レビットの「マーケティング近視眼」問題

  1. セオドア・レビット(Theodore Levitt)によれば、企業は、Productよりも、Needsの方をより重要視すべきである。すなわち、企業は、自らが顧客に現に提供している<製品>それ自体よりも、製品が充足している<顧客ニーズ>の方をより重要視すべきである。
     言い換えれば、「顧客に現にどのような製品(あるいはサービス)を提供するのか?」や「将来的にどのような製品(あるいはサービス)を提供するのか?」という企業活動のドメイン(対象領域)設定に際して、<製品>レベルに留まって定義することは適切ではない。製品(あるいはサービス)が充足する<顧客ニーズ>レベルにまで降りてドメインを設定すべきである、とレビットは主張している。

     企業活動のドメイン(対象領域)を 「製品」(あるいはサービス)レベルで定義することは、ドメインの物理的定義と呼ばれている。これに対して、企業活動のドメイン(対象領域)を 「製品」(あるいはサービス)が充足する<顧客ニーズ>レベルで定義することは、ドメインの機能的定義と呼ばれている。

  2. レビットは、物理的定義のレベルでのみドメイン設定を考えることを、「マーケティング近視眼」(Marketing Myopia)と呼んだ。
    レビットは下記のように、19世紀後半~20世紀前半期のアメリカの鉄道企業は、自社の事業ドメインを鉄道事業と捉えるという「マーケティング近視眼」に陥っていたために衰退したとしている。

    Levitt, T.(1960) “Marketing Myopia,” Harvard Business Review, July-Aug 2004.,p.138
    ”railroad executives seen themselves as being in the transportation business rather than the railroad business, they would have continued to grow. ”
    “The railroads did not stop growing because the need for passenger and freight transportation declined. That grew. The railroads are in trouble today not because that need was filled by others (cars, trucks, airplanes, and even telephones) but because it was not filled by the railroads themselves. They let others take customers away from them because they assumed themselves to be in the railroad business rather than in the transportation business. The reason they defined their industry incorrectly was that they were railroad oriented instead of transportation oriented; they were product oriented instead of customer oriented.”
     

    またレビットは、下記のように、20世紀中頃のアメリカのハリウッドの映画企業も「マーケティング近視眼」に陥っていた、としている。

    Levitt, T.(1960) “Marketing Myopia,” Harvard Business Review, July-Aug 2004,pp.138-139
    ” Hollywood barely escaped being totally ravished by television. Actually, all the established film companies went through drastic reorganizations. Some simply disappeared. All of them got into trouble not because of TV’s inroads but because of their own myopia. As with the railroads, Hollywood defined its business incorrectly. It thought it was in the movie business when it was actually in the entertainment business.”

     これはどういうことなのかを、動画ニーズの充足という視点から分かりやすく説明しなさい。

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佐野ゼミ2021年度入室試験問題

佐野ゼミでは2021年度2次入室試験において、「課題レポート」の提出を求めています。
なお提出物に基づいてZoomによるオンライン面接を実施します。オンライン面接日時は、受験者の方々にOh-o! Meijiの「お知らせ」機能を使って個別に連絡をします。
 
- 以下、佐野ゼミ2021年度入室試験のための課題 -
 
本WEBサイト内の下記WEBページに記載された問題の内のどれか一つを選択して、レポートを作成しなさい。なお下記のWEBページの中には複数の問題が記載されているものがありますが、レポート作成に際してはどれか一つだけを取り上げて書いて下さい。(字数は自由です)

  1. Facebook, Inc.のInnovationおよびFacebook, Inc.関連財務データ
    https://sanosemi.info/archives/4071

  2. 製品イノベーションの構造に関する needs,wants,demand視点からの考察
    https://sanosemi.info/archives/4143

  3. カラーテレビの普及
    https://sanosemi.info/archives/4145

  4. 任天堂DS
    https://sanosemi.info/archives/4281

  5. アナログカメラからデジタルカメラへの製品イノベーションの社会的普及のあり方に関するゼミ課題
    https://sanosemi.info/archives/3243
 
