佐野ゼミ3年次-2014.05.21

次回の課題
課題1.『コア・コンピタンス経営』で取り上げられている事例についてのアップデート作業
ハメル, G. , プラハラード, C.K. (一條和生訳、日経ビジネス人文庫2001)『コア・コンピタンス経営―未来への競争戦略』日本経済新聞社 (日経ビジネス人文庫)という本を読んで、その中に紹介されている事例をひとつ取り上げて、新しいデータを補完して説明してください。ただし事例選択に際して、コアコンピタンスとしてブランド以外のものを取り上げるようにしなさい。
 

 

課題2.技術的コア・コンピタンス
佐野ゼミでは、コア・コンピタンスの中でも特に、技術に関わるコアコンピタンス(中核的能力)、すなわち、コア技術に注目して議論をしている。コア技術に関して下記のいずれかの事例を取り上げて説明しなさい。

事例2-1.コア技術を生かして多様な製品展開をしている企業の事例
事例2-2.コア技術によって他社に対する競争優位性を強く確保している企業の事例
事例2-3.コア技術と基盤技術の差異を理解した上で戦略的開発をおこなっている企業の事例

課題3.電子辞書
PC用の電子辞書・電子事典を個別に買うと、CD-ROM版広辞苑が10,800円(アマゾンでの価格、以下同じ)、CD-ROM版ジーニアス英和大辞典17,280円、CD-ROM版小学館ランダムハウス英和大辞典15,552円、ブリタニカ国際大百科事典 小項目版10,372円などかなり高額である。

なぜ電子辞書は数多くの電子辞書・電子事典などを収録しているにも関わらず安く売ることができているのか?

 

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佐野ゼミ3年次-2014.05.17課題用参考資料

国内のロボット掃除機市場は2018年に90万台に

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佐野ゼミ3年次-2014.05.14

前回のゼミ課題の解説で説明したように、学問的考察に際しては、日常的用語としての「ニーズ」という語句ではなく、「necessity/usefulness」(必要性/有用性)、「wants」(欲求)、「demand」(購入)という理論的用語を用いるべきである。こうした区別を踏まえると、「新製品に対するニーズがある」という日常的表現は、下記のような表現の一つまたは複数に置き換える必要がある。

  1. 「新世代製品は顧客が必要としている機能を有している」「新世代製品は顧客の必要に応える機能を有している」
  2. 「新世代製品は顧客が必要としている性能を有している」「新世代製品は顧客の必要に十分に応える性能を有している」
  3. 「新世代製品の新しい機能は対象顧客にとって有用である」「新世代製品の新しい機能は顧客にとって役立つものでる」
  4. 「新世代製品の性能の高さは対象顧客にとって旧世代製品よりも有用である」「新世代製品の性能の高さは顧客にとって旧世代製品よりも役立つものでる」
  5. 「かなりの数の顧客が旧世代製品よりも新世代製品を欲しがっている」「旧世代製品よりも新世代製品を欲しいと思っている顧客がかなりいる」
  6. 「かなりの数の顧客が実際に新世代製品を購入している」「新世代製品は実際にかなり売れている」

そこで5/21のゼミにおいても、「necessity/usefulness」(必要性/有用性)に基づくイノベーション、「wants」(欲求)に基づくイノベーション、「demand」(購入)に基づくイノベーションの相対的区別に関わるレポートの提出をお願いします。

具体的には、お掃除ロボット「ルンバ」などのように、「製品それ自体として比較的大きなusefulness(有用性)を持ち一定の技術的評価を得たことが、製品に対するdemand(需要)を生み出し、一定の市場的成功を収めることができた製品」を探し出しなさい。そして、下記の事項を含むレポートを提出しなさい。

  1. 「関連画像」
  2. 「どのような意味で技術的イノベーションとして評価されているのか?」[新世代製品の性能は旧世代製品に比べてどのように向上したのか?新世代製品は旧世代製品にはないどのような機能を有しているのか?]
  3. 「製品に対するdemand(需要)の大きさはどの程度であるのか?」[製品はどの程度売れたのか?販売された期間は何年から何年までなのか?]
  4. 「旧世代製品の市場規模に対して、新世代製品の市場規模はどの程度なのか?」
  5. 「新世代製品の開発意図はどのようなものであったのか?製品開発時に、どのようなnecessityに応えることを意図してしていたのか?顧客にどのようなusefulnessを提供することを意図していたのか?」
  6. 「新世代製品のusefulnessはどの程度なのか?」
  7. 「新世代製品の基盤となっている技術(基盤技術)は何か?新世代製品が旧世代製品に対して、differentiationを実現できた中核的技術(コア技術)は何か?」

 

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佐野ゼミ3年次-2014.05.07

[次回ゼミの課題]

下記の資料にあるように、日常的に「ニーズ」と呼ばれている用語は、多義的な意味・用法を持っている。イノベーションの学問的考察に際しては、そうした多義性を踏まえた考察が必要不可欠である。

上記の資料にあるように、学問的考察に際しては、日常的用語としての「ニーズ」という語句ではなく、「necessity/usefulness」(必要性/有用性)、「wants」(欲求)、「demand」(購入)という理論的用語を用いるべきである。こうした区別を踏まえると、「新製品に対するニーズがある」という日常的表現は、下記のような表現の一つまたは複数に置き換える必要がある。

  1. 「新世代製品は顧客が必要としている機能を有している」「新世代製品は顧客の必要に応える機能を有している」
  2. 「新世代製品は顧客が必要としている性能を有している」「新世代製品は顧客の必要に十分に応える性能を有している」
  3. 「新世代製品の新しい機能は対象顧客にとって有用である」「新世代製品の新しい機能は顧客にとって役立つものでる」
  4. 「新世代製品の性能の高さは対象顧客にとって旧世代製品よりも有用である」「新世代製品の性能の高さは顧客にとって旧世代製品よりも役立つものでる」
  5. 「かなりの数の顧客が旧世代製品よりも新世代製品を欲しがっている」「旧世代製品よりも新世代製品を欲しいと思っている顧客がかなりいる」
  6. 「かなりの数の顧客が実際に新世代製品を購入している」「新世代製品は実際にかなり売れている」

そこで次回のゼミにおいては、こうしたことを踏まえて、「necessity/usefulness」(必要性/有用性)に基づくイノベーション、「wants」(欲求)に基づくイノベーション、「demand」(購入)に基づくイノベーションの相対的区別に関わるレポートの提出を求める。

具体的には、資料1に挙げた三つの具体例「第二次世界大戦後に日本で初めて開発された旅客機であるYS11」、「イギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機コンコルド」、「三井造船が事業主体となって開発を進めた「次世代」高速船・テクノスーパーライナー(TSL)」などのように、「製品それ自体としては比較的大きなusefulness(有用性)を持ち一定の技術的評価は得たが、製品に対するdemand(需要)がそれほど大きくはなく大きな市場的成功を収めることができなかった製品」を探し出しなさい。そして、資料1の三つの具体例のように、下記の事項を含むレポートを提出しなさい。

  1. 「関連画像」
  2. 「どのような意味で技術的イノベーションとして評価されているのか?[新世代製品の性能は旧世代製品に比べてどのように向上したのか?新世代製品は旧世代製品にはないどのような機能を有しているのか?]」
  3. 「製品に対するdemand(需要)の大きさはどの程度であったのか?[製品はどの程度売れたのか?販売された期間は何年から何年までなのか?]」

 

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佐野ゼミ3年次-2014.04.30

「計算作業」というdemandに対応・関連する複数の製品市場および市場セグメント
1.「人間の頭」を使った「暗算」や「筆算」— それに必要な道具に対応する市場としての、「筆記具」市場(鉛筆、シャープペンシル、ボールペンなど)および「計算用紙」市場

2.「そろばん」による計算 — それに必要な道具に対応する市場としての「そろばん」市場、および、それを教育の道具として用いる「そろばん教育」市場
[関連参考資料-石戸珠算学園]
「インターネットによるそろばん塾の展開で衰退業界の中から成長へ - 株式会社イシド」『月刊 商工会』2013年11月号(情報化特集)
松本幸雄「衰退業界で大成功」『マネジメントニュース』第66号,p.1
http://isommc.com/_db/data/pdf/no66.pdf

3.電卓市場

4.コンピュータ市場

4-a メインフレーム・セグメント
4-b ミニコン・セグメント
4-c PCセグメント

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2014年度3年次ゼミ 2014.04.23

[来週の課題]
先駆者(first-mover)の競争優位の実現を可能にした要因に模倣困難性が高ければ、競争優位が持続する。
言い換えれば、模倣困難性が低ければ、自社の優位性を導いた要因を他社が模倣できるため競争優位は持続しない。模倣困難性が低いイノベーションでは持続的競争優位の確保が困難である。すなわち、他社が容易に模倣可能な単なる「革新」では、先駆者としての競争優位が持続しない。
 例えば、個人投資家を対象とした「証券取引プロセスのネット化」というイノベーションでは、松井証券が先駆者として先行し、2000年段階では「オンライン取引では独り勝ち」と言われていた。しかしながら、松井証券の競争優位性は「口座数」から見る限りにおいて持続していない。下記資料にあるように、松井証券の口座数は、後発社のSBI証券の約1/3、楽天証券の約半分とかなり競争劣位にある。

松井証券-トップの明確な意思で危機を克服-日経ビジネス-2001年03月19日号a
SBI証券-2013年12月末時点資料-6a
[出典]SBI証券(2014)「決算説明資料ー2014年3月期第3四半期」p.6
http://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/home/irpress/kessanshiryou_140205.pdf

 

[課題1]
「口座数」という経営指標では松井証券がかなりの競争劣位にあるけれども、別な経営指標では松井証券はSBI証券とほぼ並び、楽天証券の1.3倍強となっている。また別の指標では、SBI証券の1.6倍、楽天証券の1.4倍である。
それらの指標とは何かを説明するとともに、現在でもなおそれらの指標に関して松井証券が優れている理由を推測しなさい。

[参考資料]
松井証券(2014)『2014年3月期決算説明資料』
http://www.matsui.co.jp/ir/pdf/2014_4_abs.pdf

SBI証券(2014)「決算説明資料ー2014年3月期第3四半期」p.6
http://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/home/irpress/kessanshiryou_140205.pdf
 
「松井証券 トップの明確な意思で危機を克服」『日経ビジネス』2001年03月19日号
「ネット証券に勝負あり 「先行者有利」まざまざ」『日経情報ストラテジー』2001年6月号、pp.160-161
「ネット証券、経営力勝負の時代へ 手数料のメリット消え、新規顧客は頭打ち」『日経ビジネス』2003年6月2日号、pp.95-98

[課題2]
「模倣困難性が低いイノベーションでは持続的競争優位の確保が困難である。すなわち、他社が容易に模倣可能な単なる「革新」では、先駆者としての競争優位が持続しない。」ということに関して、自分で具体的事例を探し出しなさい。そしてそのように先駆者の競争優位性が持続しなかったことに関して、上記に挙げた松井証券のデータのように、具体的データを挙げながら説明しなさい。

[課題3]
先週の課題に関して、上記に挙げた松井証券のデータのように、具体的データを挙げて、持続的競争優位が持続していることの説明をしなさい。

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2014年度佐野ゼミ-3年次-2014.04.16

[来週の課題]

イノベーション(Innovation)概念の提唱者であるSchumpeterの原語はNeuerungである。
英語に直訳するとNewingであり、日本語で「革新」ということになる。

しかし日本では、kotobank.jpにおけるイノベーションの辞書的定義の中に記されているように、「技術革新」と訳されることが多い。
[関連参考WEB]
Schumpeter のイノベーション論
http://www.sanosemi.com/biztech/document/Schumpeter-Innovation-2013.pdf

kotobank.jpにおけるイノベーションの辞書的定義

[課題1]
模倣困難性が低いイノベーションでは持続的競争優位の確保が困難である。すなわち、他社が容易に模倣可能な単なる「革新」では、先駆者としての競争優位が持続しない。
そのことに関して、事例をあげてわかりやすく説明しなさい。
 
 
[課題2]
これに対して、技術に基づくイノベーションであれば、特許権、著作権、営業秘密などの知的財産権によって持続的競争優位の確保が可能と考えられる。そのことに関して、事例をあげてわかりやすく説明しなさい。

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技術視点から見たイノベーションのタイプ分類

[考察1]シュンペーターの「新結合としてのイノベーション」という考え方に関して、「複数技術の統合による新製品開発」という形でアプローチしてみよう。

その際には、下記WEBにある記事を参考にしなさい。
http://innovation.s2.coreblog.jp/archives/139

    [考察2]下記のような事例集を参考に、プロダクト・イノベーションのタイプ分類を行ってみよう。
    a.技術統合(Technology Integration)による新製品開発のタイプ分類
    1. 「開発済みの諸既存技術の組み合わせ」による新製品開発
    2. 「開発済みの諸既存技術と新規開発技術の組み合わせ」による新製品開発
    3. 「複数の新規開発技術の組み合わせ」による新製品開発
    b.主導要因による新製品開発のタイプ分類

    1. Technology-oriented型技術統合
    2. Market-oriented型技術統合

[参考となる事例集]
経済産業省産業構造審議会産業技術分科会(2008)『イノベーション創出の鍵とエコイノベーションの推進」におけるイノベーション創出のための取り組み事例集』経済産業省産業構造審議会産業技術分科会報告書
http://www.meti.go.jp/policy/economy/gijutsu_kakushin/innovation_policy/pdf/jirei.pdf

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製品開発プロセス事例 – FAX関連資料

小川睦夫(2013)『ファクシミリの系統化』(国立科学博物館技術の系統化調査報告 Vol.19) 国立科学博物館, 102pp
http://sts.kahaku.go.jp/diversity/document/system/pdf/079.pdf

楠木建(1992)「製品トラジェクトリーの連続性 — イノベーション戦略の新しい分析枠組」一橋大学産業経営研究所編『ビジネス・レビュー』 第39巻第2号
楠木建(1995)「製品開発の連続性と競争優位」野中郁次郎・永田晃也編『日本型イノベーションシステム — 成長の軌跡と変革への挑戦』白桃書房所収
Kusunoki,Ken(1997), “Incapability of Technological Capability.A Case Study on Product Innovation in theJapanese Facsimile Machine Industry,” The Journal of Product Innovation Management,vo1.14,no.5.
楠木建(1999)「イノベーションの点と線 — ファクシミリ産業における連続的な製品開発」嶋口充輝ほか編(1999)『製品開発革新』有斐閣、第5章, pp.136-164

共立研究センター(1977-1991)『ファクシミリ・ガイド』日本能率協会
松下電送(1978)『ファクシミリでひらく21世紀 — 松下電送30年史』
安田靖彦編(1992)『ファクシミリの基礎と応用』電子通信学会
結城佑(1987)『ファクシミリの話』日本電気文化センター
郵政省電気通信政策局(1982)『ファクシミリ白書』電気通信総合政策研究所

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ユーザー主導型イノベーション(user-innovation)

イノベーションにおいて、製品ユーザーが主導的役割を果たす場合がある。

ヒッペルは、ユーザーが主導的役割を果たしているイノベーションをuser-innovationと、イノベーションにおいて主導的役割を果たしているユーザーをリード・ユーザー(lead user)と呼んでいる。

[参考文献]
ヒッペル,エリック・フォン (サイコム・インターナショナル訳, 2005)『民主化するイノベーションの時代』ファーストプレス
水野学(2011)「製品開発に果たすユーザーイノベーションの役割」『阪南論集 社会科学編』Vol. 47 No. 1
http://www.hannan-u.ac.jp/gakujutsu/mrrf4300000037ab-att/mrrf43000000koga.pdf

[考察してみよう]
下記の記事に示されていることがらを、user-innovationの立場から説明すると共に、それと類似の例をいくつか探して説明しなさい。

「冬空に舞う)スノボ竹内、4度目の正直 ボード自ら開発、相棒に ソチ五輪」『朝日新聞』2014年2月20日朝刊

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設計と製造の水平分業としてのスマホ

下記のような資料を参考に、スマートフォンに関する水平分業の問題を論じなさい。

  1. 「日本メーカー、クアルコム部品に照準、新興国のスマホ需要取り込み」『日経産業新聞』2013年4月26日
  2. 「MITメディアラボの伊藤所長、「オープンソース、機器開発に浸透」、新潮流を紹介」『日経産業新聞』2013年6月5日
  3. 「台湾、低価格スマホで活況、半導体、中国向け受注増、設計や生産受託」『日本経済新聞』2013年8月20日朝刊
  4. 「スマホ価格、下落が加速――部品メーカー収益圧迫も(DATAナビ)」『日経産業新聞』2013年10月17日
  5. 「格安CPU「巨人」に挑む、台湾メディアテック、クアルコムの3~5割安」『日経産業新聞』2013年11月5日
  6. 「アジアのスマホ開発担う、台湾のメディアテック急成長、半導体と設計図セット、100ドル台の低価格可能に」『日本経済新聞』2014年1月10日朝刊
  7. 「台湾半導体のメディアテック、低価格スマホ用けん引、前期純利益77%増」『日本経済新聞』2014年1月28日朝刊
  8. 「内部構造、サムスン式、急成長、中国・小米製スマホ、低価格、秘訣は「設計図」」『日経産業新聞』2014年2月4日
  9. 「高機能支える日本製部品、中国・小米スマホ分解、半導体メーカー提供設計図活用、シャープ・村田製を採用」『日経産業新聞』2014年2月4日
  10. 「中国スマホ400社乱戦、炭鉱・音楽機器・ソフト開発…、なだれ込む異業種」『日本経済新聞』2014年2月7日朝刊
  11. 「サーバーに「無印」革命、自社設計し直接発注、米ネット大手、コスト抑制」『日経産業新聞』2014年2月10日
  12. 「「靴メーカーでも明日からスマホを作ることができる」(春秋)」『日本経済新聞』2014年2月20日朝刊
  13. 「富士通・ドコモ・NEC、スマホ半導体、開発断念――急成長の中国市場で後手」『日本経済新聞』2014年2月27日朝刊
  14. 「台湾の半導体大手、メディアテック2000人採用、スマホ需要増で」『日本経済新聞』2014年3月21日朝刊
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補完財によるバンドワゴン効果の具体的事例 — ゲームソフトの開発支援

グーグルやアマゾンなど様々な企業がゲームソフトの開発支援に乗り出している。下記の記事などを参考にしながら、そのことを「補完財によるバンドワゴン効果」という視点から詳しく説明しなさい。

  1. 「米カバム、50億円基金、日本のゲーム開発者支援、欧米進出へ翻訳・販促」『日本経済新聞』2013年4月9日朝刊
  2. 「ゲーム開発支援、活発、グーグルやアマゾン相次ぎ発表、費用低減や顧客分析、ソニー、ゴーグル型端末披露」『日経産業新聞』2014年3月20日
カテゴリー: 2014年度-3年次ゼミ(2013-2015), バンドワゴン効果, 佐野ゼミ生用課題, 補完財によるバンドワゴン効果 | コメントする

コストリーダーシップ戦略の事例としての格安航空会社

下記のような記事を参考に、コストリーダーシップ戦略の事例としての格安航空会社という問題をわかりやすく説明しなさい。

「格安航空、長距離も安く、欧州ノルウェジアン、ロンドン―NY、大手の収益源狙う」『日本経済新聞』2014年3月4日朝刊

[考察する際のポイント]
上記資料によれば、「1座席・1Km当たりの運航コスト」は下記のように会社により異なっている。単位運航コストがそのように違うことに関わる要因は何かを考察しなさい。

ノルウェーの欧州LCC大手ノルウェジアン — 0.42ノルウェークローネ(約7円)
ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)などが属するインターナショナル・エアラインズ・グループ — 7.8ユーロセント(約10.9円)

カテゴリー: 2014年度-3年次ゼミ(2013-2015), コストリーダーシップ戦略, ポーターの競争優位論, 佐野ゼミ生用, 佐野ゼミ生用課題, 遅刻者・欠席者用課題 | コメントする

新結合(neue Kombination)としての製品イノベーションに関わる具体的事例 — サッポロビールの「麦とホップザ The gold」

サッポロビールが2014年2月にリニューアルした第3のビール「麦とホップ The gold」は、「新結合による製品イノベーション」として位置づけることができる。そのことに関して、下記の資料などを参考に解りやすく説明してみよう。

  1. 「サッポロビール、麦とホップ ザ・ゴールド ―― 第1新価値開発グループ課長代理後藤正明さん(開発モノがたり)」『日経産業新聞』2014年2月28 日
  2. サッポロビール(2014)「商品情報 > 麦とホップ > 商品情報>麦とポップだけでつくった輝くコク」
    http://www.sapporobeer.jp/mugitohop/product/
  3. サッポロビール(2014)「CM&ムービー : サッポロ 麦とホップ The gold(浅野 忠信,岡田 准一)」
    http://www.sapporobeer.jp/cm/mugitohop/

[参考情報]
上記資料の1によると、サッポロビールの第3のビール「麦とホップ」に対して競合製品が増えてきたことから、ゼロベースで新しい製品を開発することとした。

開発に際しては、「麦とホップの強みは何か」を焦点に置き、「麦とホップの素材から醸し出されるコクこそ核心部分」と判断して、新しい原料を採用することとした。

カテゴリー: 2014年度-3年次ゼミ(2013-2015), イノベーション論, ビール, プロダクト・イノベーション, 佐野ゼミ生用, 新結合, 製品イノベーション事例 | コメントする

補完財によるバンドワゴン効果を期待した新製品開発

「ロボット掃除機でテーブルの下も掃除したい」「ロボット掃除機での掃除させるための準備時間を減らしたい」というニーズに対応した新製品開発は、ロボット掃除機に対応した補完財の欠如に対応したproduct innovation(新製品開発)として理解することができる。

下記の記事などを参考にそのことをわかりやすく説明するとともに、ある新製品の普及に対応したproduct innovation(新製品開発)として他にどのような事例があるのかを挙げて説明しなさい。

  1. 日経産業新聞(2013)「フランスベッド、ダイニング「フローティア」――山田安宏氏(開発モノがたり)」『日経産業新聞』2013年10月11日
カテゴリー: 2014年度-3年次ゼミ(2013-2015), バンドワゴン効果, 佐野ゼミ生用, 佐野ゼミ生用課題, 補完財によるバンドワゴン効果, 製品のシステム性 | コメントする

コストリーダーシップ戦略の事例としてのサーバーの自社設計

下記のような記事を参考に、コストリーダーシップ戦略の事例としてのサーバーの自社設計という問題をわかりやすく説明しなさい。

  1. 「サーバーに「無印」革命――自社設計し直接発注、米ネット大手、コスト抑制、フェイスブック、3年で節約10億ドル超」『日経産業新聞』2014年02月10日

なおこの問題は、サーバーに関してドミナント・デザインが成立しているためであると考えることもできる。ドミナント・デザイン論的視点から見たイノベーションに関するライフサイクル論的議論としてどのように説明可能であるのかを考えなさい。

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コストリーダーシップ戦略の事例としての格安スマホ

iPhoneやGalaxyのような「高級」スマホに対して、内蔵カメラの画素数を抑えたり、画面サイズを小さくしたり、電池容量も少なめにしたり、CPUの性能も低くしたりするなどの製品設計(product design)により、製造コストを抑えた製品が格安スマホである。

考察1. そうした格安スマホの競争優位性に関して、「全く新しいカテゴリーのスマホ」(米モジラ財団 ジェイ・サリバンCOOの発言)である25ドルスマホ端末に関する下記のような記事などを参考にしながら考察しなさい。

  1. 「第3のOS「ファイヤーフォックス」搭載、25ドルスマホの実力は、簡単操作、初心者使いやすく、ライバルは「ウィンドウズ」」『日経産業新聞』2014年2月28日
  2. 「スマホ40億人時代(上)25ドル端末の破壊力――先進国市場まで射程」『日本経済新聞』2014年3月11日朝刊

考察2. ノキアが2014年2月に発表した「格安」スマホの220に関して、それを米モジラ財団の25ドルスマホと比較しながら、ノキアの競争戦略の意図と、予想される結果について考察をおこないなさい。

  1. 「世界最大、携帯見本市で競演、旗艦スマホVS.格安スマホ――ソニー、4K動画を撮影、ノキア、29ユーロで機能十分」『日経産業新聞』2014年2月28 日

考察3. イー・アクセスのような通信サービスプロバイダの戦略として、格安スマホの登場をどのように考えるべきなのかを下記の記事などを参照しながら考察しなさい。

  1. 「イー・アクセス、速さに磨き、格安スマホ通信エリア拡大、ソフトバンクと連携テコに」『日経産業新聞』2013年9月5 日
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佐野ゼミ2014年春合宿2/26-2/28

<注意事項>
  1. 春合宿発表の希望テーマを1/19(日)までに教員宛に送信すること。
  2. 下記にWEBに挙げられている事項をテーマとして発表する場合には、その事項名を第1希望、第2希望、第3希望の順に記入してください。1/20(月)には結果発表をおこないます。(希望が重なった場合は、申し込みの早い方を優先します。)

    なお、自分が今学期中に提出したレポートに対する教員コメントにもとづく発表を希望する場合は「コメント希望」と記入してください。(なおできれば、どの提出レポートなのかを指定してください。指定がなければ、教員の側で適当に選んでコメントを書きます。)
     コメントを付けた文書は2月上旬の後半までにskydriveにアップします。こちらの希望者が多い場合には、コメントを付けた文書のアップロードが少し遅れる可能性がありますので、レポートの準備作業を早くしたい方はこちらを選択しないようにしてください。(武谷さんと四ツ谷さんは授業中コメントに基づいてレポートをしてくださって結構です。時間が取れれば、追加のコメントをアップします。)

  3. 発表レポートの原案・概要案の提出締切日 — 2/17(月)
  4. この日までに、発表レポートに関して、「現在のところ、どのような内容の発表をしようとしているのか?」「現在まで、どのような事項を調べたのか?」「どのWebページや資料を参考としているのか?」がわかる文書を共有skydriveにアップすること。

  5. 発表レポートの最終案提出締切日 — 2/24(月)
  6. この日までに、発表レポートの最終案を提出すること。皆さんから提出された発表レポートに関して、最終的チェック、および、合宿参加者の人数分の印刷を25日(火)におこないますので、提出が絶対に遅れないようにしてください。
     
  7. 発表レポートの作成に際しては、「一つの事項に関して複数の資料に当たること」「関連する具体的な数値データを調べること」「理論的考察を、具体的事例を用いてわかりやすく説明できるようにすること」を厳守すること
  8. なお授業中に指示したように、発表内容に関してゼミ担当教員がsanosemi.comおよびsanosemi.infoの中でどのように記載しているのかを必ず調べること。
    例えば、google検索で検索対象を下記のように指定すると、「イノベーション」という語句を含むsanosemi.com内のデータすべてを見ることができる

    イノベーション site:sanosemi.com

    また下記Webページの注意事項も守るようにしてください。
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佐野ゼミでのレポート・卒論作成に関する意事項(2) — 詳細編

  1. 参考文献で挙げた資料に関して本文中で引用する場合には、本文中の記述は簡略化したものとすること
  2. たとえば、参考文献中の表記が下記のような場合を例として挙げると、次のようになる。

    サンプル1
    参考文献中の表記
    松井克明(2013)「迫る自動車革命、主役はグーグル?」Business Journal、2013.11.9、 連載 > 「ダイヤモンド」vs「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み
    http://biz-journal.jp/2013/11/post_3300.html(アクセス2014/1/8)

    本文中での引用表記
    松井克明(2013)

    サンプル2
    参考文献中の表記
    日本エネルギー経済研究所(2007)『総合的な経済・エネルギー・環境分析に資する技術情報の整備のための研究』の第二部「SNA と整合的なエネルギー統計のための技術情報の標準化」
    http://www.esri.go.jp/jp/prj/hou/hou031/hou31.pdf

    本文中での引用表記
    日本エネルギー経済研究所(2007)p.40(pdf p.215/273)

    一般的にはpdfの中のページ数は表記しないが、佐野ゼミの卒論・レポートでは必ず記載しておくこと

  3. 卒論の参考文献として、事典の項目を挙げることは原則として禁止します
  4. 卒論の記述に際しては、単行本・学術論文・雑誌記事・新聞記事・WEBニュースなどを参考資料として使用すること

    なお普段のレポート提出に際しては、WEB上の事典を参考文献として挙げても構わないが、その場合であっても、「文字化けしたURLアドレス」は挙げないこと

    下記のような表示は絶対にしないこと
    Weblio(2012)「ダイレクトイグニッション」
    http://www.weblio.jp/content/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E3%82%A4%E3%82%B0%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

    上記のような表示ではなく、下記のどちらかの表示で記載しておくこと
    表記法1 — 資料名のところにリンクを張る方法
    表記法2 — URLの文字化けを直して、日本語表記とする方法
    Weblio(2012)「ダイレクトイグニッション」
    http://www.weblio.jp/content/ダイレクトイグニッション
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コストの概念的分類視点から見たコストリーダーシップ戦略

コストリーダーシップ戦略を具体的に考える際には、どのようなコストを対象とするのかという視点からの分析が必要不可欠である。
 なお低コスト化を追求することで競合製品(競合企業)に対する競争優位を獲得しようとするコストリーダーシップ戦略の考察に際しては、競合製品(競合企業)との比較が必要不可欠である。一つの製品(あるいは、一つの企業)だけを取り上げるのではなく、かならず競合製品(競合企業)を取り上げて、下記のようなコストそれぞれについて比較をおこなうことが必要である。

A.製造原価(manufacturing cost) — 材料費、労務費、経費
要素名 説明 具体例
1) 材料費 製造過程で消費されるモノに関わる費用 原材料費など
2) 労務費 製造業務に関わる人件費 製造作業に携わっている社員・アルバイトに関わる人件費など
3) 経費 製造に関わる上記以外の費用 工場設備の減価償却費、水光熱費、部品の外注加工費、特許権使用料など
B.販売費用(sales expense)
製品の販売業務に関わる人件費、広告費など

C.一般管理費(general and administrative expenses)
総務部門、会計部門、人事部門などの一般管理業務に関わる人件費など

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明治大学経営学部佐野ゼミナール用市場調査データ・業界動向ガイド(2012年度版)

1.市場動向・業界動向関連
(1) 市場動向・業界動向に関連資料
a. 白書類・・・『××白書』というタイトル名で刊行されている資料
例えば、ゲーム業界を例に取ると、下記のように『××ゲーム白書』がいくつも刊行されている。なお『ファミ通ゲーム白書』などには個別機種ごとの販売台数・販売金額が掲載されているので、市場シェアを知ることもできる。
◎コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会『CESAゲーム白書』2001年版 –
明大図書館所蔵情報>明治大学駿河台図書館1F>中央参考開架>R798/4//H
◎エンターブレイン『ファミ通ゲーム白書』エンターブレイン、2005 –
明大図書館所蔵情報>明治大学駿河台図書館1F>中央参考開架>R589/6//H
メディアクリエイト総研編『テレビゲーム産業白書 : テレビゲームビジネス及び関連業種の現状と展望』メディアクリエイト, 2001年版-2009
明大図書館所蔵情報>明治大学駿河台図書館1F>中央参考開架>R798/3//H

