2013.12.18佐野ゼミ2年次

ゼミ生への連絡1:下記の課題を絶対に12月17日(火)までに、自分のskydriveの共有フォルダにアップロードすること!

ゼミ生への連絡2:来年の2年次ゼミは、1月8日および1月15日の2回のみです。そのゼミ授業に対応する400字レポートの2本に関しては、できるだけ12月26日(木)までに、自分のskydriveの共有フォルダにアップロードして下さい。少なくとも2本の内、1本は絶対に12月26日(木)までに提出すること!それが守れない場合は何らかのペナルティを科すことにします。
 そのための課題は現在のところ、本WEBページ中の課題および予告課題とします。どれか二つを適当に選んで回答して下さい。なお12月22日(日)には追加の課題を書きます。
1) 正当な公的理由による欠席の場合は、400字以上ではなく、欠席1回につき1,500字以上のレポートを提出してください。
2) 私的理由であるが事前に連絡・相談して欠席した場合は、欠席1回につき2,000字以上のレポートを提出してください。
3) 私的理由でなおかつ事前の連絡・相談なしに欠席した場合は、欠席1回につき5,000字以上のレポートを提出してください。

[前日までに提出すべき400字レポートの課題]
下記の問題の内のどれか一つを取り上げ、ゼミに出席される方は、400字以上のレポートを提出してください。

問1 先週および先々週の授業中に教員から指摘された事項について調べなさい。

問2 自分が先週または先々週に提出したレポートに関して、どこに問題点があるのかを自分で見つけるとともに、「文章をどのように訂正した方がよいのか?」、「どのような補足をすべきなのか?」、「どのようなデータを付け加えた方がより説得力を増すのか?」という視点から、400字以上の追加訂正をしなさい。

問3 本Webページの中の、「質疑内容に関する授業後の補足」に対応する下記の補足問題について調べなさい。

補足問題3-1 家庭用据置型テレビゲーム専用機事業における製品開発・技術開発に関して最近の任天堂が取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、任天堂の家庭用据置型テレビゲーム専用機事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

補足問題3-2 家庭用据置型テレビゲーム専用機事業における製品開発・技術開発に関して最近のソニーが取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、ソニーの家庭用据置型テレビゲーム専用機事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

補足問題3-3 家庭用据置型テレビゲーム専用機事業における製品開発・技術開発に関して最近のマイクロソフトが取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、マイクロソフトの家庭用据置型テレビゲーム専用機事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

補足問題3-4 スマートフォン事業における製品開発・技術開発に関して最近のアップルが取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、アップルのスマートフォン事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

補足問題3-5 スマートフォン事業における製品開発・技術開発に関して最近のサムスンが取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、サムスンのスマートフォン事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

補足問題3-6 スマートフォン事業における製品開発・技術開発に関して最近のソニーが取っているさまざまな行動や決定を、「低コスト」化と「差異」化という視点から分析しなさい。そしてその分析結果に基づいて、ソニーのスマートフォン事業が「コストリーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「コスト集中戦略」、「差異化集中戦略」のどれを相対的に採用していると言えるのかを論じなさい。

■ 発表順は、提出が最も遅かった人からにします。
■ レポート作成に際しては下記の注意事項を厳守して下さい。
[前回の授業内容]
2013.12.11 佐野ゼミ2年次授業

発表者
1 伊藤飛光
2 田辺奈々
3 戸部泰大
4 尾関唯

就職活動に関わる「イノベーション」
質疑内容に関する授業後の補足
1.理念型(イデアルティプス, Idealtypus)
M.ウェーバー(Max Weber, 1864-1920)の方法論的概念。『広辞苑』第4版では、「ある現象について、現実には分散的に存在している諸特徴をとりだし、それらを純粋に理想的極限にまで高め、それ自身矛盾のない理想像にまで結合したもの」と説明されている。
 現実のあり方を説明・理解するのに用いられる様々な理論的概念は、理念型の一種と考えられている。すなわち現実の現象の説明・理解には理念型が有用であるけれども、現実の現象は複雑で多面的であるために理念型とは異なる側面を持つ。

