佐野ゼミ 2014.11.26 2年次ゼミ

[本日の授業]
発表者およびタイトル
1.熊本大樹「dysonのイノベーション」
コメント(授業後の追加コメントを含む、以下同じ)
(1) 直接に引用してはいないが、参考にした文献資料、Webページを明記しておくこと
 
(2) 卒論を構成する1章として使う場合には、ジェームズ・ダイソン(James Dyson, 1947-)について簡単な略歴を書くことで字数を稼ぐことができる。
なお略歴は脚注に記載するか、新たに節を追加してそこに記載すること。
また典拠資料としては、日本語版ウィキペディアの本文記述だけでなく、dyson社のプロフィールなど他の資料も使うこと。参考文献としては、日本語版ウィキペディアではなく、下記のような他の資料を挙げるようにすること。
上記資料aには、サイクロン掃除機の発明に関わる下記のようなエピソードが紹介されています。卒論などの場合には、下記の文章を出典を明記したうえで引用すると、字数を稼ぐことができます。
「製材所にある巨大なサイクロンが、掃除機の吸引力の低下を解決できないものかと思い、ジェームズは自分の古い掃除機を解体し紙パックを取り出し、代わりに試作品のサイクロンに替えてみました。問題解決のために、5年の歳月と5,127台の試作品を経てDual Cycloneテクノロジーを開発し、初の紙パックを使わないサイクロン掃除機が誕生しました。」
なおサイクロン掃除機の発明に関しては、http://www.dyson.co.jp/community/about-dyson.aspxでも同様のエピソードが紹介されています。こちらのWebページには、上記のエピソードが1978年であることや、製材工場ではすでに「木くずと空気を分離するサイクロン装置」が使われていたことなどより詳しい内容が書かれています。
 
(3) 「吸引力の落ちない掃除機」というダイソン社のキャッチコピーの正当性を示す典拠とされている資料データを探し出しなさい。そして、その内容の概略を紹介してください。
(4) サイクロン方式の掃除機の性能に関する批判的記事をネット上で探し出しなさい。そして、その内容の概略を紹介してください。
国民生活センターのトップページ > 商品テスト・回収情報 > 商品テスト結果 > サイクロン方式の掃除機
(5) ダイソンの創業者でチーフ・エンジニアのジェームズ・ダイソンの下記の発言ほかを参照しながら、ダイソンにおける製品イノベーションのタイプ分類をしなさい。
「問 ダイソンさんは新製品を開発する時に、マーケティング調査の結果よりも技術者の意見を大事にするそうですね。/答 消費者の声を集約した調査結果を信頼してしまうと、誤った判断を下しがちです。消費者はまだ見たことがない商品や機能について聞かれても、的確な答えができません。でも、消費者は思いもつかなかった商品を手に入れたがります。」「編集長インタビュー 英ダイソン チーフエンジニア(創業者)ジェームズ・ダイソン氏」『日経ビジネス』2014年04月28日号,pp.112,p.114
 
(6) 佐野ゼミ生用onedriveの中の、佐野ゼミ(学部用)>ゼミ生共通資料>事例研究>dysonにある資料を参考に追加・訂正をおこなってください。
  

 

2.村中理乃「びん詰醤油からパウチ詰醤油へのイノベーションについて」
(1) ヤマサ醤油の「鮮度の一滴 特選しょうゆ」に関して下記資料が参考になります。
・下記資料aのp.116では、ヤマサ醤油の「鮮度の一滴 特選しょうゆ」は「類型E:機能を表す製品デザインを意匠だけでなく特許等で複合的に権利化 」(p.114)に位置づけられるとしています。
・下記資料cでは密閉型袋容器「パウチ・イン・ディスペンサー(PID)」の開発企業が紹介されています。
 
d.「秘密は酸化を防ぐ新容器 70日間、鮮度が落ちない醤油」『日経ビジネス』2009年9月14日号, p.87
e.「消費者は「新鮮さ」より「汚れないこと」を重視−第26回 しょうゆのパッケージ比較」『日経デザイン』2009年11月号, pp.82-83
f.「鮮度にこだわった世界初の容器開発 売れ筋サイズでシェア急伸−ヤマサ醤油」『日経情報ストラテジー』2010年6月号, pp.72-77

 

(2) イノベーションが「disruptiveであるのか?、sustainingであるのか?」ということの判定には、「既存有力企業の市場シェアがイノベーション後に大きく落ち込んだのか」、それとも「既存有力企業の市場シェアがイノベーション後もさほど変化していないのか」を数値データで検証することが必要です。
 「鮮度にこだわった世界初の容器開発 売れ筋サイズでシェア急伸−ヤマサ醤油」『日経情報ストラテジー』2010年6月号, pp.72-77という記事だけからは、ヤマサ醤油以外のメーカーにとってはdisruptive であったことを意味しているように思えます。

3.阿部圭佑「電子書籍」
(1) 日本における紙媒体の従来型出版と電子出版の市場規模に関する21世紀の数値データを調べ、電子出版市場の相対的比率の歴史的推移を調べてみてください。

(2) アメリカにおける紙媒体の従来型出版と電子出版の市場規模に関する21世紀の数値データを調べ、電子出版市場の相対的比率の歴史的推移を調べてみてください。
 
(3) アマゾンのkindleなど電子書籍リーダー端末はどの程度の数、販売されているのかを調べてみてください。
 
(4) 日本の出版界の特殊性との関係での電子書籍市場問題、および、電子書籍ビジネスの構造分析を論じてください。下記資料が参考になります。
4.クリステンセン『イノベーションへの解』
(1) クリステンセンのjobs-to-be-doneに関しては、下記のWebページの解説が有益です。読んでおいてください。
(2) クリステンセン的発想の理解には、下記のWebページの解説にあるnonconsumer概念も重要です。
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