 
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2021年度情報公共論に関するQ&A

Q.こちらのアンケート等で出欠確認を行っているのでしょうか。アンケートに答えなくても出席扱いとなりますか。
A.「出席」という概念は、対面授業やリアルタイム配信型オンライン授業では問題となりますが、オンデマンド型オンライン授業では問題にならない、と考えています。
 出席という概念を拡張適用して考えれば、オンデマンド教材をきちんと視聴することがオンデマンド型オンライン授業における出席に相当することになります。

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NHKと「放送の公共性」

NHKは下記WEBページでは「電波は国民の共有財産であるということからすると、広い意味では民放も公共性があるということになります」というように民放にも公共性があるとしながらも、「公共放送とは営利を目的とせず、国家の統制からも自立して、公共の福祉のために行う放送」であるというように規定している。
 
 
NHKによるこうした規定に基づけば、公共放送であるための要素は下記の3つということになる。
 
1) 非営利性
2) 国家の統制からの自立
3) 公共の福祉への寄与
 
上記の3つの要素それぞれに関して、「NHKが本当にそうした要素規定をきちんと満たしているのか?」が下記のように問題となる。
 
  1. NHKは非営利性を強調しているが、NHKが受信者から強制的に徴収している受信料収入は、民放の上位3社のCM放送収入の合計を上回る巨額な金額である。そうした巨大な収入を持つにも関わらず、非営利性を強調することは不適切ではないのか?あるいは、非営利であることにどのような意味があるのか?
  2. 放送業務をおこなっている非営利の組織はNHKだけなのか?
  3. 公共の福祉への寄与は、NHK独自のことではなく、民放各局も同じではないのか?また民放は公共の福祉に寄与していないのか?
  4. 公共放送を支える資金源である受信料をNHKが独占しているのは適切なのか?NHK以外の放送業務をおこなっている非営利の組織(あるいは、放送業務を新規に開始したいと考えている非営利の組織)に対して、受信料を配分することがなされていないのは適切なのか?
  5. 国家の統制からの自立(の必要性)は、NHK独自のことではなく、民放各局も同じではないのか?また下記の問題にあるように、民放と比べてNHkが特に国家の統制からの自立をしているとは言えないのではないか?
  6. 国家の統制からの自立を強調しているが、NHKの報道は政府・与党からの干渉を受けていると批判されることも多いのではないか?例えば「2017年3月に森友学園問題を取り上げた際には、自殺した近畿財務局の職員にフレームアップしないよう、報道局長が強く求めた」(竹中明洋(2019))とされるし、最近では下記WEB記事のように、NHKの所管官庁である総務省の事務方トップ(「総務次官」)であった鈴木康雄・日本郵政上級副社長によるNHKへの「圧力」が問題になった。(日本郵政には、鈴木氏以外にも、総務省の元幹部が多数在籍している)
「国家の統制」・「政府・与党からの干渉」・「圧力団体」からのNHKの独立に関わる問題
 
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参考資料の記載方法(詳細版)

参考資料の出典表記に際しては、Who, When, What, Whereという4つの情報をその順に記載してください。具体的には、下記の4つの情報を、その順にきちんと記載しておくことが必要不可欠です。

 
1)「誰が著者なのか?」(個人名、集団名、組織名、企業名といった情報)
2) 「いつ発表(または作成)されたものなのか?」(本や報告書であれば出版年、雑誌記事であれば出版年と巻号、新聞記事・WEBニュース・プレスリリースであれば、発表年月日といった情報)
3) 「タイトルは何か?」(何についてのものなのか?)
4) 「どこで発表されたものなのか?」(本であれば出版社名、報告書であれば発行者名、雑誌であれば雑誌名、WEB資料であればURLといった情報)
 

下記に不適切な表記の例を挙げます。下記事例などを参考に記載をおこなって下さい。

 
不適切記載の修正例1
[修正前]
平野勇治(2013)「デジタル化は映画の革命?」(2013/1/16)
https://chuplus.jp/blog/article/detail.php?comment_id=746&comment_sub_id=0&category_id=245

