明治大学経営学部佐野ゼミナール用市場調査データ・業界動向ガイド(2012年度版)

1.市場動向・業界動向関連
(1) 市場動向・業界動向に関連資料
a. 白書類・・・『××白書』というタイトル名で刊行されている資料
例えば、ゲーム業界を例に取ると、下記のように『××ゲーム白書』がいくつも刊行されている。なお『ファミ通ゲーム白書』などには個別機種ごとの販売台数・販売金額が掲載されているので、市場シェアを知ることもできる。
◎コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会『CESAゲーム白書』2001年版 –
明大図書館所蔵情報>明治大学駿河台図書館1F>中央参考開架>R798/4//H
◎エンターブレイン『ファミ通ゲーム白書』エンターブレイン、2005 –
明大図書館所蔵情報>明治大学駿河台図書館1F>中央参考開架>R589/6//H
メディアクリエイト総研編『テレビゲーム産業白書 : テレビゲームビジネス及び関連業種の現状と展望』メディアクリエイト, 2001年版-2009
明大図書館所蔵情報>明治大学駿河台図書館1F>中央参考開架>R798/3//H

ゲームソフトに関しては下記のものが役に立つ。
メディアクリエイト編『テレビゲーム流通白書』メディアクリエイト, 1998-2000.
明大図書館所蔵情報>明治大学駿河台図書館1F>中央参考開架>R798/3//H

ネット検索により、ゲーム機以外に関しても、タイトル名に「白書」と銘打たれた書籍で市場データを入手することができる場合がある。
H-1 財団法人インターネット協会監修(2012)『インターネット白書2012』インプレスR&D
H-2 インプレスR&D インターネットメディア総合研究所編(2009)『デジタル放送白書2009』インプレスR&D
H-3 インプレスR&D インターネットメディア総合研究所(2012)『スマホ白書2012』インプレスR&D
H-4 モバイル・コンテンツ・フォーラム監修(2008)『ケータイ白書2009』インプレスR&D
政府の白書(年次報告書)に関しては、下記のリンクからその一覧を見ることができる。
佐野ゼミ関連としては、特に下記のものが役立つ。

b. Web上のデータ(その1) —- 調査会社のプレスリリース
「WWWで見る調査レポート」http://www.isc.meiji.ac.jp/~sano/internet/www_report01.htmも参照のこと。

アイサプライ
下記のように、製品の製造コストに関するプレスリリースが様々な新聞記事や雑誌記事で引用されている。

SONYのPS3の製造コスト関連記事
http://www.isuppli.co.jp/pdf/IS06-PR013J21Nov_rev1.pdf

AMAZONのKindle2の製造コスト関連記事
http://www.isuppli.com/News/Pages/Amazon-s-Kindle-2-Costs-185-49-to-Build-iSuppli-Teardown-Reveals.aspx

IDC
ガートナー
PC市場の世界シェアに関して、四半期ごとにプレスリリースで発表している。日経新聞などにおける記事でも、ガートナーのプレスリリースが典拠となっている。たとえば、下記のようなプレスリリースがある。
Gartner (2009) “Gartner Says Worldwide PC Shipments Declined 6.5 Percent in First Quarter of 2009” , Gartner Press Release, April 15, 2009
http://www.gartner.com/it/page.jsp?id=939015

Gartner (2009) “Gartner Says Worldwide PC Shipments Declined 5 Per Cent in Second Quarter of 2009”, Gartner Press Release, July 16, 2009
http://www.gartner.com/it/page.jsp?id=1076912

Gartner (2009) “Gartner Says Worldwide PC Shipments Returned to Growth in Third Quarter of 2009” , Gartner Press Release, October 14, 2009 [「世界におけるPC出荷台数は2009年第3四半期には増加基調に戻った」という内容の記事]
http://www.gartner.com/it/page.jsp?id=1207613