ポーターが企業の基本的戦略として挙げている「コストリーダーシップ戦略」と「差異化戦略」という二つの理論的規定も、理念型として捉えることができる。
「コストリーダーシップ戦略」や「差異化戦略」という理論的規定は、企業の様々な行動や決定を総合的に判断して下される規定である。すなわち「コストリーダーシップ戦略」と取っているとされる企業がおこなう行動や決定のすべてが、「低コスト」化を目標としているとは限らない。同じく、「差異化戦略」と取っているとされる企業がおこなう行動や決定のすべてが、「差異」化を目標としているとは限らない。
様々な行動や決定における「低コスト」化の徹底度合いが「コストリーダーシップ戦略」の徹底度合いであり、「差異」化の徹底度合いが「差異化戦略」の徹底度合いである。
すべての行動や決定で徹底して「低コスト」化を志向している企業や、すべての行動や決定で徹底して「差異」化を志向している企業というのは、現実的にはほとんど存在しないと考えられる抽象的モデルとしての理念型である。「低コスト」化を追求している度合いが相対的に高い企業を「コストリーダーシップ戦略」を採用している企業とし、「差異」化を追求している度合いが相対的に高い企業を「差異化戦略」を採用している企業と規定しているのである。

2.CPU視点から見たスマホのイノベーション
スマホはこれまで32ビットCPUが主流であった。そうしたじゅう64ビットCPUによる差異化でadvantageを追求しようとしたものとして、AppleのiPhone5sがある。

アップル社のWEBページからの下記引用でもそのことが触れられている。

「iPhone 5は最良の前例でした。目を見張るほど薄く、軽いデザインの中に、目を見張るほど多くのテクノロジーをつめ込んだからです。iPhone 5sはそこを出発点にしました。そして、指紋認証センサーのTouch ID、64ビットアーキテクチャを持つA7チップ、一段と高性能になったiSightカメラ、超高速4G LTEワイヤレス接続とともに、さらに先へ行きます。」
[出典]アップル「iPhone 5s」
http://www.apple.com/jp/iphone-5s/

「64ビットアーキテクチャを持つチップ。指紋認証センサー。より速く撮れる、より優れたカメラ。64ビットのためにつくられたオペレーティングシステム。どれも、スマートフォンの機能としては、はるかに先を行くものです。そして、そのすべてが、iPhoneをまぎれもなく、はるかに先へ行くものにします。」
A7の速さ。それは単なる速さとは違います。新しいA7チップは、CPUとグラフィックスのパフォーマンスがA6チップと比べて最大2倍高速です。このA7チップが、iPhone 5sを世界初の64ビットのスマートフォンにしました。つまり、超薄型のスマートフォンに、デスクトップクラスのアーキテクチャが入っているのです。これはかなり画期的なことです。さらに、64ビットアーキテクチャのためにつくられたiOS 7が、A7チップの性能を最大限に活かします。
[出典]アップル「iPhone 5sの特長」
http://www.apple.com/jp/iphone-5s/features/

参考文献
日経エレクトロニクス分解班(2013)「iPhone 5sの中核部品 A7とM7の内部に迫る」『日経エレクトロニクス』2013年11月11日号, pp.19-22

3.ゲームソフトの開発費用の歴史的推移
ゲーム機ハードウェアの技術的性能の向上は、ゲーム・ソフトウェアの開発費の上昇をもたらす。
そうした分析に際しては、ゲーム・ソフトウェア関連企業に関して、売上高に占めるソフトウェア開発費の総額を調べるとともに、ゲーム・ソフトウェア一本当たりの開発費の金額の歴史的変化を調べてみよう。

1月8日・15日ゼミ用予告課題(その1)
ソフトウェア1本あたりの開発費が高騰することで起きると予想される現象としては、「新規開発ソフトの数を絞る」ことや、「ソフトウェアの失敗確率を低めるために続編もののソフト開発を重視する」ことが起きると予測される。
ソフトウェア1本あたりの開発費が歴史的にどのように推移してきたのかを調べるとともに、実際にそのような現象が起きているのかどうかを具体的に調べてみよう。

4.アーキテクチャについての説明
マイクロソフトはWindowsOSアーキテクチャに関して、様々な知的財産権を持っている。インテルはCPUのx86アーキテクチャに関して、様々な知的財産権を持っている。

マイクロソフトやインテルは、他社よりもいち早く発明・創造した企業が獲得可能な法的権利としての知的財産権(特許権、著作権、商標権など)によって、競合企業に対する模倣困難性を高めることで持続的競争優位を獲得してきた。

1月8日・15日ゼミ用予告課題(その2)
マイクロソフトやインテルなどといったIT関連企業が、知的財産権によって競合企業に対する模倣困難性を高めることで競争優位を持続してきた具体的事例をわかりやすく説明しなさい。なおその際には、5W1Hに留意するとともに、どのような内容の知的財産権によって、どのような形で競争優位を持続させてきたのかを説明しなさい。