ゲームソフトに関しては下記のものが役に立つ。
メディアクリエイト編『テレビゲーム流通白書』メディアクリエイト, 1998-2000.
明大図書館所蔵情報>明治大学駿河台図書館1F>中央参考開架>R798/3//H

ネット検索により、ゲーム機以外に関しても、タイトル名に「白書」と銘打たれた書籍で市場データを入手することができる場合がある。
H-1 財団法人インターネット協会監修(2012)『インターネット白書2012』インプレスR&D
H-2 インプレスR&D インターネットメディア総合研究所編(2009)『デジタル放送白書2009』インプレスR&D
H-3 インプレスR&D インターネットメディア総合研究所(2012)『スマホ白書2012』インプレスR&D
H-4 モバイル・コンテンツ・フォーラム監修(2008)『ケータイ白書2009』インプレスR&D
政府の白書(年次報告書)に関しては、下記のリンクからその一覧を見ることができる。
佐野ゼミ関連としては、特に下記のものが役立つ。

b. Web上のデータ(その1) —- 調査会社のプレスリリース
「WWWで見る調査レポート」http://www.isc.meiji.ac.jp/~sano/internet/www_report01.htmも参照のこと。

アイサプライ
下記のように、製品の製造コストに関するプレスリリースが様々な新聞記事や雑誌記事で引用されている。

SONYのPS3の製造コスト関連記事
http://www.isuppli.co.jp/pdf/IS06-PR013J21Nov_rev1.pdf

AMAZONのKindle2の製造コスト関連記事
http://www.isuppli.com/News/Pages/Amazon-s-Kindle-2-Costs-185-49-to-Build-iSuppli-Teardown-Reveals.aspx

IDC
ガートナー
PC市場の世界シェアに関して、四半期ごとにプレスリリースで発表している。日経新聞などにおける記事でも、ガートナーのプレスリリースが典拠となっている。たとえば、下記のようなプレスリリースがある。
Gartner (2009) “Gartner Says Worldwide PC Shipments Declined 6.5 Percent in First Quarter of 2009” , Gartner Press Release, April 15, 2009
http://www.gartner.com/it/page.jsp?id=939015

Gartner (2009) “Gartner Says Worldwide PC Shipments Declined 5 Per Cent in Second Quarter of 2009”, Gartner Press Release, July 16, 2009
http://www.gartner.com/it/page.jsp?id=1076912

Gartner (2009) “Gartner Says Worldwide PC Shipments Returned to Growth in Third Quarter of 2009” , Gartner Press Release, October 14, 2009 [「世界におけるPC出荷台数は2009年第3四半期には増加基調に戻った」という内容の記事]
http://www.gartner.com/it/page.jsp?id=1207613

2009年第1~第3四半期における出荷台数[単位:千台]および出荷台数シェア

会社名 2009年第1四半期 2009年第2四半期 2009年第3四半期
出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア
Hewlett-Packard 13,305 19.8% 13,371 19.6% 16,120 19.9%
Acer 8,758 13.0% 9,196 13.5% 12,484 15.4%
Dell Inc. 8,789 13.1% 9,259 13.6% 10,343 12.8%
Lenovo 4,430 6.6% 5,758 8.4% 6,878 8.5%
Toshiba 3,688 5.5% 3,395 5.0% 4,036 5.0%
Others 28,239 42% 27,169 39.9% 31,003 38.3%
Total 67,209 100% 68,149 100% 80,864 100%
ネットブックで快調なAcerが2009年第3四半期についにDellを抜き、世界第2位のシェアを獲得した。

[調べてみよう]
しかし、その後はまた順位に変動が起こっている。「どのように変動したのか?」を調べるとともに、「変動した理由は何なのか?」をデータに基づき推測してみよう。

c. Web上のデータ(その2)
ファミ通.comのWebサイトにおいて「ゲームソフト販売ランキング TOP30」や「ゲームハード販売台数、ハード別ソフト販売割合」などを見ることができる。

【ゲームソフト販売本数ランキング TOP30】集計期間:2009年10月5日~10月11日(2009/10/22)
http://www.famitsu.com/game/rank/top30/1228716_1134.html
【ゲームハード販売台数、ハード別ソフト販売割合】集計期間:2009年10月12日~10月18日
http://www.famitsu.com/game/rank/hard/1228946_1140.html

上記の過去データに関しても、Internet Archive http://web.archive.org/を利用することで、下記からリンク切れであっても入手することができる場合がある。

d. 企業の『社史』や業界団体の『××年史』
下記のように、企業や業界団体が創立××周年を記念した刊行物を発行することが多い。

社団法人日本電子機械工業会『電子工業50年史(通史編/資料編/CD-ROM版)』日経BP社/日経BP企画,588pp

(2) 市場動向・業界動向の調査方法に関する解説
2.市場規模・市場シェア関連
(1) 市場シェアに関連する資料データ
a. 矢野経済研究所『日本マーケットシェア事典』
この書誌への明治大学図書館のリンク
http://opac.lib.meiji.ac.jp/webopac/ctlsrh.do?listcnt=5&maxcnt=100&bibid=SB00032808
明治大学には、1990-2000,2002, 2004-を所収
明治大学駿河台図書館1F_中央参考開架_R675/18//H

日本におけるほとんどの製品について、シェア、出荷台数、出荷金額などのデータが掲載されている。2009年版の掲載項目はhttp://www.yano.co.jp/market_reports/C51101800で見ることができる。
残念ながら、ゲーム専用機についてはシェア、販売台数、販売金額などのデータが掲載されてはいない。

b. 白書類
『白書』によっては、企業ごと、あるいは、製品ごとの市場データが掲載されている。例えば、『ファミ通ゲーム白書』などには個別機種ごとの販売台数・販売金額が掲載されているので、市場シェアを知ることもできる。

(2) 市場シェアに関連するWebサイト
様々な業界の動向、業界規模、売上高、シェア、平均年収、平均年齢、勤続年数などがランキングとともに掲載されている。
ただし「このサイトの運営主体がどのような企業・団体であるのか明示されていない」「データの出典が明示されていない」「単年度のデータしか掲載されていない」「掲載されているデータが何年のものなのかが明示されていない」などの問題があるので、1次的な出典として用いるのは不適当である。

(3) 市場シェアの調査方法に関する解説
(4)市場規模に関連する個別的統計資料データ
各個別業界の市場規模に関してはそれぞれの業界団体のWebサイトに統計資料が掲載されていることが多い。例えば下記参照のこと。

a. 社団法人 日本映像ソフト協会
ビデオソフト月間売り上げ速報、年間売上統計などへのリンクが掲載されている。統計データとしては、下記のようなデータが業界の歴史的動向を理解するのに便利である。

このWebページから下記のような統計データをダウンロードすることができる。

(5) 市場規模に関連する総合的統計資料データ
a. 日経NEEDS-Financial QUEST2.0※産業総合統計・商品市況データ
 各種製品の出荷量などに関する時系列データをダウンロードできる。

(6) 政府による市場調査データ
a. 経済産業省・商業動態統計調査
b. 経済産業省・生産動態統計調査
c. 経済産業省・工業統計調査
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「経験曲線」効果

「経験曲線」(Experience Curve)効果に関してはWEB上では下記のような解説がある。

経験曲線(Experience Curve)

dictionary.goo.ne.jp›網倉久永「経験曲線」
http://pweb.sophia.ac.jp/amikura/teaching/strategy1/exp/experience1.pdf

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佐野ゼミ・ガイド2014

佐野ゼミの2014年度用ガイド(拡張版)
佐野ゼミ生がゼミ卒業までに修得すべきStudet Minimumに関する案内
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佐野ゼミにおけるStudent Minimum

Part1.佐野ゼミにおけるStudent Minimum一覧

Part1-A 佐野ゼミで基本とする理論
  1. アッターバックのドミナント・デザイン論(Theory of Dominant Design)
  2. クリステンセンのバリュー・ネットワーク論(Theory of Dominant Design)
  3. ロルフスのバンドワゴン効果論(Theory of Bandwagon Effect)
  4. 製品アーキテクチャ論
Part1-B 佐野ゼミで取り上げる応用的理論
  1. プラットフォームリーダーシップ論(Theory of Platform Leadership)
  2. ロジャースのイノベーション普及(Diffusion of Innovation)論
Part1-C 佐野ゼミで基本とする理論的用語
  1. 「規模の経済」(economy of scale)効果
  2. 固定費用・可変費用(fixed cost,variable cost)
  3. 「範囲の経済」(economy of scale)効果
  4. 企業戦略(corporate strategy)、事業戦略(business strategy)、機能別戦略( functional strategy)
  5. 製品戦略(product strategy) vs 技術戦略(technology strategy)
  6. 多角化戦略(strategy of diversification)、選択と集中の戦略(Concentration in Core Competence)
  7. コストリーダーシップ戦略、差異化戦略、コスト集中戦略、差異化集中戦略(cost-leadership, differentiation, cost-focus, differentiation-focus)
  8. プロダクト・イノベーション(product innovation)、プロセス・イノベーション(process innovation)
  9. プロダクト・アウト(product-out)、マーケット・イン(market-in)
  10. 「経験曲線」(experience curve)効果
  11. 先駆者の優位性・不利性(first mover’s advantage and disadvantage)
  12. スイッチング・コスト(switching cost)
  13. 「ネットワーク外部性」(Network Externalities)に関わるバンドワゴン効果(bandwagon effect) vs「補完財」(complementary goods)に関わるバンドワゴン効果(bandwagon effect)
  14. 製品アーキテクチャ(product architecture)、インテグラル(integral)型、モジュラー(modular)型、オープン(open)型、クローズド(closed)型
  15. デファクト・スタンドード(de facto standard)
Part1-D 佐野ゼミにおける基本的発想法
  1. 必要性・有用性(necessity/usefulness)、欲求(wants)、需要(demand)の区別と連関
  2. 素材・原材料(material)、部品(parts)、モジュール(module)、製品(product)の区別と連関

Part.2 Studet Minimumに関連する参考文献および参考WEB

Part2-A 佐野ゼミで基本とする理論

1) アッターバックのドミナント・デザイン論(Theory of Dominant Design)
2) クリステンセンのバリュー・ネットワーク論(Theory of Dominant Design)
3) ロルフスのバンドワゴン効果論(Theory of Bandwagon Effect)
4) 製品アーキテクチャ論
Part2-B 佐野ゼミで取り上げる応用的理論
1) プラットフォームリーダーシップ論(Theory of Platform Leadership)
2) ロジャースのイノベーション普及(Diffusion of Innovation)論
Part2-C その他の関連参考文献
マクグラス,M.E.(菅正雄ほか訳,2005)『プロダクトストラテジー:最強最速の製品戦略』日経BP社
デ・ペス, F.T, コトラー,P.(櫻井祐子訳, 2011)『コトラーのイノベーション・マーケティング』翔泳社
バーゲルマン,R.A., クリステンセン, C.M., ホイールライト, S.C.(岡真由美ほか訳, 2007)『技術とイノベーションの戦略的マネジメント』上・下2冊, 翔泳社

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窒素酸化物(NOx)の排出源としてのディーゼル・エンジン

問1 なぜガソリン自動車ではなく、ディーゼル自動車が窒素酸化物(NOx)の排出源として問題にされるのか?

問2 問1のような問題にも関わらず、燃費性能に関してはディーゼル自動車の方がガソリン自動車よりもすぐれている。どの程度、すぐれているのかを調べるとともに、そのことを地球温暖化問題との関係で論じなさい。

[shigeさん用課題]

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電気自動車における電池コストの割合の歴史的推移

問1 電気自動車では電池が製造コストの中で大きな割合を占めている。それがどのように歴史的に変化したのかを調べてみよう。

問2 また電気自動車用の電池を製造する技術を持っている企業は、自動車企業というよりは別な産業分野に属する企業である。どのような産業分野の企業が、電気自動車やハイブリッド自動車のための電池(充電池、二次電池)を作っているのかを調べるとともに、電池メーカーと自動車メーカーの関係はどのようになっているのかを調べてみよう。

<Shigeさん用課題>

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ゲームセンター関連資料

関連文献
相田洋,大墻敦(1997)『NHK スペシャル「新・電子立国」第4 巻-ビデオゲーム巨富の攻防』日本放送出版協会,赤木真澄(2005)『それは『ポン』からはじまった』アミューズメント通信社
伊藤正直・新田太郎(2005)『ビジュアルNIPPON 昭和の時代』小学館
加藤裕康(2005)「ゲームセンターにおけるコミュニケーション空間の形成」『マスコミュニケーション研究』67 号,pp.106-122.
加藤裕康(2011)『ゲームセンター文化論 メディア社会のコミュニケーション』新泉社,358pp

序章 ゲームセンターの若者たち/第1章 ゲームセンターへの視線/第2章 ゲームセンター文化の生成/第3章 コミュニケーション・ノート/第4章 イラスト・ノート/第5章 快適な居場所とするための戦略/第6章 伝言・掲示板/終章 新たな若者文化のきざし

川﨑寧生(2012)「ゲームセンターの店舗形態別研究の必要性―先行研究及び二次資料を中心に―」Core Ethics, Vol. 8, pp.473-482
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/ce/2012/ky01.pdf
小山友介(2009)「日本ゲーム産業の共進化構造 : モジュール化の進展と破壊的イノベーション」『經濟論叢』183(3), pp.47-58
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/157336/1/kronso_183_3_47.pdf
鈴木久司(1989)「ゲームセンターはハイテク・エンタテイメントを目指す : 体験を遊ぶ」『日本機械学會誌』1989年10月号, pp.77-80
鈴木久司:セガ・エンタープライゼス,特集:遊びと機械
http://ci.nii.ac.jp/naid/110002441988
中藤保則(1997)「我が国におけるアミューズメント産業の成立と発展 : 軒先商売からゲームセンターそして都市のなかの遊園地へ 」『信州短期大学研究紀要』9(1), pp.66-76
http://ci.nii.ac.jp/naid/110000969386
藤田直樹(1999)「「ファミコン」登場前の日本ビデオゲーム産業:現代ビデオ・ゲーム産業の形成過程(2)」『經濟論叢』(京都大学経済学会),163, pp.59-76
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/45271
守津早苗・多田道太郎・田吹日出碩・奥野卓司・常見耕平・井上章一・川浦康至(1979)「資料報告 インベーダーの流行」『現代風俗‘79』現代風俗研究会,pp.26-43.

関連雑誌
『月刊アミューズメント産業』株式会社アミューズメント産業出版,1972 年- 現行.
『ゲームマシン』アミューズメント通信社,1974 年-2002 年.
『月刊コインジャーナル』株式会社エイ・クリエイト,1976 年-2001 年

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佐野ゼミ 2013年度2年次ゼミ 1月8日および1月15日

ゼミ生への連絡1:2014年1月の2年次ゼミは、1月8日および1月15日の2回のみです。そのゼミ授業に対応する400字レポートの2本に関しては、できるだけ2013年12月26日(木)までに、自分のskydriveの共有フォルダにアップロードして下さい。少なくとも2本の内、1本は絶対に2013年12月26日(木)までに提出して下さい!それが守れない場合は何らかのペナルティを科すことにします。
 そのための課題は現在のところ、本WEBページ中の課題および予告課題とします。どれか二つを適当に選んで回答して下さい。(なお、本webページは追加をおこなう予定です。)
1) 正当な公的理由による欠席の場合は、400字以上ではなく、欠席1回につき1,500字以上のレポートを提出してください。
2) 私的理由であるが事前に連絡・相談して欠席した場合は、欠席1回につき2,000字以上のレポートを提出してください。
3) 私的理由でなおかつ事前の連絡・相談なしに欠席した場合は、欠席1回につき5,000字以上のレポートを提出してください。

[1月8日および15日のゼミ授業のために提出すべき400字レポートの課題]
下記の問題の内のどれか一つを取り上げ、ゼミに出席される方は、400字以上のレポートを提出してください。

問1 先週および先々週の授業中に教員から指摘された事項について調べなさい。

問2 自分が先週または先々週に提出したレポートに関して、どこに問題点があるのかを自分で見つけるとともに、「文章をどのように訂正した方がよいのか?」、「どのような補足をすべきなのか?」、「どのようなデータを付け加えた方がより説得力を増すのか?」という視点から、400字以上の追加訂正をしなさい。

問3 「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」に関する下記問題について調べなさい。

コストリーダーシップ戦略 「低コスト」化(lower cost)によって競争優位性を獲得しようとする戦略
差異化戦略 「差異」化(differentiation)によって競争優位性を獲得しようとする戦略
コスト集中戦略 「低コスト」化(lower cost)と特定セグメントへの「集中」化(focus)によって競争優位性を獲得しようとする戦略
差異化集中戦略 「差異」化と特定セグメントへの「集中」化(focus)によって競争優位性を獲得しようとする
問3-1 家庭用据置型テレビゲーム専用機事業における製品開発・技術開発に関して最近の任天堂が取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、任天堂の家庭用据置型テレビゲーム専用機事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

問3-2 家庭用据置型テレビゲーム専用機事業における製品開発・技術開発に関して最近のソニーが取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、ソニーの家庭用据置型テレビゲーム専用機事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

問3-3 家庭用据置型テレビゲーム専用機事業における製品開発・技術開発に関して最近のマイクロソフトが取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、マイクロソフトの家庭用据置型テレビゲーム専用機事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

問3-4 スマートフォン事業における製品開発・技術開発に関して最近のアップルが取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、アップルのスマートフォン事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

問3-5 スマートフォン事業における製品開発・技術開発に関して最近のサムスンが取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、サムスンのスマートフォン事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

問3-6 スマートフォン事業における製品開発・技術開発に関して最近のソニーが取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、ソニーのスマートフォン事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

問4 「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」といった戦略を選択して獲得した競争優位性に関して、「優位性がどの程度の期間にわたって持続したのか?」「一定期間にわたって優位性を持続できた理由は何か?」「一定期間にわたって持続した優位性はどのような理由・メカニズムで消失したのか?」「優位性の長期的持続のためにはどのようにすべきなのか?(どのようにすれば長期的に持続する優位性を獲得できるのか?)」といった視点から、下記のような具体的事例を一つ取り上げて考察しなさい。
取り上げる事例は、下記以外でも構わない。(例えば、「スポーツ業界におけるサッカーのJリーグが、プロ野球のセ・リーグ,パ・リーグ、バレーボールのVリーグ、バスケットボールのbjリーグに対して、どのような戦略に基づいてどのように持続的競争優位を獲得しようとしているのか?」といったような問いを自ら作って回答しても構わない。)

問4-1 アップルが、知的財産権によって競合企業に対する模倣困難性を高めることで競争優位を持続してきた具体的事例をわかりやすく説明しなさい。なおその際には、5W1Hに留意するとともに、どのような内容の知的財産権によって、どのような形で競争優位を持続させてきたのかを説明しなさい。(例えば、サムスンに対する知的財産権侵害訴訟などを取り上げてわかりやすく説明しなさい。)

問4-2 マイクロソフトが、知的財産権によって競合企業に対する模倣困難性を高めることで競争優位を持続してきた具体的事例をわかりやすく説明しなさい。なおその際には、5W1Hに留意するとともに、どのような内容の知的財産権によって、どのような形で競争優位を持続させてきたのかを説明しなさい。

問4-3 インテルが、知的財産権によって競合企業に対する模倣困難性を高めることで競争優位を持続してきた具体的事例をわかりやすく説明しなさい。なおその際には、5W1Hに留意するとともに、どのような内容の知的財産権によって、どのような形で競争優位を持続させてきたのかを説明しなさい。(例えば、NECに対する知的財産権侵害訴訟などを取り上げてわかりやすく説明しなさい。)

問5 「競争優位の源泉が何であるのか?」という問題に関して、「企業が利用可能な経営資源」(resource)が源泉であるとするRBV(Resource Based View)アプローチと、企業の事業セグメント選択や戦略選択といったポジション選択に源泉を求めるポジショニング(Positioning)アプローチがある。
 こうした二つのアプローチに関して、下記の問いに答えなさい。

問5-1 「企業が利用可能な経営資源」(resource)に競争優位の源泉を求めるRBV(Resource Based View)アプローチとはどのような考え方であるのかを、わかりやすく説明しなさい。
問5-2 企業の事業セグメント選択や戦略選択といったポジション選択に競争優位の源泉を求めるポジショニング(Positioning)アプローチとはどのような考え方であるのかを、わかりやすく説明しなさい。
問6 ソフトウェア1本あたりの開発費が高騰することで起きると予想される現象としては、「新規開発ソフトの数を絞る」ことや、「ソフトウェアの失敗確率を低めるために続編もののソフト開発を重視する」ことが起きると予測される。
ソフトウェア1本あたりの開発費が歴史的にどのように推移してきたのかを調べるとともに、実際にそのような現象が起きているのかどうかを具体的に調べてみよう。

問7 ゲーム専用機はパソコンなどと比べて本体価格の割に「浮動小数点演算」能力がかなり高い。「浮動小数点演算」能力で性能評価がされることが多いスパコンとの比較でゲーム専用機の性能の「高さ」が比較される下記のような記事が書かれるのはそのためである。
 しかしそれにも関わらず、ゲーム専用機をパソコンとして使用することにはいくつかの問題点がある。そのことに関して、演算処理に関する技術的性能の問題や補完財としてのソフトウェアの問題などとの関連でわかりやすく説明しなさい。

問8(ゼミ合宿用テーマ候補) 産業構造に関する「垂直統合」(vertical integration)および「水平分業」(horizontal division of labor)に関する下記のような一般的説明について、具体的事例を用いて解りやすく説明しなさい。

問9(ゼミ合宿用テーマ候補) 製品コンセプト(product concept)の決定以後に必要となる、製品の設計(design)、開発(development)、製造(manufacturing)に関する下記の問いに答えなさい。

問9-1 「設計・開発・製造を一社でやるアプローチ」と「設計・開発・製造を分業体制でやるアプローチ」それぞれにメリット・デメリットがあるが、そのことについて調べてみよう。例えば代表的なスマホに関して、CPU、GPUの設計メーカーと製造メーカー、および、技術的性能を調べて一覧表を作成しなさい。そしてそのことから、どのようなことが言えるのかを考えてみなさい。

問9-2 製品の設計、開発、製造をすべて1社で行うやり方と、製品の設計、開発、製造をさまざまな会社と分業しておこなうやり方がある。このことに関して、Appleのスマートフォン事業を分析しなさい。そしてAppleのスマートフォン事業は、「垂直統合」「水平分業」という理論的規定のどちらかと一致するかどうかを考察し、一致していると考えられる場合にはどちらの理論的規定により近いのかを、一致していないと考えられる場合にはどのような理論的用語が用いられているのかを、説明しなさい。

問9-3 製品の設計作業と開発作業の相対的差異に関して、下記WEBサイトの事例などを例として調べてみよう。例えば、「Wii U GamePadの基本的なシステム設計作業とは何か?」「Wii U GamePadの開発作業とは何か?」ということを調べてみよう。

任天堂(2012)「社長が訊く WiiU GamePad編」
http://www.nintendo.co.jp/wiiu/interview/hardware/vol2/index.html

問10(ゼミ合宿用テーマ候補) TV放送に関わるイノベーションに関して、「TVの高解像度化という方向でのイノベーションの将来性はどうか?」「インターネットの発展にともなう放送と通信の融合の将来性はどうか?」「TV放送局の将来的発展の方向性はどうであるべきか?」「TV受信機やディスプレイの将来的発展の方向性はどうであるべきか?」などといった問題を具体的にわかりやすく説明しなさい。

関連参考文献

「特集 膨張する放送-テレビを再び主役に」『日経エレクトロニクス』2013年10月28日号
日経エレクトロニクス編集部「高精細化と個人化、そしてIP統合を推進」pp.24-31
夏野剛「重要なのは実質視聴率、伝送路は多様な方がよい」pp.32 -33
野澤哲生「第2部:4K/8Kへの道-綱渡りの技術開発、映像が伝送路に収まるか」pp.34-39
日経エレクトロニクス編集部「第3部:個人化の進展-放送と通信の壁が消滅へ、実現方式は群雄割拠」p.40

松浦晋也(2013)「2011年 地デジ放送へ全面切り替え、映像サービスが多様化」『日経パソコン』2013年9月9日号, pp.74-75
「激変!テレビ視聴-高精細画像、モバイル、動画配信が当たり前に」『日経TRENDY』 2013年9月号, pp.64-69
須藤修(2013)「インタビュー記事:既存のテレビに未来はない、挑戦のための基盤を構築」『日経エレクトロニクス』 2013年8月5日号, pp.67-70

問11(ゼミ合宿用テーマ候補) 藤本隆宏氏が提唱している製品アーキテクチャ論における中心的概念である、「モジュラー型」「インテグラル型」という理論的用語について、具体的事例を用いてわかりやすく説明しなさい。

製品の技術的構成

material(素材、原材料)
parts(部品)
module(モジュール)
product(製品)

製品競争力の技術的規定要因としての、「製品設計」と「製品生産」

「製品設計」(product design)— 製品の機能や性能にかかわる技術的決定に起因する競争力の差異
vs
「製品生産」(production)— 製品の生産の在り方にかかわる技術的決定に起因する競争力の差異

「製品設計」に関する規定要因 —- 市場的要因、技術的要因
市場的要因(市場需要の現在と将来、競合企業の現在と将来)
vs
技術的要因(自社技術などの利用可能な技術的資源の現在と未来、競合企業の技術の現在と未来)

関連参考記事

問12(ゼミ合宿用テーマ候補) イノベーションに関する先発者の優位性に関して、ポーターがポーター, M.E. (土岐坤訳,1985)『競争優位の戦略』ダイヤモンド社,pp.232-234において挙げている「独占的な習熟曲線」という優位性の根拠となる経験曲線効果について、具体的な事例をもとにわかりやすく説明しなさい。

問13(ゼミ合宿用テーマ候補) 算術演算(四則演算)の実際の実行処理のさせ方には、「整数演算」方式と「浮動小数点演算」方式がある。
 ゲーム専用機はパソコンなどと比べて本体価格の割に「浮動小数点演算」能力がかなり高い。「浮動小数点演算」能力で性能評価がされることが多いスパコンとの比較でゲーム専用機の性能の「高さ」が比較される下記のような記事が書かれるのはそのためである。
 しかしそれにも関わらず、ゲーム専用機をパソコンとして使用することにはいくつかの問題点がある。
 ソニーは、PS2やPS3の製品イノベーションに際して、ゲーム専用機という狭い製品セグメントを超えた製品としてPS2やPS3を位置づけようと部分的には志向してはいたが、現実的にはうまくいかなった。
 そのことについて、わかりやすく説明しなさい。

なお「整数演算」方式の処理性能が高いCPUは、「論理演算」の処理性能も高いと考えられる。それは、現代コンピュータが0と1という2つの数字だけを扱うことで、整数演算方式の算術演算用回路と、論理演算用回路を共通化することで、コンピュータのCPU回路に関する低コスト化を図っているためと考えることができる。
そのことに関して、演算処理に関する技術的性能の問題や補完財としてのソフトウェアの問題などとの関連でわかりやすく説明しなさい。

なお「浮動小数点演算」の性能は、FLOPS(Floating point number Operations Per Second)を単位として表されることが多い。

久夛良木健(2006)「「プレイステーション」市場の創出と次世代エンタテインメント機器開発への挑戦」武田計測先端知財団, 2006.12.26
http://www.takeda-foundation.jp/reports/pdf/ant0303.pdf

久夛良木健氏の当時の肩書きは、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント会長兼グループCEOである。
p.9ではPS2に関して、「当時の最先端のワークステーションの演算能力をはるかに超え、科学技術シミュレーション用の大型スーパーコンピュータ並の演算能力に匹敵する性能を有するものとなった。」と書かれている。
またpp.14-15では「PS3に搭載されている、セルプロセッサはOSなどを実行する汎用CPUコアと、シナージティックプロセスエレメント(PSE)と呼ばれる8個のコアがワンチップに収められたもので、・・・256GFLOPS(ギガフロップス、2560 億/秒)の高性能を有しており、PS3 では、極めてリアルな動作の動画の表出が可能で、さらにそれ以上の処理能力をセルプロセッサは有している。このことから PS3 というハードは単なるゲーム機としての画像処理能力をはるかに超えており、今後ソフトクリエータやユーザからの新しい要望を受けて、これまで予想されていないような、新しいソフトが開発されてくる可能性があり、このことはこれまでの商品開発の方向とは異なり、技術性能の極限をユーザに示すことで、新しい製品が創出されるという新しいビジネスモデルの提案がなされているといえよう。/さらに、このような PS3の超高速の処理能力を生かして、エンタテインメント以外での利用の可能性が提案されている。米国スタンフォード大学では「キュアー・プレイステーション 3」と名づけられた計画で、PS3のユーザの協力を得て、インターネット接続したPS3を世界中でつなぐことにより、一つのスーパーコンピュータとして利用する計画で、がんやアルツハイマー病といった難病の治療薬の開発のため、PS3を活用しようと計画されているものである。PS3のユーザはゲームなどのエンタテインメントで楽しんだ以外の時間を、この開発に活用するというものであり、これが実現すると PS3は単なるゲーム機ではなく、全く新しい寄与を行うこととなり、この進展が期待される。」
「セルプロセッサによる世界最速スーパーコンピュータ」pp.15-16など

livedoorコンピューター(2008)「一家に1台のスパコンを実現した PS3の CPU パワーの秘密」2008年4月18日 / 10:00
http://japan.internet.com/webtech/20080418/6.html
Gigazine(2009)「アメリカ空軍、軍用のスーパーコンピューターを作るためにPS3を2200台発注へ」2009年11月24日 18時34分00秒
http://gigazine.net/news/20091124_ps3_2200/

「浮動小数点数」日本語版ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/浮動小数点数
「論理演算」日本語版ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AB%96%E7%90%86%E6%BC%94%E7%AE%97

■ 発表順は、提出が最も遅かった人からにします。
■ レポート作成に際しては下記の注意事項を厳守して下さい。
[前回の授業内容]
2013.12.18 佐野ゼミ2年次授業

発表者
1 戸部泰大
2 伊藤飛光
3 井出明輝
4 岩崎夏美

カテゴリー: 2013-2015-2年次後期, 佐野ゼミ生用 | コメントする

2013.12.18佐野ゼミ2年次

ゼミ生への連絡1:下記の課題を絶対に12月17日(火)までに、自分のskydriveの共有フォルダにアップロードすること!