   ↓
[修正後]
平野勇治(2013)「デジタル化は映画の革命?①」(平野勇治のミニシアターの映写室から)『中日新聞』2013年1月16日
https://plus.chunichi.co.jp/blog/hirano/article/245/746/
平野勇治(2013)「デジタル化は映画の革命?②」(平野勇治のミニシアターの映写室から)『中日新聞』2013年2月8日
https://plus.chunichi.co.jp/blog/hirano/article/245/814/
平野勇治(2013)「デジタル化は映画の革命?③」(平野勇治のミニシアターの映写室から)『中日新聞』2013年3月26日
https://plus.chunichi.co.jp/blog/hirano/article/245/975/

修正前の記載は、掲載メディアが『中日新聞』であることが明記されてはいない点、および、掲載日として2013/1/16だけでなく2013/2/8と2013/3/26が挙げられてはいない点で不充分でしたので、上記のような表記に訂正することが必要です。

 
不適切記載の修正例2
[修正前]
飯田陽一(2013)「航空機素材・製造技術の革新について」(2013/11)
https://www.cmi.iis.u-tokyo.ac.jp/event/20131112/20131112_03.pdf

   ↓
[修正後]
飯田陽一(2013)「航空機素材・製造技術の革新について」東京大学生産技術研究所開催シンポジウム「航空機製造技術の飛躍的な発展を目指して」講演資料、2013年年11月12日
https://www.cmi.iis.u-tokyo.ac.jp/event/20131112/event20131112.html
https://www.cmi.iis.u-tokyo.ac.jp/event/20131112/20131112_03.pdf

上記は、東京大学生産技術研究所が2013年年11月12日に開催したシンポジウム「航空機製造技術の飛躍的な発展を目指して」(https://www.cmi.iis.u-tokyo.ac.jp/event/20131112/event20131112.html)で飯田陽一(当時、経済産業省 製造産業局 航空機武器宇宙産業課 課長)氏が14:10-14:30におこなわれた講演の資料です。上記の引用表示では、そうした「出典」に関わる情報の記載がまったく不十分です。こうしたシンポジウムでの講演に関する引用表記に関して決まった書き方はありませんが、例えば上記のように書くのも一つの方法です。

なお上記資料を引用した場合には当該箇所で、「飯田陽一(当時、経済産業省 製造産業局 航空機武器宇宙産業課 課長)は、飯田陽一(2013)の中で・・・と書いている」といったような形でシンポジウムの報告者の肩書きを記載しておくことが必要です。

 
不適切記載の修正例3
[修正前]
「2019年 日本の広告費」解説―インターネット広告費が6年連続2桁成長、テレビメディアを上回る」ウェブ電通報 (dentsu-ho.com)
https://dentsu-ho.com/articles/7161

   ↓
[修正後]
北原利行(2019)「「2019年 日本の広告費」解説―インターネット広告費が6年連続2桁成長、テレビメディアを上回る」ウェブ電通報(電通広報局)、2020/03/11
https://dentsu-ho.com/articles/7161

修正前の表記は、WEB記事の執筆者名が明記されていない点で不適切です。また発行主体が不明確な場合には、当該WEBページが掲載されているサイト名(この場合で言えばdentsu-ho.com)を記載するので構わないのですが、上記WEB記事は電通の広報局が発行主体であることが明記されていない点で不充分です。

 
不適切記載の修正例4
[修正前]
「転換点に来たECプラットフォーマー」in-Pocket、2016年6月9日
https://www.i3design.jp/in-pocket/3013

   ↓
[修正後]
藤元健太郎(2016)「転換点に来たECプラットフォーマー」in-Pocket (i3DESIGN)
https://www.i3design.jp/in-pocket/3013

上記の修正前の表記も、WEB記事の執筆者名が明記されていない点で不適切です。また発行主体がサイト名にあるi3DESIGN社のサイトであることの記載がない点もあまり適切ではありません。
上記のように記載するのが一つの方法です。

