佐野ゼミ 2014.11.19 2年次ゼミ

[本日の授業point]
A.ゼミレポートの作成に際して、「イノベーション」という視点からの考察を入れること。
3年生にも強調したことですが、下記のような事柄を意識してレポートを作成してください。

  1. 何から何へのイノベーション(革新)であるのか?
  2. どのような意味でイノベーションであるのか?
  3. どのようなタイプのイノベーションであるのか?
    イノベーションのタイプ分類としては、下記のように何種類もの分類アプローチがある。
    a.radical vs incremental
    b.sustaining vs disruptive
    c.technology-driven vs Market-driven
    d.Product-Out vs Market-In
    http://www.sanosemi.com/biztech/document/traditional-view-of-innovation.pdf
  4. 企業はなぜイノベーションに取り組んだのか?
  5. イノベーションを実行している企業は、イノベーションによってどのような競争優位性を確保しようとしているのか?
  6. イノベーションをどのような形で実行したのか?
B.「先駆者戦略 vs 後発者戦略」という議論を理解しておくこと
授業中に印刷し配布した下記Webページを読み、「先駆者戦略 vs 後発者戦略」という議論を理解しておいてください。

ゼミレポートの作成に際して、「先駆者戦略 vs 後発者戦略」という視点からの考察が可能な場合には、そうした視点からの考察をおこなってみてください。
今回の授業では、p.2の「先駆者コスト」(pioneering costs)問題を取り上げました。具体的には、①「行政当局の承認regulatory approvals の獲得」、②「法的規制code compliance の達成」という「先駆者コスト」の問題で、先駆者としてイノベーションの普及に苦労している企業としてセグウェイを取り上げました。また⑥「補完製品complementary products の開発に対する投資」ということで、燃料電池自動車の普及を左右する補完財としての水素ステーション、電気自動車の普及を左右する充電スタンドを取り上げた。

セグウェイは、AppleのCEOであったスティーブ・ジョブズが「人間の移動形態を変える革命的な製品」と評したと言われるほどの画期的な新製品ではあるが、その普及に苦労している。普及の妨げとなっているのが、法的規制である。

[本日の授業で取り上げた具体的事例、および、取り上げることができなかった重要な具体的事例]
  1. Facebook事業が「紙からデジタルへのイノベーション」として位置づけることができること
  2. ソニーが家庭用ゲーム専用機市場への参入に際して開発した初代PSは、ポリゴンによる3次元コンピュータグラフィックス(3Dポリゴンを利用したグラフィックス処理)というイノベーションに対応した製品であったこと(ファミコンやスーファミは、スプライトを利用した2次元コンピュータグラフィックスであったこと)
  3. セグウェイ関連記事 — 製品イノベーションの普及と法etc
  4. 家庭用据え置き型ゲーム専用機の製品イノベーション
    http://www.sanosemi.com/biztech/Game-Console-CPU-history-Ver1.pdf

  5. 電気自動車製品本体に対する相互的な補完財としての、充電ステーション

     

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