5.コンピュータのCPUがおこなっている基本的処理作業 —- 「算術演算」処理と「論理演算」処理

2種類の演算処理—算術演算(四則演算)と論理演算

自動車の自動運転(ex. グーグルによる次世代自動車の取り組み)などコンピュータが人工「知能」として利用可能であるのは、「算術演算」だけでなく、「論理演算」ができるからである。

1月8日・15日ゼミ用予告課題(その3)
算術演算(四則演算)の実際の実行処理のさせ方には、「整数演算」方式と「浮動小数点演算」方式がある。
なお「整数演算」方式の処理性能が高いCPUは、「論理演算」の処理性能も高いと考えられる。それは、現代コンピュータが0と1という2つの数字だけを扱うことで、整数演算方式の算術演算用回路と、論理演算用回路を共通化することで、コンピュータのCPU回路に関する低コスト化を図っているためと考えることができる。
 こうしたことについて具体的説明事例を用いながらわかりやすく説明しなさい。

1月8日・15日ゼミ用予告課題(その4)
ゲーム専用機はパソコンなどと比べて本体価格の割に「浮動小数点演算」能力がかなり高い。「浮動小数点演算」能力で性能評価がされることが多いスパコンとの比較でゲーム専用機の性能の「高さ」が比較される下記のような記事が書かれるのはそのためである。
 しかしそれにも関わらず、ゲーム専用機をパソコンとして使用することにはいくつかの問題点がある。そのことに関して、演算処理に関する技術的性能の問題や補完財としてのソフトウェアの問題などとの関連でわかりやすく説明しなさい。

なお「浮動小数点演算」の性能は、FLOPS(Floating point number Operations Per Second)を単位として表されることが多い。

久夛良木健(2006)「「プレイステーション」市場の創出と次世代エンタテインメント機器開発への挑戦」武田計測先端知財団, 2006.12.26
http://www.takeda-foundation.jp/reports/pdf/ant0303.pdf

久夛良木健氏の当時の肩書きは、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント会長兼グループCEOである。
p.9ではPS2に関して、「当時の最先端のワークステーションの演算能力をはるかに超え、科学技術シミュレーション用の大型スーパーコンピュータ並の演算能力に匹敵する性能を有するものとなった。」と書かれている。
またpp.14-15では「PS3に搭載されている、セルプロセッサはOSなどを実行する汎用CPUコアと、シナージティックプロセスエレメント(PSE)と呼ばれる8個のコアがワンチップに収められたもので、・・・256GFLOPS(ギガフロップス、2560 億/秒)の高性能を有しており、PS3 では、極めてリアルな動作の動画の表出が可能で、さらにそれ以上の処理能力をセルプロセッサは有している。このことから PS3 というハードは単なるゲーム機としての画像処理能力をはるかに超えており、今後ソフトクリエータやユーザからの新しい要望を受けて、これまで予想されていないような、新しいソフトが開発されてくる可能性があり、このことはこれまでの商品開発の方向とは異なり、技術性能の極限をユーザに示すことで、新しい製品が創出されるという新しいビジネスモデルの提案がなされているといえよう。/さらに、このような PS3の超高速の処理能力を生かして、エンタテインメント以外での利用の可能性が提案されている。米国スタンフォード大学では「キュアー・プレイステーション 3」と名づけられた計画で、PS3のユーザの協力を得て、インターネット接続したPS3を世界中でつなぐことにより、一つのスーパーコンピュータとして利用する計画で、がんやアルツハイマー病といった難病の治療薬の開発のため、PS3を活用しようと計画されているものである。PS3のユーザはゲームなどのエンタテインメントで楽しんだ以外の時間を、この開発に活用するというものであり、これが実現すると PS3は単なるゲーム機ではなく、全く新しい寄与を行うこととなり、この進展が期待される。」
「セルプロセッサによる世界最速スーパーコンピュータ」pp.15-16など

livedoorコンピューター(2008)「一家に1台のスパコンを実現した PS3の CPU パワーの秘密」2008年4月18日 / 10:00
http://japan.internet.com/webtech/20080418/6.html
Gigazine(2009)「アメリカ空軍、軍用のスーパーコンピューターを作るためにPS3を2200台発注へ」2009年11月24日 18時34分00秒
http://gigazine.net/news/20091124_ps3_2200/

「浮動小数点数」日本語版ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/浮動小数点数
「論理演算」日本語版ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AB%96%E7%90%86%E6%BC%94%E7%AE%97

コンピュータ操作に関する今週のワンポイント・テクニック
「置換処理」操作:CTRL+H

マルチプラットフォーム化は重要なポイント
 そうしたソフトメーカーの要望に対応するために、ソニーやマイクロソフトはどのような対応を行っていると考えられるか?

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