なお上記WEB記事は、同記事の中に記載されているように「アマゾンジャパンが物流代行サービスを強化 大型品や危険物、ワイン定温管理なども対応へ」『週刊 通販新聞』2016年6月2日(https://web.archive.org/web/20160605135753/http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2016/06/post-2527.html)という業界新聞の記事の意味を解説したものですので、引用に際してはそうしたネタ元の記事も合わせて紹介しておくことが必要不可欠です。

 
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家庭用据置型TVゲーム専用機のシステム性

家庭用据置型TVゲーム専用機のシステム性

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レポート作成に関する注意事項ver1.2

1.基本的考え方(その1) - 「守破離」的発想からしても、先人の知的労作は大いに利用することが必要かつ重要です
 
一定の視点のもとに他人の文章の寄せ集めによるコピペ集(メモ)をきちんと作成することは重要です。しかしそれをレポートとして提出するのは不適切です。教員としては、いわゆる「守破離」といった考え方に基づいて、皆さんが課題レポートを作成していただければと考えています。
 

元となる素材もアイデアも何もない中から、レポートや論文を作成することは困難ですし、効率的でもありません。レポートや論文のもととなる素材やアイデアのすべてを自分で作成・用意することも現実的には不可能なことです。他の人や企業がすでにおこなった調査や研究のデータやレポートを、自分のレポートや論文のためのネタ元(素材)として積極的に使うことは良いレポートを作成するのに有用ですし、必要不可欠なことです。
 逆に、他の人や企業が既におこなっていることをきちんと調べて置かないと、既存のものよりもより良いレポートを作成することはできません。既存資料をきちんと検索し、重要な箇所をコピペしたメモ文書を作成していくことが、より良いレポートを作成するための第一歩です。

 
2.基本的考え方(その2) - レポート作成に際しても、「ポジショニング・アプローチ」的視点と「Resource-Based View」的視点の両方が必要かつ重要です
経営戦略や経営戦術の策定に際してきちんとした現状分析が必要なように、レポート作成に際しては、「レポートに関連する資料としてどのようものがあるのか?」「既存資料においてどのようなことが問題となっており、どこまで議論・分析が進んでいるのか?」、「既存資料において現在、何が重要な問題となっているのか?何が重要な課題とされているのか?」といった「現状分析」をきちんとしておくことが良いレポートを書くための必要条件です。

 

 企業経営の分析においてポジショニング・アプローチ的視点とResource-Based View的視点の両方が必要なように、レポートや論文の作成においても、「どのような問題意識のもとに分析するのか?」ということとともに、「どのようなresourceが利用可能なのか?」ということが重要です。
「きちんとした問題意識を持つ」こととともに、「数多くの良質なresourceを利用する」ことが重要です。問題意識のないレポートは無意味ですし、良質なresourceを利用していないレポートは無内容です。
 また良質なreourceを利用したとしても、それらのresource、すなわち、他者の文章をそのままコピペしてつなぎ合わせて自分のレポート」として提出することは、他者のものを勝手に利用した「知的窃盗行為」であるだけでなく、他者のものを自分のものと偽る一種の「詐欺」行為です。
 現代社会、および、企業間競争・製品間競争においては、他のモノマネではないこと、originalityによるdifferentiationが重要です。レポートのoriginalityとは、文章表現のoriginality、すなわち、「レポートの文章の起源(origin)が自分である」ということです。

 自分の知的能力を高めるためには、適切なresourceを素材として「自分の頭できちんと考える」、「適切で分かりやすいoriginalな文章を自分で創り出す」ということが重要です。他人の文章をそのままコピペするという怠慢な行為をするべきではありません。単なるコピペだけのレポートは、「社会的不正行為」であるだけでなく、「知的自殺行為」です。