ゼミ生への連絡2:来年の2年次ゼミは、1月8日および1月15日の2回のみです。そのゼミ授業に対応する400字レポートの2本に関しては、できるだけ12月26日(木)までに、自分のskydriveの共有フォルダにアップロードして下さい。少なくとも2本の内、1本は絶対に12月26日(木)までに提出すること!それが守れない場合は何らかのペナルティを科すことにします。
 そのための課題は現在のところ、本WEBページ中の課題および予告課題とします。どれか二つを適当に選んで回答して下さい。なお12月22日(日)には追加の課題を書きます。
1) 正当な公的理由による欠席の場合は、400字以上ではなく、欠席1回につき1,500字以上のレポートを提出してください。
2) 私的理由であるが事前に連絡・相談して欠席した場合は、欠席1回につき2,000字以上のレポートを提出してください。
3) 私的理由でなおかつ事前の連絡・相談なしに欠席した場合は、欠席1回につき5,000字以上のレポートを提出してください。

[前日までに提出すべき400字レポートの課題]
下記の問題の内のどれか一つを取り上げ、ゼミに出席される方は、400字以上のレポートを提出してください。

問1 先週および先々週の授業中に教員から指摘された事項について調べなさい。

問2 自分が先週または先々週に提出したレポートに関して、どこに問題点があるのかを自分で見つけるとともに、「文章をどのように訂正した方がよいのか?」、「どのような補足をすべきなのか?」、「どのようなデータを付け加えた方がより説得力を増すのか?」という視点から、400字以上の追加訂正をしなさい。

問3 本Webページの中の、「質疑内容に関する授業後の補足」に対応する下記の補足問題について調べなさい。

補足問題3-1 家庭用据置型テレビゲーム専用機事業における製品開発・技術開発に関して最近の任天堂が取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、任天堂の家庭用据置型テレビゲーム専用機事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

補足問題3-2 家庭用据置型テレビゲーム専用機事業における製品開発・技術開発に関して最近のソニーが取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、ソニーの家庭用据置型テレビゲーム専用機事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

補足問題3-3 家庭用据置型テレビゲーム専用機事業における製品開発・技術開発に関して最近のマイクロソフトが取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、マイクロソフトの家庭用据置型テレビゲーム専用機事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

補足問題3-4 スマートフォン事業における製品開発・技術開発に関して最近のアップルが取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、アップルのスマートフォン事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

補足問題3-5 スマートフォン事業における製品開発・技術開発に関して最近のサムスンが取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、サムスンのスマートフォン事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

補足問題3-6 スマートフォン事業における製品開発・技術開発に関して最近のソニーが取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、ソニーのスマートフォン事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

■ 発表順は、提出が最も遅かった人からにします。
■ レポート作成に際しては下記の注意事項を厳守して下さい。
[前回の授業内容]
2013.12.11 佐野ゼミ2年次授業

発表者
1 伊藤飛光
2 田辺奈々
3 戸部泰大
4 尾関唯

就職活動に関わる「イノベーション」
質疑内容に関する授業後の補足
1.理念型(イデアルティプス, Idealtypus)
M.ウェーバー(Max Weber, 1864-1920)の方法論的概念。『広辞苑』第4版では、「ある現象について、現実には分散的に存在している諸特徴をとりだし、それらを純粋に理想的極限にまで高め、それ自身矛盾のない理想像にまで結合したもの」と説明されている。
 現実のあり方を説明・理解するのに用いられる様々な理論的概念は、理念型の一種と考えられている。すなわち現実の現象の説明・理解には理念型が有用であるけれども、現実の現象は複雑で多面的であるために理念型とは異なる側面を持つ。

ポーターが企業の基本的戦略として挙げている「コストリーダーシップ戦略」と「差異化戦略」という二つの理論的規定も、理念型として捉えることができる。
「コストリーダーシップ戦略」や「差異化戦略」という理論的規定は、企業の様々な行動や決定を総合的に判断して下される規定である。すなわち「コストリーダーシップ戦略」と取っているとされる企業がおこなう行動や決定のすべてが、「低コスト」化を目標としているとは限らない。同じく、「差異化戦略」と取っているとされる企業がおこなう行動や決定のすべてが、「差異」化を目標としているとは限らない。
様々な行動や決定における「低コスト」化の徹底度合いが「コストリーダーシップ戦略」の徹底度合いであり、「差異」化の徹底度合いが「差異化戦略」の徹底度合いである。
すべての行動や決定で徹底して「低コスト」化を志向している企業や、すべての行動や決定で徹底して「差異」化を志向している企業というのは、現実的にはほとんど存在しないと考えられる抽象的モデルとしての理念型である。「低コスト」化を追求している度合いが相対的に高い企業を「コストリーダーシップ戦略」を採用している企業とし、「差異」化を追求している度合いが相対的に高い企業を「差異化戦略」を採用している企業と規定しているのである。

2.CPU視点から見たスマホのイノベーション
スマホはこれまで32ビットCPUが主流であった。そうしたじゅう64ビットCPUによる差異化でadvantageを追求しようとしたものとして、AppleのiPhone5sがある。

アップル社のWEBページからの下記引用でもそのことが触れられている。

「iPhone 5は最良の前例でした。目を見張るほど薄く、軽いデザインの中に、目を見張るほど多くのテクノロジーをつめ込んだからです。iPhone 5sはそこを出発点にしました。そして、指紋認証センサーのTouch ID、64ビットアーキテクチャを持つA7チップ、一段と高性能になったiSightカメラ、超高速4G LTEワイヤレス接続とともに、さらに先へ行きます。」
[出典]アップル「iPhone 5s」
http://www.apple.com/jp/iphone-5s/

「64ビットアーキテクチャを持つチップ。指紋認証センサー。より速く撮れる、より優れたカメラ。64ビットのためにつくられたオペレーティングシステム。どれも、スマートフォンの機能としては、はるかに先を行くものです。そして、そのすべてが、iPhoneをまぎれもなく、はるかに先へ行くものにします。」
A7の速さ。それは単なる速さとは違います。新しいA7チップは、CPUとグラフィックスのパフォーマンスがA6チップと比べて最大2倍高速です。このA7チップが、iPhone 5sを世界初の64ビットのスマートフォンにしました。つまり、超薄型のスマートフォンに、デスクトップクラスのアーキテクチャが入っているのです。これはかなり画期的なことです。さらに、64ビットアーキテクチャのためにつくられたiOS 7が、A7チップの性能を最大限に活かします。
[出典]アップル「iPhone 5sの特長」
http://www.apple.com/jp/iphone-5s/features/

参考文献
日経エレクトロニクス分解班(2013)「iPhone 5sの中核部品 A7とM7の内部に迫る」『日経エレクトロニクス』2013年11月11日号, pp.19-22

3.ゲームソフトの開発費用の歴史的推移
ゲーム機ハードウェアの技術的性能の向上は、ゲーム・ソフトウェアの開発費の上昇をもたらす。
そうした分析に際しては、ゲーム・ソフトウェア関連企業に関して、売上高に占めるソフトウェア開発費の総額を調べるとともに、ゲーム・ソフトウェア一本当たりの開発費の金額の歴史的変化を調べてみよう。

1月8日・15日ゼミ用予告課題(その1)
ソフトウェア1本あたりの開発費が高騰することで起きると予想される現象としては、「新規開発ソフトの数を絞る」ことや、「ソフトウェアの失敗確率を低めるために続編もののソフト開発を重視する」ことが起きると予測される。
ソフトウェア1本あたりの開発費が歴史的にどのように推移してきたのかを調べるとともに、実際にそのような現象が起きているのかどうかを具体的に調べてみよう。

4.アーキテクチャについての説明
マイクロソフトはWindowsOSアーキテクチャに関して、様々な知的財産権を持っている。インテルはCPUのx86アーキテクチャに関して、様々な知的財産権を持っている。

マイクロソフトやインテルは、他社よりもいち早く発明・創造した企業が獲得可能な法的権利としての知的財産権(特許権、著作権、商標権など)によって、競合企業に対する模倣困難性を高めることで持続的競争優位を獲得してきた。

1月8日・15日ゼミ用予告課題(その2)
マイクロソフトやインテルなどといったIT関連企業が、知的財産権によって競合企業に対する模倣困難性を高めることで競争優位を持続してきた具体的事例をわかりやすく説明しなさい。なおその際には、5W1Hに留意するとともに、どのような内容の知的財産権によって、どのような形で競争優位を持続させてきたのかを説明しなさい。

5.コンピュータのCPUがおこなっている基本的処理作業 —- 「算術演算」処理と「論理演算」処理

2種類の演算処理—算術演算(四則演算)と論理演算

自動車の自動運転(ex. グーグルによる次世代自動車の取り組み)などコンピュータが人工「知能」として利用可能であるのは、「算術演算」だけでなく、「論理演算」ができるからである。

1月8日・15日ゼミ用予告課題(その3)
算術演算(四則演算)の実際の実行処理のさせ方には、「整数演算」方式と「浮動小数点演算」方式がある。
なお「整数演算」方式の処理性能が高いCPUは、「論理演算」の処理性能も高いと考えられる。それは、現代コンピュータが0と1という2つの数字だけを扱うことで、整数演算方式の算術演算用回路と、論理演算用回路を共通化することで、コンピュータのCPU回路に関する低コスト化を図っているためと考えることができる。
 こうしたことについて具体的説明事例を用いながらわかりやすく説明しなさい。

1月8日・15日ゼミ用予告課題(その4)
ゲーム専用機はパソコンなどと比べて本体価格の割に「浮動小数点演算」能力がかなり高い。「浮動小数点演算」能力で性能評価がされることが多いスパコンとの比較でゲーム専用機の性能の「高さ」が比較される下記のような記事が書かれるのはそのためである。
 しかしそれにも関わらず、ゲーム専用機をパソコンとして使用することにはいくつかの問題点がある。そのことに関して、演算処理に関する技術的性能の問題や補完財としてのソフトウェアの問題などとの関連でわかりやすく説明しなさい。

なお「浮動小数点演算」の性能は、FLOPS(Floating point number Operations Per Second)を単位として表されることが多い。

久夛良木健(2006)「「プレイステーション」市場の創出と次世代エンタテインメント機器開発への挑戦」武田計測先端知財団, 2006.12.26
http://www.takeda-foundation.jp/reports/pdf/ant0303.pdf

久夛良木健氏の当時の肩書きは、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント会長兼グループCEOである。
p.9ではPS2に関して、「当時の最先端のワークステーションの演算能力をはるかに超え、科学技術シミュレーション用の大型スーパーコンピュータ並の演算能力に匹敵する性能を有するものとなった。」と書かれている。
またpp.14-15では「PS3に搭載されている、セルプロセッサはOSなどを実行する汎用CPUコアと、シナージティックプロセスエレメント(PSE)と呼ばれる8個のコアがワンチップに収められたもので、・・・256GFLOPS(ギガフロップス、2560 億/秒)の高性能を有しており、PS3 では、極めてリアルな動作の動画の表出が可能で、さらにそれ以上の処理能力をセルプロセッサは有している。このことから PS3 というハードは単なるゲーム機としての画像処理能力をはるかに超えており、今後ソフトクリエータやユーザからの新しい要望を受けて、これまで予想されていないような、新しいソフトが開発されてくる可能性があり、このことはこれまでの商品開発の方向とは異なり、技術性能の極限をユーザに示すことで、新しい製品が創出されるという新しいビジネスモデルの提案がなされているといえよう。/さらに、このような PS3の超高速の処理能力を生かして、エンタテインメント以外での利用の可能性が提案されている。米国スタンフォード大学では「キュアー・プレイステーション 3」と名づけられた計画で、PS3のユーザの協力を得て、インターネット接続したPS3を世界中でつなぐことにより、一つのスーパーコンピュータとして利用する計画で、がんやアルツハイマー病といった難病の治療薬の開発のため、PS3を活用しようと計画されているものである。PS3のユーザはゲームなどのエンタテインメントで楽しんだ以外の時間を、この開発に活用するというものであり、これが実現すると PS3は単なるゲーム機ではなく、全く新しい寄与を行うこととなり、この進展が期待される。」
「セルプロセッサによる世界最速スーパーコンピュータ」pp.15-16など

livedoorコンピューター(2008)「一家に1台のスパコンを実現した PS3の CPU パワーの秘密」2008年4月18日 / 10:00
http://japan.internet.com/webtech/20080418/6.html
Gigazine(2009)「アメリカ空軍、軍用のスーパーコンピューターを作るためにPS3を2200台発注へ」2009年11月24日 18時34分00秒
http://gigazine.net/news/20091124_ps3_2200/

「浮動小数点数」日本語版ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/浮動小数点数
「論理演算」日本語版ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AB%96%E7%90%86%E6%BC%94%E7%AE%97

コンピュータ操作に関する今週のワンポイント・テクニック
「置換処理」操作:CTRL+H

マルチプラットフォーム化は重要なポイント
 そうしたソフトメーカーの要望に対応するために、ソニーやマイクロソフトはどのような対応を行っていると考えられるか?

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新結合(neue Kombination)によるイノベーションに関わる具体的事例

ex.海水魚のトラフグの陸上養殖
海水魚のトラフグが、海のない栃木県那珂川町で陸上養殖されている。
これは同町で算出される豊富な温泉水資源を利用したものである。

株式会社夢創造「里山温泉トラフグ」

関連参考WEB
佐野正博「Schumpeter のイノベーション論」
http://www.sanosemi.com/biztech/document/Schumpeter-Innovation-2013.pdf

佐野正博「イノベーションに関する基礎的知識」
http://www.sanosemi.com/biztech/document/innovation-2011-basic.pdf

カテゴリー: イノベーション論, 佐野ゼミ生用課題, 学問的考察 | コメントする

就職活動(就活)に関わる「イノベーション」

下記の記事のように、一部の企業では採用時に、大学における成績を再び重視する動きが出ている。大手企業の多くは1990年代前半まで選考前に大学における成績書の提出を求めていたが、採用時期を遅らせることに対応して、このような動きが起きているものと思われる。

「採用、再び成績重視、三菱商事や富士通、客観評価容易に。」『日本経済新聞』2013年12月8日朝刊、1面http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD280WQ_X01C13A2MM8000/

上記の記事によれば、2015年3月卒業予定の学生から、三菱商事、富士通、三井物産、日本たばこ産業(JT)、セブン―イレブン・ジャパン、東レ、帝人、清水建設などの大手企業が学業成績をこれまでよりも重視するように方針転換をおこなう予定である。
 たとえば、「三菱商事などに入社を希望する学生はインターネットの専用サイトに授業ごとの成績を記入する」と報道されている。

なお企業のこうした方針転換に対応した新しい事業サービスを提供しているのが、NPO法人DSS(大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会,東京都千代田区九段北1-14-17,代表:辻太一朗)株式会社「大学成績センター」である。
日本経済新聞の同記事では、NPO法人のDSSが「全国の有力大学の授業内容に詳しく企業に対し学生の成績を客観的に判断する情報」を提供することを目的に、「今後は学生から集めた成績データの分析や聞き取り調査などで、高評価が取りにくい授業などの情報も提供し、企業が選考時に大学の成績をより的確に利用できる」ように予定しているとされている。
 しかし実際にそうしたサービスを提供しているのは、株式会社「大学成績センター」であり、NPO法人DSSではない。日本経済新聞の同記事はその点で少し誤解を招きかねない表現と言えよう。

関連WEBページ
1)NPO法人DSS(大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会,東京都千代田区九段北1-14-17,代表:辻太一朗)
http://www.npo-dss.com/

2)株式会社「大学成績センター」
http://dscenter.co.jp/

3)山崎元(2013)「大手企業が続々と方針転換、採用が再び成績重視に?」Diamond Online, 2013年12月11日

カテゴリー: ゼミ生用注意事項, 佐野ゼミ生用, 就職活動 | コメントする

2013.12.11 佐野ゼミ2年次

ゼミ生への連絡1:2014年5月に開始されるゼミ試の担当者は、岩崎さんと戸部さんです。
(なお2014年経営学部ゼミ試の日程予定案は、佐野ゼミ学部用skydriveのルートフォルダにアップされています。)

ゼミ生への連絡2:下記の課題を絶対に12月10日(火)までに、自分のskydriveの共有フォルダにアップロードすること!

1) 正当な公的理由による欠席の場合は、400字以上ではなく、欠席1回につき1,500字以上のレポートを提出してください。
2) 私的理由であるが事前に連絡・相談して欠席した場合は、欠席1回につき2,000字以上のレポートを提出してください。
3) 私的理由でなおかつ事前の連絡・相談なしに欠席した場合は、欠席1回につき5,000字以上のレポートを提出してください。

[前日までに提出すべき400字レポートの課題]
下記の問題の内のどれか一つを取り上げ、ゼミに出席される方は、400字以上のレポートを提出してください。

問1 先週および先々週の授業中に教員から指摘された事項について調べなさい。

問2 本Webページの中の、「質疑内容に関する授業後の補足」部分に書かれた補足問題について調べなさい。

問3 CPUに関するx86アーキテクチャとは何かを説明するとともに、なぜソニーのPS4およびマイクロソフトのXboxOneのCPUがともにx86アーキテクチャのCPUを採用したのかを説明しなさい。

問4 CPUに関するx86アーキテクチャとは何かを説明するとともに、なぜマイクロソフトが家庭用TVゲーム機市場への参入に際して、XboxのCPとしてx86アーキテクチャのCPU(PentiumIV)を採用したのかを説明しなさい。

問5 PS4とXboxOneのCPUモジュールに関する基本的設計をおこなった会社はどこか?なぜPS4と,XboxOneは、CPU本体に関しては同一のJagurを使っているのか?PS4とXboxOneのCPUモジュールに関しては、PS3やXBOX360の時とは異なり、ほとんどカスタマイズが行われていないと言われているが、それはどのような理由によるものなのか?

問6 イノベーションに関する先発者の優位性に関して、ポーターはポーター, M.E. (土岐坤訳,1985)『競争優位の戦略』ダイヤモンド社,pp.232-234において下記のような9つを挙げている。
下記の内のどれか一つを取り上げ、具体的事例で説明しなさい。なお具体的事例を挙げる際には5W1Hに注意して記載しなさい。

(1) 名声
(2) 地位の先取り
(3) 切替コスト
(4) チャネル選定
(5) 独占的な習熟曲線
(6) 設備、原材料、その他稀少資源が有利に入手できる
(7) 規格の設定
(8) 制度上の障壁
(9) 初期利益

問7 自分が先週または先々週に提出したレポートに関して、どこに問題点があるのかを自分で見つけるとともに、「文章をどのように訂正した方がよいのか?」、「どのような補足をすべきなのか?」、「どのようなデータを付け加えた方がより説得力を増すのか?」という視点から、400字以上の追加訂正をしなさい。

■ 発表順は、提出が最も遅かった人からにします。
■ レポート作成に際しては下記の注意事項を厳守して下さい。
[前回の授業内容]
[今回の授業内容]
発表者
伊藤飛光
田辺奈々
戸部泰大
尾関唯

質疑内容に関する授業後の補足
1.CPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)とGPU(Graphics Processing Unit、画像処理装置)
CPUは、足し算、引き算、掛け算、割り算という四則演算=算術演算と、命題の真偽に関する計算としての論理演算という2種類の演算を扱う。
なお算術演算を、人間は10進法でおこなっているが、現代コンピュータは2進法でおこなっている。すなわち、足し算、引き算、掛け算、割り算の実行に際して、人間は0から9までの数字を用いて計算しているのに対して、現代コンピュータは0と1という2つの数字だけで計算をおこなっている。

補足問題1.現代コンピュータが0と1という2つの数字だけを扱うようにしているのは、算術演算用の回路と、論理演算用の回路を共通化することで、コンピュータのCPU回路に関する低コスト化を図っていると考えることができる。それはどういうことなのかを考えてみよう。

2.CPUの歴史的変化

game-console-cpu1
game-console-cpu
上の図に関してどのようなことが言えるのかを考えてみよう。すなわち、下記の補足問題のような質問を、自分で質問を考えるとともに、それに対する回答を作成しなさい。

補足問題2.ソニーのPSとPS2のCPUの基本設計はMIPSという同じ会社が行っているが、PS用CPUとPS2用CPUそれぞれの技術的性能および特徴は何か?またその2つのCPUの互換性があまり高くないにも関わらず、PS2でPSのゲームソフトが動作するようにするために、ソニーはどのようなことをおこなったのか?

関連参考WEB
ソニー「”PS2″で”PS”規格のソフトウェアは遊べますか?」
ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(2005)「「プレイステーション 2」(SCPH-75000シリーズ、SCPH-77000シリーズ、 SCPH-79000シリーズおよびSCPH-90000シリーズ)における「プレイステーション」 および「プレイステーション 2」規格ソフトウェアの互換性についてのお知らせ」ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンの2005年10月20日付プレスリリース
3.ゲームソフトの開発費用の歴史的推移
ゲーム機ハードウェアの技術的性能の向上は、ゲーム・ソフトウェアの開発費の上昇をもたらす。

補足問題3.ゲーム機ハードウェアの技術的性能の向上にともなって、ゲーム・ソフトウェアの開発費がどのように上昇したのかを調べるとともに、そのことに対してどのような対応策が取られたのかを調べてみよう。

4.製品の設計(design)、開発(development)、製造(manufacturing)
製品の設計、開発、製造をすべて1社で行うやり方と、製品の設計、開発、製造をさまざまな会社と分業しておこなうやり方がある。

補足問題4.製品の設計作業と開発作業の相対的差異に関して、下記WEBサイトの事例などを例として調べてみよう。例えば、「Wii U GamePadの基本的なシステム設計作業とは何か?」「Wii U GamePadの開発作業とは何か?」ということを調べてみよう。
任天堂(2012)「社長が訊く WiiU GamePad編」
http://www.nintendo.co.jp/wiiu/interview/hardware/vol2/index.html

補足問題5.「設計・開発・製造を一社でやるアプローチ」と「設計・開発・製造を分業体制でやるアプローチ」それぞれにメリット・デメリットがあるが、そのことについて調べてみよう。例えば代表的なスマホに関して、CPU、GPUの設計メーカーと製造メーカー、および、技術的性能を調べて一覧表を作成しなさい。そしてそのことから、どのようなことが言えるのかを考えてみなさい。

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2013年度卒論締め切りに関して

佐野ゼミの2013年度の第一次締め切りは11月30日でしたが、その時点で最低文字数をクリアしていたのが3人でした。

2013年度の第二次提出締め切り(教員による訂正指示をクリアすれば、単位認定を認める最終締め切り)は12月18日です。それを過ぎると、原則として提出したものだけで可否を判断します。(教員による判定が不可となった場合には、3年次ゼミおよび4年次ゼミの8単位分が卒業要件単位としては認められなくなるので、注意しておいて下さい。)

注意1.「自宅PCが壊れた」、「USBメモリが壊れた」などの理由では、卒論締め切りは延びません。ネット上など、必ず複数の箇所にバックアップを取っておいてください。
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2013.12.4 佐野ゼミ2年次

ゼミ生への連絡1:2年次ゼミの忘年会を12月18日(水)のゼミ終了後に実施予定とのことです。詳しくはコンパ担当者にお聞き下さい。

ゼミ生への連絡2:2014年経営学部ゼミ試の日程予定案を、佐野ゼミ学部用skydriveのルートフォルダにアップしました。ゼミ試担当者は日程確認の上、対応をお願いします。

ゼミ生への連絡3:下記の課題を絶対に12月3日(火)までに、自分のskydriveの共有フォルダにアップロードすること!

1) 正当な公的理由による欠席の場合は、400字以上ではなく、欠席1回につき1,500字以上のレポートを提出してください。
2) 私的理由であるが事前に連絡・相談して欠席した場合は、欠席1回につき2,000字以上のレポートを提出してください。
3) 私的理由でなおかつ事前の連絡・相談なしに欠席した場合は、欠席1回につき5,000字以上のレポートを提出してください。

[前日までに提出すべき400字レポートの課題]
下記の問題に関して、ゼミに出席される方は、11月27日に提出されたのとは異なる内容で400字以上のレポートを提出してください。

なお11月27日に挙げた任天堂の「枯れた技術の水平思考」などの議論を踏まえた上で分析をしてください。

ソニーのPlayStation 4が11月15日に、マイクロソフトのXbox Oneが11月22日に発売開始され、昨年の11月に販売開始された任天堂のWii Uと合わせて、次世代ゲーム専用機が出そろったことになる。
このことに関連する下記の問いのどれか一つを取り上げて、レポートを作成してください。

問1 ソニーにおける、PS3という旧世代機から、PS4という新世代機への今回の製品イノベーション戦略について説明しなさい。

問2 マイクロソフトにおける、XBOX360という旧世代機から、XBOX Oneという新世代機への今回の製品イノベーション戦略について説明しなさい。

問3 任天堂における、Wiiという旧世代機から、Wii Uという新世代機への製品イノベーション戦略について説明しなさい。

問4 「PlayStation 3からPlayStation 4への製品イノベーションの特徴は何か?」ということを踏まえた上で、「ソニーは競合機種に対する競争優位性をどのような形で確保しようと意図しているのか?」を論じると共に、実際の結果としてはどうであると考えられるのかを根拠を挙げて説明しなさい。

問5 「Xbox360からXbox Oneへの製品イノベーションの特徴は何か?」ということを踏まえた上で、「マイクロソフトは競合機種に対する競争優位性をどのような形で確保しようと意図しているのか?」を論じると共に、実際の結果としてはどうであると考えられるのかを根拠を挙げて説明しなさい。

問6 「WiiからWii Uへの製品イノベーションの特徴は何か?ということを踏まえた上で、「任天堂は競合機種に対する競争優位性をどのような形で確保しようと意図しているのか?」を論じると共に、実際の結果としてはどうであると考えられるのかを根拠を挙げて説明しなさい。

問7 ソニー、マイクロソフト、任天堂の1994年以降の据置型ゲーム専用機のCPUに関して、その基本設計をおこなった会社名およびアーキテクチャを調べた上で、それらの歴史的変化(あるいは歴史的同一性)に関する構造的特徴を述べなさい。

問8 ソニー、マイクロソフト、任天堂の1994年以降の据置型ゲーム専用機のGPUに関して、その基本設計をおこなった会社名およびアーキテクチャを調べた上で、それらの歴史的変化(あるいは歴史的同一性)に関する構造的特徴を述べなさい。

■ゲーム専用機の製品イノベーションに関しては下記を参照して下さい。
■ゲーム機に関連する資料としては下記などを参照して下さい。
■ 発表順は、提出が最も遅かった人からにします。
■ レポート作成に際しては下記の注意事項を厳守して下さい。
[前回の授業内容]
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PS4に関するゲーム機関連課題

問1 PS4は、米国では2013年11月15日に発売開始されたが、日本では来年の2月22日の発売予定となっている。しかしこれまでは下記のように、いずれも日本での発売日の方が早かった.これまでと異なり、日本より米国で3ヶ月も早く発売開始されたのはなぜなのかについて、根拠を挙げて推測しなさい。
日本での発売日 米国での発売日
PS 1994年12月3日 1995年9月1日
PS2 2000年3月4日 2000年10月26日
PS3 2006年11月11日 2006年11月17日
問2 ソニーのPlayStation 4(以下、PS4と略記)の製品イノベーションに関して下記の問いに答えなさい。
「PS4の技術的性能は、旧世代機のPS3からどの程度向上しているのか?」
「PS4の技術的性能は、競合機種の任天堂のWii UやマイクロソフトのXbox Oneと比較するとどの程度のものであるのか?」
「PS4、PS3、マイクロソフトのXbox One、任天堂のWii U、それぞれの技術的性能を比較しなさい。」
 
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2013.11.27 佐野ゼミ2年次授業

[発表者一覧]



発表
発表者
氏名
発表
対象
備考
1 四ツ谷健太 問3  
2 田辺奈々 問4  
3 行成玲実 問3  
4 井出明輝 問3 間違っている部分を訂正し、再提出のこと
5 前嶋李菜 問6  
6 伊藤飛光 問1  
7 岩崎夏美 問6  
8 武谷悠理 問3 ブルーオーシャン戦略と差別化戦略に基づく任天堂の製品開発
9 戸部泰大 問3  
10 松本和樹 問6  
11 竹田愛美 問1  

課題レポートの提出が早かった尾関さんと、西村さんは発表を免除した。
宇津見さんは、

ゼミ生への連絡:下記の課題を絶対に11月26日(火)までに、自分のskydriveの共有フォルダにアップロードすること!
1) 正当な公的理由による欠席の場合は、400字以上ではなく、欠席1回につき1,500字以上のレポートを提出してください。
2) 私的理由であるが事前に連絡・相談して欠席した場合は、欠席1回につき2,000字以上のレポートを提出してください。
3) 私的理由でなおかつ事前の連絡・相談なしに欠席した場合は、欠席1回につき5,000字以上のレポートを提出してください。

[前日までに提出すべき400字レポートの課題]
下記の問題に関して、ゼミに出席される方は400字以上のレポートを提出してください。

ソニーのPlayStation 4が11月15日に、マイクロソフトのXbox Oneが11月22日に発売開始され、昨年の11月に販売開始された任天堂のWii Uと合わせて、次世代ゲーム専用機が出そろったことになる。
このことに関連する下記の問いのどれか一つを取り上げて、レポートを作成してください。

問1 ソニーにおける、旧世代機から新世代機への製品イノベーション戦略について説明しなさい。
問2 マイクロソフトにおける、旧世代機から新世代機への製品イノベーション戦略について説明しなさい。
問3 任天堂における、旧世代機から新世代機への製品イノベーション戦略について説明しなさい。
問4 PlayStation 3からPlayStation 4への製品イノベーションの特徴は何か?ソニーは競合機種に対する競争優位性をどのような形で確保しようと意図しているのか?
問5 Xbox360からXbox Oneへの製品イノベーションの特徴は何か?マイクロソフトは競合機種に対する競争優位性をどのような形で確保しようと意図しているのか?
問6 WiiからWii Uへの製品イノベーションの特徴は何か?任天堂は競合機種に対する競争優位性をどのような形で確保しようと意図しているのか?

