明治大学経営学部生として理解しておくべき基本的分析視点・基本的発想法
(1) 企業戦略、事業戦略、製品戦略の区別と連関
企業によっては、ソニーなどのように家電製品部門、半導体部品部門、音楽部門、映画部門、金融部門(銀行部門)など複数の事業部門を持ち、種類が極めて異なる様々な事業を営んでいる。そうした場合には、様々な事業をうまく管理・調整して企業として持続的成長・高業績を実現するための「企業」戦略と、それぞれの個別事業部門において持続的成長・高業績を実現するための「事業」戦略は異なる。すなわち企業としての全体最適を実現するための戦略としての「企業」戦略と、部分最適すなわちそれぞれの個別部門の最適化を実現するための戦略としての「事業」戦略との区別と連関に関する考察が必要となる。
また企業によっては、一つの事業部門の中で、異なる様々な製品が開発・製造されている。そうした場合にも事業部門の最適化(全体最適)を実現するための戦略としての「事業」戦略と、個別製品の最適化(部分最適)を実現するための戦略としての「製品」戦略との区別と連関に関する考察が必要となる
また企業によっては、一つの事業部門の中で、異なる様々な製品が開発・製造されている。そうした場合にも事業部門の最適化(全体最適)を実現するための戦略としての「事業」戦略と、個別製品の最適化(部分最適)を実現するための戦略としての「製品」戦略との区別と連関に関する考察が必要となる
(2) Mission、Vision、Valueの区別と連関、および、domainの機能的定義と物理的定義
domainの機能的定義と物理的定義の問題は、4文字熟語で言えば、不易流行の問題である。すなわち、domainの物理的定義という「歴史的に変化するもの」(流行)の根柢には、domainの機能的定義という「歴史的に変化しないもの」(不易)がある。
そしてdomainの機能的定義は、Mission、Vision、Valueという階層的かつシステム的な連関の中で形成される(形成されるべき)ものである、という視点から把握・考察する必要がある。
そしてdomainの機能的定義は、Mission、Vision、Valueという階層的かつシステム的な連関の中で形成される(形成されるべき)ものである、という視点から把握・考察する必要がある。
(3) Positioning approach と Resource Based Vies(RBV)の区別と連関
佐野ゼミ生として理解しておくべき基本的分析視点・基本的発想法
- Product-Technology視点
有用性(usefulness)、欲求(wants)、需要(demand)の区別と連関という視点からのイノベーション分析 - Product-Module-Parts-Material視点
素材・原材料(material)、部品(parts)、モジュール(module)、製品(product)の区別と連関という視点からの製品分析
Part1.佐野ゼミにおけるStudent Minimum一覧
Part1-A 佐野ゼミでの基本的理論
- アッターバックのドミナント・デザイン論(Theory of Dominant Design)
- クリステンセンのバリュー・ネットワーク論(Theory of Value Theory)
- ロルフスのバンドワゴン効果論(Theory of Bandwagon Effect)
Part1-B 佐野ゼミでの応用的理論
- プラットフォームリーダーシップ論(Theory of Platform Leadership)
- ロジャースのイノベーション普及(Diffusion of Innovation)論、ムーアのキャズム(Theory of Chasm)論
- 製品アーキテクチャ論(Theory of Product Architecture)
Part1-C 佐野ゼミで基本とする理論的用語
- 固定費用・可変費用(fixed cost,variable cost)
- 「規模の経済」(economy of scale)効果
- 「範囲の経済」(economy of scope)効果
- 「多角化」戦略(strategy of diversification) vs 「選択と集中」の戦略
- 「コストリーダーシップ」戦略、「差異化」戦略、「コスト集中」戦略、「差異化集中」戦略(cost-leadership, differentiation, cost-focus, differentiation-focus)
- プロダクト・イノベーション(product innovation)
- プロセス・イノベーション(process innovation)
- プロダクト・アウト(product-out)
- マーケット・イン(market-in)
- 「経験曲線」(experience curve)効果
- 先駆者の優位性・不利性(first mover’s advantage and disadvantage)
- スイッチング・コスト(switching cost)
- 「補完財」(complementary goods)
- インテグラル(integral)型、モジュラー(modular)型、オープン(open)型、クローズド(closed)型
- デファクト・スタンドード(de facto standard)
Part.2 Studet Minimumに関連する参考文献および参考WEB
Part2-A 佐野ゼミで基本とする理論
1) アッターバックのドミナント・デザイン論(Theory of Dominant Design)
アッターバック, J.M.(1998)『イノベーション・ダイナミクス:事例から学ぶ技術戦略』有斐閣
上田智久(2006)「アバナシー・アターバックモデルの一考察 ―半導体産業研究へのインプリケーション―」『立命館経営学』45(2), pp.125-160
露木恵美子(2004)「書評:アッターバック『イノベーションダイナミクス』」『ハイテク・スタートアップス』2, p.13
目代武史(2010)「ドミナント・デザインと経営戦略」東北学院大学経営学部 2010年度「経営戦略論」 第23回講義
