dマガジンという雑誌の定額読み放題のデジタル配信サービスは、2014年6月にサービス提供開始から1ヶ月で9万人の会員を獲得した後、下記のように急速に会員数を拡大している。
2014年 6月末 |
2014年 9月末 |
2014年 12月末 |
2015年 3月末 |
9万人 | 51万人 | 117万人 | 191万人 |
[データの出典]NTTドコモの決算説明会用資料
このように急速に会員数が拡大している理由は、月額400円(税抜き)という価格で、『アエラ』、『週刊朝日』、『サンデー毎日』、『週刊アスキー』、『週刊現代』、『週刊ポスト』、『週刊文春』、『エコノミスト』、『週刊ダイヤモンド』、『週刊東洋経済』』、『日経ビジネスアソシエ』、『日経TRENDY』、『日経PC21』、『Newsweek』、『ファミ通』など約130誌を一部ページを除き読むことができることにある。
とても便利なサービスであるが、雑誌オンラインやFujisan.co.jpといったサービスとは異なり、PC対応でない点が残念である。
なお、NTTドコモ関連のデジタル配信サービスとしては他に2015年3月末現在の会員数が468万人のdTV(月額500円、2011年11月18日提供開始)、304万人のdヒッツ(月額300円/500円、2012年7月3日提供開始)、183万人のdアニメストア(月額400円、2012年7月3日提供開始)などがある。
とても便利なサービスであるが、雑誌オンラインやFujisan.co.jpといったサービスとは異なり、PC対応でない点が残念である。
なお、NTTドコモ関連のデジタル配信サービスとしては他に2015年3月末現在の会員数が468万人のdTV(月額500円、2011年11月18日提供開始)、304万人のdヒッツ(月額300円/500円、2012年7月3日提供開始)、183万人のdアニメストア(月額400円、2012年7月3日提供開始)などがある。
[雑誌デジタル配信のためのプラットフォーム・サービス]
雑誌のデジタル配信サービスとしては他に下記のようなものがある。
「タダ読み/今日のちら見」「タダ読み/まるごと1冊」というサービスをおこなっており、毎日無料で、2,000冊以上の雑誌の一部または全部をオンラインで読むことができる。
http://www.fujisan.co.jp/signup/tadayomi/use/
http://www.fujisan.co.jp/signup/tadayomi/use/
「立ち読み」で雑誌の一部を読むことができる。全部を読むためには、1冊ごとの購入手続き、または、定期購読が必要となる。雑誌オンライン EXの利用には月額プランへの加入が必要である。
月額480(税込)円。同サイトの「雑誌読み放題一覧」によれば、アエラ、週刊朝日、サンデー毎日、週刊現代、エコノミスト、週刊ダイヤモンド、週刊東洋経済といった週刊誌、ビジネス誌、ファッション誌など70誌以上の最新号やバックナンバーが読み放題となっている。(2015年6月27日現在で、週刊アスキー、週刊ポスト、週刊文春、Newsweekは含まれていない。)
AppleのApp Storeで雑誌読み放題アプリとして2012,2013,2014年と3年連続第1位を獲得したサービス。iPhone,iPadなどiOS端末に対応。SoftBankのAndroid OS搭載スマートフォン・タブレット向けサービスは、2015年6月23日で新規登録を終了した。同サービスは継続しているが、新規登録者向けには「ブック放題」サービスへの移行を促している。
なお下記問題1の参考資料6によれば、ビューンのサービス開始1ヶ月間の無料サービス時の登録会員数は12万で、有料期間後も継続したのは1万人以下と書かれている。(サービス開始時は、『週刊朝日』『エコノミスト』『毎日新聞』『プレジデント』など30以上の雑誌の読み放題というものであった。)
AppleのApp Storeで雑誌読み放題アプリとして2012,2013,2014年と3年連続第1位を獲得したサービス。iPhone,iPadなどiOS端末に対応。SoftBankのAndroid OS搭載スマートフォン・タブレット向けサービスは、2015年6月23日で新規登録を終了した。同サービスは継続しているが、新規登録者向けには「ブック放題」サービスへの移行を促している。
なお下記問題1の参考資料6によれば、ビューンのサービス開始1ヶ月間の無料サービス時の登録会員数は12万で、有料期間後も継続したのは1万人以下と書かれている。(サービス開始時は、『週刊朝日』『エコノミスト』『毎日新聞』『プレジデント』など30以上の雑誌の読み放題というものであった。)
ソフトバンクモバイルが提供主体となっており、ソフトバンクモバイルの携帯電話利用者専用のサービス。月額500円(税抜き)で、雑誌130誌、マンガ1,000作品以上が読み放題。Android™ 4.1以上のソフトバンクスマートフォン・タブレット、および、iOS 7.0以上のiPhone・iPadのみの対応