■ゲーム専用機の製品イノベーションに関しては下記を参照して下さい。
■ゲーム機に関連する資料としては下記などを参照して下さい。
■ 発表順は、提出が最も遅かった人からにします。
■ レポート作成に際しては下記の注意事項を厳守して下さい。
[前回の授業内容]
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佐野ゼミでのレポート・卒論作成に関する注意事項(1) —基本編[絶対的遵守事項]

  1. 明治大学経営学部(2015)「レポート・論文の盗用等不正行為への注意」明治大学(2012)「レポート・論文の剽窃(盗用)行為へ注意」に書かれているように、本であれ論文であれWebページであれ、他の人が作成した文章をそのまま無断で使うことは、社会的に許されない犯罪行為です。PDF文書やWEBページの中の文書をコピペしてそのまま使うことはもちろん、「前後関係や語句を若干変更した程度でレポート・論文作成すること」も許されてはいません。

    他人の文章をそのまま引用する際には、かぎ括弧(「」)などを使用して直接引用であることがはっきりとわかるようにしておいてください。
    また他人の文章表現をそのまま使わなかった場合でも、参考にした場合には、参考文献として明示することが必要です。

    教員としては、いわゆる「守破離」といった考え方に基づいて、皆さんがレポート・論文を作成していただければと考えています。自分の能力を高めるためにも「レポートや論文の文章のoriginが自分である」という表現のoriginalityが重要であることは言うまでもありませんが、もととなる素材もアイデアも何もない無から、レポートや論文を作成することは困難ですし、効率的でもありません。レポートや論文のもととなる素材やアイデアのすべてを自分で作成・用意することも現実的には不可能なことです。他の人や企業がすでにおこなった調査や研究のデータやレポートを、自分のレポートや論文のためのネタ元(素材)として積極的に使うことは良いレポートを作成するのに有用ですし、必要不可欠なことです。
     企業経営の分析においてポジショニング・アプローチ的視点とResource-Based View的視点の両方が必要なように、レポートや論文の作成においても、「どのような問題意識のもとに分析するのか?」ということとともに、「どのようなresourceが利用可能なのか?」ということが重要です。、

  2. WEBページの著者名が明記されていない場合には、そのWEBページを作成した団体名・企業名を著者名として挙げておくこと。またなお作成年が不明な場合には、著者名の後に作成年を入れる必要はないがアクセス日は必ず入れておくこと。
  3. たとえば、https://www.nintendo.co.jp/wii/features/virtual_console.htmlhttp://www.hitachi-solutions-west.co.jp/mail_magazine/cloud/cloud01.htmlといったWEBページには、そのWEBページの著者名および作成年が明記されてはいない。
     そうした場合には下記のように、WEBページを開設しているサイトの企業名を著者名として取り扱い、下記のように引用表示をすること。

    任天堂「Wii バーチャルコンソール」
    https://www.nintendo.co.jp/wii/features/virtual_console.html、2015年11月20日アクセス
    日立ソリューションズ西日本「いま知る見知る クラウド道場 其の一:「クラウド」までの歴史」
    http://www.hitachi-solutions-west.co.jp/mail_magazine/cloud/cloud01.html、2013年11月20日アクセス

    アクセス日を入れる理由は、アクセス日がわかれば、WEB Archive(http://archive.org/web/)などを利用して、過去のWEBページを見ることができるからである。

  4. 引用文献や参考文献は可能な限りネタ元を探して、ネタ元に基づいて記述を行うこと
  5. 自分が利用使用している文献やWEBページが他の文献やWEBページに基づいた記述である場合には、可能な限り、オリジナルの文献やWEBページを探し出して、それに基づく記述にすること。Wikipediaやまとめサイトの記述だけで、卒業論文やレポートを作成するようなことは絶対にしないこと。

    伝言ゲームなどがそうであるが、他者の引用や孫引きを利用して文章を書くと、内容が不正確になる。また自分が知りたいことや内容記述に際して必要不可欠な事項が書かれていないことも多いので、必ずオリジナルに当たること。

  6. 製品イノベーションのプロセスなど歴史的変化を取り扱う際には関連する複数年のデータを取り扱うこと、また現状分析や未来予測を取り扱う際には可能な限り最新のデータを探し出して用いること
  7. 例えばファミコンを取り扱う際には、https://sanosemi.info/archives/2400に挙げられているような複数年のデータを取り扱うことが必要である。
     また現状分析に際しては、2015年度の卒論で朝日新聞社(2009)「ファストファッションとは」という古い記事に基づいて「ファストファッション業界における世界の大手3社は、米国のGAP、ZARAなどを傘下に持つスペインのインディテックス、スウェーデンのH&Mである。これら3社は、各社とも年間約1兆3000億円から1兆4000億円前後の売り上げがある。日本のユニクロの売上高はこれら3社の半分以下である。」といった記載をすることはまったく不適切である。
     
  8. 卒業論文やレポートで参考にしているデータ(あるいは、参考にしようとしているデータ)は必ず自分のPCやネット上に保存しておくこと
  9. 論文やレポートの訂正を求められた時や、文字数が不足しているため書き足そうとする時には、参考データがすぐに参照できないと時間のムダになるので、すぐに利用できるPCやネット上に必ずコピーを保存しておいてください。

    なおWEB上のデータで現時点で参照できなくなっていた場合には、、WEB Archive(http://archive.org/web/)などを利用することでアクセスできる場合もある。

    たとえば、キリンのデータブック2011は2013年11月20日時点では見ることができない。しかしそのアドレスがわかっていれば下記のようにWEB Archiveを利用して2012年8月13日の掲載データを探し出すこともできる。

    http://web.archive.org/web/20120813155759/http://www.kirin.co.jp/company/kb/marketdata/pdf/databook2011_01.pdf

  10. 卒業論文やレポートでは「である」調で文体を統一すること
  11. 「・・・です。」「・・・と言われています。」など、ですます調で書かないこと。話し言葉と書き言葉を分けてレポートや卒論の作成をおこなってください。
    また「世界の大手3社は、米国のGAP、ZARAなどを傘下に持つスペインの INDITEX(インディテックス)、スウェーデンのH&M。 」といったような体言止めの文章を本文では原則として用いないでください。
     
  12. 章ごとに、改ページを入れること
  13. 卒論のように、複数の章からなる文章の場合には、章のタイトルのページの冒頭にくるように、章末で改ページすること。

  14. 卒業論文やレポートは、読書感想文、エッセー、週刊紙記事とは異なるスタイルで書くこと
  15. 「最近では「電動化」した自動車で高速道路を手放し運転走行したことで問題になったことが記憶にある。」「・・・に感動した。」といったスタイルでの記述はしないこと。

  16. 文章のまとまりごとに、改行を適宜入れること
  17. 言及している内容が変わるごとに改行をすること。そうしないと非常に読みづらい文章になる。

    [改行なしの文章]
     ビジネス・イノベーションに対応するのは製品ではなく、ビジネス・システムである。製品それ自身が複数のモジュールや多数の部品から構成されているように、ビジネスの遂行に際しても複数の製品が必要とされる。個々の製品はその複合体である製品システムとしてはじめて有用性を発揮する。個々の製品それ単独では顧客の必要性を充足せず、製品としての有用性を発揮できないことが多い。複数の製品の適切な組み合わせによって構成される製品システムがビジネスの基礎である。イノベーションの遂行に際してはそうした製品システム論的視点からの対応が必要不可欠である。たとえばガソリン自動車から電気自動車へのイノベーションに関しては、製品システム性の理解に基づく対応が必要である。 各種の製品が一つのシステムとして顧客の必要性を満たしたり、有用性を実現したりしているため、ビジネスという視点からはそうした製品システム性を考慮してはじめてイノベーションがビジネス的に成功することになる。自転車の利便性向上によって販売台数を増加させようとするならば、自転車専用道路の整備・拡充が有用である。これは、高速道路という自動車専用道路の整備・拡充が自動車の利便性を向上させ、自動車の販売台数増加を促したのと同様である。こうしたことは家電製品の場合には明確に認識されており、ソニーはそうした製品システム性に配慮した事業戦略を意識的に展開している。

    [適宜、改行を入れた文章]
     ビジネス・イノベーションに対応するのは製品ではなく、ビジネス・システムである。製品それ自身が複数のモジュールや多数の部品から構成されているように、ビジネスの遂行に際しても複数の製品が必要とされる。個々の製品はその複合体である製品システムとしてはじめて有用性を発揮する。
     個々の製品それ単独では顧客の必要性を充足せず、製品としての有用性を発揮できないことが多い。複数の製品の適切な組み合わせによって構成される製品システムがビジネスの基礎である。イノベーションの遂行に際してはそうした製品システム論的視点からの対応が必要不可欠である。
     たとえばガソリン自動車から電気自動車へのイノベーションに関しては、製品システム性の理解に基づく対応が必要である。 各種の製品が一つのシステムとして顧客の必要性を満たしたり、有用性を実現したりしているため、ビジネスという視点からはそうした製品システム性を考慮してはじめてイノベーションがビジネス的に成功することになる。
     自転車の利便性向上によって販売台数を増加させようとするならば、自転車専用道路の整備・拡充が有用である。これは、高速道路という自動車専用道路の整備・拡充が自動車の利便性を向上させ、自動車の販売台数増加を促したのと同様である。
     こうしたことは家電製品の場合には明確に認識されており、ソニーはそうした製品システム性に配慮した事業戦略を意識的に展開している。

  18. アルファベットの略語に関しては、それが最初に登場した箇所において、どのような語句の略語であるのかがわかるようにしておくこと
  19. 書き方としては、下記を参照してください。

    VAN(Value Added Network,付加価値通信網)は、1970年代に米国で登場した。その当時は、電話回線を利用したパケット変換によるデータ通信が中心であったが、電子メールやデータベース・サービスなどにも利用されていた。こうしたシステムは、一台のメインフレームを多数のコンピュータ端末で共同利用するTSS(Time Sharing System、タイムシェアリングシステム)の発展形と見ることもできる。
    [参考資料]
    [修正記録]
    2015年12月2日一部表現を追加・訂正
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電気自動車を例に取った、usefulness,wants,demandの区別に関する説明

電気自動車を例に取って、usefulness,wants,demandの区別に関する説明をおこなってみよう。

参考記事
「ニュースがわからん:電気自動車ってあまり人気がないの?」『朝日新聞』12013年10月16日朝刊2面

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テレビの製品イノベーション – 高解像度化という技術革新の社会的普及

テレビの製品イノベーションに関して、家電メーカーが既に4Kテレビを商品化している一方で、NHKは8Kテレビ(スーパーハイビジョン,Ultra High Definition Television)の研究開発を2000年から開始し、2005年3月には愛知万博に出展もしている。

[関連参考Web]
sanosemi.info「テレビの製品イノベーションの方向性 — 解像度に関する技術進化」
NHK放送技術研究所「スーパーハイビジョンの概要」
鹿喰善明(2012)「スーパーハイビジョンの研究開発とロンドンオリンピック」『NHK技研 R&D』135

[2013.12.9追記]
日本経済新聞 > テクノロジー > ニュースプラス > ニュースの深層 > 記事
「特集 膨張する放送-テレビを再び主役に」『日経エレクトロニクス』2013年10月28日号
日経エレクトロニクス編集部「高精細化と個人化、そしてIP統合を推進」pp.24-31
夏野剛「重要なのは実質視聴率、伝送路は多様な方がよい」pp.32 -33
野澤哲生「第2部:4K/8Kへの道-綱渡りの技術開発、映像が伝送路に収まるか」pp.34-39
日経エレクトロニクス編集部「第3部:個人化の進展-放送と通信の壁が消滅へ、実現方式は群雄割拠」p.40

4Kテレビという技術革新はテレビ製品の性能を大きく向上させるものであり、4Kテレビにより「映画館で使われる最新鋭のデジタルプロジェクターと同じ画質の映像を楽し」(『朝日新聞』2012年8月31日朝刊)むことができる。

4Kテレビの社会的普及に対する否定的見解

 しかしながらそうした技術的性能の向上(usefullnessの増大)が消費者の欲求(wants)を喚起し、購買行動(demand)につながるかどうかに関して下記のように疑問を呈する人も少なからずいる。

横田一輝「4Kテレビ」『知恵蔵2013』
http://kotobank.jp/word/4Kテレビ
「大画面で高画質が売りで、4Kほどの解像度になれば、あたかもそこに実体があるかのようなリアルな映像が楽しめるのだが、はたして、一般家庭の多くがそれほどの画質を望んでいるのかは定かではない。」

4Kテレビの社会的普及に対する肯定的見解

その一方で、最近になり4Kテレビがテレビ市場拡大に貢献しているとか、「2013年は4Kテレビ元年」といった下記のような報道もある。

遠藤諭(2013)「本命の一角、VIERA初の4Kテレビ「TH-L65WT600」の価値」ASCII.jpデジタル、2013年11月14日
[出典]http://ascii.jp/elem/000/000/838/838712/
「(2013年)9月の薄型テレビ出荷台数は48万7000台と前月比14.2%の増加(JEITA調査)。エコポイントやアナログ停波の特需以降、縮小を続けていたテレビ市場が2年2ヵ月ぶりにプラス成長に転じた。/市場を牽引しているのは50V型以上の大型テレビ。その看板役を担うのが4Kテレビだ。・・・昨年ごろから対応機種が増えはじめ、出荷ベースで5~10%、販売金額ベースではすでに約2割を4Kテレビが占めるという調査もある。/4Kテレビの登場は市場に大きな変化をもたらしている。」

「4Kテレビ、中国けん引、世界市場、2017年に2000万台突破(DATAナビ)」『日経産業新聞』2013年10月23日4面
「2013年は「4K元年」と呼ばれている・・・米調査会社のNPDディスプレイサーチが22日に発表した4Kテレビの出荷台数予測によると、13年の販売台数は127万台で、12年の9600台から急拡大する見込み。14年は563万台に伸び、17年には13年見通しの18倍に相当する2306万台まで拡大する見通しを示した。日本市場をみると、13年は7万5000台で、14年は22万台、17年には10倍の74万台まで伸びる見通し。世界では中間層が増えている中国市場が中心で、13年で97万台となり、世界全体の7割以上を占める見込み。17年には1235万台まで増えるという。」

Chinese TV Set Makers Aggressive With 4K TV Marketing, According to NPD DisplaySearch
http://www.displaysearch.com/cps/rde/xchg/displaysearch/hs.xsl/131021_chinese_tv_set_makers_aggressive_with_4k_tv_marketing.asp
NPDディスプレイサーチによる4Kテレビの出荷台数予測
NPD-Dsiplay-Search-2013-10-21b

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2013.11.20 佐野ゼミ2年次授業

ゼミ生への連絡:下記の課題を絶対に11月19日(火)までに、自分のskydriveの共有フォルダにアップロードすること!
なお正当な公的理由による欠席の場合は、400字以上ではなく、欠席1回につき1,500字以上のレポートを提出してください。私的理由であるが事前に連絡・相談して欠席した場合は、欠席1回につき2,000字以上のレポートを、私的理由でなおかつ事前の連絡・相談なしに欠席した場合は、欠席1回につき5,000字以上のレポートを作成し、skydriveフォルダに入れておくこと

[前日までに提出すべき400字レポートの課題]
下記の問題に関して、ゼミに出席される方は400字以上のレポートを提出してください。なお発表順は、11月13日と同じく、提出が最も遅かった人からにします。

「現在はTVの売り上げ台数が減少している。伸ばすためにはどのような手がありうるのか?」

[前回の授業内容]

2013.11.13 佐野ゼミ2年次授業

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2013.11.13 佐野ゼミ2年次授業

ゼミ生への連絡:下記の課題を絶対に11月19日(火)までに、自分のskydriveの共有フォルダにアップロードすること!

なお正当な公的理由による欠席の場合は、400字以上ではなく、欠席1回につき1,500字以上のレポートを提出してください。私的理由であるが事前に連絡・相談して欠席した場合は、欠席1回につき2,000字以上のレポートを、私的理由でなおかつ事前の連絡・相談なしに欠席した場合は、欠席1回につき5,000字以上のレポートを作成し、skydriveフォルダに入れておくこと

[前日までに提出すべき400字レポートの課題]
下記の問題に関して、ゼミに出席される方は400字以上のレポートを提出してください。なお発表順は、11月13日と同じく、提出が最も遅かった人からにします。

「現在はTVの売り上げ台数が減少している。伸ばすためにはどのような手がありうるのか?」

[本日の発表者]
(1) 岩崎夏美—「TV受像機」(本体)—「テレビ放送」(補完財)
[追加コメント]
地上波アナログ放送やBSアナログ放送などアナログTV放送が停止(一部の例外を除き、2011年7月24日に放送停止)されるということは、アナログTVとデジタルTVの製品間競争に関して、それぞれの製品の競争力をどう変えるものであるのかを補完財との関係で考えると下記のように整理することができる。

アナログ放送が停止される以前にそれぞれのTVが標準でサポートしている放送方式(補完財)

TVの方式 地上波
アナログ
BS
アナログ
地上波
デジタル
BS
デジタル
ブラウン管式
アナログTV
× ×
フルハイビジョン
デジタルTV


アナログ放送が停止された後にそれぞれのTVが標準でサポートしている放送方式(補完財)

TVの方式 地上波
デジタル
BS
デジタル
ブラウン管式
アナログTV
× ×
フルハイビジョン
デジタルTV

[課題]
上記の対照表を基に、競争優位の変化を論じてみよう。

(2) 尾関唯「Androidの売り上げとAndroidアプリ売り上げの相関について」

(3) 行成玲実「キラーソフト(優れた補完財について)」

(4) 伊藤飛光「フルハイビジョンテレビの補完財としては、ブルーレイディスク、PS3と比べて、地上波デジタル放送は少し劣った補完財である。それはどういうことなのか?」
[関連する話題のキーワード]デジタルTVにおける二つの主要技術・・・液晶パネル技術、デジタル回路技術
超解像技術、セルレグザ。PS3用に新規開発されたCPUであるセル(CELL)をなぜ東芝は自社のTVに採用したのか?

(5)武谷悠理「任天堂のゲーム機本体とソフトの相関」

[PC用テクニック]
1.卒業論文のテンプレートの確認—ワードのスタイルを利用した文書作成、目次作成
2.エクセルを利用したオートフィルのテクニックおよびグラフ作成の確認

3.Webページなど、保護されてはいない画像は、下記のようにしてコピーし、ターゲット文書に張り付ける。
a.画像上でマウスで右ボタンをクリック
b.コピー(C)を選択
c.ワードの張り付けたい場所に1行1列の表を作成する。
d.その表の中に画像を張り付ける

4.保護されているPDFなどの中の画像は、下記のようにしてコピーし、トリミングをおこなってからターゲット文書に張り付ける。
PrintScreenキーを押して、画面データをクリップボードの中に入れる
ペイントなどの画像ソフト上で、新規ファイルの中にクリップボードを張り付けてから、トリミング処理をおこなって必要な個所だけにする
トリミング処理後の画像を選択してコピーする

[エピソード的話題]
1.shareという単語
市場占有率・市場シェア(Market share)、株(share)、株主(shareholder)、シェアハウス(a shared hous)

2.FYという略語についての再確認
〈英〉financial year,〈米〉fiscal year
[政府、自治体における]会計年度、財政年度
[民間企業における]営業年度、事業年度

[調べてみよう]アップルの会計年度はどうなっているのか調べてみよう

3.IRという略語についての再確認—- IR=Invester Relations (投資家への広報活動)
関連する経営用語としてのCRM(Customer Relationship Management)

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2013.11.6 佐野ゼミ2年次授業

ゼミ生への連絡:下記の課題を忘れずに、skydriveにアップロードすること!
なお正当な公的理由による欠席の場合は、400字以上ではなく、欠席1回につき1,500字以上のレポートを提出してください。私的理由であるが、事前に連絡・相談して欠席した場合は、欠席1回につき2,000字以上のレポートを作成すること

来週火曜日(午後11時59分)までの400字レポートの課題テーマ:補完財
下記に挙げたような補完財に関するものであれば、どのようなテーマでも構わないので、とにかく400以上のレポートを作成すること

問1.「優れた補完財が登場すると、製品本体が数多くなる」という現象がある。ゲーム機で言えば、キラーソフトが登場するかどうかがハードの売れ行きを大きく左右する。キラーソフトの具体例を一つ取り上げ、その名前と販売数量などの数字を入れたレポートを作成すること。
なおソニーのPS2(2000/3)に関しては単なるゲーム機ではなく、DVDプレーヤーでもあったことから「特に話題作「マトリックス」のDVDソフトは国内ではPS2と同時期に発売され、相乗効果となり普及に貢献した。また、発売当初の39,800円と言うメーカー希望小売価格は既存のDVDプレーヤーと比べて格段に安く、DVDプレーヤーの低価格化の火付け役となった。」(日本語版ウィキペディア「PlayStation 2」と言われている。

問2.VTR(Video Tape Recorder:米国ではそのメディアがカセットであったことから、VCR[Video Cassette Recorder]と呼ばれることが多い)という製品に関して、ソニーはベータを、ビクターはVHSという規格の製品を出した。1970年代にはソニーも検討していたが、1980年代になると大きく市場シェアを落とした。その理由を補完財という視点から説明しなさい。(ヒント レンタルビデオ)
VTR-1975-1988-Shipment

問3.iPhoneの売り上げと、itunes storeの売り上げにどのような相関があるのか?
あるいはiTunesの充実度はiPhoneの競争力にどのような影響を与えているのか?

ヒント
http://hoshi.air-nifty.com/diary/2012/05/androidios110-3.html

問4.Androidの売り上げと、ANdroidアプリの売り上げにどのような相関があるのか?

ヒント
http://www.intomobile.com/2013/09/05/android-mobile-app-revenues-reach-68-billion-year/

関連参考Web>Amazon.co.jpのANdroidアプリストア
http://www.amazon.co.jp/Android%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA/b?ie=UTF8&node=2381130051

問5.ガソリン自動車に対する補完財はガソリンスタンドで、電気自動車に対する補完財は充電スタンドである。補完財の優劣の判定のために、「ガソリンスタンドの数と、充電スタンドの数の比較」、「給油時間と充電時間の比較」、「初期設備投資額およびランニングコストに関するガソリンスタンドと充電スタンドの比較」などについてどのように書かれているのかを調べてみよう。

問6.任天堂は、ゲーム事業に関しては、ゲーム機本体とその補完財であるゲームソフトという二つのものを事業対象としている。ゲーム機本体の販売台数および売上高、ゲームソフトの売り上げ本数および売上高の歴史的推移を調べてみよう。また両者にどのような相関があるのかを調べてみよう。

問7 ソニーは、音楽事業、映画事業、テレビ事業をおこなっている。そうした多角化戦略に対応した形で、ゲーム機の製品イノベーションがなされてきたと解釈することができる。すなわち、TVゲーム機というハードウェア事業に対して、任天堂のように補完財としてのゲーム・ソフトウェア事業を直接的に結びつけるのではなく、音楽事業、映画事業のためのインフラ整備として製品イノベーションを展開している。またテレビ事業における製品イノベーションに対応した(あるいはそうした製品イノベーションを促進させる)TVゲーム機の製品イノベーションをおこなっている。
 このことを授業で説明したが、それを自分の言葉でまとめて見なさい。

問8 TV受像機という製品本体に対して、テレビ放送は補完財と見ることができる。TV受像機の製品イノベーションを促進するために、日本政府はテレビ放送に関するイノベーションを実行したと解釈することができる。 このことを授業で説明したが、それを自分の言葉でまとめて見なさい。

問9 ブルーレイ画質(約200万画素)TVに適した補完財としての、ブルーレイや地上波デジタル放送というように授業では説明したが、地上波デジタル放送は実際にはあまり適切な補完財とは言えない。どのような技術的意味において、地上波デジタル放送は補完財としてあまり適切ではないのかを説明しなさい。

問10 ブルーレイ画質(約200万画素)TVに対する次世代TVとして4Kテレビや8Kテレビなどの製品イノベーションを成功させるためにはどのようなことが必要か?どのようにすればスーパーハイビジョンテレビが普及すると考えられるか?スーパーハイビジョンテレビの普及に向けてどのようなことがなされているのか?・・・といったことについて説明しなさい。

参考URL:横田一輝「4Kテレビ」『知恵蔵2013』
http://kotobank.jp/word/4K%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93

Wiki「スーパーハイビジョン‎」
http://ja.wikipedia.org/wiki/スーパーハイビジョン

ASTRODESIGN Inc>概要説明>「8K(スーパーハイビジョン)とは..」>8K(スーパーハイビジョン)関連製品>4K関連製品
http://www.astrodesign.co.jp/japanese/product/8k4k

「東京オリンピックは8Kの超高精細映像」(2013年10月3日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/net/event/20131003-OYT8T00347.htm

[先週の授業内容]
[今週の授業内容]
1.荒木さんによる発表「補完財の効果とその例」
コーヒーという製品がより多く売れれば売れるほど、甘味料(砂糖など)の消費量が増大するという「コーヒーの補完財としての砂糖などの甘味料」についての説明はわかりやすくてよい。ただしこの例は、「コーヒーという製品本体の売れ行きが、補完財の売れ行きを左右する」という一方向的な関係である。この場合には、「補完財の優秀性が製品本体の売れ行きに影響を左右する」といった逆方向の関係は存在しない。

自動車という製品の補完財としてのガソリンスタンド、充電スタンドという具体例に関しては、少し説明を修正した方がよい。この例は「補完財の優秀性が製品本体の売れ行きに影響を左右する」といった逆方向の関係を示すものであり、コーヒーと砂糖の場合の関係とは異なっている。

なお佐野ゼミでは、二つの製品の相対的競争優位を技術的視点から分析することを重要視している。それゆえ、「環境にやさしい自動車」という社会的必要性に応えた製品イノベーションとして、ハイブリッド自動車と電気自動車の相対比較をすることは重要である。

ただしその場合に、製品本体の優劣を論じることと、製品の補完財の優劣を論じることをきちんと分ける必要がある。一回のフル給油(あるいは一回のフル充電)で走行可能な航続距離は、補完財の性能ではなく、製品本体の性能として論じたほうがよい。

ガソリン自動車に対する補完財はガソリンスタンドで、電気自動車に対する補完財は充電スタンドである。補完財の優劣の判定には、ガソリンスタンドの数と、充電スタンドの数の比較、給油時間と充電時間の比較、初期設備投資額およびランニングコストに関するガソリンスタンドと充電スタンドの比較などをする必要がある。

2.荒木さんによる発表「補完財の効果とその例」に関連する補足的説明
ソニーは、製品本体に関する事業と補完財に関する事業の両方を取り組むという「多角化戦略」をとっている。
ソニーは、音楽事業、映画事業、テレビ事業をおこなっている。そうした多角化戦略に対応した形で、ゲーム機の製品イノベーションがなされてきたと解釈することができる。

任天堂は、ゲーム事業だけに経営資源を集中的に投下するという「選択と集中の戦略」を取っている。任天堂は、ゲーム事業に関しては、ゲーム機本体とその補完財であるゲームソフトという二つのものを事業対象としている。

3.DVD画質(約30万画素)TVとブルーレイ画質(約200万画素)TV
DVD画質(約30万画素)TVに適した補完財としての、DVDや地上波アナログ放送
   vs
ブルーレイ画質(約200万画素)TVに適した補完財としての、ブルーレイや地上波デジタル放送

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2013.10.30 佐野ゼミ2年次授業

[先週の授業内容]
[今週の授業内容]
1.前嶋さんによる発表「iPodはHDD型携帯音楽プレーヤとしてどのようなバンドワゴン効果を利用して優位性を確保したのか?」
実際の発表はiPod Nanoというフラッシュメモリ型携帯音楽プレーヤーについての発表であった
また、バンドワゴン効果が「ライベンシュタインのバンドワゴン効果」という心理学的効果だけに限定されていた。

2.前嶋さんの発表を受けた教員による補足説明
(1)「心理学」的効果としてのバンドワゴン効果と、「経済学」的効果としてのバンドワゴン効果

a.「心理学」的効果としてのバンドワゴン効果 —「売れていない製品よりも、売れている製品の方を買おうとする」「市場でよく売れている製品を自分も買おうとする」心理学的効果

b.「経済学」的効果としてのバンドワゴン効果 —「売れていない製品よりも、売れている製品の方を買う」ことの経済的メリット、「同一製品(同一サービス)のユーザー数が少ない製品(サービス)よりも、同一製品(同一サービス)のユーザーが多い製品(サービス)を購入する」ことの経済的メリット

・「同一のネットワークに属するユーザーが多ければ多いほど、それだけ経済的メリットが増す」というネットワーク効果

授業ではコミュニケーションリンクの数に関して計算ミスをした。2C2=1、12C2=66というのが正しい数値である。すなわち、構成メンバー数が2の場合のコミュニケーションリンク数は1であるが、構成メンバー数が12の場合のコミュニケーションリンク数は66となる。構成メンバー数が2から12へ6倍になると、コミュニケーションリンク数は1から66へと66倍にもなる。

・「優れた補完財の数が多い製品の方が補完財の数が少ない製品よりも経済的メリットが大きい」という補完財によるバンドワゴン効果
電気自動車とハイブリッド自動車の製品間競争は、それらの製品本体の技術的優秀性による競争とともに、それらの製品に対する補完財の技術的優秀性や補完財それ自体の社会的普及度など補完財に関する競争によっても、優劣が規定されている。

上記のようなバンドワゴン効果が存在すると、製品「本体」それ自体の性能が同一であっても、より売れている製品の方が製品「システム」としての性能が高いことになる。その結果として、売れる製品が雪だるま式により売れるようになるというマタイ効果が生じることになる。

<補足説明事項>
1.供給サイドの「規模の経済」効果
—- 製品の製造単価(サービスの提供単価)は、総製造数(総提供数)が大きくなればなるほど、低くなる。これは、研究開発費などの総固定費用は、総製造数(総提供数)が大きくなればなるほど、1製品(1サービス)当たりの固定費用負担がそれだけ低くなることから発生するものである。

これに関連して、可変費用と固定費用の区別を論じた。また新製品を開発するための研究開発にかかる費用(研究開発費)は、結果的な総生産台数が多くても少なくても一定不変で固定であることから、固定費用となることを説明した。

<参考事例>
1.消費者の心理的満足感が消費行動(購買行動)に及ぼす3つの影響・・・バンドワゴン効果、スノッブ効果、ヴェブレン効果
他者の消費行動(購買行動)によって消費者心理が変化するという心理学的効果としては、「購入者数がより多い製品を購入したい、すなわち、他の消費者となるべく同一の製品を購入したい」と考えるバンドワゴン効果以外に、「購入者数がより少ない製品、すなわち、他の消費者とはなるべく異なる製品を購入したい」と考えるスノッブ効果、「なるべく高いものを購入したい」と考えるヴェブレン効果がある。

参考URL
佐野正博博(2010)「ライベンシュタインおよびロルフスのバンドワゴン効果論」
http://www.sanosemi.com/biztech/document/bandwagon2011.pdf

2.マタイ効果
「富める者はますます富み、貧しきものはますます貧しくなる」という趣旨の文言が新約聖書のマタイ福音書の第13章12節の中にあるので、マタイ効果と呼ばれている。

「おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう」
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ゲーム機関連資料2013 - PS4, Xbox One, Wii U

PS4およびXbox One関連の記事
  1. 同記事によれば、「チップセットなどは、ソニーの技術や知恵を盛り込んでいるが既存のものを使い、製造はファウンドリー(半導体製造会社)などが技術を持っているので自らプロセスなどを開発する必要もなく、投資も少なく済む。PS4は軽いビジネスモデルだ」(加藤CFO)とされている。

  2. http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1306/11/news048.html

    本記事によれば、ソニーのPS4は、CPUがx86-64アーキテクチャのAMDのJaguar(8コア)であり、GPUが1.84TFLOPSという性能のAMDの次世代Radeonベースのものである。

  3. 本Web記事によれば、PS4とXbox Oneは、CPUがAMDのJaguar(8コア)、GPUがAMDのRadeonベースのものであり、ともに同一タイプのものを利用している。

    関連Web
    Xbox One Teardown
    http://www.ifixit.com/Teardown/Xbox+One+Teardown/19718

