスラにおける自動運転車への取り組みについて、企業別にまとめなさい。
 
自動運転車に関するグーグルの取り組み
 
自動運転車のイノベーションに対する日本政府の取り組み
 
自動運転車の補完財としてのデジタル地図
 
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Google map

河合敬一(2014)「「世界を少し近づけた」 Googleマップ、10年間の進化の過程を振り返る」(Softbank World > Softbank World 2014 > 河合敬一・Google Maps for Business)logmi HOME>ビジネス
https://logmi.jp/26391

河合敬一(2014)「流されてしまった思い出を残したい–Googleマップの「タイムマシン機能」は震災後の日本で始まった」(Softbank World > Softbank World 2014 > 河合敬一・Google Maps for Business)logmi HOME>ビジネス
https://logmi.jp/26491

河合敬一:Google Inc. プロダクトマネージャー(当時)

小山未来(2017)「「図解で見る」Googleマップの歴史」Wrapニュース ホーム > 特集・連載 > VR ビジネス > 「図解で見る」Googleマップの歴史2017.02.01
https://wrap-vr.com/archives/2831

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就職活動(就活)に関わる「イノベーション」- AI技術の活用

河鐘基(2018)「迫る就活解禁日 世界で進む「AI面接」の進化」Forbes Japan,2018/05/17 12:30

https://forbesjapan.com/articles/detail/21064

SHain
https://www.taleasse.co.jp/shain/
Strategic Hiring AI Navigatorの略語としての、SHainという会社名

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NFCの論じ方 – 要素技術的イノベーションと事業ドメイン

モバイル決済事業における二つの技術的方式


 NFC利用型決済 vs アプリ利用型決済

野村総合研究所金融ITナビゲーション推進部(2016)「モバイルペイメントの実現方式をめぐる動向」『金融ITフォーカス』2016年8月号, pp.16-17
https://www.nri.com/~/media/PDF/jp/opinion/teiki/kinyu_itf/2016/itf_201608_8.pdf

「NFC」の規格は大きく分けると「NFC Type A」、「NFC Type B」、「NFC Type F(FeliCaチップ対応)の3つの規格に分類されます。

https://www.nri.com/jp/opinion/it_solution/2010/pdf/ITSF101004.pdf
NFCは、ソニーとNXP. Semiconductors社によって開発された、IC. タグなども含む汎用的な無線通信規格
ISO 18092として標準化

野村総合研究所 金融ITナビゲーション推進部(2012)「金融機関におけるNFC活用の方向性」『金融ITフォーカス』2016年8月号, pp.16-17
https://www.nri.com/jp/opinion/kinyu_itf/2012/pdf/itf_201205_6.pdf

凸版印刷(2012)「NFC市場動向と広告への展開」AFRA技術開発委員会情報交換会資料
https://www.j-jafra.jp/new/pdf/theme2.pdf

p.3のようなNFCの用途別分類、p.4のようなNFCとFelica他との技術的関係、p.5のようなNFCとおサイフケータイとの比較などを自分で考える
pp.8-9,p.21のデータを最新版に更新すること
p.8のように、Apple Payのような全世界的な展開だけでなく、ローカルな試みの最近の展開も取り上げることができればしたほうが良い(こちらはできればで構わない)
p.9のように、NFC関連諸規格についてタイプ別普及度合いに関して最新のデータを調べておくこと(こちらは必須)
p、12のように、スマホへのNFC搭載比率の推移データを調べること(NFCモバイル端末は011年末に商用化された)
野村総合研究所 金融ITナビゲーション推進部「NFCで実現する新ビジネスの可能性」

https://www.nri.com/jp/event/mediaforum/2012/pdf/forum183_2.pdf

2013/10/03 – ITロードマップセミナー AUTUMN 2012. NFCで実現する新ビジネスの可能性. オンラインとオフラインの融合を加速する新技術への期待. ~オンラインとオフラインの融合を加速する新技術への期待~. 2012年11月27日. 野村総合研究所 情報技術本部.

