アッターバックのドミナント・デザイン(dominant design)論という理論では、下記のような現象が起こると考えられている。
前提1 product designの「流動」(fluid)期としての市場成立期
「市場成立期には、product innovationが盛んであり、多様なdesignのproductが登場する」(多種多様な必要性・有用性に対応しようと意図したproduct innovationの結果として、市場成立期には多様なdesignのproductが乱立する)
前提2 dominant design確立への「移行」(transition)期としての市場発展期
「初期製品市場における多様なproduct design 間の競争の結果として、市場においてdominantなproduct designがどれか一つに決まる」(初期製品市場における多様なproduct design の登場(乱立)という現象は、一定の時間経過とともに消滅する。)
アッターバックのdominant design論における上記のような前提に関わる下記の課題を考察してみよう。
課題1 前提1を確証するような事例を挙げなさい。すなわち、多種多様な必要性・有用性に対応しようと意図して、様々なproduct designの製品が実際に試作・製作された(あるいは現に試作・製作されている)事例を挙げなさい。
課題2 前提1を反証するような事例を挙げなさい。すなわち、市場成立期にも関わらず、特定の製品デザイン(product design)が市場で支配的(dominant)となっているような事例を挙げなさい。
課題3 前提2を確証するような事例を挙げなさい。すなわち、英文入力のためのキーボード配列や自転車の場合のように、市場成立後の時間経過とともに、ある特定の製品デザイン(product design)が市場で支配的(dominant)となった事例を挙げなさい。
課題4 前提2を反証するような事例を挙げなさい。すなわち、市場成立からかなりの時間が経過しているにも関わらず、当該市場において支配的(dominant)な製品デザイン(product design)が存在しないような製品市場の事例を挙げなさい。
課題5 トヨタの燃料電池車Miraiなど21世紀における「環境に優しい自動車」という自動車製品市場における製品イノベーションは、アッターバックのドミナント・デザイン(dominant design)論と適合的かどうかを論じなさい。適合的であると思う場合には、アッターバックのドミナント・デザイン(dominant design)論的視点から分析するとどのような位置づけになるのかを論じなさい。適合しないと思う場合には、アッターバックのドミナント・デザイン(dominant design)論という理論とどのような意味で適合しないのかを論じなさい。
課題6 ソニーのウォークマンなどを起源とする20世紀「携帯音楽プレーヤー」市場における製品イノベーションは、アッターバックのドミナント・デザイン(dominant design)論と適合的かどうかを論じなさい。適合的であると思う場合には、アッターバックのドミナント・デザイン(dominant design)論的視点から分析するとどのような位置づけになるのかを論じなさい。適合しないと思う場合には、アッターバックのドミナント・デザイン(dominant design)論という理論とどのような意味で適合しないのかを論じなさい。
課題7 21世紀「携帯音楽プレーヤー」市場における製品イノベーションのあり方は、アッターバックのドミナント・デザイン(dominant design)論と適合的かどうかを論じなさい。適合的であると思う場合には、アッターバックのドミナント・デザイン(dominant design)論的視点から分析するとどのような位置づけになるのかを論じなさい。適合しないと思う場合には、アッターバックのドミナント・デザイン(dominant design)論という理論とどのような意味で適合しないのかを論じなさい。
課題8 下記WEBに紹介されているように中国では、多種多様なケータイ製品が製作・販売されている。しかし日本ではそうした現象は見られない。こうした違いが生じる理由を推測しなさい。、