  4. ソニー(2013a)「経営方針説明会 プレスリリース」2013年5月22日

    本資料によれば、エレクトロニクス関連のコア3事業に関するソニーの2014年度の経営数値目標は下記の通りとなっている。

    売上高 営業利益率
    モバイル
    (スマートフォン/タブレット)
    1兆5,000億円 4%
    イメージング関連 1兆3,000億円 10%
    ゲーム 1兆円 2%
  5. 「米ゲーム商戦 火ぶた、マイクロソフト、新型XBOX発売、ソニーPS4と激突」『日本経済新聞』2013年11月22日夕刊
    本記事によれば、ソニーのPS4は2014年3月期末までに500万台販売することを目標としているが、北米での販売台数が初日(11/15)だでで100万台を突破した、とされている。なおマイクロソフトの競合機種のXbox Oneの米国での予想価格499ドルに対して、PS4の価格は399ドルと100ドルも安い。

PS4関連の「後藤弘茂のWeekly海外ニュース」
Wii U関連の記事
Wii U関連の「後藤弘茂のWeekly海外ニュース」
横井軍平
横井軍平(1983)「おもちゃの中のエレクトロニクス 」『電子通信学会誌』 66(8), pp.782-785, 1983-08
横井軍平(1996)「なぜ私は任天堂を辞めたか 」『文芸春秋』74(13), pp.372-380, 1996-11
横井軍平(1997)「新しいビジネスは枯れた技術の水平思考から」『総合センター情報』(京都府中小企業技術センター発行)No.917
http://www.mtc.pref.kyoto.lg.jp/ce_press/no917/lecture.htm

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2013.10.23 佐野ゼミ2年次授業

[先週の授業内容]
[今週の授業内容]
先駆者(first-mover)のメリットに関する発表

発表1 — 担当:尾関
「システム性を持った製品の場合には、補完資産との関連、ネットワーク効果(ネットワーク外部性)により先駆者が有利になる」ということに関する尾関さんの発表

発表2 — 担当:井出
「製品のスイッチグコストが高い場合には、先駆者がadvantageを持つ」ことに関する井出さんの説明

    結果的に他社製品(他社提供サービス)への乗換防止として機能している事例

      WindowsOSの操作方法や画面インターフェースに対するユーザーの慣れによる非意識的操作可能性の増大は、異なるOS製品への切り替えを困難にしている          

自分でさらに考えてみよう

    ある特定OSの操作方法や画面ユーザーインターフェースに対する慣れは、他社製品への乗り換えを困難にするというメリットだけでなく、当該企業に対するデメリットもある。それは何かを調べてみよう。
    他社製品(他社提供サービス)への乗換防止を意図的目的としたスイッチングコスト向上の事例

      飛行機会社のマイレージサービス

自分でさらに工夫してみよう

    上記の二つの事例で先駆者の有利性はどのような点にあるのかをもっとわかりやすく説明してみよう
[来週の授業内容]
    https://sanosemi.info/archives/588
    iPodはHDD型携帯音楽プレーヤとしてどのようなバンドワゴン効果を利用して優位性を確保したのか?(前嶋さんによる発表)

カテゴリー: 2013-2015-2年次後期, 佐野ゼミ生用 | コメントする

2013.10.16 佐野ゼミ2年次

先駆者(first-mover)のメリット

1.新規製品市場の形成初期には先駆者に対する競合相手がいない(あるいは少ない)ので競争は相対的に緩やかである。—- ブルーオーシャン戦略が問題にしたことを参照のこと

2.先駆者は、特許権・著作権・商標権などの知的財産権を手に入れることができる

3.先駆者は希少資源、限定資源を先取りすることができる
(地上波アナログ放送に適した電波資源は有限—NHK,日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京などに限定されている理由、ライブドアなど新規参入が困難である理由
 セリーグ、パリーグの球団数は6球団と限定されている・・・新規参入のためには既存球団を買収するしかない
携帯電波のプラチナバンド問題)

4.製品のスイッチグコストが高い場合には、先駆者がadvantageを持つ
(このことに関して、井出さんが説明)

5.製品の補完財とイノベーションの関係—システム性を持った製品の場合には、補完資産との関連、ネットワーク効果(ネットワーク外部性)により先駆者が有利になる
(このことに関して、尾関さんが説明)

カテゴリー: 2013-2015-2年次後期, イノベーション論, 佐野ゼミ生用 | コメントする

ユーザー・インターフェースに関する革新

キーボード配列というユーザー・インターフェースに関するドミナント・デザインであるQWERTY配列に対して、DVORAK配列など様々な新デザインがチャレンジしたが、日本語ワープロ専用機や現代のスマホなどにおける成功例のように限定的成功はあっても、まだQWERTY配列の相対的優位は続いている。
 こうしたQWERTY配列という事例が象徴的に示しているように、社会的に広く受け入れられているユーザー・インターフェースを変更することは様々な理由から困難である。

[考えてみよう]

     ユーザー・インターフェースは、人間と機械をつなぐインターフェース、すなわち、マン・マシン・インターフェース(man machine interface)の一種として位置づけることができる。
     すなわち、ユーザー・インターフェースは、機械に関する人間の「知識」(明示的知識)・「熟練」(暗黙知、肉体に固定化=体化された反応系)・「反応期待」(「ビデオ再生において■ボタンを押すと、ビデオ再生が停止する」ことが予期できるなどといったように、ある操作に対して機械がどのように反応するかという期待)と、「機械」といった諸要素によって構成されている製品システムにおけるインターフェースである。
     製品システムに関するイノベーションは、そのシステムを構成する諸要素の外的インターフェースが変化しない場合には、諸要素それ単体での革新によるイノベーションも可能であるが、ユーザー・インターフェースのような複数の要素に関わる製品構成要素の場合には単体での革新は実行困難である。
     ユーザー・インターフェースの革新には、それに関わる諸要素、すなわち、人間と機械の両方の革新を必要とすることが多いからである。

    ユーザー・インターフェースに関するデザインに対する革新における困難に関して、いくつかの事例を挙げて説明してみよう。

    ex.1 iOS7におけるユーザー・インターフェースの革新

カテゴリー: 製品設計(Product design)問題 | コメントする

2013.09.25 2年次ゼミ授業記録

1.skydriveへのユーザー登録
a. まだマイクロソフトの無料ネットサービスskydriveにユーザー登録していない人は、下記画像をクリックして新規ユーザー登録をしてください。

skydrive-new1

b. ユーザー登録をすでにしている人、および、ユーザー登録が済んだ人は、自分のskydriveの中に、「2015ゼミ卒論-××××」というフォルダを作成し、そのフォルダに対する共有許可をsanomshr_gmail.comに対して与えてください。

    下記画像にあるように、作成するフォルダ名の「××××」という部分には、自分の名前を入れてください。
skydriveのフォルダ共有

    下記画像を参考にsanomshr_gmail.comに共有許可を与えてください。
skydrive-share2

2.画像付き名簿の作成
教員のiPhoneで両肩および顔全体が写った写真を撮ってください。画像編集ソフトを使って後で背景を消去すると共に、水彩画処理を施します。
カテゴリー: 2013-2015-2年次後期, 佐野ゼミ生用 | コメントする

自動車の電子化 — ソフトメカトロニクス化

スマートキーシステム関連参考資料

http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/keyword/42026.html

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新聞記事検索

The Library of Congress > Chronicling America paperspast
http://chroniclingamerica.loc.gov/
1836年から1922年にかけてのアメリカの新聞記事を全文検索し、そのpdf画像やOCR処理テキストなどを表示することができる。
Search America’s historic newspaper pages from 1836-1922 or use the U.S. Newspaper Directory to find information about American newspapers published between 1690-present. Chronicling America is sponsored jointly by the National Endowment for the Humanities and the Library of Congress.

ニュージーランドにおける80の新聞の過去の記事を検索できる。2013年6月8日現在のアクセスによれば、全部で2,960,523ページ、37,438,730の新聞記事が収録されている。
収録されている新聞としては下記のようなものがある。
•Otago Daily Times (1901-1920)
•New Zealand Herald (1885-1924)
•Hutt Valley Independent (1911-1919)
•Lyttelton Times (1866-1869)
•Manawatu Standard (1911-1912)
•Manawatu Times (1909-1911)
•Nelson Evening Mail (1910-1918)
•North Otago Times (1901-1918)
•Upper Hutt Weekly Review (1935-1939)
•Waihi Daily Telegraph (1904-1909)
•Waikato Times (1893-1895)
•Wairarapa Daily Times (1879-1901)

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PC、タブレット、スマホを便利に使いこなすためのソフトウェア

PC用の全文検索ソフト「探三郎」
http://www.geocities.jp/koutarou_y1926/sin3rou.html

筆者は、PC用の全文検索用ソフトとしてGoogleデスクトップを愛用していた。Softonic Team (2013)「PCからWebまで一切合切検索 Googleアプリのガジェットも満載※現在サービス終了」に記されているようにそのソフトはとても便利で使いやすかったが、残念なことにGoogleは2011年9月14日にそのサービス提供を終了した。

 佐藤由紀子(2011)によればその理由は下記のとおりである。

「Googleは、ユーザーのデータはローカルからクラウドへとシフトしており、また、多くのOSに検索とガジェット機能が統合されたことで、Google Desktopの役割は終わったとし、9月14日に同サービスを終了する。同日、関連API、サービス、プラグイン、ガジェットを含むGoogle Desktopのサポートを打ち切り、ダウンロードもできなくする。」

佐藤由紀子(2011)「Google、終了予定サービスを発表:「Google Desktop」や「Web Security」もGoogle+などのソーシャルサービの登場で役割を終えたとみられるソーシャル検索サービス「Aardvark」や「Google Notebook」、「Sidewiki」なども終了になる。」http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1109/05/news013.html
なお上記の記事の元データは、Google Desktop Team(2011) “Google Desktop Update,” Inside Google Desktop, Friday, September 02, 2011 12:48 PM である。http://googledesktop.blogspot.jp/2011/09/google-desktop-update.htmlである。このWebページの記述によると、Google Desktopは2004年の提供開始以来、約1,000万人のユーザーに利用されてきたが、”There has been a significant shift from local to cloud-based storage and computing, as well as integration of Google Desktop functionality (like local search) into most modern operating systems. “ということである。しかしながらMacOSはいざ知らず、2013年現在でもWindowsOSに検索機能はお世辞にも使いやすいとは言えないし、ヒット箇所が表示されないなど実際にほとんど使い物にならない。また筆者の知る限りではクラウドサービスも同じようにさほど使いやすくはない。

Googleが自社の経営リソースの配分をクラウド関連に集中させるために変更するのは私企業としてまったく「自由」な選択ではあるが、クラウドへの接続が365日・24時間にわたってどこでも使えるといったユビキタス環境が必ずしも実現できていない段階で、ローカルPC向けの全文検索サービスの提供が「打ち切り」になるのは、筆者のようにPCローカルに100GB級のデータを蓄積して利用しているユーザにとっては誠に残念なことである。

 筆者のような利用者のニーズに対応するべく全文検索ソフトはいくつか開発されているが、無料で利用可能でインストール作業も簡単なソフトとしては、この探三郎が便利である。
 欲をいえば、検索にヒットした文書が保存されているフォルダーにワンクリックでアクセスする機能がほしいが、検索に該当する文書の部分が3行ほど表示され、該当の文書をワンクリックで開けるというGoogle検索と同様のインターフェースは使いやすい。

串刺し検索機能付きのスマホ用電子辞書検索ソフト「EBPocket」
http://hishida.s271.xrea.com/manual/EBPocket_iPhone/
http://hishida.s271.xrea.com/manual/EBPocket_android/

EPWING形式、LogoVista電子辞典シリーズなどの辞書をiOS端末やAndroid端末で利用できるようにするソフト。串刺し検索ができてとても便利である。

串刺し検索機能付きのPC用電子辞書検索ソフト「EBPocket」
http://dicwizard.jp/logophile/

EPWING形式、LogoVista電子辞典シリーズとともに、ランダムハウス英語辞典、Oxford ADVANCED LEARNER’S Dictionary、LONGMAN Dictionary of Contemporary English、Collins COBUILD 英英辞典、英辞郎などの様々な形式の辞書をWindowsPCやMacで統合的に利用できるようにするソフト。複数の辞書に対する串刺し検索をして、それらの本文データを統合して一画面に表示することができてとても便利である。

WordPressでのCSS機能利用のためのプラグイン「Enhancing CSS」
http://list.mrt-umk.com/wordpress-plugin/css_plug-in.html

本サイトでも利用しているが、このプラグインにより、サイト全体にわたるCSSを簡単に設定できてとても重宝している。
 なおプラグイン関連ソフトをzipでFTP転送するなどしてプラグインを入れた後に、プラグインの有効化が必要である。そして有効化の後に、「外観」→「拡張CSS」で、設定画面表示をさせてCSS設定をコピペするなどして書き込むことが必要である。

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プロセス・イノベーション(Process Innovation)とプロダクト・イノベーション(Product Innovation)の理論的区別と現実的連関

製品の生産プロセス(Production Process)に関するイノベーションのことを、略してプロセス・イノベーション(Process Innovation)と呼んでいる。製品の生産プロセスに関してイノベーションを起こすことで、製品の製造コスト低減や品質向上などが可能になる。

プロセス・イノベーション(Process Innovation)と対になる単語としては、プロダクト・イノベーション(Product Innovation)がある。両者を「理論概念」的には明確に区別するとともに、イノベーションの歴史的遂行プロセスにおいては両者を「現実」的に連関させて理解することが重要である。

「理論概念」的区別としては、プロダクト・イノベーション(Product Innovation)が「生産される製品に対して新しい機能(Function)を付け加えたり、製品が持つ既存の機能に関する性能(Performance)を向上させることで、製品をイノベーションすること」であるのにたいして、プロセス・イノベーション(Process Innovation)は「同一の機能・性能の製品であっても、そうした製品を製造する生産プロセスをノベーションすることで製品の品質(Quality)向上や、製品の製造コスト(Cost)低減を実現すること」である。

[調べてみよう]
課題1.生産プロセスのイノベーションとしては、20世紀前半にライン生産法へのプロセス・イノベーションが、20世紀後半にはセル生産法へのプロセス・イノベーションが重要である。
 それぞれの生産法の特徴を説明するとともに、それぞれの生産法は「それ以前の生産法よりもどのような意味で優れている」と歴史的に考えられているのかを説明しなさい。
 またそうした説明の際に、それぞれのプロセス・イノベーションはどのような社会的=時代的要請に応えようとしたものなのかも説明しなさい。

課題2.自動車に関するコスト低減を目標とした最近のプロセス・イノベーションは、複数の車種の間で、車種の基本的特徴を決める車台(シャーシ)の共通化が進められるとともに、複数の車種の間で共通の部品を使用することなどが進められている。.
 そのことを詳しく図入りで説明するとともに、そうしたことによってどのような問題点が生じると考えられるのかを説明しなさい。

課題3.上記で取り上げたようなセル生産法へのプロセス・イノベーションは、マクロな社会的視点から見た場合にもプロセス・イノベーションである。しかしそうしたタイプのものとは異なり、マクロな社会的視点から見た場合にはプロセス・イノベーションとは言えないが、個別企業の視点から見た場合には当該企業が関わる生産プロセスのあり方に関する革新であるという意味でプロセス・イノベーションであるものに、水平分業化、垂直統合化がある。
 なぜそれらはマクロな社会的視点から見た場合にはプロセス・イノベーションとは言えないが、個別企業の視点から見た場合にはプロセス・イノベーションであるのかを説明するとともに、それぞれのメリット・デメリットを論じなさい。
 たとえば、垂直統合化は取引コストの削減、外部取引の内部化による情報の非対称性問題の回避(ex.ブルウイップ効果の回避)による部品・素材の在庫量の最適化などが可能である、と考えられるが、そのことを例を挙げてわかりやすく説明しなさい。

課題4.広義の生産プロセスには、要素技術に関する基礎研究プロセス、製品の研究開発プロセス、製品の製造プロセスなども含まれる。そういう意味では、課題1~3で挙げたような製品の製造プロセスに関するプロセス・イノベーションだけでなく、要素技術に関する基礎研究プロセスや製品の研究開発プロセスに関するプロセス・イノベーション、および、それらの2者または3者の協調的遂行や統合的遂行によるプロセス・イノベーションも存在する。
 たとえば、一つの要素技術に関する基礎研究を、複数の製品開発に逐次的、あるいは、同時に活用しやすいような研究機開発プロセスや製造プロセスを革新するということもプロセス・イノベーションである。
 このことをわかりやすく説明しなさい。

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調査データの意味 — 視聴率の場合

テレビ番組やテレビ放送というサービスの評価に際しては、「視聴率」というデータが一般的に用いられている。しかしテレビを視聴している人々の割合を図るのに、現行の「視聴率」データだけでは不十分である。
というのも現行の「視聴率」は、放送中に当該番組を見ている人だけを対象としており、放送中は見ていないが番組を録画して後で見る人を対象とはしていないからである。

ビデオリサーチは、放送の7日後までに再生した人の割合を示す「録画再生率」も調べているが、それによれば放送中の視聴率12.6%に対して、録画中の視聴率が13.5%と放送中を超える番組も存在する。

[参考資料]
「TVの再生視聴率、「生」を上回る例 「ドラマは録画」くっきり 非公表データを分析」『朝日新聞』2013年1月31日朝刊
「TVの見方、変化を反映 番組評価に影響も 録画再生率」『朝日新聞』2013年1月31日朝刊

[考えてみよう]
課題1.なぜ一般的には、録画視聴率ではなく、放送時に見ている視聴率が取り上げらるのかを論じなさい。またそうした一般的傾向に反対して録画視聴率を取り上げるべきだとする積極的論点としてはどのようなことがあるのかを論じなさい。

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製品セグメント間の協調と競争

ある特定の製品への需要(demand)の変化は、「製品セグメント内部における競争」(同一製品セグメント内における異なる製品同士の間での競争)の問題と、「製品セグメントと他の製品セグメントとの間における競争」(異なる製品セグメント同士の間での競争)の二つの視点で分析する必要がある。

製品は、一般には複数の機能を持ち、複数の必要性(necessity)を充足し、複数の有用性(usefulness)を持っている。そのため異なる製品セグメントに属する製品が、同一の必要性(necessity)を充足し、同一の有用性(usefulness)を持つこともある。そのため製品間競争は、同一の製品セグメントに属する製品の間でおこなわれるとともに、異なる製品セグメントに属する製品の間でもおこなわれることになる。

たとえば、「新生活、テレビ消えた — スマホで代替、若者予算絞る、家電セット「必要なものだけ」」『日本経済新聞』2013年3月20日朝刊によれば、家電量販店が2013年4月から一人暮らしを始める若者向けの家電セット商品からテレビが消えつつある。これは、テレビ受像機だけでなく、パソコンやケータイといった製品セグメントに属する製品も「テレビ放送を視聴する」機能を持っているためである。
 「テレビ放送を視聴する」ことに対する需要(demand)に対応する製品はテレビ受像機だけではない。そのため、テレビ受像機メーカーは、テレビ受像機メーカー同士の間での製品間競争とともに、パソコン・メーカーやケータイ・メーカーといった異なる製品セグメントに属するメーカーとの製品間競争においても、相対的競争優位の確保が必要になる。

[考えてみよう]
課題1.テレビ受像機とパソコン、ケータイといった異なる製品セグメント同士の間での製品間競争に関して、相対的競争優位を具体的に論じ、それぞれの製品セグメント市場の将来的成長性を論じなさい。

課題2.テレビ受像機とパソコン、ケータイといった異なる製品セグメント同士の間での製品間競争と同じような事例を他に探して、課題1と同じように論じなさい。

課題3.テレビメーカーがパソコンメーカーやケータイメーカーでもあった場合には、同一企業で同一需要を食い合うことになる。
そうした現象を何と呼ぶのか?また実際の企業ではそうした事態に対してどのように対応しているのかを調べなさい。

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垂直統合 vs 水平分業

1. イノベーション論的視点から見た企業活動を構成する諸要素
 イノベーション論的視点から見ると、企業活動を構成する下記のような諸要素それぞれに関して、どのように取り組むのかという戦略的決定が問題となる。

表1 イノベーション論的視点から見た企業活動の構成諸要素
要素1 Market Research
(市場調査)
既存市場および将来市場に関する調査
要素2 Technology Research
(技術調査)
既存技術および将来技術に関する調査
要素3 Product Planning
(製品計画/サービス計画)
どのような市場を対象に、どのような技術を用いて、どのような製品コンセプト(product concept)の製品を開発するのかに関する決定
要素4 Market Creation
(市場創造)
新製品が新しい市場セグメントを構成するような製品の場合には、新市場セグメント創造のために新製品(新サービス)のnecessity/usefulnessを社会的に認知させ、新しいwantsを創造することが必要になる。
要素5 Technology Development
(新技術開発)
製品コンセプトの実現に必要な新技術の開発。既存技術のみで製品コンセプトの実現が可能な場合にはこの要素は不要となる。
要素6 New Product Development
(新製品開発/新サービス開発)
製品コンセプトの実現に必要十分な機能・性能を有した製品(サービス)の開発、製品(サービス)の機能設計(製品の機能と性能に関する技術的決定)・構造設計(製品の素材および構成モジュールに関する技術的決定)の実施
要素7 Production / Manufacturing
(製品生産/製品製造
/サービス提供)
開発した新製品の生産(製造)、開発した新サービスの提供、「製造工程設計」(製品の製造工程に関する技術的決定)プロセス、「製品製造」プロセス
要素8 Sales
(製品販売/サービス販売)
生産した新製品(新サービス)の販売
2.「垂直統合」「水平分業」に関する基本的イメージ
企業がおこなう活動を構成するさまざまな要素の内で、どの要素を「内部」化し、どの要素を「外部」化するのかに関する決定の仕方についての基本的モデルが、垂直統合(Vertical Integration)水平分業(horizontal division of labor、horizontal specialization)である。

ただし一般的には、製品を構成する諸モジュールそれぞれに関して、上記の要素5、6、7の「内部」化・「外部」化のあり方が複数企業の間で分業されているのか、それとも一社ですべて統合的になさているのかが問題とされている。

「水平分業」型産業構造を持つパソコン — マイクロソフトの「Windows OS」+インテルの「x86アーキテクチャCPU」
表2 「水平分業」型産業構造を持つパソコン
module/
product
主要モジュール1 主要モジュール2 製品
OSの技術開発
・設計・生産
CPU
の技術開発
・設計・生産
PCの
設計・生産
担当
企業名
マイクロソフト インテル PCメーカー
たとえばパソコン製品の多くは、製品の主要モジュールについての研究開発や製造に関して、OSモジュールをマイクソフトが、CPUモジュールをインテルが担っている。OSモジュールのバージョンアップやCPUのコア数の増加などといった、それらの主要モジュールに関するProduct Innovationによって、パソコンのProduct Innovationが実行されている。すなわちパソコンに関するイノベーションは、モジュール・メーカーによって担われている。HP、ACER、デル、富士通、ソニーなどのパソコン「メーカー」が行っているのは、外部からOSモジュールやCPUモジュールなどをモジュール・メーカーから調達し、それらのモジュールを「組み立て」ることである。こうした産業構造は「水平分業」型と位置づけられている。

「垂直統合」型産業構造を持つ自動車
表3 「垂直統合」型産業構造を持つ自動車
module/
product
主要モジュール1 主要モジュール2 製品
エンジンの技術開発
・設計・生産
車台
の技術開発
・設計・生産
自動車の
設計・生産
担当
企業名
自動車メーカー
(トヨタ、ホンダ、フォード、クライスラーなど)
これに対してトヨタやホンダなどの自動車メーカーは、自動車製品の主要モジュールであるエンジンなどについての研究開発や製造を自社で行い、モジュールのProduct Innovationを自社で行っている。そしてまた、モジュールの加工工程や組み立て工程に関するイノベーションを行うとともに、モジュールを組み立てて自動車という製品を製造している。

3. 垂直統合と水平分業をめぐる企業の戦略的決定
 どの活動要素を外部化し、どの活動要素を内化するのかは企業における戦略的決定の問題である。このことに関して、下記にいくつかの発言を見ていくことにしよう。

「成長する会社しない会社――出井ソニー会長次の成長戦略は」『日経産業新聞』2003年6月2日によれば、当時ソニー会長であった出井伸之氏は、「エレクトロニクス産業は、日本が得意だった(部品を組み上げた製品に付加価値を持たせる)垂直統合型の事業構造から(部品そのものが価値を持つ)水平型への転換が進む」という状況認識を述べるとともに、「半導体など水平型の事業は多額の投資を続けることが必要な規模のビジネスだ。パン(最終AV製品)を作るのに自分で小麦粉から作るつもりはないが、麦畑ぐらいは押さえたいと考えている」として、「ソニーは[垂直統合型事業と水平型事業という]二つの組み合わせを目指す」と述べている。

[調べて見よう]
課題1.「水平分業」や「垂直統合」に関しては、下記をはじめとしてWEB上に様々な記事がある。
(1) なるべく数多くのWEB上の記事を調べて、「水平分業」や「垂直統合」に関してどのような記述がなされているのかを調べなさい。
(2) それらの各WEB記事の間で、「水平分業」や「垂直統合」というキーワードに関する理論的規定に関してどのような食い違いがあるのかを論じなさい。
(3) 自分が最も適切と思う「水平分業」や「垂直統合」というキーワードに関する理論的規定はどのようなものであるのかを、根拠を挙げて説明しなさい。

[関連参考WEB]
川又英紀(2010)「水平分業とは」ITpro>知っておきたいIT経営用語 [原出典]『日経情報ストラテジー』2009年6月号、p.22
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Keyword/20100723/350552/

日本経済新聞(2012)「シャープの上を行くビジオの業務モデル 水平分業ですらもう古い」『日本経済新聞』電子版、2012/10/10 7:00
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0900C_Z01C12A0000000/

課題2. 先進国と途上国の間での国際分業の類型に関しては、下記URLのように垂直的分業もある。企業間においても、国家間におけるような垂直的分業と類似した連携が存在する。そのことについて具体的な例をもとに論じなさい。

http://kotobank.jp/word/垂直的分業

課題3. 下記URLの記事および類似の記事を参考にして、「垂直vs水平」「統合vs分業」という二つの基準軸からアップルのビジネスモデルを論じなさい。なお下記の記事以外で自分が参照した記事に関して、その著作者名、タイトル名、URLなど必ず書きなさい。

週刊ダイヤモンド編集部(2012)「アップルのものづくりは垂直?水平?」2012年10月29日
https://cakes.mu/posts/433

課題4. アップル製品のiPhoneおよびサムスンのGALAXY S4に関してそれぞれ、「OSに関する技術開発」、「OSの設計」、「CPUに関する技術開発」、「CPUの設計」、「CPUの生産」、「製品設計」、「製品製造」といった各要素を主導的に担っている企業はどこなのかを調べた上で、iPhoneおよびGALAXY S4のそれぞれに関して「垂直」「水平」という視点から論じなさい。
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「需要」主導的イノベーション論

「技術開発ではなく、需要がイノベーションの起点となっている」という主張は、下記のように現代でもよく見られる。

安藤浩一、宇南山卓、慶田昌之、宮川修子、吉川洋(2010)「プロダクト・イノベーションと経済成長:日本の経験」
RIETI Policy Discussion Paper Series 10-P-018
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/rd/064.html

たとえば薄型テレビのケースでは、消費者が薄型テレビを欲しいということは生産者にも分かっていました。しかし、薄型テレビの誕生には多額のR&D投資による技術革新が必要でした。最終的には薄型テレビの需要が確実にあることが確認されてR&D投資が実行され、生産プロセスが革新されて薄型テレビが生み出されました。このケースでは、生産技術の革新によって成長が達成されたことは間違いありません。しかし、そもそもR&D投資をしたことの動機は、皆が欲しいものを的確に把握できたことに原点があります。その意味では、生産性の上昇ではなく、需要の把握そのものが成長の源泉なのです。」
 
[考察してみよう]
 
課題1.上記に挙げた論文では、「最終的には薄型テレビの需要が確実にあることが確認されてR&D投資が実行され」たと記載されているが、この場合のR&D投資とは具体的には何を意味しているのかを説明しなさい。

課題2.薄型テレビを可能にした技術的要因は何か、そうした技術的要因の研究開発はいつ頃からなされたのかを調べなさい。

課題3.上記の課題1と課題2を踏まえて、「上記論文で述べられているR&D投資」と、「薄型テレビを可能にした技術的要因の研究開発投資」に関する区別と連関を説明しなさい。議論の視点としては、Product TechnologyとProduction Technologyの区別と連関という視点から説明しなさい。

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照明に関するイノベーションについての、「利用ニーズ」視点からの考察

照明に関する技術革新として、LED技術や有機EL技術といった新技術によるイノベーションが最近は注目されている。

[調べてみよう]

課題1.照明の市場規模に関して、照明技術のタイプ別の大きさ、市場の全体的規模を調べるととともに、将来的成長性がどのようなものと考えられているのかを調べてみよう。
下記以外の資料も含め、「照明市場の規模がどのようなものなのか?」「将来的成長性はどうなっているのか?」に関して調べてまとめなさい。

例えば、富士経済(2012)「LED照明、有機EL照明器具を始めとした光源・照明関連市場を調査:2011年LED照明国内市場」によれば、LED照明市場は2011年には震災後の節電対策として需要が急増し前年比2.6倍の2,212億円となったが、その後もLED照明市場は成長を続け、2020年には4,595億円になると予測されている。

課題2.照明装置のイノベーションを契機として、照明製品、照明モジュールに関してさまざまな企業がさまざまなアプローチをしている。そのことについて具体的にどこか一社を取り上げて、その企業のイノベーション戦略・事業戦略・製品戦略・技術戦略を論じなさい。(例えば、コニカミノルタについて論じなさい。)

課題3.日本では、3.11東日本大震災および福島原発事故を原因とした「計画」停電問題や発電能力の「不足」問題を契機として、節電「ブーム」、節電「指向」が強くなったこともあり、照明装置に関しても「ランニングコストが安い、節電タイプ」の製品に対するMarket demandが増大した。
 例えばある会社の調べでは、シーリングライト製品に関して2012年3月に数量ベースで50.1%の販売シェアを占め、月間販売量ではじめて蛍光管タイプを上回った、と言われている。
 このように従来型照明製品(照明モジュール)から、LEDなどの新しい照明製品(照明モジュール)へとイノベーションが進展している事例を自分で調べて、数値データとともに、現状および将来の見込みを論じなさい。

課題4.照明技術の歴史的進歩は、単純化して言えば、「たいまつ→ろうそく、ランプ→ガス灯→電球→蛍光灯→LED照明、有機EL」といったような形にまとめることができる。
 こうした歴史的変化は、照明の「照度」、「クリーン度」、「安全度」、「製品寿命」といった諸性能に関する進歩という視点から捉えることができる。そのことをわかりやすく説明しなさい。
 なおその際には、そうした性能向上の実現を可能にした技術的要因がきちんと分かるように説明しなさい。(例えば、可燃物質の高温燃焼による発光現象の利用から、電流のジュール熱による物質の高温化による発光現象の利用、LEDや有機ELといった新しい科学的原理に基づく発光現象の利用などといった視点から論じなさい。)