 
それゆえ下記の指示を厳守して下さい。指示が守られていない課題レポートは採点の対象としません。場合によってはペナルティや処分の対象となります。
 
 
3.厳守すべき事項(その1)- 複数のoriginal資料を利用すること、それらの出典を明示すること。明治大学生は、「明示」義務を守りましょう。
 
重要な事項・論点に関しては、必ず複数のオリジナル資料を参照し、それらを出典として記載しておくことが絶対に必要です。すなわち、「事項・資料・問題・企業などの解説WEBページ・紹介WEBページ」(あるいは、雑誌等の解説記事・紹介記事)、「まとめサイト」、「教えてサイト」、「業界研究サイト(就活サイト)」、「企業研究サイト」、「日本語版Wikipedia」などの解説サイト(以下、解説WEBページ等)のみに基づいて文章を作成することは絶対にしないでください。繰り返しになりますが、それは「知的自殺行為」であり、AI化の社会で生き抜く知的力を養うことにまったくつながりません。それら解説サイトが参照しているオリジナル資料を必ず参照し、それらオリジナル資料を出典として必ず記載しておいてください。
 
 
  1. 出典が明示されていない解説WEBページや解説サイトは、そのWEBページやサイト自体が大きな問題です。適切な引用や参考資料の明示がなされていないとすれば、「著作権法違反の疑いが強い」という意味で法的に大きな問題であるだけでなく、「コンプライアンス違反を平気で行っている」という意味でビジネス倫理的にも大きな問題です。そうしたWEBページや解説サイトを参考資料として挙げることや利用することそれ自体が適切ではありません。
     
  2. 解説WEBページ等の記述だけを見てレポートを作成するような手抜きは絶対にしないでください。既存のものとして何があるのかを調べるための時間短縮に使うのは適切ですが、その段階で止まっては、自分の頭で考えていないことになりますし、努力せずサボっていることにもなります。
     そうした行為は、レポート作成を課題としてこなすことの教育的意味を損なうものとして教員の教育的意図に反する知的自殺行為です。そうしたことは社会のAI化イノベーションの中でたくましく生き抜くために必要な自分の能力(検索力・表現力・解説力などの情報力)を伸ばすことにつながらず、単なる時間の無駄です。
     課題レポートの作成に際して、解説WEBページ等の記述を参照すること自体はレポート作成時間の短縮のためにも有用ですので構いませんが、そうした場合には、そうした解説WEBページ等が参照している元のWEBページや資料・データも必ず参照しきちんと読んでから課題レポートを作成して下さい

     
  3. 特に断り書きがない限り、課題レポートの作成に際しては、重要な論点に関しては、解説WEBページ等以外に、5つ以上のWEBページまたは資料・データを必ず参照してください。また自分が参照・利用したWEBページまたは資料・データをすべて明示して下さい。
     
  4. 下記WEBページに示されている「レポート・論文の盗用等不正行為への注意」をよく読むとともに、それらに書かれている指示を遵守すること。盗用等不正行為に対しては、「定期試験での不正行為(カンニング)と同様の処分(その科目のみならず当該期の全登録科目の不合格や停学処分等)の対象となることがあります」ので注意してください。
     
 
 
4.厳守すべき事項(その2)- 教員が指定したスタイルで課題レポートを作成してください。佐野ゼミ生は、佐野ゼミのスタイルを厳守しましょう。
 
  1. 引用表記および図表の付け方に関しては、教員の別途指示に原則としてしたがって下さい。すなわち、図・グラフや表のすぐ下に出典を明記することや、佐野ゼミのスタイル・シートの「表番号」・「図番号」を利用してWordの連番機能を活用することが絶対に必要です。
     
  2. 「1頁の行数」、「1行の文字数」、「フォント」、「見出し設定」などの設定に関しては、下記に挙げたテンプレートファイルの設定にしたがって下さい。
     
  3. 表紙は不要です。明治大学経営学部「経営学部論文執筆要項」は論文に関する要項であるため、表紙を付け、そこに「論文タイトル」を記載することとなっていますが、課題レポートでは表紙および論文タイトルは不要です。
     

  4. 参考資料の出典表記に際しては、Who, When, What, Whereという4つの情報をその順に記載してください。具体的には、下記の4つの情報を、その順にきちんと記載しておくことが必要不可欠です。
    1)「誰が著者なのか?」(個人名、集団名、組織名、企業名といった情報)
    2) 「いつ発表(または作成)されたものなのか?」(本や報告書であれば出版年、雑誌記事であれば出版年と巻号、新聞記事・WEBニュース・プレスリリースであれば、発表年月日といった情報)
    3) 「タイトルは何か?」(何についてのものなのか?)
    4) 「どこで発表されたものなのか?」(本であれば出版社名、報告書であれば発行者名、雑誌であれば雑誌名、WEB資料であればURLといった情報)

