調査データの意味 — 視聴率の場合

テレビ番組やテレビ放送というサービスの評価に際しては、「視聴率」というデータが一般的に用いられている。しかしテレビを視聴している人々の割合を図るのに、現行の「視聴率」データだけでは不十分である。
というのも現行の「視聴率」は、放送中に当該番組を見ている人だけを対象としており、放送中は見ていないが番組を録画して後で見る人を対象とはしていないからである。

ビデオリサーチは、放送の7日後までに再生した人の割合を示す「録画再生率」も調べているが、それによれば放送中の視聴率12.6%に対して、録画中の視聴率が13.5%と放送中を超える番組も存在する。

[参考資料]
「TVの再生視聴率、「生」を上回る例 「ドラマは録画」くっきり 非公表データを分析」『朝日新聞』2013年1月31日朝刊
「TVの見方、変化を反映 番組評価に影響も 録画再生率」『朝日新聞』2013年1月31日朝刊

[考えてみよう]
課題1.なぜ一般的には、録画視聴率ではなく、放送時に見ている視聴率が取り上げらるのかを論じなさい。またそうした一般的傾向に反対して録画視聴率を取り上げるべきだとする積極的論点としてはどのようなことがあるのかを論じなさい。

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