課題5.照明に関して具体的にどのような利用ニーズがあるのかという視点から考察をしてみよう。すなわち、「どのような場面で照明が必要とされているのか?」「どのような照明が有用なのか?」といった照明に関するusefulnessnecessityを考察した上で、そうしたusefulnessnecessityに対応したイノベーションにどのようなものがあるのかを考察してみよう。

照明用途に関連する照明製品や照明モジュールに関する下記のような分類法を出発点として、自分なりに工夫した表を作りなさい。また、ゼミにおいて下表に挙げられている各項目をわかりやすく説明できるようにしておきなさい。

モジュールとしての照明 —- 製品に組み込まれた照明
用途 製品
ディスプレイ用途 液晶ディスプレイや液晶テレビのためのバックライト、プロジェクタ用の光源、有機ELテレビにおける発光素子
電子機器用途 携帯電話、デジタルスチルカメラ、アミューズメント機器
シグナル用途 交通信号灯、工場における回転・信号灯
センシング用途 赤外線センサ、光通信
医療用途 内視鏡用光源、眼科医用機器、手術灯/診療灯
画像処理用 イメージスキャナー
接着用(キュアリング)
洗浄/硬化・乾燥/コーティング用
水殺菌/空気殺菌用 殺菌装置
露光装置用
植物育成用
自動車用 自動車のヘッドランプやテールランプ、自動車用内装ランプ
電光看板用
冷蔵庫内
製品としての照明 —- 空間照明=明かりとしての照明
住宅用照明 白熱電球、蛍光灯、LED照明器具
オフィス・ビル用照明
店舗用照明
施設用照明 野球場用照明、テニスコート用照明器具など
舞台用照明 スポットライト(吊下式・スタンド式)、ホリゾントライト、ムービングヘッドなど
屋外用照明 街路灯、駐車場灯、防犯灯、道路灯、トンネル用照明器具、ガーデンライト、地中埋込形照明器具など
什器用照明 ショーケースや陳列棚などのための照明
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企業側から見た「就活」

教員として何度も繰り返し強調しているように、「ものごとは多面的視点から見ること」が必要かつ重要である。そのことはいわゆる「就活」にも当てはまる。

「実際に就活をしている学生」の視点から見るだけでなく、「就活の対象となっている企業」の視点[注1]から考察することも重要である。

[注1]こうした表現自身が学生視点からのものである。企業視点から言えば、「採用活動をおこなっている企業」の視点となる。
 
 

こうした企業視点から就活を考察したものに下記のような資料がある。

海老原嗣生(2011)「四大卒も中小企業を目指せばいい」『中央公論』2011年2月号掲載
http://www.chuokoron.jp/2011/01/post_55.html

http://www.keidanren.or.jp/policy/2012/058.html”>日本経済団体連合会(2012)「新卒採用(2012年4月入社対象)に関するアンケート調査結果の概要」2012年7月30日
http://www.keidanren.or.jp/policy/2012/058.html

なお「学生の意識」、「大学など教育機関の意識」に関する調査データに関しては自分で探しなさい。

[調べてみよう]
課題1「企業は採用に際してどのようことを重視しているのか?」の上位5項目を調べ、「なぜ、企業はそれらの5項目を他項目に対して上位に置いているのか?」を説明しなさい。

課題2企業は採用に際して重視していないが、学生が重視していると思われる項目を3つ挙げなさない。そしてなぜそうした食い違いが生じるのかを説明しなさい。

課題3企業は採用に際して重視していないが、大学として重視している項目を3つ挙げなさない。そしてなぜそうした食い違いが生じるのかを説明しなさい。

課題4上記の課題に応えるために利用した調査データの項目に関して、「項目設定が本当に適切なのかどうか?どこに問題があるか?」「各項目は他の項目とどのような連関があるのか?特に強い関係、あるいは、特に大きな相関がある項目を一つ挙げ、どのような連関(あるいは相関)があるのか?なぜそうした連関(あるいは相関)が生じるのか?」を説明しなさい。

課題5前記の連関(相関)について、適切と思われる連関係数あるいは相関係数を自ら設定した上で、そうした考察をもとに調査データを再解釈しなさい。

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Design概念の理論的明確化の必要性

日本語のカタカナ表記におけるデザインという語の一般的意味と、英語におけるdesignという語の経営技術論的意味には差異がある。
 これは英語におけるdesignという語が次に述べるような二重の意味をもっているからである。
 
1.「意匠」と「設計」という二つの意味を持つ語としてのdesgin
 英和辞典においてdesignという単語は、「意匠」、「図案」、「素描」、「設計」、「構想」、「着想」、「計画」、「企図」など様々な訳語が当てられているが、漢字を当てはめることなく「デザイン」と表記されることも多い。
 というのも、designという単語には「意匠と計画という二つの意味があり、この二つの意味を同時に表す言葉が他の言語では見つからなかった」(多木浩二「デザイン」『世界大百科事典』平凡社)ため、日本以外の国でもデザインという語が外来語としてそのまま使われることが多い。
 しかし日本におけるデザイナーという用語の意味にも端的に示されているように、工学や経営学など一部の専門学問分野以外ではdesignという語が「意匠」という意味において使われることが多い。
 
 
2.経営技術論的視点から見たdesignという行為の対象---製品設計と製造工程設計
 

Product
Function
Performance
 

Production Process

 
製品にどのような機能を付与するのか(あるいは簡単ケータイのように付与させないのか)という技術的決定、製品が持つ諸機能それぞれに関してどの程度の性能とするのかという技術的決定、製品をどのような外観および内部的形状にするのかという意匠決定が、Product design(製品設計)における問題である。
これに対して製品の生産プロセスにおいてどのような機械や装置を用いるのかという技術的決定(ex.発電プロセス、すなわち、電気というProductを生産するのに、軽水炉型原子炉による原子力発電所を用いるのか、天然ガス・石炭・石油などをエネルギー源とする火力発電所を用いるのか、水の持つエネルギーを利用する水力発電所をもちいるのかという技術的決定)、製品の生産プロセスをどのような工程から構成させるのかという技術的決定などが、Production Process(製造工程設計)における問題である。
 なお経営技術論の主要な対象ではないが、Business Processをどのようにdesignするか(あるいdesignできるのか)も、そのdesignの主要な規定要因の一つが技術である限りにおいて対象となる問題である。
 
[調べてみよう]
課題1.製品の生産プロセスに関する技術的発展による工程の構成変化、すなわち、プロセス・イノベーションとはどういうことなのかを調べてみよう。
課題2.同一時点においても、同一製品セグメントに属する製品を生産するのに、複数の異なる工程構成が可能である。それはどういうことなのかを調べてみよう。
 
 
3.「外部環境」的規定要因、「内部資源」的規定要因、「主体的構想」要因
「何をどのようにdesignするのか?」というdesignに関する戦略的決定問題を考える際には、designに関わる諸要因に関して下記のように分類して分析する必要がある。
 
a.「外部環境」的規定要因
現存市場(顕在市場)に関する量的規定(市場の現在規模、成長率など)
現存市場(顕在市場)に関する質的規定(市場のセグメント的位置づけや内部的セグメント構成)
競合企業の製品競争力・イノベーション力および製品戦略・技術戦略
競合製品セグメント

ex.1a ケータイ製品の内部的セグメント構成
1) ベーシックフォン(basic phone)
2) フィーチャーフォン(feature phone)
3) スマートフォン(smart phone)

 
ex.2b ケータイ製品のセグメント的位置づけ
1) 上部製品セグメント — エレクトロニクス製品
2) 競合製品セグメント
2-a. パームやニュートンなどのPDA(Personal Digital Assistant)
2-b. iPod touchなどの通信機能を持つデジタルメディアプレーヤー
2-c. iPadなどのタブレット端末
2-d. iMacなどのPC

 
[調べてみよう]
課題3.上記のように製品のセグメント構成が階層的であるということは、製品競争が同一セグメントに属する製品の間での「製品」間競争としての性格と、異なるサブセグメントに属する製品の間での「セグメント」間競争としての性格という二種類を同時に持つことになる。
 そのことをケータイ製品やPC製品などを取り上げてわかりやすく説明しなさい。

 
b.「内部資源」的規定要因
1) 企業が現に持っている製品技術や製造技術
2) 企業が現に持っている特許権や著作権などの知的財産権
3) 企業が現に持っているイノベーション能力(技術革新能力ほか)
 
c.「主体的構想」要因
 product designの決定行為は、上記のような「外部環境」的規定要因と「内部資源」的規定要因に関する分析的考察をもとになすべき創造的行為である。
 単純化して言えば、「市場」「競合製品」「競合企業」といった外部的要因と、企業が内部的に有する「技術力」「技術革新能力」といった内部的要因に関する分析的考察に基づいて、競争力のある製品を新たに構想するのがdesign決定である。
 製品の機能・性能に関するdesignは、「外部環境」的規定要因と「内部資源」的規定要因だけで「受動」的に決定されるものではなく、同一製品セグメントに属する競合製品に対する相対的競争優位の確保、新しい製品セグメント(あるいは、PC製品セグメントにおけるサブ製品セグメントとしてのノートPCのような新しいサブ製品セグメント)の市場創造(Market creation)、中長期的視点からの自社および他社の技術戦略・イノベーション戦略などに対応した創造的行為である。
 
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Dutch book — 投資の成功確率に基づく「合理」的な資源配分

賭けをして「絶対に儲かる」ような方法は数学的にはない、と言われている。
しかしながら、賭けの選択肢それぞれが当たる「正しい」確率を知っていれば、「絶対に損をしない」と期待できる賭け方の方法がある。

■競馬レースにおける「儲かりはしない」が、「絶対に損をしない」賭け方

 そのことを競馬の場合を例に取って説明しよう。説明の簡単化のため、レースで一着になる馬を予想する単勝式で、なおかつ、出走馬の数が4頭である、と仮定する。
 また、それぞれの馬に対する「正しい」勝利確率に基づいて、オッズ(倍率)が設定されている、とする。
[注 オッズ(倍率)は、「予想した馬が勝利した場合に賭け金の何倍が払い戻されるのか」という倍率のことである。]

下記に示したように、それぞれの馬に対する「正しい」勝利確率に基づいて、オッズ(倍率)が設定されていると、それぞれの馬に関してどのような賭け金を賭けても「賭け金に対する期待値」は「賭け金」と等しくなる。

1を勝利確率で割った値をオッズとすれば、下記の表に示されているように、「賭け金」と「払戻金の期待値」が等しくなる。
 50%の勝利確率のAが勝利する確率は1/2であるから、オッズは1÷1/2=2とするのが「確率論」的には「合理的」である。
 というのも、このようにして導出したオッズの値よりも実際のオッズの値が低ければ、「賭け金」よりも「払戻金の期待値」が低くなるため、賭けという行為に対する損益の期待値がマイナスになってしまう。これは胴元側には好都合だが、賭ける側には不都合である。
 逆にこのようにして導出したオッズの値よりも実際のオッズの値が高ければ、「賭け金」よりも「払戻金の期待値」が高くなるため、賭けという行為に対する損益の期待値がプラスになってしまう。これは賭ける側には好都合だが、胴元側には不都合である。
 したがって賭ける側と胴元側のどちらにも不都合にならないよういするには、1を勝利確率で割った値をオッズとすることが最も合理的である。

[考えてみよう]
上記のオッズ設定の「合理」性に関する説明は、「哲学」的には問題ないが、「経営学」的には問題がある。

課題a.「事業のsustainabilityを確保するためにはどのようなことが必要であるのか?」を説明した上で、オッズ設定に関して考慮すべき「経営」的問題を論じなさい。

課題b. 上記のような現実的プロセスを考えた場合には、哲学者や数学者のような「現実のできごととは無縁な抽象的議論」における抽象的合理性とは異なり、現実的行為における合理性が問題となる。これは数学者が対象とする三角形や円が現実世界には存在しないまったくの「抽象」であることと同じである。
 そのことをわかりやすく説明しなさい。(ヒント:プラトンのイデア論の議論を参照すること。あるいは、現実の点とは異なり、数学的認識の対象としての点は××××である。また現実の線とは異なり、数学的認識の対象としての線は○○である。××××および○○○○に何が入るのかを考えた上で、そうした数学で理論的に規定されている点や線は、現実的には、あるいは、物理学的にはどうなるのかを考えなさい。

課題c. 実際の事業としての競馬場経営を例に取り、そのオッズ設定がどうなっているのかなども含めて、事業の収益構造を調べてわかりやすく説明しなさい。あるいは、そうした経営学議論の上で<競馬レースにおける「儲かりはしない」が、「絶対に損をしない」賭け方>を顧客にさせることが可能かどうかを論じなさい。

上記の課題で示したような現実的妥当性の問題はさておき、とりあえずは数学的な視点から議論を続けることにしよう。

最初の議論から「数学」的に考えると、4頭の馬に対して下記のような賭け金の賭け方をすると、どの馬が勝利した場合でも、投資した総金額と同額の払戻金を受け取ることができ、「数学」的には絶対に損をしないことになる。

勝利
確率
P
オッズ
O
賭け金
B
払戻金額
R
払戻金の
期待値
E
「賭け金」と
「払戻金期待値」
の差額
A
50%
2倍
5,000円
10,000円
5,000円
0円
B
25%
4倍
2,500円
10,000円
2,500円
0円
C
20%
5倍
2,000円
10,000円
2,000円
0円
D
5%
20倍
500円
10,000円
500円
0円
100%
――
10,000円
10,000円
10,000円
0円

上記で想定するように、「正しい」勝利確率がわかっている場合には、レースの結果がどのようになったとしても、「数学的には」絶対に損をしない賭け方が存在する。
 また仮にレース主催者が「正しい」勝利確率を知らずに「誤った」勝利確率に基づいてオッズを設定し、なおかつ、「正しい」勝利確率を知って賭けをできた場合には、レース結果がどのようになったとしても、絶対に儲けることができる。

 なお競馬レースの場合には、ある例外的なケースを除き、勝利確率の総和が100%になるので、出走したすべての馬に賭け金をかければ、賭けた人は自分が購入した馬券のどれかが必ず勝利馬券となる。すなわち「100%」必ず当たるような馬券の買い方が存在する。
 それゆえ、「正しい」勝利確率を知ってさえいれば、レース結果がどのようになったとしても「絶対に損をすることのない」賭け方が存在する。

[考えてみよう]
課題1.例外的なケースとしてどのようなことが想定しうるのかを考察してみよう。

■確率の合計が100%にならないギャンブルの場合(その1)

 しかし次の事例の場合のように、「正しい」勝利確率に基づいてオッズが設定されており、なおかつ、賭け金と払戻金額の期待値が個別的には同じであったとしても、前述の事例とは異なり、「絶対に損をすることのない」賭け方が存在せず、なおかつ、何回も賭けを続けた場合には「統計」的には損になると考えられる。
 下記の事例では、「個別に見ると賭け金と払戻金額の期待値との差がゼロであり、数学的には損をしないことが期待される」にも関わらず、競馬レースの場合のような賭け金の賭け方をすると損をすることになる。

 ここでは、1から6までの整数が書かれた正6面体という通常のサイコロに代えて、1から20までの整数が書かれた正20面体のサイコロを振る。
 そして、2の倍数(偶数)の目に賭けた場合のオッズが2倍、5の倍数の目に賭けた場合のオッズが5倍というようにオッズが設定されている、としよう。
 下記の表の左端の数字は、オッズが設定されているサイコロの出目の数の情報に関する規定である。

出現確率
P
オッズ
O
賭け金
B
払戻金額
R
払戻金の
期待値
E
「賭け金」と
「払戻金の期待値」
の差額
2の倍数
50%
2倍
5,000円
10,000円
5,000円
0円
5の倍数
20%
5倍
2,000円
10,000円
2,000円
0円
合計
70%
――
7,000円
――

上記のようなオッズ設定の場合には、2の倍数または5の倍数が出た時には損をしないが、
それ以外の出目の場合には損をすることになる。
 「統計」的には70%の確率で損をしないが、30%の確率で損をすることになる。それゆえこうした場合には、「統計」的には損をすることになる。

[考えてみよう]
課題2.このように当たる確率が100%にできない場合には数学的には損になることが期待される。日本における宝くじも、数多くの売り場で発売されている宝くじすべてを買い占めるといった非現実的なことをしない限り、100%当たるといったことはない。
 そうした非現実的な買い方を除き、買い方に様々な工夫をしても当たる確率は絶対に100%にはできない。しかしながら、それにも関わらず、かなり数多くの人々が宝くじを購入している。
 こうした宝くじ購入者の行動は数学的には「合理」的ではない。数学的には非合理な行動をなぜ数多くの人々が取るのか(すなわち、人々のどうしたneedsを充足するものなのか)を説明するとともに、どのようにすれば宝くじの購入金額を増加させる(すなわち、宝くじのdemandを増加させる)ことができると考えられるのかを説明しなさい。

課題3.日本における宝くじに関して、くじの当選確率がどのようになっているのかという事例を調べるとともに、発売されているすべての宝くじを購入した場合の収益を計算しなさい。(また、宝くじ事業の収益構造を調べなさい。)

■確率の合計が100%にならないギャンブルの場合(その2)

次に前述の例で、奇数の目に賭けた場合のオッズが2倍というオッズを追加で設定した、としよう。
 この場合には下記の表のようになる。

出現確率
P
オッズ
O
賭け金
B
払戻金額
R
払戻金の
期待値
E
「賭け金」と
「払戻金の期待値」
の差額
偶数
50%
2倍
5,000円
10,000円
5,000円
0円
奇数
50%
2倍
5,000円
10,000円
5,000円
0円
5の倍数
20%
5倍
2,000円
10,000円
2,000円
0円
合計
120%
――
12,000円
――

偶数、奇数、5の倍数というオッズ設定されているすべての出目に、上記のような金額をかけた場合には、5の倍数が出た時には8,000円の得に、5の倍数が出なかった時には2,000円の損になる。

課題4.さて偶数、奇数、5の倍数というオッズ設定されているすべての出目に何回も賭け続けた場合、統計的期待値としては得をすることが期待できるかどうかを説明しなさい。

■「主観」的確率に基づいたオッズ設定の場合

 ここまでの事例は「正しい」確率が事前に知られていた場合の事例である。次に、そうた「客観」的確率ではなく、「主観」的確率に基づくオッズ設定をした場合を考えてみよう。しかも「主観」的確率であるから、「主観」的確率の合計が100%を超えていたとしても構わないとする。

こうした「主観」的確率の合計が100%を超える具体例としては、21世紀前半期における自動車のイノベーションに関して世界においてどのタイプのイノベーションが成功するのかを「主観」的に予想する場合を考えて見ればよい。
自動車に関する特定タイプのイノベーションに熱心に取り組んでいる技術者たちであっても多くの場合、自らが取り組んでいるタイプのイノベーションが競合イノベーションに打ち勝って100%の成功を収めるとは限らないと考えている。また他の競合イノベーションの成功確率がそれぞれ何%であるかと「客観」的に分析しているわけではなく、「主観」的に確率を考えているだけである、と思われる。
 そして各タイプのイノベーションごとにそれの成功確率を個別的に考える限り、下記のようにすべてを合計して100%を超えることもよくあると考えられる。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの燃費改良など既存自動車の技術革新によるイノベーションが成功する確率を50%、ハイブリッド自動車のイノベーションが成功する確率を30%、通常の電気自動車(充電池+電動モーター型の電気自動車)のイノベーションが成功する確率を20%、燃料電池型電気自動車(燃料電池+電動モーター型の電気自動車)のイノベーションが成功する確率を5%、太陽電池型電気自動車(太陽電池+電動モーター型の電気自動車)のイノベーションが成功する確率を2%、キャパシタ型電気自動車(キャパシタ+電動モーター型の電気自動車)のイノベーションが成功する確率を1%と想定するような場合である。

なお事例としては再び競馬レースの場合を考える。下記のオッズ表は以下のような前提に基づいて作成されている。

前提1.予想した馬が勝利した時に10,000円の払戻金を受け取れるようにする。
前提2.それぞれの馬が勝利すると賭け手が予想する「主観」確率に対応してオッズを設定する。すなわち少なくとも賭け手の予想としては、「賭け金に対して得られる払戻金の期待値」が「賭け金」と同額になるようにする。
 最初の事例の解説で述べたように、「賭け金に対して得られる払戻金の期待値」を「賭け金」と等しくするのは、賭け手にも胴元側のどちらにも「合理的」であると考えることができる。

下記のようになっている場合には、どの馬に賭けても「期待される損益」はゼロであるから、単純に考えると、1つの馬だけに賭けても、複数の馬に賭けても、すべての馬に賭けても「期待される損益」はゼロのように思われる。
 しかしながら、起こりうるすべての場合に対して「損をしないような合理的賭け方」をすると、すなわち、すべての馬に賭けると、実際には損をすることになる。下記の表によれば、賭け金の総額が10,500円であるのに対して、どの馬が勝っても払戻金は10,000円にしかならないので、起こりうるすべての場合に賭けると500円の損になる。
 起こりうるすべての場合に対して「合理的」な賭け方をした場合、この事例のように予想勝利確率の合計が100%よりも高い設定では賭け手側が損をすることになる。

勝利
確率
P
オッズ
O
賭け金
B
払戻金額
R
払戻金の
期待値
E
「賭け金」と
「払戻金期待値」
の差額
A
50%
2倍
5,000円
10,000円
5,000円
0円
B
25%
4倍
2,500円
10,000円
2,500円
0円
C
20%
5倍
2,000円
10,000円
2,000円
0円
D
10%
10倍
1,000円
10,000円
1,000円
0円
105%
――
10,500円
10,000円
10,000円
-500円

課題5.イノベーションに対する個別企業における投資、あるいは、政府における投資では、「客観」的に「正しい」確率を求めることは一般的に不可能である。それゆえ確率を考える場合でも、「主観」的確率にならざるを得ない場合がほとんどである。
 さて上記で論じたように、「主観」的確率の合計が100%を超えている場合には、個々の選択肢に関しては「主観」的確率に対応した合理的な選択をしても、すべての選択肢を同時に選択した場合には必然的に損失が発生することになる。
 こうしたことに関して、どれか事例を挙げてわかりやすく説明しなさい。

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テレビ放送

テレビ放送に関して下記の課題を調べてみよう。

課題1.テレビ放送を、下記のような製品のシステム性という視点から分析するとともに、その製品システムがどのようにイノベーションを起こしてきたのかを整理してみよう。

製品のシステム性1>スポンサー-テレビ局-視聴者
製品のシステム性2>テレビ放送用撮影機器-テレビ放送用設備-テレビ放送電波・電波塔-テレビ放送受信用アンテナ-テレビ放送受信機-テレビ放送録画装置

課題2.テレビ放送に関わる主要なイノベーションの中で、モノクロからカラーへのイノベーション、および、2Dから3Dへのイノベーションを取り上げ、それらのイノベーションがどのように進行したのか(あるいはどのように進行すると予想されるのか)を論じなさい。
 なおその際に、そうしたイノベーションに関してneeds-wants-demandを区分した上で議論をしなさい。

課題3.上記のイノベーションの成功に必要であったこと(あるいは、必要とされるであろうこと)、上記のイノベーションの成功のための企業戦略に関して、バンドワゴン効果という視点から議論をしなさい。

課題4.「通信と放送の融合」といった議論にも示されているが、テレビ放送というサービスに対しては、それと競合するサービスが種々存在している。テレビ放送と競合するサービスに関して、過去にどのようなものがあったのか、現在において特に問題となっている競合サービスにはどのようなものがあるのか、近い将来において競合しそうなサービスにはどのようなものがあるのかを論じなさい。
 なおその際には、数値データでテレビ放送に対するdemandeの変化や他サービスとの競合を示すとともに、テレビ放送とラジオ放送などといった「直接」的競合だけでなく、人々の自由時間や余暇時間の使い方といった広い視点からの分析も行いなさい。

「参考資料および参考にすべき論点]
参考論点1>ラジオ放送の会社が、かってはテレビ放送の親会社であったこと
参考資料1>「視線争奪 タブー無し テレビ放送 60歳の岐路(上)」『日経産業新聞』2013年1月24日、1面

全世帯でどれだけテレビが年間にわたって見られているのかを調べた総世帯視聴率は、関東地区では1980年前後にピークの70数%を記録した後は、多少の変動はあれ長期的には減少を続け現在では65%を割るなど、10%を超える低下を記録くしている。

 

倉重光宏(2011)「事例研究(1):放送技術のイノベーション事例」『映像情報メディア学会誌』65 (8), pp.1153-1156

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新聞記事や雑誌記事に対する批判的検討の必要性

新聞記事や雑誌記事をレポートや卒論で引用したり参考にしたりする際には、下記のような理由から十分な注意を払ってください。

その理由1>時間的制約が強い中で、Newsとして「それまでに報道されてはいない新しい事柄」を報道しなければならない新聞や雑誌といったメディアでは、必ずしも十分な検証が済んではいない記事が掲載されてしまうことがあります。
 これに対して、きちんとした学会が発行している学会誌のレフェリー付き論文では、論文の執筆者以外の複数のレフェリーが眼を通して、その内容の正確性に関するチェックを時間をかけておこなっている(あるいは、おこなっていた)のが一般的ですので、より信頼度が高いと考えられます。ただし最近では学会でもレフェリー期間が短く限定されていたり、信頼できる当該分野の専門家の数が限られていたりするため、十分なチェックがなされているとは考えにくい論文もあります。

その理由2>新聞記事や雑誌記事を書いている記者も「人間」ですから、あまり適切ではない「先入観」や思いがけない「誤解」から完全に自由であるわけではありません。またマンハイム(Karl Mannheim)などが論じた存在被拘束性(Seinsverbundenheit)といった問題もあります。

その理由3>新聞記者や雑誌記者は、記者という専門家ではあっても、ある特定専門分野の専門家であるわけではありません。またすべての分野に関して的確な専門的知識を持っているわけではありません。したがって当該分野の専門家の眼から見ると必ずしも正確ではない事柄が記事になってしまうのはしかたがありません。
 また無署名記事には複数の十分なチェックがなされてはいますが、ニュースソース自体に問題がある場合には正確ではない事柄が記事になってしまうことになります。

[注意事項]
 もちろんこのように書いている筆者自身にもこうした問題から完全に自由であるわけではありませんので、本サイトの記事に関しても、無批判的に信じるのではなく、批判的検討を必ず加えてください。

 以上のことから、新聞記事や雑誌記事をレポートや卒論で引用したり参考にしたりする際には、「ニュースソース」(情報源、取材源。記者が記事を書く際に利用した情報の出所。)が異なっていると思われる記事をなるべく数多く探し出して、それらの間で事実的データやニュアンスにどのような差異があるのかないのかを調べるとともに、分析結果や見解にどのような差異があるのかないのかを調べてください。

 ネット検索をすると、社会的に注目を浴びている問題などの場合には、同一の事柄に対して様々な見解があることはすぐにわかります。社会的に必ずしも大きな注目を浴びてはいない問題の場合でも、該当件数が少ないだけで、複数の異なる見解があることは少し注意して調べればわかります。

[考えてみよう]
課題1.下記の複数の記事を読むとともに、下記以外の関連する記事を自分で調べて、事実としてより正確な事柄は何なのかを考えてみよう。

日本経済新聞(2013a)「液晶大手、iPhone用パネル減産 販売伸び悩み 」『日本経済新聞 電子版』2013/1/14 2:01
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD1201V_T10C13A1MM8000/
[電子部品メーカー幹部の「1月からiPhone向けの受注が半減している」という発言をニュースソースとした記事]
日本経済新聞(2013b)「グーグル、タブレットでアップル逆転 低価格武器に:国内の年末商戦」『日本経済新聞 電子版』2013/1/16 22:07
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD1201V_T10C13A1MM8000/
[「グーグルがアップルを逆転――。昨年の年末商戦の国内タブレット(多機能携帯端末)市場で、米グーグル「ネクサス」のシェアが米アップル「iPad(アイパッド)」を初めて上回った。」という内容の記事。本記事のニュースソースは、調査会社BCNのデータである。]
磯修(2013)「タブレットに新潮流、7型NexusがiPadをついに逆転」日経トレンディネット, 2013年01月17日
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130116/1046897/?P=2
[調査会社BCNのデータをニュースソースとする、「タブレット市場のメーカー別シェアにおいて、それまで60%を超える絶対的なシェアを長く誇っていたアップルが2012年12月にはトップシェアを初めてエイスースに譲った」という内容の記事。]
小島健志(2013)「iPhoneより売れているIGZO搭載スマホの登場で一人負けのドコモに一筋の光」diamond.jp,週刊ダイヤモンド【第791回】 2013年1月11日
http://diamond.jp/articles/-/30431
[シャープ製「アクオスフォン ゼータ(AQUOS PHONE ZETA SH-02E)」は2012年11月下旬の発売以降、スマホ機種別販売台数ランキングでiPhone5を押さえて6週連続の1位を獲得しているという調査会社BCNの調査データをニュースソースとする記事。ただしそうしたことにも関わらず、「顧客流出は13万件と10万件を超える高水準のまま。ゼータ効果は限定的で」あるとしている。]
後藤直義(2013)「iPhone5が大幅減産で“アップル依存列島”に大打撃」diamond.jp,週刊ダイヤモンド【第795回】 2013年1月17日
http://diamond.jp/articles/-/30619
[「アップルは12月中旬ごろ、主要取引先に出荷目標を大きく落とすと通告した」「液晶なら約5割、その他の電子部品は約3割と、大幅な減産モードに追い込まれ、半年間は低調が続きそうだ」というある電機メーカー幹部の発言、および、ドイツ証券のリサーチアナリストの中根康夫氏の「iPhone5の出荷台数は発売直後の12年10~12月の3カ月間で推定4500万台(主要部品ベース)。しかし13年1~3月は2500万~2800万台と、半年もたたずに約40%減る可能性がある」という発言などをニュースソースとする記事]
Rogowsky,Mark(2013)”Why The WSJ Got The ‘iPhone Demand Is Crashing’ Story All Wrong,” Forbes.com,2013/01/15
http://www.forbes.com/sites/markrogowsky/2013/01/15/did-the-wsj-get-punkd-on-apple-or-is-it-rotten-to-the-core/
[「なぜWall Street Journalが「iPhoneの需要は大幅に減少しつつある」というまったくの誤解をしたのか?」というタイトルの記事][You got it wrong.という文は「あなたのその理解は間違っています。」「それはあなたの誤解である。」といった意味になります。]
本田雅一(2013)「iPhone、iPadが売れてない?アップル製品沈没、不思議報道のメカニズム」Yahoo!Japan ニュース、2013年1月19日 2時55分
http://bylines.news.yahoo.co.jp/masakazuhonda/20130119-00023120/
[Rogowsky(2013)で
「アップルは1~3月期に合計約6500万台分のパネルを発注する計画だったが、半分程度に減らすことを通告したもようだ」という日本経済新聞(2013a)の記事の信頼性に関して、AppleのiPhoneの出荷台数の四半期ごとの数値をもとに批判を加えたRogowskyの記事の紹介、および、BCNの記事の信頼性の検討がなされている。]