     

    下記に不適切な表記の例を挙げます。下記事例などを参考に記載をおこなって下さい。

     

    不適切記載例1.平野勇治(2013)「デジタル化は映画の革命?」(2013/1/16)
    https://chuplus.jp/blog/article/detail.php?comment_id=746&comment_sub_id=0&category_id=245

    上記は、掲載日が異なる三つの記事を参照していることがわかるような下記のような表記に訂正することが必要です。
    平野勇治(2013)「デジタル化は映画の革命?①」(平野勇治のミニシアターの映写室から)『中日新聞』2013年1月16日
    https://plus.chunichi.co.jp/blog/hirano/article/245/746/
    平野勇治(2013)「デジタル化は映画の革命?②」(平野勇治のミニシアターの映写室から)『中日新聞』2013年2月8日
    https://plus.chunichi.co.jp/blog/hirano/article/245/814/
    平野勇治(2013)「デジタル化は映画の革命?③」(平野勇治のミニシアターの映写室から)『中日新聞』2013年3月26日
    https://plus.chunichi.co.jp/blog/hirano/article/245/975/
     

    不適切記載例2.飯田陽一(2013)「航空機素材・製造技術の革新について」(2013/11)
    https://www.cmi.iis.u-tokyo.ac.jp/event/20131112/20131112_03.pdf

    上記は、東京大学生産技術研究所が2013年年11月12日に開催したシンポジウム「航空機製造技術の飛躍的な発展を目指して」(https://www.cmi.iis.u-tokyo.ac.jp/event/20131112/event20131112.html)で飯田陽一(当時、経済産業省 製造産業局 航空機武器宇宙産業課 課長)氏が14:10-14:30におこなわれた講演の資料です。上記の引用表示では、そうした「出典」に関わる情報の記載がまったく不十分です。こうしたシンポジウムでの講演に関する引用表記に関して決まった書き方はありませんが、例えば下記のように書くのも一つの方法です。

    飯田陽一(2013)「航空機素材・製造技術の革新について」東京大学生産技術研究所開催シンポジウム「航空機製造技術の飛躍的な発展を目指して」講演資料、2013年年11月12日
    https://www.cmi.iis.u-tokyo.ac.jp/event/20131112/event20131112.html
    https://www.cmi.iis.u-tokyo.ac.jp/event/20131112/20131112_03.pdf

    なお上記資料を引用した箇所で、「飯田陽一(当時、経済産業省 製造産業局 航空機武器宇宙産業課 課長)は、飯田陽一(2013)の中で・・・と書いている」といったような形でシンポジウムの報告者の肩書きを記載しておいて下さい。

     

    不適切記載例3.「2019年 日本の広告費」解説―インターネット広告費が6年連続2桁成長、テレビメディアを上回る」ウェブ電通報 (dentsu-ho.com)
    https://dentsu-ho.com/articles/7161

    上記は、WEB記事の執筆者名が明記されていない点で不適切です。また発行主体が不明確な場合には、当該WEBページが掲載されているサイト名(この場合で言えばdentsu-ho.com)を記載するので構わないのですが、上記WEB記事は電通の広報局が発行主体であることが明記されていない点で不充分です。下記のような形で引用表示をするようにして下さい。」
    北原利行(2019)「「2019年 日本の広告費」解説―インターネット広告費が6年連続2桁成長、テレビメディアを上回る」ウェブ電通報(電通広報局)、2020/03/11
    https://dentsu-ho.com/articles/7161
     

    不適切例4.「転換点に来たECプラットフォーマー」in-Pocket、2016年6月9日
    https://www.i3design.jp/in-pocket/3013

