テレビの製品イノベーションの方向性 — 解像度に関する技術進化

前提的知識
フルハイビジョン時代では、PC用液晶ディスプレイとフルハイビジョン液晶TVは共に画素の形状が一般的には正方形となっている。

[関連WEB]
1.NLTテクノロジー「HDDP方式の画素配列」にある図が解りやすい。

それ以前の時代では、PC用ディスプレイ(ブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイ)と、NTSC方式方式TVでは画素の形状が異なっている。PC用の画素は正方形であるが、NTSC方式TVの画素は縦長の長方形である。

 
解像度視点から見たTVの製品イノベーション
通称 1画面を構成している画素数 画面
アスペクト比
(横:縦)
総画素数 画素数
(横×縦)
アナログTV
(NTSC方式、標準画質画像)
約35万画素 720×486 4:3[注1]
ハイビジョンTV 約100万画素
(1,049,088)
1366×768 約16:9
フルハイビジョンTV 約200万画素
(2,073,600)
1920×1080 16:9
4K TV
(UHDTV)
約830万画素
(8,294,400)
3840×2160 16:9
8KTV
(スーパーハイビジョン)
約3,300万画素
(33,177,600)
7680×4320 16:9
 
[参考]ディスプレイの製品イノベーションについて、解像度の視点から見ると下記のようになる。
通称 1画面を構成している画素数 画面
アスペクト比
(横:縦)
画素
形状
総画素数 画素数
(横×縦)
アナログNTSC TV
(標準画質画像)
約35万画素 720×486 4:3[注1] 縦長の
長方形
PC-VGA
ディスプレイ
約30万画素 640×480 4:3[注2] 正方形
液晶デジタル
ハイビジョン
約100万画素
(1,049,088)
1366×768 約16:9
液晶デジタル
フルハイビジョン
約200万画素
(2,073,600)
1920×1080 16:9
QXGA
(Apple iPad3ほか)
約315万画素
(3,145,728)
2048×1536 4:3
WQXGA
(Google
Nexus 10ほか)
約410万画素
(4,096,000)
2560×1600 16:10
WQHD+
(富士通
FMV UH90/Lほか)
576万画素
(5,760,000)
3200×1800 16:9
4K TV
(UHDTV)
約830万画素
(8,294,400)
3840×2160 16:9
DCI 4K
(映画用4K)
約880万画素
(8,847,360)
4096×2160 約17:9
8K(スーパー
ハイビジョン)
約3,300万画素
(33,177,600)
7680×4320 16:9
[注1] NTSC方式TV放送規格(NTSC D1)では画面画素数が720ドット×486ドット相当であるにも関わらず、画面の大きさのアスペクト比が4:3となっているのは、画素の形状が縦長の長方形だからである。[日本語版Wiki「ピクセルアスペクト比」などによれば画素の横幅は縦の10/11であり、横のドット数720は縦のドットの大きさに換算すると、720×10/11=約654.5になる。この場合、画面サイズの横と縦の比は654.5:486=約4:3となる。]
標準画質のデジタル・ビデオカメラ用規格(NTSC DV)は、データ圧縮のために横および縦の画素数を16の倍数で処理できるように、720ドット×480ドット相当になっている。

[注2] 画素の形状が正方形である液晶ディスプレイではNTSC方式TV放送レベルの標準画質画像は640ドット×480ドットとより少ない表示画素数で構成されるため、テレビ放送やDVD-Videoの再生に際しては表示させる液晶ディスプレイにあわせて画素数を削減する必要がある。

パソコン用ディスプレイやTV受像機の画面解像度や画素などに関しては下記が詳しくわかりやすい。

[sanosemi.info内の関連WEB]
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