自動車の自動運転というイノベーションに関わる問題
- 自動運転車の定義は何か?(レベル1~レベル5)
- 自動運転車のneedsは何か?(自動運転車はどのような必要性[necessity]に応えようとするものなのか?自動運転車の有用性[usefulness]は何か?自動運転車に対するwantsを持つ顧客はどのような顧客なのか?自動運転車を購入する顧客はどのような顧客なのか?)
- 自動運転車のseedsは何か?(自動運転車の実現に必要な技術的seedsは何か?)
- 自動運転車の社会的普及を妨げている法的規制は何か?を促進する法的規制は何か?(レベル1~レベル5というレベル区分との関連で論じること)
- 自動運転車の実現に向けて各国政府はどのような対応をしているのか?(たとえば日本政府は何をしているのか?)
自動車の自動運転技術に関するランキング調査
自動車の自動運転に関わる文書
- SAE (2016) Taxonomy and Definitions for Terms Related to Driving Automation Systems for On-Road Motor Vehicles
- 警察庁交通局(2015)「自動走行をめぐる最近の動向と今後の調査検討事項について」2015年10月23日
- 自動走行ビジネス検討会「自動走行の実現に向けた取組方針」2017年3月14日
- 原井直子(2016)「高度道路交通システム(ITS)―歴史と現状―」国立国会図書館調査及び立法考査局 レファレンス 2016.1
原井直子氏は、国立国会図書館 調査及び立法考査局 専門調査員 議会官庁資料調査室主任 - 坂田一郎(2017)「イノベーションとレジーム ケース:自動車の自動運転」東京大学大学院工学系研究科総合研究機構 イノベーション政策研究センター、2017年5月16日
- Eno Center for Transportation(2013)Preparing a Nation for
Autonomous Vehicles:Opportunities, Barriers and Policy Recommendations,Eno Center for Transportation, October 2013 - 自動運転ラボ編集部(2018)「自動運転車とは? 定義や仕組み、必要な技術やセンサーをゼロからまとめて解説:自動車社会を変えるイノベーション」 2018年8月20日
https://jidounten-lab.com/y_5094
自動車の自動運転というイノベーションを促進するための背景的要素
日本政府ほかの政策的対応
2013年3月 世界最先端IT国家創造宣言
2013年10月 「運転支援システム高度化計画」(省庁連絡会議)
2014年6月 「官民 ITS 構想・ロードマップ」
2015年6月 「官民 ITS 構想・ロードマップ2015」
2016年5月 「官民 ITS 構想・ロードマップ2016」
2017年5月 「官民 ITS 構想・ロードマップ2017」
2018年6月 「官民 ITS 構想・ロードマップ2018」
2013年10月 「運転支援システム高度化計画」(省庁連絡会議)
2014年6月 「官民 ITS 構想・ロードマップ」
2015年6月 「官民 ITS 構想・ロードマップ2015」
2016年5月 「官民 ITS 構想・ロードマップ2016」
2017年5月 「官民 ITS 構想・ロードマップ2017」
2018年6月 「官民 ITS 構想・ロードマップ2018」
関連研究会
国土交通省自動運転戦略本部(2019)「自動運転の実現に向けた今後の国土交通省の取組」2019年11月
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk7_000018.html
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001318104.pdf
[参考資料]
1. 内閣官房IT総合戦略室(2016)「自動運転レベルの定義を巡る動きと今後の対応(案)」2016年12月7日, p.5
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/detakatsuyokiban/dorokotsu_dai1/siryou3.pdf
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/detakatsuyokiban/dorokotsu_dai1/siryou3.pdf