    上記も、WEB記事の執筆者名が明記されていない点で不適切です。また発行主体がサイト名にあるi3DESIGN社のサイトであることの記載がない点もあまり適切ではありません。
    例えば下記のように記載しておいて下さい。
    藤元健太郎(2016)「転換点に来たECプラットフォーマー」in-Pocket (i3DESIGN)
    https://www.i3design.jp/in-pocket/3013
    なお上記WEB記事は、同記事の中に記載されているように「アマゾンジャパンが物流代行サービスを強化 大型品や危険物、ワイン定温管理なども対応へ」『週刊 通販新聞』2016年6月2日(https://web.archive.org/web/20160605135753/http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2016/06/post-2527.html)という業界新聞の記事の意味を解説したものですので、そうしたネタ元の記事も必ず合わせて紹介しておいて下さい。
     
  5. 佐野ゼミの課題レポートでは、WEBページへのアクセス日の記載は、新聞記事、プレスリリース、論文、報告書など作成日が明記されているものに関しては上記の記載例に示されているように不要です。(明治大学経営学部「経営学部論文執筆要項」はWEBページが作成された年月日が記載されていない場合を基本的に想定したものです。)
     
 
 
 
5.厳守すべき事項(その3)- イノベーション視点から課題レポートを作成しましょう。
 
  1. イノベーション(Innovation)とは、「既存のもの、古いもの」を革新(innovate)して、「これまでなかったもの、新しいもの」を創り出すことです。そのため「革新(innovate)する前はどうであったのか?」という「既存のもの、古いもの」(革新の対象)に関する記述とともに、「革新(innovate)した後はどうなったのか?」という「これまでなかったもの、新しいもの」(革新の結果)に関する記述が必要不可欠です。
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互換性維持ができなかった製品イノベーションにおける新規参入者の増加

製品イノベーションに際して、技術的理由からどうしても「互換性維持」ができない場合がある。

例えば、ゲーム専用機では16ビットゲーム専用機から32ビットゲーム専用機への製品イノベーションの際にそうしたことが生じた。

これは、ゲームソフトのあり方がそれ以前と大きく異なるようになったため、ゲーム専用機において高度なポリゴン処理能力が必要とされるようになったためである。
ファミコンやスーファミなどのゲーム機のゲーム画面は、スプライト技術を利用した画面表示であり、立体感や遠近感が乏しかった。
これに対して、PSなど32ゲーム機では、ポリゴン技術を利用した画面表示となり、ドラゴンクエストのエンディング画面に関する下記の資料1に示したように立体感や遠近感が豊かに感じられるような画面になっている。

資料1 「CPUのビット数と画面表示文字との連関」
https://www.sanosemi.com/biztech/document/Game-Display-CPU-bit.pdf

こうしたゲームソフトの技術進歩の実現には、ゲームのハードウェアに関してradical innovationが必要であった。

そうした結果として、下記の資料2に示したように、8ビットゲーム機から16ビットゲーム機への製品イノベーションに際しては先発者(first mover)がセガのメガドライブ(1988)の1社だけであったのに対して、16ビットゲーム機から32ビットゲーム機への製品イノベーションに際しては先発者(first mover)がソニー、NEC、パナソニック(松下電器)、三洋電機、日本ビクターなど6社にまで大きく増加した。

資料2 佐野正博(2008,2020)「据え置き型テレビ・ゲーム機のCPU 種別構成の歴史的変化ver.2」2020 年度「技術戦略論」授業用資料
https://www.sanosemi.com/biztech/document/Game-Console-CPU-history-Ver2_1.pdf

このように製品に関する互換性がハードウェア的にもソフトウェア的にも維持されなかった場合には、多数の企業が新規参入することがよく見られる。

なぜそうしたことが起こるのかを具体的事例をもとに分かりやすく説明しなさい。

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卒論「企画」書、あるいは、卒論本体に関する注意

卒論「企画」書、あるいは、卒論そのものに関して
 
下記の指示を守れていない方が何人もいらっしゃいます。そうした方の場合、1週間の間に卒業論文完成に向けて実際に何をされたのかが教員にはわかりません。
 そうした方は「1週間の間に卒業論文完成に向けて何もされなかった」ものとして、すなわち、課題未提出として扱うしかありません。
 この点はきちんとご注意下さい。1週間の間に1カ所しか追加・訂正がないというのもまったくの努力不足と言わざるを得ませんが、それと同じかそれ以上に「1週間の間に卒業論文完成に向けて実際に何をされたのかが教員にはわからない方」は困ったものと言わざるを得ません。
 