課題2.課題1のような問題は、ニュースソースの正当性の問題だけでなく、理論的用語の定義の違いや、対象とする製品セグメントのとり方の違いによる市場データの数値の違いなどに起因する問題でもある。そのことについてわかりやすく説明してみよう。

課題3.課題1で挙げたのと同じように、同一の事柄に関して複数の見解が存在する記事を自分で調べるとともに、自分としては何が事実としてより正確な事柄は何なのかを考えてみよう。

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製品のシステム性に対応したイノベーション — イノベーションにおける互換性問題

製品システムS1 Product A1 + Product B1 + Product C1 +・・・+ Product Z1
製品システム
レベルにおける
イノベーション
個別製品
レベルにおける
イノベーション
製品システムS1 Product A2 + Product B1 + Product C1 + ・・・・+ Product Z1

上記のように、Product A1,Product B1,Product C1,・・・Product Z1という複数の製品からなる製品システムS1において、Product A1からProduct A2への個別製品レベルにおけるイノベーションをどのように遂行すべきなのかという問題を考えると、Product A1とProduct A2以外の他の製品がすべて同じままであった場合には、新世代製品のProduct A2が前世代製品のProduct A1と互換性を持たせるかどうかが問題となる。

[考察してみよう]
課題1.ガソリン自動車、ガソリンスタンド、道路、交通信号、交通法規などから構成される自動車交通システムが現在ではまだ主流であるが、「環境に優しい製品の社会的普及の促進」という社会的要請に応えるべく、ガソリン自動車からハイブリッド自動車や電気自動車への製品イノベーションが現在進行中である。
 このことに関して、上記の製品のシステム性に対応したイノベーションという視点から、自動車交通システムに関する製品システムのイノベーションについて考察してみよう。

製品システムS1 ガソリン自動車 ガソリンスタンド 道路 交通信号
製品システム
レベルにおける
イノベーション
個別製品
レベルにおける
イノベーション
製品システムS1 ハイブリッド自動車 ガソリンスタンド 道路 交通信号
あるいは、
製品システムS2 電気自動車 充電スタンド 道路 交通信号

課題2.ゲーム機とゲームソフトも一つの製品システムを構成している。ゲーム機に関する製品イノベーションにおいては、「新世代ゲーム機において旧世代ゲーム機のソフトが動作するのか?」、「動作するとしてもどのような形で動作するのか?」といった互換性問題が大きな問題となる。
 初期のゲーム機では、ファミコンからスーファミ、スーファミからN64といった据置型ゲーム専用機に関する製品イノベーションにおいて、旧世代機におけるゲームソフトを新世代機で動作させることはできなかった。これに対して、ゲームボーイアドバンスからDSへといった携帯型ゲーム専用機に関する製品イノベーションにおいては旧世代機におけるゲームソフトを新世代機でそのまま動作させることができた。
 任天堂が互換性問題に関してこのように異なる対応を取った理由は何であろうかについて、様々な視点から考察してみよう。

ゲームボーイアドバンス ゲームボーイアドバンス用
ソフトウェア
N64
N64用
ソフトウェア

[考察すべき視点]
「互換性確保に関するコストは、上記の据置型ゲーム専用機と携帯型ゲーム専用機ではどのように違っているのか?あるいは違っていないのか?」
「本体価格とゲームソフト価格が、上記の据置型ゲーム専用機と携帯型ゲーム専用機ではどのように違っているのか?あるいは違っていないのか?」
「ユーザーが所有しているゲームソフトの数や、ユーザーが相互に貸し借りするゲームソフトの数は、上記の据置型ゲーム専用機と携帯型ゲーム専用機ではどのように違っているのか?あるいは違っていないのか?」
「ターゲット・ユーザーは、上記の据置型ゲーム専用機と携帯型ゲーム専用機ではどのように違っているのか?あるいは違っていないのか?」

課題3.据置型ゲーム専用機においては、任天堂におけるゲームキューブからWiiへの製品イノベーション、マイクロソフトにおけるXBOXからXBOX360への製品イノベーション、ソニーにおけるPS2から初代PS3への製品イノベーションにおけるように、新世代機が旧世代機と少なくとも一定以上の互換性を持つように設計されている。
 「このような技術的選択がなされた理由は何であろうか?」「互換性確保のやり方は任天堂、マイクロソフト、ソニーではそれぞれ異なったやり方が採用されているが、それはどのように違っているのか?またどのような共通性があるのか?」といったことを考察してみよう。

[参考WEB]
佐野正博(2008,2010)「ゲーム機の製品イノベーションにおける技術戦略論的視点から見た「位置取り」問題」Ver4.4
http://www.sanosemi.com/biztech/document/Game-Positioning-Ver4-4.pdf
ソニー「ゲームアーカイブスとは?」
http://www.jp.playstation.com/psn/tips/gamearchives/

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「範囲の経済」(economy of scope)効果

範囲の経済に関してはWEB上では下記のような解説がある。

dictionary.goo.ne.jp›MBA経営辞書「範囲の経済性」
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/mb/%E7%AF%84%E5%9B%B2%E3%81%AE%E7%B5%8C%E6%B8%88%E6%80%A7/m0u/

kotobank > 「範囲の経済」
『ナビゲート ビジネス基本用語集』、『百科事典マイペディア』、『ブランド用語集』
http://kotobank.jp/word/%E7%AF%84%E5%9B%B2%E3%81%AE%E7%B5%8C%E6%B8%88

ゴーガ『マネー用語辞典』
http://m-words.jp/w/E7AF84E59BB2E381AEE7B58CE6B888.html

secwords.com『証券用語辞典』
http://secwords.com/%E7%AF%84%E5%9B%B2%E3%81%AE%E7%B5%8C%E6%B8%88.html

グロービス『MBA経営辞書』>範囲の経済性
http://www.globis.jp/1612

innovation studio japan>範囲の経済
http://innovativestrategy.wordpress.com/2009/10/25/%E7%AF%84%E5%9B%B2%E3%81%AE%E7%B5%8C%E6%B8%88/

[考察してみよう]
課題1.上記のWEBなどを参考に、「範囲の経済とは何か?」「範囲の経済を利用することのメリットと問題点とは何か?」ということを500字前後でわかりやすくまとめてみよう。さらにまた、範囲の経済を生かして成果をあげている企業をどこか1社取り上げて、どのような形で「範囲の経済」効果を利用しているのかを説明してみよう。

課題2.新規研究開発によるイノベーションにおいては、研究開発開始初期にターゲットとして考えていた製品セグメントだけではなく(あるいは研究開発開始初期にターゲットとして考えていた製品セグメントではダメであっても)、それとは別の製品セグメントにおいて研究開発の成果としての技術の有用性が明らかになることがある。
 こうしたこともある意味では「範囲の経済」の一種であると理解することもできる。そのことを理論的に説明するとともに、そうしたことで成功した具体的事例を探してみよう。

課題3.「範囲の経済」という視点から、自動車における車台(プラットフォーム)の共通化など複数種類の製品における共通モジュール採用の意味や問題点を論じてみよう。

課題4.「範囲の経済」economy of scopeと類似した用語に、「規模の経済」economy of scaleがある。両者が基本的に異なっている点をわかりやすく説明するとともに、両者がどのような意味で共通しているのか(あるいは、統一的に理解できるのか)を説明してみよう。
 なおそれらの説明の中に、前者の論点に関しては一品種大量生産と多品種少量生産という視点からの考察を、後者の論点に関しては製品の製造単価に関する可変費用と固定費用という視点からの考察を、それぞれ含ませるようにしておいてください。

課題5.シナジー効果(相乗効果)とは何かについて、「範囲の経済」の差異と連関がきちんと理論的にわかるように説明してみよう。

[関連参考文献]
中島英博ほか(2004)「国立大学における規模および範囲の経済性に関する実証分析」『名古屋高等教育研究』第4号,pp.91-104
www.cshe.nagoya-u.ac.jp/publications/journal/no4/07.pdf

小野俊夫(1988)「研究開発・知識生産活動における情報の拡散と範囲の経済性」『早稲田社会科学研究』第49号,pp.1-23
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/9872/1/41452_49.pdf

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ガソリンスタンド(給油所)数の歴史的推移

ガソリンスタンド(給油所)数の歴史的推移のデータに関しては、下記の資源エネルギー庁のWebページから手に入れることができる。
経済産業省 資源エネギー庁「石油製品の品質確保に関するホームページ」
http://www.enecho.meti.go.jp/hinnkakuhou/
たとえば1989年度末から2011年度末にかけてのガソリンスタンド数の歴史的推移に関しては下記のpdfのp.1に記載されている。
経済産業省 資源エネルギー庁(2012)「揮発油販売業者数及び給油所数の推移(登録ベース)」
http://www.enecho.meti.go.jp/hinnkakuhou/data/ss23fy.pdf
それによれば、各年度末における給油所数の歴史的推移は下記の通りである。
 
給油所数 新設数 廃止数 増減数
1989 58,285 1,636 1,762 -126
1990 58,614 1,691 1,362 329
1991 58,825 1,554 1,343 211
1992 59,224 1,178 779 399
1993 59,733 1,146 637 509
1994 60,421 1,244 556 688
1995 59,990 1,574 2,005 -431
1996 59,615 1,200 1,575 -375
1997 58,263 607 1,959 -1,352
1998 56,444 447 2,266 -1,819
1999 55,153 308 1,599 -1,291
2000 53,704 357 1,806 -1,449
2001 52,592 337 1,449 -1,112
2002 51,294 340 1,638 -1,298
2003 50,067 471 1,698 -1,227
2004 48,672 459 1,854 -1,395
2005 47,584 423 1,511 -1,088
2006 45,792 609 2,401 -1,792
2007 44,057 457 2,192 -1,735
2008 42,090 416 2,383 -1,967
2009 40,357 308 2,041 -1,733
2010 38,777 153 1,733 -1,580
2011 37,743 146 1,180 -1,034
日本における給油所数の歴史的推移1989-2011

[考察してみよう]
課題1.上記の歴史的推移によると、1994年度末をピークとしてガソリンスタンド数は長期的に減少傾向が続き、2011年度末にはピーク時の62%と約4割も減少している。こうした長期的減少傾向の理由は何かを考えてみよう。

[関連文書]
全国石油商業組合連合会 政策・環境部会(2004)『未来に向けていまSS は何をなすべきか:石油販売業将来像研究会報告書』
http://www.zensekiren.or.jp/06library/0602/mirai_ss.pdf
全国石油商業組合連合会(2004)『提言 石油流通における不公正取引規制の抜本的強化に向けて』
http://www.zensekiren.or.jp/06library/0602/teigen.pdf
http://www.zensekiren.or.jp/06library/0602/shiryo_1.pdf
http://www.zensekiren.or.jp/06library/0602/shiryo_2.pdf
 

課題2.上記の歴史的推移は全国を対象としたものであるが、地域別・県別の数値を調べて、どのような特徴的傾向が存在しているのかを調べてみよう。

[データが記載されている資料]
経済産業省 資源エネルギー庁(2012)「揮発油販売業者数及び給油所数の推移(登録ベース)」
http://www.enecho.meti.go.jp/hinnkakuhou/data/ss23fy.pdfのpp.5-6
 

課題3.ガソリンスタンド数の減少にはどのような問題点があるのかを考えてみよう。なおその際に、「燃料供給不安定地域」(100km2当たりで、実際に営業している給油所の数が8カ所以下の市町村)の数も調べた上で考察をおこなうようにしよう。

[関連文書]
全石連>石油広場 2011年8月>「エネ庁・愛知など4ヵ所でSS過疎地供給対策の実証スタート」
http://www09.zensekiren.or.jp/09kumiai/090301/1108
 

課題4.セルフ式ガソリンスタンドは日本では安全性確保の観点から1998年まで認められなかった。
また2013年2月1日から施工された「危険物の規制に関する規則等の一部を改正する省令」により、地下貯蔵タンクの内で設置年数が40年以上など腐食の恐れが高いタンクに関してガソリン流出事故防止対策のための改修工事が必要になった。これにより場合によっては数百万の費用が必要であったり、改修工事期間中に休業を余儀なくされる場合などがある。
 給油所の経営状況を数値データをもとに具体的に論じながら、これらのような法改正が「給油所業界にどのような影響をもたらしたのか?(あるいはまた、もたらすのか?)」、「自動車の製品イノベーションなど自動車業界にどのような影響をもたらすのか?」を考えてみよう。

[関連文書]
全石連(2001)「石油流通業の構造改革ビジョン報告書」
http://www.zensekiren.or.jp/06library/0602/vision.pdf
http://www.zensekiren.or.jp/06library/0602/shiryo.pdf
消防庁(2010)「危険物の規制に関する規則等の一部を改正する省令等の公布について」
http://www.fdma.go.jp/html/data/tuchi2206/pdf/220628_ki130.pdf
金沢市消防局予防課による省令改正に関するわかりやすい説明
http://fire.city.kanazawa.ishikawa.jp/prevent/hp221118.pdf
 

課題5.上記の課題で論じたように、法律のあり方が業界の存在やイノベーションの方向性に大きな影響を与えることがある。このことに関連して、バイオエタノールなど燃料に関するイノベーションの社会的普及について論じるとともに、ガソリンスタンドの経営にそのことが関係するかどうかを考察してみよう。

課題6.「自動車のイノベーションはガソリンスタンド業界にどのような影響を与えるのか?」「自動車のイノベーションに対してガソリンスタンド業界はどう対応すべきであろうか?」といった問題を考察してみよう。

[関連文書]
全国石油商業組合連合会(2010)「次世代自動車対応SSの将来像を考える研究会報告書」
http://www.zensekiren.or.jp/06library/0602/jisedaijidousha.pdf
送用新燃料利用拡大のための制度基盤検討会(2007)「輸送用新燃料利用拡大のための制度基盤検討会とりまとめ」
http://www.enecho.meti.go.jp/policy/fuel/shinnenryou_hontai.pdf
 
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イノベーションと利益の関係に関する基本的発想 — イノベーションによる競争優位の獲得 and/or コスト削減

製品販売から得られる利益は単純化して言えば下記のようになる。

  「製品1個当たりの利益」 = 「販売価格」-「製造費用」-「販売管理費用」
  「総利益」=「製品1個当たりの利益」×「総販売数量」

このことから次のような常識的結論がすぐに導出される。

  A.販売価格を高くできれば、利益が増大する。
  B.製造費用を削減できれば、利益が増大する。
  C.販売管理費用を削減できれば、利益が増大する。
  D.総販売数量を増大させれば、利益が増大する。

研究開発投資によるイノベーションという視点から上記のことを論じると、下記のような4つのことが推論される。

推論1.製品の機能や性能に関わるイノベーション(prduct innovation)によって、顧客が求める新機能を実現したり、顧客満足度を高めるような性能向上を実現できれば、しかもなお、他社がそうしたprduct innovationを模倣できなければ、競合製品に対する相対的競争優位を獲得でき、「より高い価格で販売すること」や「より多く販売すること」が可能になる。
(上記の個別企業の視点からだけではなく、業界全体から言っても、製品イノベーションの実現によって製品のコモディティ化を避けることができ、価格競争ではなく、機能競争や性能競争を中心に据えることで「より高い販売価格の維持」が可能となる。)
推論2.製品の製造過程に関するイノベーション(process innovation))によって、顧客満足度を高めるような製品の品質向上を実現できれば、競合製品に対する相対的競争優位を獲得でき、「より高い価格で販売すること」や「より多く販売すること」が可能になる。
推論3.製品の製造過程に関するイノベーション(process innovation)によって、「製品の製造費用」(製造コスト)を削減できれば、それだけ利益が増大する。
推論4.製品の販売業務や会社の管理業務に関するイノベーションによって、「製品の販売管理費用」を削減できれば、それだけ利益が増大する。

[考察してみよう]
課題1.上記の4つの推論それぞれに関して、具体的事例(企業名、および、当該企業がおこなったイノベーションの具体的内容)に基づいて詳しく説明してみよう。
課題2.イノベーションによる競争優位の追求には、「より高い価格で販売すること」や「より多く販売すること」を可能にする一方で、イノベーションのための研究開発投資、新製品生産のための設備投資、従業員や顧客の再教育費用などのために製造費用や販売管理費用を増大させる、というトレードオフ問題がつきものである。このことを具体的事例に基づいて説明してみよう。
課題3.上記のようなトレードオフ問題の存在に対して、各企業が実際にどのような対応を取っているのかを調べて見よう。なおその際には、コア・モジュール、コア・コンピタンス、モジュール化といったキーワードとの関連で考察してみよう。
課題4.他社がproduct innovationを模倣できないようにすること(模倣困難性の確保)は、技術的リーダーシップによる模倣困難性の確保と、知的財産権など法的権利による模倣困難性の確保という二つの視点から論じる必要がある。そうした両者の連関と差異に関して、具体的事例に基づいて説明し見よう。
課題5.同一モジュールの採用によるコスト削減には、メリットとデメリットがある。自社の複数製品における同一モジュールの採用の場合と、自社および他社の複数製品における同一モジュールの採用の場合に分けて具体的事例に基づいて考察してみよう。

[ヒント]
1.インターネットや電子メールといったIT(またはICT)に関するイノベーションは、組織のあり方を変えたり、販売管理費用削減に有用である。
2.ITに関するイノベーションは、組織の取引コスト(transaction cost)を削減する。
3.process innovationによる製造コスト削減は、多種類の製品における共通モジュールの統一的採用による、研究開発対象の限定・少数化による研究開発費用の削減といった「範囲の経済」効果、同一モジュールの大量生産による「規模の経済」効果、同一モジュールの累積生産量の増大による「経験曲線」効果の利用といったことで可能になる。

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クリステンセンのイノベーション論 — 製品セグメントに関する性能下限と性能上限という規定要因

各製品セグメントごとに、製品がそれ以下の性能であれば顧客のwantsの対象とならなくなる(あるいは顧客のdemandがゼロになる)「性能下限」、および、製品がそれ以上の性能を持っていても顧客のwantsを増大させない(あるいは顧客のdemandを増大させない)「性能上限」がそれぞれ存在する。
各競合企業の新技術開発により「性能下限」および「性能上限」が時間とともに上がるが、技術革新による製品の性能向上のスピードは「性能下限」および「性能上限」の上昇のスピードを一般的には上回っている。

[考察してみよう]
課題1. 上記の結果として、上位市場に属する製品セグメントにおける先行有力企業が、下位市場に属する製品セグメントにおける新規企業との、当該上位製品セグメント市場における競争において敗北することがよくある。それはどういうことなのかを具体例を挙げて説明しなさい。

課題2. 技術革新による製品の性能向上のスピードは、各製品セグメントに特有の「性能下限」の上昇スピードよりも大きい。そのことを積極的に利用して下位製品セグメント市場への参入から初めて、時間的進展とともに上位製品セグメント市場へと製品展開を積極的に図った企業の事例を一つ挙げてわかりやすく説明してみよう。

課題3. 技術革新による製品の性能向上のスピードは、各製品セグメントに特有の「性能上限」の上昇スピードよりも大きい。そのことは企業においては技術開発と製品開発の差異という形式で問題になる。また旧世代機よりも高性能な新世代機が市場において競争力を持たないという現象としても問題になる。このことに関して事例を挙げてわかりやすく説明してみよう。

[参考WEB]
佐野正博(2004,2011)「イノベーションに関するクリステンセンの見解」
http://www.sanosemi.com/biztech/document/Christensen-theory-of-Innovation.pdf
佐野正博「製品イノベーションにおけるドミナント・デザインの存続要因としての、市場が求める製品性能の上限と下限」
http://www.sanosemi.com/biztech/document/dominant-design-ref01.pdf

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ゲーム専用機に関する「互換性重視」的技術戦略 vs 「性能向上重視」的技術戦略

製品市場における世代交代の実現を目指した製品イノベーションに際して、互換性確保と性能向上という二つの技術的目標はトレードオフ関係にあり、「旧世代機との互換性を新世代機において確保すること」(「互換性重視」的技術戦略)と「旧世代機からの大幅な性能向上を新世代機において実現すること」(「性能向上重視」的技術戦略)の両立は一般的には困難であるが、技術的にまったく不可能というわけではない。
 なおゲーム機において互換性確保と性能向上を同時に実現するやり方には互換性確保のやり方との関係で三種類あるが、互換性確保あるいは性能向上のそれぞれどちらか片方の目標だけを単独に追求する戦略よりも、コスト増になる。

課題1、 ゲーム機に関して互換性確保と性能向上の両立を図る三つの技術戦略の内で製品の限界費用を低く抑えることが最も実行しやすいと思われる戦略を取り上げて説明しなさい。なおその際に、他の二つのやり方に比べてそのやり方の方が限界費用を低く抑えることができると推定される理由を、事例を挙げながらわかりやすく説明しなさい。

[三種類の対応に関するヒント]新世代機において旧世代機との互換性を確保するには、「ハードウェア」的対応と「ソフトウェア」的対応がある。また新世代機において旧世代機に対する性能向上の実現には、「新規研究開発による新規モジュール」による対応と、「研究開発が既になされている既存モジュール」による対応がある。

性能向上の
実現方法
新規開発モジュール
による対応
vs 既存開発モジュール
による対応
互換性の
実現方法
新規開発ソフト
による対応
vs 旧世代機モジュール
搭載による対応

課題2、 他の二つの技術戦略とはどのようなものなのかを事例を挙げて説明してみよう。

課題3、 21世紀の自動車に関して、「走行時における二酸化炭素排出量をなるべく低くする」という性能向上を追求する方向での製品イノベーションが進行中である。こうした21世紀における自動車のproduct innovationに関しても、「互換性維持重視」的技術戦略 vs 「性能向上重視」的技術戦略という視点からイノベーション戦略を分析することができる。
ブルーテク技術採用ディーゼル自動車、非プラグイン型ハイブリッド自動車、プラグイン型ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池車など、自動車に関するproduct innovationに関して、「互換性維持重視」的技術戦略 vs 「性能向上重視」的技術戦略という視点から考察を加えてみよう。

[参考WEB]
佐野正博(2008,2010)「ゲーム機の製品イノベーションにおける技術戦略論的視点から見た「位置取り」問題」Ver4.4
http://www.sanosemi.com/biztech/document/Game-Positioning-Ver4-4.pdf

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売上高研究費率と売上高営業利益率

日本における産業分野別の売上高に対する研究開発費率および営業利益率(2007年度から2011年度にかけての5カ年度平均)に関して、下記のように、全産業、製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業、化学工業、医薬品製造業という5つについて見ると下記のようになっている。

表1 日本における産業分野別の売上高に対する研究開発費率および営業利益率
全産業
製造業
電気機械器具
製造業
情報通信機械
器具製造業
化学工業
医薬品
製造業
研究開発費/売上高
3.4%
4.3%
5.0%
7.1%
7.3%
15.1%
営業利益/
売上高
3.1%
3.9%
4.1%
0.7%
7.7%
14.6%

[考察してみよう]
課題1.上記の表からは、情報通信機械器具製造業を除き、売上高に対する研究開発費の高い産業は売上高営業利益率も高い傾向にあることがうかがえる。このように研究開発費率が高い方が営業利益率も高い傾向が生じる理由・メカニズムに関して考察してみよう。
 ただしそうした考察に際しては産業間比較であることを踏まえるとともに、研究開発によるイノベーションがどのような社会的意義を持っているのかを考慮に入れよう。またどのような場合にコモディティ化が生じるのか、コモディティ化が進行した産業における研究開発の位置づけを考慮に入れよう。

課題2.日本の情報通信機械器具製造業が表1で例外的傾向を示している理由・メカニズムの理解に際しては、国際的競争という視点からの考察が必要である。そのため下記の表2のデータを参考にして考察してみよう。なおそうした考察の際に、相対的競争優位の獲得に関するポータの差別化戦略/コストリーダーシップ戦略という議論の視点も考慮に入れてみよう。

なお情報通信機械器具製造業とは、下記Webに詳しく書かれているが、パソコン、プリンタ、ケータイ、テレビ、FAXなどといった製品の製造に関わる産業である。
http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/374367.pdf

表2 情報通信機械器具製造業に属する日米の代表的企業における
研究開発費率および営業利益率の比較
Apple
シャープ
ソニー
パナソニック
Intel
Microsoft
研究開発費/売上高
3%
6%
6%
6%
15%
15%
営業利益率
/売上高
19%
4%
2%
4%
22%
36%
研究開発費
894
1,805
5,051
5,384
7,396
5,630

研究開発費の単位は米国企業が100万ドル、日本企業が億円である。
数値は、連結ベースで2005年度-2009年度の5年間の平均値である。

課題3.売上高研究開発費率と売上高営業利益率との間の相関は、表1の産業分野間におけるこうした統計データだけでなく、表2の個別企業に関するdataにも見ることができる。すなわち、Appleを除き、研究開発費率が高い方が営業利益率も高い。
 なぜAppleだけが表2で例外的傾向を示しているのかについて、その要因を考察してみよう。

なおそうした考察に際しては、アップルが取り扱っている製品セグメントの種類、アップル製品におけるiOSの意味、iOSのカーネル部分のDarwinがOSS(Open Source Software)であることなどを考慮に入れなさい。

課題4.IntelとMicrosoftの研究開発費率はともに15%で同一であるが、営業利益率はMicrosoftがIntelの約7割も高い。こうした現象が生じる要因はいろいろと考えられるが、それぞれの企業が取り扱っている製品との関係で考察してみよう。

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コストリーダーシップ戦略と差別化戦略

コストリーダーシップ戦略と差別化戦略のどちらを採用すべきという問題は、企業の選択の問題であるとともに、上位市場と下位市場のどちらであるかということや、イノベーションに関するライフサイクルとの関連で考察すべき問題である。
またコストリーダーシップ戦略と差別化戦略のどちらを採用するかによって、売上高営業利益率の大きさに差異が生じるのではないかと考えられる。
なお、コストリーダーシップ戦略や差異化戦略の考察に際しては、競合製品(競合企業)との比較が必要不可欠である。すなわち、一つの製品(あるいは、一つの企業)だけを取り上げるのではなく、かならず競合製品(競合企業)を取り上げて、比較をおこなうことが必要不可欠である。
具体的には、同時期の競合製品(あるいは競合企業)を複数取り上げて、「A社の製品αはコストリーダーシップ戦略に、B社の製品βは差異化戦略に位置づけられる」「そのように判断した根拠は××である」といったように考察することが必要である。

[考えてみよう]
課題1.このことに関して、上位市場と下位市場のそれぞれでどちらの戦略がより適合的であるのかを考えながら、論じて見よう。
課題2.アッターバックのドミナント・デザイン論に見られるようなイノベーションに関するライフサイクル論的議論との関連で、コストリーダーシップ戦略と差別化戦略のどちらを採用すべきかという問題を具体例を挙げながら考察してみよう。
課題3.コモディティ化の進行は差別化戦略が実行困難な場合に生じると考えられるが、「なぜそうしたことが生じるのか?」「コモディティ化を打破することはどうすれば可能なのか?」という問題を具体例を挙げながら考察してみよう。

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product に関するinnovationとproduction processに関するinnovationの区別と連関

Innovationを論じする際には、「何を対象としたものなのか?」「イノベーションによって何が進歩したのか?(あるいは何が退歩したのか?)」を論じる必要がある。
前者の「何を対象としたものなのか?」という問いは、「product に関するinnovationなのか?」「production processに関するinnovationなのか?」「productとproduction processの両方に関するinnovationなのか?」という問題である。

[考えてみよう]
課題1.product に関するinnovationとは何なのかを具体例を挙げて説明しなさい。

課題2.production processに関するinnovationとは何なのかを具体例を挙げて説明しなさい。

課題3.productに関するinnovationとproduction processに関するinnovationが同時並行的に起こる事例、あるいは、両者が不可分に結びついているようなinnovationにどのようなものがあるのかを具体例を挙げて説明しなさい。

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製品間競争に関する4つの技術的次元 — Function,Performance,Quality,Cost

企業間競争に関して技術の視点から問題となる主要な焦点は次の4つである。Innovationが企業間競争において有意味であるのかどうか、またどのようなadvantageを企業に与えるモノなのかという議論をする際には、下記の4つの視点それぞれに関して個別に分析的に論じるだけでなく、競合製品との競争力の差を総合的に論じる必要がある。

1.製品の機能(function) — 「製品は顧客のどのような必要性を充足しているのか?」「製品は顧客に対してどのような有用性を提供しているのか?」という質的規定
・機能に関しては「持っているのか?、持っていないのか?」という有無が問題となる
・ケータイは、「電話」機能は、「メール」機能、「WEB閲覧」機能、「カメラ」機能、「PDA」機能など多様な機能を持っているものとして、多機能携帯端末機である。

2.製品の性能(performance) — 「製品は顧客の必要性をどの程度充足しているのか?」「製品の有用性をどの程度の大きさなのか?」という量的規定
・性能に関しては「競合他製品よりも高いのか?低いのか?」という高低が問題となる
・ケータイの「電話」機能に関しては「つながりやすいのか。つながりにくいのか?」といった性能が、「カメラ」機能に関しては「何百万画素なのか?」といった性能が問題となる

3.製品の品質(quality) — 「製品の初期性能はどの程度の期間まで持続するのか(使用にともなう性能の低下度はどのようなものなのか?)」製品の初期不良率はどの程度なのか?」「製品の平均故障時間はどの程度なのか?」「製品はどの程度まで乱暴に扱っても故障が起きないのか?」という量的規定

4.製品の価格(cost) — 「製品の初期購入コストはいくらなのか?」「製品のランニング・コストはいくらなのか?」「製品のスイッチング・コストはいくらなのか?」という量的規定

[考察してみよう]
課題1.4つの視点それぞれに関して個別に分析的に論じるだけでなく、競合製品との競争力の差を総合的に論じる必要があるのはなぜだろうか?具体例を挙げながら、説明しない。
— 例えば、高性能性で差別化できても、コストがきわめて高ければ製品の競争力はないことになり、企業の技術的なブランドイメージは高まるにしても企業の収益面での貢献は弱いものになる。そのような製品の具体例を数値データを挙げながら説明しなさい。

課題2.機能の有無が製品競争力を大きく左右している実例を挙げなさい。なおその際に販売台数や市場シェアといった数値データを挙げながら説明しなさい。

課題3.性能の高低が製品競争力を大きく左右している実例を挙げなさい。なおその際に販売台数や市場シェアといった数値データを挙げながら説明しなさい。

課題4.品質の高低が製品競争力を左右している実例を挙げなさい。なおその際に販売奨励金、製品価格、市場シェアといった数値データを挙げながら説明しなさい。

課題5.製品の初期購入コストとランニング・コストの区別を説明するとともに、同一の製品セグメントに属する製品で「初期購入コストが低いがランニング・コストが高い」製品と「初期購入コストが高いがランニング・コストが低い」製品の例を挙げなさい。また企業が「初期購入コストが低いがランニング・コストが高い」製品を出す意図を具体例をあげながら説明しなさい。
[ヒント]こうした問題は、インクジェットプリンターvsレーザープリンター、熱転写式FAXvs普通紙FAX、ガソリンエンジン車vsディーゼルエンジン車、ガソリンエンジン車vsハイブリッド自動車などに関して論じることができる。