2. 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議(2017)「官民 ITS 構想・ロードマップ 2017 - 多様な高度自動運転システムの社会実装に向けて」2017年5月30日
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20170530/roadmap.pdf
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20170530/roadmap.pdf
3. 内閣官房IT総合戦略室(2017)「官民ITS構想・ロードマップ2017(案)<経緯とポイント>」平成29年5月30日
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dai71/siryou3-2.pdf
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dai71/siryou3-2.pdf
「高度自動運転(レベル3以上)の市場化・サービス化には、「ドライバーによる運転」を前提としたこれまでの交通関連法規の見直しが必要。」(p.10)
日本における自動運転レベル3に関する法的制限:低速走行時のみ
富岡恒憲(2020)「日本で自動運転レベル3が解禁、いざ高速道路へ」日経クロステック/日経Automotive、2020.05.11
富岡恒憲(2020)「自動運転中も運転者に安全義務、過渡期を意識した“妥協策”」日経クロステック/日経Automotive、2020.05.12
自動車の自動運転に関するneeds-seeds視点からの考察
1.自動車の自動運転に関する顧客視点から見たneeds(自動運転の必要性・有用性、自動運転車に対する市場ニーズ)
- 運転手のヒューマンエラー[人間の判断ミス・反応ミスによる運転ミス、酒酔い運転、脇見運転、居眠り、突然死、認知症]による交通事故の防止
- 運転経路や運転操作のシステム的最適化による渋滞の緩和・温暖化ガス排出量の削減
- バス・鉄道などの公共交通システムの維持が困難な過疎地における交通システムとしての自動運転
- 営業マン等の運転操作からの解放による労働生産性の向上
2.自動車の自動運転に関するseedsー自動運転車メーカー視点から見た自動運転を可能にするための技術的needs
- 位置特定技術:車両の現在位置を正確に特定するための技術(ex.GPS精度の向上、高精度地図を用いた自車位置の推定)
- 認識技術(1):走行車両(対向車、自転車等を含む)、障害物・歩行者・並木の認識およびその動きを検知する技術(ex.カメラ、LIDAR[光をつかった検出技術・測距技術]、レーダーなどのセンサー技術)
- 認識技術(2):標識や信号の認識技術(ex.速度標識・一方通行標識などを認識する技術、赤信号・青信号・黄信号などを認識する技術)
- 人口知能技術:衝突等の危険を予測しての停車・回避行動などの決定判断に関わる判断技術
- 予測技術:他車の動きの予測、事故リスクや危険可能性を算出する技術
- プランニング技術:状況に応じた最適走行ルートの決定技術
- ドライバーモニタリング技術:乗客・運転手の状況を監視・把握する技術
- V2X通信技術:自動車=自動車間(V2V:vehicle to vehicle)、自動車=道路間(V2I:vehicle to infrastructure)、自動車=歩行者間(V2P:vehicle to pedestrian)、自動車=ネットワーク間(V2N:vehicle to network)での相互的通信
- 機器制御技術:車両の運転操作・車輪の回転・ブレーキ制御などのためのアクチュエータ技術
上記の技術を基に、下記のような機能が実現される。
- 自動停止機能
- 走行レーンに添っての自動走行機能
- アダプティブクルーズコントロール(Adaptive Cruise Control,ACC, 定速走行・車間距離制御装置)機能
- 自動追い越し機能
- 駐車場や自宅ガレージでの自動駐車機能
- 自動配車機能
[参考資料]
自動運転車イノベーションに関する既存自動車メーカーの戦略的対応 vs 新規参入メーカーの戦略的対応
想定している顧客ニーズに関する差異性と同一性の問題(どこが共通でどこに違いがあるのか?)
何で持続的競争優位性を確保しようとしているのか?(当該企業が強みとする技術的シーズは何か?当該企業の弱みはどこにあるのか?)
何で持続的競争優位性を確保しようとしているのか?(当該企業が強みとする技術的シーズは何か?当該企業の弱みはどこにあるのか?)