2009年第1~第3四半期における出荷台数[単位:千台]および出荷台数シェア

会社名 2009年第1四半期 2009年第2四半期 2009年第3四半期
出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア
Hewlett-Packard 13,305 19.8% 13,371 19.6% 16,120 19.9%
Acer 8,758 13.0% 9,196 13.5% 12,484 15.4%
Dell Inc. 8,789 13.1% 9,259 13.6% 10,343 12.8%
Lenovo 4,430 6.6% 5,758 8.4% 6,878 8.5%
Toshiba 3,688 5.5% 3,395 5.0% 4,036 5.0%
Others 28,239 42% 27,169 39.9% 31,003 38.3%
Total 67,209 100% 68,149 100% 80,864 100%
ネットブックで快調なAcerが2009年第3四半期についにDellを抜き、世界第2位のシェアを獲得した。

[調べてみよう]
しかし、その後はまた順位に変動が起こっている。「どのように変動したのか?」を調べるとともに、「変動した理由は何なのか?」をデータに基づき推測してみよう。

c. Web上のデータ(その2)
ファミ通.comのWebサイトにおいて「ゲームソフト販売ランキング TOP30」や「ゲームハード販売台数、ハード別ソフト販売割合」などを見ることができる。

【ゲームソフト販売本数ランキング TOP30】集計期間:2009年10月5日~10月11日(2009/10/22)
http://www.famitsu.com/game/rank/top30/1228716_1134.html
【ゲームハード販売台数、ハード別ソフト販売割合】集計期間:2009年10月12日~10月18日
http://www.famitsu.com/game/rank/hard/1228946_1140.html

上記の過去データに関しても、Internet Archive http://web.archive.org/を利用することで、下記からリンク切れであっても入手することができる場合がある。

d. 企業の『社史』や業界団体の『××年史』
下記のように、企業や業界団体が創立××周年を記念した刊行物を発行することが多い。

社団法人日本電子機械工業会『電子工業50年史(通史編/資料編/CD-ROM版)』日経BP社/日経BP企画,588pp

(2) 市場動向・業界動向の調査方法に関する解説
2.市場規模・市場シェア関連
(1) 市場シェアに関連する資料データ
a. 矢野経済研究所『日本マーケットシェア事典』
この書誌への明治大学図書館のリンク
http://opac.lib.meiji.ac.jp/webopac/ctlsrh.do?listcnt=5&maxcnt=100&bibid=SB00032808
明治大学には、1990-2000,2002, 2004-を所収
明治大学駿河台図書館1F_中央参考開架_R675/18//H

日本におけるほとんどの製品について、シェア、出荷台数、出荷金額などのデータが掲載されている。2009年版の掲載項目はhttp://www.yano.co.jp/market_reports/C51101800で見ることができる。
残念ながら、ゲーム専用機についてはシェア、販売台数、販売金額などのデータが掲載されてはいない。

b. 白書類
『白書』によっては、企業ごと、あるいは、製品ごとの市場データが掲載されている。例えば、『ファミ通ゲーム白書』などには個別機種ごとの販売台数・販売金額が掲載されているので、市場シェアを知ることもできる。

(2) 市場シェアに関連するWebサイト
様々な業界の動向、業界規模、売上高、シェア、平均年収、平均年齢、勤続年数などがランキングとともに掲載されている。
ただし「このサイトの運営主体がどのような企業・団体であるのか明示されていない」「データの出典が明示されていない」「単年度のデータしか掲載されていない」「掲載されているデータが何年のものなのかが明示されていない」などの問題があるので、1次的な出典として用いるのは不適当である。

(3) 市場シェアの調査方法に関する解説
(4)市場規模に関連する個別的統計資料データ
各個別業界の市場規模に関してはそれぞれの業界団体のWebサイトに統計資料が掲載されていることが多い。例えば下記参照のこと。

a. 社団法人 日本映像ソフト協会
ビデオソフト月間売り上げ速報、年間売上統計などへのリンクが掲載されている。統計データとしては、下記のようなデータが業界の歴史的動向を理解するのに便利である。

このWebページから下記のような統計データをダウンロードすることができる。

(5) 市場規模に関連する総合的統計資料データ
a. 日経NEEDS-Financial QUEST2.0※産業総合統計・商品市況データ
 各種製品の出荷量などに関する時系列データをダウンロードできる。

(6) 政府による市場調査データ
a. 経済産業省・商業動態統計調査
b. 経済産業省・生産動態統計調査
c. 経済産業省・工業統計調査
カテゴリー: 2013-2015-2年次後期, 統計データ パーマリンク