「モバイル決済におけるIT活用動向」2014年5月27日

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発見(discovery)と発明(invention) - イノベーション(innovation)遂行に必要な諸要素

Innovation 遂行に必要な諸要素
 
1.Innovation 遂行に必要な諸要素として、発見と発明を取り上げる理由
科学、技術、ビジネスの区別 ー「科学」活動、「技術」活動、「ビジネス」活動の区別のために必要な概念としての、発見と発明
「アイデア」と「アイデアに基づいて創られたもの」の区別を前提として、Innovationプロセスの構造的諸要素を理解することが必要
 
2.innovation 遂行に必要な構造的諸要素
1) 発見
2) 技術的アイデア(特許etc)
3) 発明品
4) 製品(実用品)

上記の諸要素は、Innovationに関するリニア・モデルのように時間的に直線的に進行する場合もあれば、Innovationに関する3 Klein=Rosenbergによる連鎖モデルのように時間的な前後関係にはなく複雑に絡み合いながら進行する場合もある。

<参考>
リニア・モデルを主張した最初の文献と一般にされている文献:Bush, V. (1945) Science: The endless frontier, United States Government Printing Office, Reprinted July 1960, National Science Foundation
Klein=Rosenbergによる連鎖モデル:Klein,S.J. and Nathan Rosenberg(1986) “An Overview of Innovation” in Landau,R., Rosenberg,N.(eds.) The Positive Sum Strategy:Harnessing Technology for Economic Growth, National Academy Press, p.290.

 
3.よりよく理解するための問題
問1 授業中になされた「発見」と「発明」の区別に関する説明をわかりやすい文章にしなさい。(2点)
 
問2 イノベーションを最初に技術革新と等値したのは、経済企画庁編(1956)『昭和31年度経済白書:日本経済の成長と近代化』至誠堂である。そこでは、「原子力の平和的利用とオートメイションによって代表される技術革新(イノベーション)」というような表現がある。
 原子力発電所が、「原子力の平和的利用」の代表的なproductであり、その当時は原子力のそうした利用により産業革命が引き起こされるとされ、「技術革新のための新投資の対象」である、と考えられていた。
 原子力発電所というproduct innovationと関連する「発見」を1個以上挙げなさい。ただし最大で5個までのみ採点対象とする。 (各発見ごとに1点)
 
問3 授業では、英語のinventionという単語が、「新しい技術的アイデアの創造」という意味と、「新しい技術的発明品の創造」という二つの意味を持っていることを指摘した。「新しい技術的アイデアの創造」と「新しい技術的発明品の創造」を区別することが有用な例を一つあげ、下記のような形で論じなさい。
 
 1932年のチャドウィック(James Chadwick, 1891-1974)による中性子発見を契機として、原子の質量をエネルギーに人為的に転換するための技術的手段およびメカニズムが徐々に明確になっていた。
 まず最初にシラード(Leo Szilard,1898–1964)が1933年に「連鎖的核分裂反応」(nuclear chain reaction)概念という技術的アイデアを提唱するとともに、1934年には連鎖的核分裂反応という技術的アイデアの用途に関する特許を出願している。すなわちシラードは同特許の1934年6月28日出願時のProvisional Specification No.19157の7行目から13行目において「この発明の対象は、放射性物質を生産すること、放射性物質の生産によってエネルギーを貯蔵すること、動力生産(power production)や他の目的のために原子核変換(nuclear transmutation)によって核エネルギーを解放させることである」と記すとともに、中性子による原子核変換の連鎖反応(chain reaction)によってエネルギーを取り出す装置の可能性を提示している。なお1934年7月4日修正のProvisional Specification No.19721では発明内容の順番が変更され、動力生産が最初に挙げられている。
 このようにシラードは「原子核に中性子を衝突させることで連鎖的核分裂反応を引き起こして動力を生み出すこと」に関する英国への出願特許という技術的アイデアを1934年6月には提示しているが、実際に「原子核に中性子を衝突させることで連鎖的核分裂反応を引き起こして動力を生み出すこと」ができる技術的可能性の実験的確認でさえ、1942年12月2日のフェルミらによるシカゴ・パイル1号原子炉による臨界の実現と8年後である。
 次に1951年には実験炉EBR-Iという実験炉(発電が実際に可能であるかどうかを実験的に調べるための原子炉)が発電容量も1kWと極めて小さいが、原子力発電を実際におこなった。世界最初の実用的な原子力発電所は、1954年6月に運転を開始したソビエト連邦のオブニンスク原子力発電所と言われている。これ以後、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、ノルウェーなどで原子炉が続々とつくられた。
 このようにシラードによる連鎖的核分裂反応を利用した動力生産という「技術的アイデア」)の提示(1934年年6月)から、実際に連鎖的核分裂反応を利用した動力生産をおこなう実用的な原子力発電所という「発明品」・「製品」であるソビエト連邦のオブニンスク原子力発電所の出現(1954年6月)までは20年もの期間がかかっている。

 こうしたウランの核分裂現象を利用した発明品に基づいて製造されたProductが、原子爆弾や原子力発電所である。

参考資料
「シラードによる原子核分裂の連鎖反応に関するイギリスでの特許630,726号(1934年6月28日出願) ”Improvements in or relating to the transmutation of chemical elements”」
http://worldwide.espacenet.com/publicationDetails/biblio?CC=GB&NR=630726

 
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