[佐野ゼミミニレポート用課題]
上記記事などを参考にしながら、自動運転車のイノベーションによって自動車業界の構造がどのように変化すると予想されているのかをまとめなさい。
自動運転に対する既存自動車メーカーの対応
- j-cast.com(2014)「自動運転車の開発を競う日米欧メーカー トヨタは実験施設を14年秋に米で建設」J Castニュース、2014/7/14
- トヨタ(2017)「トヨタの自動運転への取り組み-ビジョン、戦略、開発(自動運転白書)」2017年9月27日
- 富岡恒憲(2020)「自動運転レベル3対応車、20年代初頭のダイムラー、21年のBMW」日経クロステック/日経Automotive、2020.05.13
- 富岡恒憲(2020)「ホンダは20年内に自動運転レベル3対応技術、レベル未公表のトヨタも有力」日経クロステック/日経Automotive、2020.05.14
- Reuters (2015)「鮮烈!これがベンツの自動運転車だ」東洋経済オンライン、2015年01月07日
- Audi(2017)「Piloted Driving – Audi がリードする自動運転の世界」
- 蛯谷敏(2017)「アウディの自動運転、何ができ、何ができない?フル機能の利用は「法制度次第」」日経ビジネスオンライン、2017年07月21日
- 大谷達也(2017)「アウディが実用化した自動運転「レベル3」、レベル2との決定的な違いとは」2017年8月11日
- 「アウディ、自動運転の先駆者へ 「レベル3」実現の中身」日本経済新聞WEB、2017/9/21 6:30[有料会員限定]
- 岸本桂司(2018)「アウディ新型A8上陸でも「自動運転」実現せず:技術が先行、国際合意難航で法整備置き去り」東洋経済オンライン、2018/09/09
- ヤナセ(2020)「アウディの自動運転がレベル3(条件付き自動運転)を実現!」2020.04.09
- 「BMW×ハフポスト調査で判明、ドライバーの心配事とは? テクノロジーは、本当に私たちをサポートしてくれるのか。」ハフポスト日本版 Partner Studio、2018年04月19日
[佐野ゼミミニレポート用課題]
上記記事などを参考にしながら、既存自動車メーカーにおける自動運転車への取り組みについて、企業別にまとめなさい。
自動運転に対する新興電気自動車メーカー・テスラの対応
- Davies, A.(Sara Mikata訳, 2014)「自動運転機能を搭載したテスラ最強の自動車、「Model D」」wired.jp, 2014.10.13
- AUTOBLOG JAPAN STAFF(2015)「テスラの自動運転システム「オートパイロット」、日本を除く世界各国で認可」japanese.engadget.com, 2015年11月01日
- テスラ「将来の完全自動運転に対応したハードウェア搭載(テスラの工場で生産されるModel 3を含むすべての車両に、人が運転するよりも安全性を大幅に向上することができる完全自動運転機能対応のハードウェアが搭載されています。ただし、完全自動運転機能の実現には各国・地域の認可が必要となります。)」
[佐野ゼミミニレポート用課題]
上記記事などを参考にしながら、電気自動車メーカー・テスラにおける自動運転車への取り組みについて、企業別にまとめなさい。
自動運転車に関するグーグルの取り組み
- 自動運転自動車 – Google
https://sanosemi.info/archives/3490 - 自動運転ラボ編集部(2020)「グーグル系ウェイモ、自動運転システムの「第5世代」を公表-「Waymo Driver」のハードやソフトを刷新」自動運転ラボ>海外ニュース、2020年3月10日
https://jidounten-lab.com/u_waymo-5-gene - 米ウェイモ、2400億円の資金調達を発表 自動運転タクシーで存在感:業界最大規模、シルバーレイクやムバダラ開発などから
https://jidounten-lab.com/u_waymo-5-gene - 自動運転ラボ編集部(2020)「アップルの自動運転実証実績、79,754→7,544マイルに-米カリフォルニア州当局、1年間の結果公表」自動運転ラボ>海外ニュース、2020年3月4日
https://jidounten-lab.com/u_apple-autonomous-7544
自動運転車のイノベーションに対する日本政府の取り組み
自動運転車の補完財としてのデジタル地図
完全自動運転化の実現に関わる諸問題
ピンバック: 佐野ゼミ2020年度1次入室試験 | イノベーション・マネジメント by 明治大学 経営学部 佐野研究室
ピンバック: 佐野ゼミ2021年度入室試験問題 | イノベーション・マネジメント by 明治大学 経営学部 佐野研究室