auが提供主体の電子書籍サービス。月額562円(税抜)と少し高いが、auのスマートフォンだけでなく、パソコンでも利用することができる。少しわかりにくいが、auケータイ利用者でなくても会員登録ができる。
また、雑誌だけでなく、コミック、小説、実用書も読み放題の対象となっており、読み放題の対象数は全部で25,000冊と多い。(ただし件数のカウントに際して、雑誌の号数が異なるものをそれぞれ1件と数えている。)
ただし、「ビジネス・経済」系雑誌で読み放題の対象となっているのは、『エコノミスト』、『週刊ダイヤモンド』、『週刊東洋経済』、『日経ビジネスアソシエ』、『Forbes JAPAN』などに限定されており、『アエラ』、『週刊朝日』、『サンデー毎日』、『週刊アスキー』、『週刊現代』、『週刊ポスト』、『週刊文春』、『Newsweek』、『ファミ通』、『日経PC21』などは読み放題の対象とはなっていない。
また、雑誌だけでなく、コミック、小説、実用書も読み放題の対象となっており、読み放題の対象数は全部で25,000冊と多い。(ただし件数のカウントに際して、雑誌の号数が異なるものをそれぞれ1件と数えている。)
ただし、「ビジネス・経済」系雑誌で読み放題の対象となっているのは、『エコノミスト』、『週刊ダイヤモンド』、『週刊東洋経済』、『日経ビジネスアソシエ』、『Forbes JAPAN』などに限定されており、『アエラ』、『週刊朝日』、『サンデー毎日』、『週刊アスキー』、『週刊現代』、『週刊ポスト』、『週刊文春』、『Newsweek』、『ファミ通』、『日経PC21』などは読み放題の対象とはなっていない。
東洋経済、日経ビジネスAssocieといった週刊誌、ビジネス誌、ファッション誌など約65誌の最新号を読むことができる。対象デバイスは、スマートフォン、タブレットだけでなく、PCも含まれている。ビデオ⾒放題サービス会員[⽉額1,990円(税抜)]向けの付加サービスとして、2014年11月12日にサービス提供が開始されている。
最初の読み放題対象雑誌数は49誌であった。
最初の読み放題対象雑誌数は49誌であった。
[個別出版社によるデジタル配信サービスおよび関連記事]
[考察してみよう]
問題1 雑誌のデジタル配信サービスとしてのdマガジンの将来性について、下記記事ほか複数の記事を参照しながら、同種の競合サービスとの競争力比較をもとに考察してみよう。
6) エルネオス出版社(2011)「ブームの電子書籍も実は「倒産」寸前!! “救世主”どころか売れない商品の代表」ビジネス情報誌エルオネス(ザ・ニュース)
7) 園部修(2010)「日本のiPadに足りない雑誌や書籍を提供する――孫正義氏が語った「ビューン」」ITmedia Mobile、2010年5月31日
8) ITmedia(2010)「30以上の雑誌や新聞をiPad、iPhone、ソフトバンク端末で閲覧――「ビューン」」ITmedia、2010年05月31日
9) ITmedia(2013)「調査リポート:読者の6割が40・50代の男性――電子雑誌サービス「ビューン」の読者層」ITmedia、2013年01月23日
10) ビューン(2013)「6割の利用者が今まで読まなかった雑誌を「ビューン」で初めて講読 — 約4割が印刷版と同じページが読める電子雑誌を希望~本日より「Begin」を配信開始! 53コンテンツが読み放題に!~」ビューン社プレスリリース、2013年4月16日
NTTドコモ「「dマーケット」の契約数が1,500万を突破 --「dマガジン」も300万を突破し、1,500万突破を牽引」2016年3月22日付け報道発表資料
問題2 下記ほかの資料を利用し、雑誌以外のコンテンツのデジタル配信サービスにおける会員数変化を調べるとともに、その変化の理由を考察しなさい。なお動画配信に関しては、2009年5月1日提供開始の世界初の携帯専用放送局のBeeTV、および、2011年11月18日提供開始のdTV(旧dビデオ)の会員数変化について調べるとともに、変化の理由を考察しなさい。
問題3 下記ほかの資料を利用し、雑誌発行社の視点から見て、雑誌コンテンツのデジタル配信サービスの意味および問題点を考察しなさい。なおその際には、雑誌に共通する意味・問題点と、雑誌ごとに異なる意味・問題点にわけて考察しなさい。
雑誌ごとに異なる意味・問題点に関しては、雑誌の発行部数が『週刊文春』で約67万部、『アエラ』で約11万部、『中央公論』で約3万部であることなど、具体的データを基に議論しなさい。
雑誌ごとに異なる意味・問題点に関しては、雑誌の発行部数が『週刊文春』で約67万部、『アエラ』で約11万部、『中央公論』で約3万部であることなど、具体的データを基に議論しなさい。