課題6.製品のスイッチング・コストは何なのかを具体例をあげながら説明しなさい。またその際に、スイッチング・コストが問題になる製品と、スイッチング・コストが問題にならない製品とではどのような差異があるのかを説明しなさい。
[ヒント]こうした問題は、地上波アナログ放送から地上波デジタル放送へのイノベーションの際に、放送局側で特に問題となった。またアナログラジオ放送からインターネットラジオ放送へのイノベーションに関しても同様のことが問題となっている。

課題7.製品のスイッチング・コストを高めること(あるいは、製品のスイッチング・コストが高いこと)は、企業間競争やイノベーションにどのような影響をもたらすのかを具体例をあげながら説明しなさい。

課題8.具体的事例を取り上げて、イノベーションがどのように社会的に成功(あるいは普及)したのかに関して、上記の4つの視点から分析しなさい。

課題9.上記の4つの視点から、product innovationとprocess innovationの差異と連関を、具体例を挙げながら説明しなさい。

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内閣府の消費動向調査

内閣府>統計表一覧:消費動向調査
http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi.html

下記の製品に関する主要耐久消費財に関するExcel形式の長期時系列表もダウンロード可能である。
 温水洗浄便座
 洗髪洗面化粧台
 システムキッチン
 温水器
 衣類乾燥機
 食器洗い機
 ファンヒーター
 ルームエアコン
 空気清浄機
 カラーテレビ
 光ディスクプレーヤー・レコーダー
 ビデオカメラ
 デジタルカメラ
 パソコン
 ファクシミリ
 携帯電話
 乗用車
 ブラウン管
 薄型(液晶、 プラズマ等) 
 DVDプレーヤー(再生専用機)
 DVDレコーダー(再生録画兼用機)
 ブルーレイ(プレーヤー・レコーダー)

[考察してみよう]
 上記のそれぞれの製品に関して、普及率の歴史的変化をグラフ化した上で、そうした普及率の歴史的変化に関して様々な視点から説明をしてみよう。

[内閣府の消費動向調査に関する補足説明]
内閣府がおこなっている消費動向調査は、「今後の暮らし向きの見通しなどについて、消費者の意識を把握するとともに、旅行、各種サービス等への支出予定、主要耐久消費財等の保有状況を把握すること」を目的としたものであり、調査事項は下記の通りである。
http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shohi_kaisetu.html

•消費者の意識(今後の暮らし向きの見通しなど、毎月)
•物価の見通し(毎月)
•旅行の実績及び予定(6、9、12及び3月)
•自己啓発、趣味・レジャー・サービス等の支出予定(6、9、12及び3月)
•主要耐久消費財等の保有・買替え状況(3月)
•世帯の状況(毎月)

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イノベーションの原因と条件 — 付随的要因vs本質的要因、既存要因と新規要因の区別

「なぜ1970年代にPC製品イノベーションが起きたのか?」という問いに対する学問的考察に際しては、PC製品イノベーションに関してさまざまな視点からの多面的=総合的考察が必要である。
 PCという製品(product)の技術的構成という視点からは、その製品の基本的な中核モジュール(core module)であるマイクロプロセッサーとOSソフト(operating system software)という二つの要因を考察の対象として取り上げるべきであろう。
 PCという製品に対するニーズという視点からは、「なぜ顧客はその製品を必要としているのか?(その製品は顧客のどのような必要性を満たすモノなのか?)」といった必要性(necessity)という要因、「その製品が顧客にとってどのような意味で役に立つモノなのか?」といった有用性(usefulness)という要因、「顧客はいつそうした製品の必要性や有用性を認識したのか?PC製品の発明前からなのか?PC製品の発明後なのか?」といった必要性や有用性に関する認識時点という要因、「PC製品を欲しいという顧客の欲求はいつどのようにして形成されたのか?」という欲求(wants)という要因、「PC製品の購入はいつなされ、どのように増大したのか?」という需要(demands)という要因が問題となる。
 また製品セグメント論的視点からは、「PC製品もコンピュータの一種であるが、PC以外の先行の他のコンピュータ製品といつどのようにして異なる製品セグメントとして社会的に認知されるようになったのか?」とか、「PC製品の定義は何か?例えば、使用主体が会社ではなく個人であるコンピュータという意味でPeronalなのか?製品価格が会社ではなく個人でも購入可能なコンピュータという意味でPeronalなのか?使用目的が会社の基幹的業務ではなく個人的業務のコンピュータという意味でPeronalなのか?製品の消費電力・大きさ・重量が小さく一人の人間でも取り扱い可能という意味でPeronalなのか?」といった製品セグメントの認知や理論的定義という要因が問題となる。

 そしてPC製品イノベーションに関わる多様な要因の分析を通じて、「1970年代にPC製品イノベーションに起こすために必要な条件は何か?」、「PC製品イノベーションが1970年代に起きた原因は何か?」を問う必要がある。
 もちろん、こうした原因と条件という区別は相対的なものである。「特定の社会現象がある特定の時期に、ある特定の場所で生起した原因は何か?」といった語り方は説明のための便宜的なものであり、学問的に厳密には、「その社会現象に関わるさまざまな諸要因の内で何か特に重要な要因なのか?」「その存在がなければ当該社会現象は生じなかったであろうと推定される要因は何か?」(付随的要因ではなく、必要不可欠な要因は何か?)、「当該社会現象の生起に必要不可欠な諸要因の内でその社会現象の生起よりもかなり以前から存在していた既存要因は何で、その社会現象の生起の直前あるいは同時に生み出された新規要因は何か?」というように考察することが必要である。

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デジタルカメラに関する統計データ

カメラ映像機器工業会に参加している日系企業のデジタルカメラの生産・出荷データなど各種の統計データを下記よりダウンロードできる。

https://www.cipa.jp/stats/report_j.html

[考えてみよう]
データをもとにデジタルカメラの普及にはどのような要因が関係しているのかを考察してみよう。

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任天堂 Nintendo Online Magazine 1998年9月号-2012年8月

Nintendo Online Magazine「N.O.M(エヌ・オー・エム)」は、任天堂が「ハード開発やソフト開発の舞台裏、イベントレポート、クリエイターのインタビューなど、任天堂に関するさまざまな話題」を掲載した月刊のオンライン・マガジンである。
発行月は、1998年9月から2012年8月までである。通常号とは別に増刊号も発行されている。

http://www.nintendo.co.jp/nom/backnumber/index.html

[考えてみよう]この中には販売数データなども掲載されている。そうした数値データをもとに様々な考察をしてみよう。
たとえば、任天堂(2000)「1億台突破記念 ゲームボーイ特集」『Nintendo Online Magazine』,No.21の中の「数字でみるゲームボーイ1億台への道のり」におけるゲームボーイの販売累計台数の推移を見て、ゲームボーイの売れ行きに関して様々な視点から説明を試みてみよう。
http://www.nintendo.co.jp/nom/0005/01/index.html

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製品やサービスに関する「情報の非対称性」問題

「製品を製造している企業」(あるいは、サービスを提供している企業)と、「製品あるいはサービス(以下、サービスを含め製品と呼ぶことにする)を利用している消費者」との間では製品に関する情報の質および量が大きく異なることがよくある。こうした現象も「情報の非対称性」と呼ばれる問題の一種である。

 なお「情報の非対称性」問題と区別して取り扱うべき理論的問題に「認識の不完全性」問題(「情報の不完全性」問題)がある。
 製品に関する関係者すべての認識が完全であれば、すなわち、すべての関係者が製品に関する完全な情報を持っていれば「情報の非対称性」問題は生じないという意味では、「情報の非対称性」問題は「認識の不完全性」問題(「情報の不完全性」問題)でもあることは確かである。
 しかしながら「情報の非対称性」問題は、「関係者間での情報量の差異」を特に問題とするものであり、「すべての関係者が製品に関する完全な情報を持っていない」ということを問題にしているわけではない。[後者の問題が「認識の不完全性」問題(「情報の不完全性」問題)である。]
 その逆に、薬害問題や公害問題で実際に起きたように、ある関係者が「製品に関する完全な情報を持っている」にも関わらず自らの利益追求のために、「製品に関して不完全な情報しか持ってはいない」他の関係者に対して、意図的に自らに不利益な情報を秘匿したり、事実とは異なる情報を提供したり、他者から求められた情報開示要求に応じなかったりする場合に法的問題や倫理的問題が発生することになる。

「情報の非対称性」問題を生起させる諸要因

要因1.設計情報・製造情報に関わる情報の非対称性
 企業は当該製品に関する設計情報・製造情報を持っており、製品の問題点やバグをよく知っているが、消費者はそうした情報を持つことが困難である。

要因2.多様な競合商品の存在、および、製品lineupの多様性に起因する情報の非対称性
 企業は製品間競争で優位に立つために、十分な市場調査をおこない、当該の製品と競合する可能性のある製品と比較した長所および短所までもよく知っているが、消費者はそうした情報を持つことが困難である。

 要因1や要因2の結果として、消費者が自らのneedsやwantsを明確に認識していた場合でも(ただし実際には個々の消費者はclear and distinctな形では知らないことが多いのだが)、さまざまな企業が提供する様々な製品それぞれに関して、当該消費者に対してどの程度までの有用性を与えるものなのかといったneeds充足度を明確に認識していることは少ない。

要因3.製品の機能・性能を理解するために必要な科学的知識・技術的知識に起因する情報の非対称性
 高度な科学・技術に基づくIT製品や医薬品などの場合には、製品に関する情報の正確な理解のために多種多様な科学的知識・技術的知識を必要とするものであるけれども、そうした知識を企業は有してはいるが、個々の消費者の多くは有してはいない。
 そのため、製品を使っていても製品に関する情報をよく知らない消費者も多数いる。最近のケータイ電話会社はLTE(Long Term Evolution)サービスやテザリングサービスを売り込もうとしているが、LTEとは何か、テザリングとは何かを明確には判っていない消費者は多い。またLTEはケータイ電話として第3.9世代に相当するといわれるが、第1世代、第2世代(2G)、第3世代(3G)とは何かを明確に説明できる消費者はかなり少数である。またLTEはなぜ第3.9世代という位置づけになるのかを説明できる消費者も例外的である。
 実際には、この要因3と要因1が複合的に働き、消費者は自らのneedsを最も低コストで充足する製品はどれなのかとか、少し価格は高くても自らのneedsを最も充足する製品はどれなのか、コストパフォーマンスが最も優れた製品は何かといったことを明確には認識することができない。

要因4.製品の製造品質のばらつきに起因する情報の非対称性
 製品ごとに品質にばらつきが存在するにも関わらず、一般に消費者は一つの製品しか使わない。自らが購入した製品が例外的に不良品であったのか、それとも例外的に高品質の製品であったのかを個々の消費者は知りようがない。

要因5.多様な使用状況下における製品の機能・性能・品質に関する問題点に起因する情報の非対称性
 製品は多種多様な場面において多種多様な使い方がなされるものであるが、個々の消費者はそれぞれある限定された場面においてしか製品を使用していない。長雨が続いた梅雨時で湿度の高い場合でもうまく動作するのか、夏の暑い時(あるいは冬の寒い時)でも何の問題もなく動作するのか、長時間連続使用した場合でも問題なく動作するのか、長期間使用した時に突然誤動作するようなことはないのかなど、製品使用が想定される多種多様な場面での多種多様な使用法による問題点を、企業は故障品の修理や消費者からのクレームによってよく知っている(あるいはそうであることが強く期待される)が、個々の消費者は他の消費者の製品の故障情報やクレーム情報を知らないことが多い(消費者にそうしことを強く期待することはできない)[注1]
 また競合製品と比べた当該製品の長所や短所、あるいは、製品の平均故障時間[Mean Time To Failure]など製品故障に関わる情報を企業が積極的に公開することはあまりない。自社の製品が競合製品に比べて様々な点で特に優れている場合や、自社の製品が競合製品に比べて特に故障率が低く高品質であるなど、自社に有利な場合を除いて積極的に公開することはない。(法的にリコールが強制される場合や、消費者に問題点を公開し注意を喚起しないと自社の法的責任が問題となる場合を除き、少なくとも自社製品の問題点を企業が積極的に公表することはほとんどない。)

 製品に関するこうした情報の非対称性の存在ゆえに、ステルスマーケティング(stealth marketing)が可能となるのであり、「賢い消費者」として様々な情報を集めることが問題になる。


[注1] ただし実際には、製品リコールの場合に見られるように、製品の欠陥について企業が知っていないこともある。しかしその場合でも、技術的知識の乏しい消費者よりも、製品設計に関わった技術者、製品製造に関わった技術者・工員を抱える企業の方が当該製品に関して圧倒的に多くの情報を持っていることに変わりはない。

[考えてみよう]
課題1.上記で論じていることを具体例で説明できるようにしよう。またその際に、故障率の比較など具体的な数値データを調べよう。
「情報の非対称性」の発生原因には、「製品・サービスに関して企業が持つ設計情報および製造情報は外部に対して秘匿されていること」、「企業と消費者との間でそれぞれが有している科学的知識や技術的知識が異なること」以外にどのようなものがあるのかを考察してみよう。
「情報の非対称性」が大きい製品と小さい製品の差異は具合的にどうなっているのかを調べるとともに、そうした差異の原因を考察してみよう。

課題2.スーパーなどで販売されている冷凍食品、レストランにおける料理の素材、ファーストフード店などが利用している加工肉の素材をめぐる問題など日常生活の場面を例として、「情報の非対称性」問題を分かりやすく論じてみよう。

[ヒント]「ミートホープ社の牛肉原料偽装」事件、「中国製冷凍餃子中毒事件」事件、「ピンクスライム」問題、「汚染粉ミルク」事件、「地溝油」事件

[参考WEB]
わかやま市民生協(2007)「ミートホープ社の牛肉原料偽装事件に関するご報告」わかやま市民生協ニュース
http://www.wakayama.coop/wnews/vew.cgi?no=20070731161623
高田勝巳(2008)「毒入り餃子事件を中国人は本当はどう見ているか?」<連載>ビジネスマンのための中国経済事情の読み方、第8回、2008年2月13日
http://diamond.jp/articles/print/3687
Food Communication Compass(2012)「米国で大騒ぎ、日本への影響は?「ピンクスライム」問題」foocom.net、2012年4月20日
http://www.foocom.net/special/6332/

課題3.「情報の非対称性」問題は、企業と消費者の間だけでなく、企業と企業の間にも存在する。そのことを事例を用いて分かりやすく論じてみよう。

課題4.「情報の非対称性」問題と「認識の不完全性」問題(あるいは「情報の不完全性」問題)は、関連はしているが区別すべき問題である。
 「情報の非対称性」問題は、経済取引に関わっている当事者相互で製品に関して有している情報の質や量が同一ではなく異なっているということ、すなわち、製品に関して当事者の片方がより十分な認識を有しているのに対してもう片方がより不十分な認識しか有してはいないという問題である。
 それゆえ、当事者の片方の認識はより不十分で不完全であるという意味では製品に関する「認識の不完全性」が問題となるが、もう片方の当事者に関しては「認識の不完全性」は存在せず、製品に関する認識は完全である(あるいは、完全に近い)と想定されている。
 これに対して、消費者と同じように製造業者も同じにように製品に関する知識が不完全である場合のように、製品に関する当事者双方の認識が同じように不完全である場合に生じる問題は、「認識の不完全性」問題とでも呼ぶべきものであり、「情報の非対称性」問題とは明確に区別する必要がある。

 このことに関連して、ボーイング787型機やレストランを例として情報の非対称性を論じている下記論稿を日経テレコンから自分でダウンロードして読み、どこがどのように問題と考えられるのかをわかりやすく説明しなさい。

柳川範之(2013)「市場の機能(5)」(ニュースを読み解くやさしい経済学)『日本経済新聞』2013年2月11日朝刊、19面

課題5.製造業者vs消費者の場合には当事者双方における「情報の非対称性」問題が大きな問題であるが、販売業者vs消費者の場合には当事者双方における「認識の不完全性」問題(あるいは「情報の不完全性」問題)が大きな問題となる。
 なぜそうなのかということ、および、そうしたことが問題となった事例をいくつか調べて説明しなさい。
 
あるいは、「ミートホープ社の牛肉原料偽装」事件、「中国製冷凍餃子中毒事件」事件には、当事者双方における「情報の非対称性」問題と当事者双方における「認識の不完全性」問題の二つがともに生じている。このことをわかりやすく説明しなさい。

[情報の非対称性に関して詳しく調べてみよう]
詳細調査課題1.テザリングサービスに関してauとソフトバンクには違いがあるがそれは何かを、企業は知っているが多くの消費者は知らない。いったい両者でどのような違いがあるのであろうか?またそうした違いが生じる原因は何か?

詳細調査課題2.LTEを利用したデータ通信に関する制限はauとソフトバンクとの間で一部に違いがあるが、そうした違いを企業は知っているが多くの消費者は知らない。いったい両者でどのような違いがあるのであろうか?なお違いには、LTEで利用可能なデータ上限量の設定のあり方や、コンテンツの種類による規制などいろいろとある。
http://mb.softbank.jp/mb/news/contents/201211091811300000/index.html
http://mb.softbank.jp/mb/price_plan/smartphone/4g_packet_flat/
http://mb.softbank.jp/mb/iphone/price_plan/packet_flat_lte/

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Linux用フォーマットext2,ext3のDiskをWindowsで読む

Windowsドライブと同じようにマウントすることができるタイプが便利である。

下記の京都大学工学研究科 航空宇宙工学専攻 推進工学分野「Linuxマシンのバックアップと、ext3に潜む罠」が推奨しているExt2Fsd[http://www.ext2fsd.com/]を利用した。
ext2,ext3フォーマットのHDDをWindowsのドライブとして設定できるのは
確かに便利である。

http://www.propulsion.kuaero.kyoto-http://www.propulsion.kuaero.kyoto-u.ac.jp/Linux%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%81%AE%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%A8%E3%80%81ext3%E3%81%AB%E6%BD%9C%E3%82%80%E7%BD%A0

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総務省>統計調査データ>通信利用動向調査

総務省>統計調査データ>通信利用動向調査(1996年-)
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html

通信利用動向調査は、世帯編、企業編、事業所編の3つに分かれている。
上記URLより、1996年以降の調査データを報告書およびエクセル形式でダウンロードできる。調査自体は平成2年から実施されている。

世帯編では、携帯電話、PHS、ファクシミリ、ワープロ、パソコン、カー・ナビゲーション・システムなど情報通信に関わる様々な機器に関する保有状況、自宅でのインターネット、ケーブルテレビ(CATV)、NHK(衛星第1・第2)やWOWOWといったBS放送、CS放送の利用状況に関するデータがある。

たとえば携帯電話、PHSの普及率は
1995年 10.6% 0.3%
1996年 24.9% 7.8%
1997年 46.0% 15.3%
1998年 57.7% 13.1%
1999年 64.2% 11.5%
2000年 75.4% 13.0%
2001年 75.6% 9.1%
2002年 86.1% 7.6%
2003年 93.9% 6.1%
2004年 91.1% 5.7%
2005年 89.6% 3.4%
というように推移している。携帯電話は20世紀末に急速に普及が進んだことがわかる。

[上記データの出典]
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR199600_001.pdf
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR199700_001.pdf
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR199800_001.pdf
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR200000_001.pdf
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR200100_001.pdf
href=”http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR200500_001.pdf”>http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR200500_001.pdf

[関連参考Web]
富士通(2011)「携帯電話・PHSの加入契約数の推移(富士通半導体デバイス ヒストリー No.11)」富士通電子デバイス製品ニュース2011 Vol.6
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR200500_001.pdf

[考えてみよう]
総務省の世帯数の普及率に関する調査データと、富士通の「携帯電話・PHSの加入契約数」における普及率が異なっているのはなぜなのかを説明してみよう。なぜ二つの調査データの数値に差異が生じるのかを考えてみよう。

[やってみよう]
上記に掲げた年以外の総務省のデータも調べたうえで、20年間のデータ推移をグラフ化して、考察を加えよう。

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日本における登録商標のデータベース検索

特許庁の「商標出願・登録情報検索」サービス
http://www1.ipdl.inpit.go.jp/syutsugan/TM_SEARCH_A.cgi

このサービスを利用して、デジカメという単語を含む登録商標を調べると、2013年1月24日現在で7件ヒットする。

その中には、下記のように江崎グリコが「菓子・パン」を対象として、2003年6月10日に出願し、2004年2月20日に商標権を取得していることがわかる。

(111) 【登録番号】 第4749451号
(151) 【登録日】 平成16年(2004)2月20日
(210) 【出願番号】 商願2003-47856
(220) 【出願日】 平成15年(2003)6月10日
    【先願権発生日】 平成15年(2003)6月10日
    【商標(検索用)】 デジカメ
(541) 【標準文字商標】 デジカメ
(561) 【称呼(参考情報)】 デジカメ
(531) 【ウィーン図形分類】
——————————————————————————–
(732) 【権利者】
    【氏名又は名称】 江崎グリコ株式会社
——————————————————————————–
(500) 【区分数】 1
(511) (512) 【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】 30 菓子及びパン

なお三洋電機が1989年にデジカメを商標登録しているが、その分野は下記のように家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー、電気かみそり、照明用器具、電気式歯ブラシなどに対してであり、カメラに対してではない。

(111) 【登録番号】 第2122636号
(151) 【登録日】 平成1年(1989)3月27日
(260) 【公告番号】 昭63-56214
(442) 【公告日】 昭和63年(1988)8月4日
(210) 【出願番号】 商願昭60-44087
(220) 【出願日】 昭和60年(1985)4月27日
    【先願権発生日】 昭和60年(1985)4月27日
    【更新申請日】 平成20年(2008)12月22日
(156) 【更新登録日】 平成21年(2009)1月6日
(180) 【存続期間満了日】 平成31年(2019)3月27日
(511) (512) 【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】
7 起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ
8 電気かみそり及び電気バリカン
9 配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極
10 家庭用電気マッサージ器
11 電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類
12 陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)
17 電気絶縁材料
21 電気式歯ブラシ

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時計産業関連資料

セイコー関連

木村登志男(2005)「セイコーエプソン (株) の成長の軌跡:時計工場からデジタル・イメージ・イノベーション・カンパニーへ — 長野から世界へ —」『横浜経営研究』横浜国立大学,Vol.25 No.4,pp.1-10
http://kamome.lib.ynu.ac.jp/dspace/bitstream/10131/3481/1/KJ00004763408.pdf
本稿は、セイコーエプソン株式会社代表取締役副社長であった木村登志男によって2004年10月27日に行われた講演の記録。
木村登志男(2009)「セイコーエプソンと私:幸運な41年間の軌跡」法政大学イノベーション・マネジメント研究センター WORKING PAPER SERIES, No.70,
http://www.hosei.ac.jp/fujimi/riim/img/img_res/WPNo.70_kimura.pdf
木村登志男(2009)「セイコーエプソン・事業多角化の起源」法政大学イノベーション・マネジメント研究センター WORKING PAPER SERIES, No.68(法政大学ビジネスケース 資料 No.1)
www.hosei.ac.jp/fujimi/riim/img/img_res/WPNo.68_kimura.pdf
木村登志男(2010)「セイコーエプソン・国内販売会社創立」法政大学イノベーション・マネジメント研究センター WORKING PAPER SERIES, No.81(法政大学ビジネスケース 資料 No.2)
http://www.hosei.ac.jp/fujimi/riim/img/img_res/WPNo.81_kimura.pdf
木村登志男(2010)「セイコーエプソン・国内市場エプソンブランド完成品躍進の端緒」法政大学イノベーション・マネジメント研究センター WORKING PAPER SERIES, No.82(法政大学ビジネスケース 資料 No.3)
http://www.hosei.ac.jp/fujimi/riim/img/img_res/WPNo.82_kimura.pdf
木村登志男(2010)「セイコーエプソン国内販売会社破綻そして再建・方向転換」法政大学イノベーション・マネジメント研究センター WORKING PAPER SERIES, No.83(法政大学ビジネスケース 資料 No.4)
http://www.hosei.ac.jp/fujimi/riim/img/img_res/WPNo.83_kimura.pdf
木村登志男(2010)「セイコーエプソン・国内販売再建;EPSON ブランド確立」法政大学イノベーション・マネジメント研究センター WORKING PAPER SERIES, No.87(法政大学ビジネスケース 資料 No.5)
http://www.hosei.ac.jp/fujimi/riim/img/img_res/WPNo.87_kimura.pdf
木村登志男(2010)「セイコーエプソン国内販売会社、成長の階段を駆け上がる」法政大学イノベーション・マネジメント研究センター WORKING PAPER SERIES, No.89(法政大学ビジネスケース 資料 No.6)
http://www.hosei.ac.jp/fujimi/riim/img/img_res/WPNo.88_kimura.pdf
木村登志男(2010)「セイコーエプソン・国内市場成熟と成長への突破口模索」法政大学イノベーション・マネジメント研究センター WORKING PAPER SERIES, No.89(法政大学ビジネスケース 資料 No.7)
http://www.hosei.ac.jp/fujimi/riim/img/img_res/WPNo.89_kimura.pdf

武石彰;金山維史;水野達哉(2005)「セイコーエプソン 自動巻きクオーツ・ウォッチの開発」一橋大学 文部科学省21世紀COEプログラム「知識・企業・イノベーションのダイナミクス」大河内賞ケース研究プロジェクト,CASE#05-12
http://pubs.iir.hit-u.ac.jp/admin/ja/pdfs/file/631

時計産業関連一般資料
高林兵衛(1924)『時計発達史』東洋出版社,74pp[有明書房による再刊1985]
山口隆二(1942)『日本の時計:徳川時代の和時計の研究』日本評論社,[訂再版1950]
河合企画室時計史年表編纂室編(1973)『時計史年表』河合企画室,194pp
日本時計協会(1980)『日本時計協会30年史』
内田星美(1985)『時計工業の発達』セイコー時計資料館,494pp
日本時計輸入協会(1985)『輸入時計のあゆみ 日本時計輸入協会30年史』
清水修(1991)『時計』日本経済新聞社(日経産業シリーズ),203pp

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テレビの製品イノベーションの方向性 — 解像度に関する技術進化

前提的知識
フルハイビジョン時代では、PC用液晶ディスプレイとフルハイビジョン液晶TVは共に画素の形状が一般的には正方形となっている。

[関連WEB]
1.NLTテクノロジー「HDDP方式の画素配列」にある図が解りやすい。

それ以前の時代では、PC用ディスプレイ(ブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイ)と、NTSC方式方式TVでは画素の形状が異なっている。PC用の画素は正方形であるが、NTSC方式TVの画素は縦長の長方形である。

 
解像度視点から見たTVの製品イノベーション
通称 1画面を構成している画素数 画面
アスペクト比
(横:縦)
総画素数 画素数
(横×縦)
アナログTV
(NTSC方式、標準画質画像)
約35万画素 720×486 4:3[注1]
ハイビジョンTV 約100万画素
(1,049,088)
1366×768 約16:9
フルハイビジョンTV 約200万画素
(2,073,600)
1920×1080 16:9
4K TV
(UHDTV)
約830万画素
(8,294,400)
3840×2160 16:9
8KTV
(スーパーハイビジョン)
約3,300万画素
(33,177,600)
7680×4320 16:9
 
[参考]ディスプレイの製品イノベーションについて、解像度の視点から見ると下記のようになる。
通称 1画面を構成している画素数 画面
アスペクト比
(横:縦)
画素
形状
総画素数 画素数
(横×縦)
アナログNTSC TV
(標準画質画像)
約35万画素 720×486 4:3[注1] 縦長の
長方形
PC-VGA
ディスプレイ
約30万画素 640×480 4:3[注2] 正方形
液晶デジタル
ハイビジョン
約100万画素
(1,049,088)
1366×768 約16:9
液晶デジタル
フルハイビジョン
約200万画素
(2,073,600)
1920×1080 16:9
QXGA
(Apple iPad3ほか)
約315万画素
(3,145,728)
2048×1536 4:3
WQXGA
(Google
Nexus 10ほか)
約410万画素
(4,096,000)
2560×1600 16:10
WQHD+
(富士通
FMV UH90/Lほか)
576万画素
(5,760,000)
3200×1800 16:9
4K TV
(UHDTV)
約830万画素
(8,294,400)
3840×2160 16:9
DCI 4K
(映画用4K)
約880万画素
(8,847,360)
4096×2160 約17:9
8K(スーパー
ハイビジョン)
約3,300万画素
(33,177,600)
7680×4320 16:9
[注1] NTSC方式TV放送規格(NTSC D1)では画面画素数が720ドット×486ドット相当であるにも関わらず、画面の大きさのアスペクト比が4:3となっているのは、画素の形状が縦長の長方形だからである。[日本語版Wiki「ピクセルアスペクト比」などによれば画素の横幅は縦の10/11であり、横のドット数720は縦のドットの大きさに換算すると、720×10/11=約654.5になる。この場合、画面サイズの横と縦の比は654.5:486=約4:3となる。]
標準画質のデジタル・ビデオカメラ用規格(NTSC DV)は、データ圧縮のために横および縦の画素数を16の倍数で処理できるように、720ドット×480ドット相当になっている。

[注2] 画素の形状が正方形である液晶ディスプレイではNTSC方式TV放送レベルの標準画質画像は640ドット×480ドットとより少ない表示画素数で構成されるため、テレビ放送やDVD-Videoの再生に際しては表示させる液晶ディスプレイにあわせて画素数を削減する必要がある。

パソコン用ディスプレイやTV受像機の画面解像度や画素などに関しては下記が詳しくわかりやすい。

[sanosemi.info内の関連WEB]
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最初期のクォーツ式腕時計に関する関連参考文献

EPSON “Seiko Quartz Astron 35SQ:December 1969”
http://global.epson.com/company/corporate_history/milestone_products/pdf/05_35sq.pdf
Epson “The Watch That Changed Horological History”
http://web.archive.org/web/20100331142657/http://global.epson.com/newsroom/epson_story/pdf/EpsonStory02E.pdf
武石彰;金山維史;水野達哉(2005)「セイコーエプソン 自動巻きクオーツ・ウォッチの開発」一橋大学 文部科学省21世紀COEプログラム「知識・企業・イノベーションのダイナミクス」大河内賞ケース研究プロジェクト,CASE#05-12
http://pubs.iir.hit-u.ac.jp/admin/ja/pdfs/file/631

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時計の技術的構成視点から見た製品イノベーション

  動力部 制御部
[振動体部]
動力伝導部 表示部
機械式振り子時計 ぜんまいばね、錘 振り子 歯車
       
機械式腕時計 ぜんまいばね テン輪
(balance wheel)
歯車
     
アナログ・クォーツ式
時計
電池 クォーツ 歯車
     
デジタル・クォーツ式
時計
電池 クォーツ 電線 液晶
ぜんまいばねに関する参考図
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c6/Clock_Mainspring.png

ぜんまいばねを含む腕時計ムーブメントに関する参考図
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Watch_movement.png
このムーブメントの図の右下部に、ぜんまいばねがある。
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