(1)新しく追加・修正した部分がわかるようにするためには、卒論の追加・修正作業を始める前にWordで下記のような手順を必ず実行してください。
 
a.WORDソフトの「検閲」タブ→「承諾」→「すべての変更を反映(L)」を選択してその時点までの修正をすべて本文に反映して下さい。
 
Macの場合は下記を参照してください。
wanichan.com(2015)「一度にすべての変更を反映するには」ワニchanのあっぷるわーるど
https://www.wanichan.com/office365/mac/word/2016/10/26.html
 
b.WORDソフトの「検閲」タブの部分をクリックし、「変更履歴の記録」と書かれた部分の背景がグレーになっており、変更履歴が記録される状態になっていることをきちんと確認してください。
 
Macの場合は下記を参照してください。
wanichan.com(2015)「変更履歴の記録をオンまたはオフにするには」ワニchanのあっぷるわーるど
https://www.wanichan.com/office365/mac/word/2016/10/31.html
 
カテゴリー: 佐野ゼミ生用 | コメントする

家庭用据置型テレビ・ゲーム機の製品イノベーション

家庭用の据置型テレビゲーム専用機(以下、TVゲーム専用機と略記)の製品イノベーションの歴史的展開に関して、ゲーム機のCPU視点[注1]から先発者(pioneer, first mover)と後発者(follower, late comer)を区分すると下記の表1のようになる。
CPUのビット数から見ると、TVゲーム専用機は8ビット機→16ビット機→32ビット機→64ビット機というように、技術進化を遂げてきている。
 
[注1]ここでは、CPUのビット数、すなわち、「CPUが一度に処理できる情報量」に関する性能基準をもとに、ゲーム機の世代区分をおこなっている。
 
表1 家庭用据置型テレビゲーム機のCPU視点から見た製品イノベーションの構造[注2]
 
[注2]GAMECUBEのCPU(Gekko), WiiのCPU(Broadway)はともに、浮動小数点演算処理およびデータバスは64bitであるが整数演算処理およびアドレスバスが32bitであるため、32bitCPUという位置づけとしている。
ただしTVゲーム専用機としての中心的性能としての画像処理に注目すると、整数演算処理よりも浮動小数点演算処理の方がより重要であるため、GAMECUBEとWiiを64ビット機と位置づけるような考え方もあり得る。
 
「CPUが一度に処理できる情報量」視点から見たTVゲーム専用機のイノベーションにおいて、先行者で相対的に大きな成功を収めたのは、8ビットゲーム機世代のファミコンと、32ビットゲーム機世代のプレイステーションの2機種である。16ビットゲーム機世代の先発者であるメガドライブおよび64ビットゲーム機世代の先発者であるN64(正式名称:NINTENDO64)は、一定の成功を収めたとはいえ、「大きな成功」を収めたとは言い難い。
 後発者で相対的に大きな成功を収めたのは、16ビットゲーム機世代のスーパーファミコンと、32ビットゲーム機世代のWii、64ビットゲーム機世代のプレイステーション2の3機種である。SwitchもWiiと同じような大きな成功を収めつつある。
 
表2 任天堂のGAMECUBE以降の家庭用据置型テレビゲーム機の製品本体の世界販売数量の推移
 
表3 任天堂のGAMECUBE以降の家庭用据置型テレビゲーム機用ソフトウェアの製品種類別世界販売数量の推移
 
表4 会社別ゲーム機の国内出荷台数シェア推移1983-2002
 
1997年以前のデータの出典は、柳川範之,桑山上(2000)「家庭用ビデオゲーム産業の経済分析――新しい企業結合の視点」ITME ディスカッションペーパー、No.452,http://www.e.u-tokyo.ac.jp/itme/dp/dp45.pdfである。
また1998年~2002年のデータの出典は、山田英夫(2004)『デファクト・スタンダードの競争戦略』白桃書房,p.164である。
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