下記の記事のように、一部の企業では採用時に、大学における成績を再び重視する動きが出ている。大手企業の多くは1990年代前半まで選考前に大学における成績書の提出を求めていたが、採用時期を遅らせることに対応して、このような動きが起きているものと思われる。
「採用、再び成績重視、三菱商事や富士通、客観評価容易に。」『日本経済新聞』2013年12月8日朝刊、1面http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD280WQ_X01C13A2MM8000/
たとえば、「三菱商事などに入社を希望する学生はインターネットの専用サイトに授業ごとの成績を記入する」と報道されている。
なお企業のこうした方針転換に対応した新しい事業サービスを提供しているのが、NPO法人DSS(大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会,東京都千代田区九段北1-14-17,代表:辻太一朗)や株式会社「大学成績センター」である。
日本経済新聞の同記事では、NPO法人のDSSが「全国の有力大学の授業内容に詳しく企業に対し学生の成績を客観的に判断する情報」を提供することを目的に、「今後は学生から集めた成績データの分析や聞き取り調査などで、高評価が取りにくい授業などの情報も提供し、企業が選考時に大学の成績をより的確に利用できる」ように予定しているとされている。
しかし実際にそうしたサービスを提供しているのは、株式会社「大学成績センター」であり、NPO法人DSSではない。日本経済新聞の同記事はその点で少し誤解を招きかねない表現と言えよう。
関連WEBページ
1)NPO法人DSS(大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会,東京都千代田区九段北1-14-17,代表:辻太一朗)
http://www.npo-dss.com/
2)株式会社「大学成績センター」
http://dscenter.co.jp/
3)山崎元(2013)「大手企業が続々と方針転換、採用が再び成績重視に?」Diamond Online, 2013年12月11日