佐野正博(2004,2011)「イノベーションの歴史的展開構造に関するドミナント・デザイ論的理解」sanosemi.com
上田智久(2006)「アバナシー・アターバックモデルの一考察 ―半導体産業研究へのインプリケーション―」『立命館経営学』45(2), pp.125-160
露木恵美子(2004)「書評:アッターバック『イノベーションダイナミクス』」『ハイテク・スタートアップス』2, p.13
目代武史(2010)「ドミナント・デザインと経営戦略」東北学院大学経営学部 2010年度「経営戦略論」 第23回講義
佐野正博(2004,2011)「イノベーションの歴史的展開構造に関するドミナント・デザイ論的理解」sanosemi.com
2) クリステンセンのバリュー・ネットワーク論(Theory of Dominant Design)
3) ロルフスのバンドワゴン効果論(Theory of Bandwagon Effect)
@IT情報マネジメント編集部(2005)「ネットワーク外部性」情報マネジメント用語辞典
@IT情報マネジメント編集部(2005)「メトカーフの法則」情報マネジメント用語辞典
ロルフス,J.H.(佐々木勉訳, 2005)『バンドワゴンに乗る ハイテク産業 成功の理論』NTT出版
佐野正博(2010)「ライベンシュタインおよびロルフスのバンドワゴン効果論」
@IT情報マネジメント編集部(2005)「メトカーフの法則」情報マネジメント用語辞典
ロルフス,J.H.(佐々木勉訳, 2005)『バンドワゴンに乗る ハイテク産業 成功の理論』NTT出版
佐野正博(2010)「ライベンシュタインおよびロルフスのバンドワゴン効果論」
4) 製品アーキテクチャ論
Part2-B 佐野ゼミで取り上げる応用的理論
1) プラットフォームリーダーシップ論(Theory of Platform Leadership)
ガワー,A, クスマノ,M.(小林敏男訳,2005)『プラットフォーム・リーダーシップ:イノベーションを導く新しい経営戦略』有斐閣
根来龍之;加藤和彦(2005,2006)「クスマノ&ガワーのプラットフォーム・リーダーシップ「4つのレバー」論の批判的発展―クスマノ&ガワー事例の再整理ならびにJavaの事例分析を通じた検討―」早稲田大学IT戦略研究所ワーキングペーパーシリーズ No.18
山本俊文(2010)「製品アーキテクチャのモジュール化進展についての考察-モジュラー環境下におけるプラットフォーム戦略の枠組み」『ビジネスクリエーター研究』2, pp.67-79
根来龍之;加藤和彦(2005,2006)「クスマノ&ガワーのプラットフォーム・リーダーシップ「4つのレバー」論の批判的発展―クスマノ&ガワー事例の再整理ならびにJavaの事例分析を通じた検討―」早稲田大学IT戦略研究所ワーキングペーパーシリーズ No.18
山本俊文(2010)「製品アーキテクチャのモジュール化進展についての考察-モジュラー環境下におけるプラットフォーム戦略の枠組み」『ビジネスクリエーター研究』2, pp.67-79
2) ロジャースのイノベーション普及(Diffusion of Innovation)論
@IT情報マネジメント編集部(2005)「アーリーアダプター」情報マネジメント用語辞典
@IT情報マネジメント編集部(2007)「キャズム」情報マネジメント用語辞典
ロジャーズ, E.M.(藤竹暁訳, 1966)『技術革新の普及過程』培風館/1966年(Diffusion of Innovationsの訳)
ロジャーズ, E.M.(青池慎一;宇野善康訳, 1990)『イノベーション普及学』産能大学出版部(Diffusion of Innovations, 3rd editionの訳)
ムーア, G.A.(川又政治訳, 2002)『キャズム ―― ハイテクをブレイクさせる「超」マーケティング理論』翔泳社, 368pp(Crossing the Chasm: Marketing and Selling High-Tech Products to Mainstream Customersの邦訳)
ムーア, G.A.(栗原潔訳, 2006)『ライフサイクルイノベーション』翔泳社, 384pp
@IT情報マネジメント編集部(2007)「キャズム」情報マネジメント用語辞典
ロジャーズ, E.M.(藤竹暁訳, 1966)『技術革新の普及過程』培風館/1966年(Diffusion of Innovationsの訳)
ロジャーズ, E.M.(青池慎一;宇野善康訳, 1990)『イノベーション普及学』産能大学出版部(Diffusion of Innovations, 3rd editionの訳)
ムーア, G.A.(川又政治訳, 2002)『キャズム ―― ハイテクをブレイクさせる「超」マーケティング理論』翔泳社, 368pp(Crossing the Chasm: Marketing and Selling High-Tech Products to Mainstream Customersの邦訳)
ムーア, G.A.(栗原潔訳, 2006)『ライフサイクルイノベーション』翔泳社, 384pp
Part2-C その他の関連参考文献
- マクグラス,M.E.(菅正雄ほか訳,2005)『プロダクトストラテジー:最強最速の製品戦略』日経BP社
- デ・ペス, F.T, コトラー,P.(櫻井祐子訳, 2011)『コトラーのイノベーション・マーケティング』翔泳社
- バーゲルマン,R.A., クリステンセン, C.M., ホイールライト, S.C.(岡真由美ほか訳, 2007)『技術とイノベーションの戦略的マネジメント』上・下2冊, 翔泳社
- Mahmood,Z., Amir,A., Javied,S., Zaf,F. (2013) “Strategic Management of Technology and Innovation,” Global Journal of Management and Business Research Administration and Management, 13(12), pp.37-43