コストの概念的分類視点から見たコストリーダーシップ戦略

コストリーダーシップ戦略を具体的に考える際には、どのようなコストを対象とするのかという視点からの分析が必要不可欠である。
 なお低コスト化を追求することで競合製品(競合企業)に対する競争優位を獲得しようとするコストリーダーシップ戦略の考察に際しては、競合製品(競合企業)との比較が必要不可欠である。一つの製品(あるいは、一つの企業)だけを取り上げるのではなく、かならず競合製品(競合企業)を取り上げて、下記のようなコストそれぞれについて比較をおこなうことが必要である。

A.製造原価(manufacturing cost) — 材料費、労務費、経費
要素名 説明 具体例
1) 材料費 製造過程で消費されるモノに関わる費用 原材料費など
2) 労務費 製造業務に関わる人件費 製造作業に携わっている社員・アルバイトに関わる人件費など
3) 経費 製造に関わる上記以外の費用 工場設備の減価償却費、水光熱費、部品の外注加工費、特許権使用料など
B.販売費用(sales expense)
製品の販売業務に関わる人件費、広告費など

C.一般管理費(general and administrative expenses)
総務部門、会計部門、人事部門などの一般管理業務に関わる人件費など

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