卒論作成実践的ガイド

佐野ゼミにおける卒業論文のスタイルとしては、下記に挙げたいくつかのタイプの内のいずれかで作成して下さい。
 
1.理論的視点からの事例研究タイプ
最低3,000文字以上の事例研究を複数作成するとともに、「はじめに」と「おわりに」を作成することで30,000字以上の分量になるように卒業論文を作成する。(文字数3,200字の事例研究が5個、文字数3,000字の事例研究が4個であれば、「はじめに」と「おわりに」で2,000字以上を書くことで30,000字となる。文字数4,000字の事例研究が7個の場合も、「はじめに」と「おわりに」で2,000字以上を書くことで30,000字以上となる。)
 
理論的視点からの事例研究タイプの「はじめに」では、下記項目に関連する事項を書くこと
  1. どのような事例を取り上げているのか?
  2. なぜそうした事例を取り上げたのか?取り上げた事例以外にも数多くの事例が存在する中で、どのような理由・基準で事例を選択したのか?
  3. どのような問題意識で各事例を取り上げたのか?
  4. どのような理論的視点から各事例を取り上げたのか?
  5. 重要な先行研究にはどのようなものがあるのか?
  6. 特に参考にした資料・文献・WEBサイトがある場合には、それを紹介しておくこと
 
理論的視点からの事例研究タイプの「おわりに」では、下記項目に関連する事項を書くこと
  1. 卒業論文の中で、自分が特に努力した点はどこか?
  2. 卒業論文の中で、自分のoriginalityはどこにあるのか?それとも、単に他者の論文の要約に過ぎないのか?
  3. 卒業論文の中で、取り上げた事例に関して何をどこまで明らかにしたのか?
  4. 取り上げた事例に関して、資料制約などの理由でまだ十分に解明することできなかった点はどこか?
  5. 何が課題として残っているのか?」
 
複数の理論的視点を総合して書く場合には、自分が用いた複数の理論それぞれがどのように関連しているのかを「はじめに」で論じておくこと
「先駆者戦略/後発者戦略」論は、「差異化戦略/同質化戦略」論および「differentiation戦略/cost leadership戦略」と深いつながりを持っている。それら三つの理論的分析視点はいわば同一のことを三つの異なる形で述べたに過ぎない。したがってそれら三つの理論的視点を用いて、事例分析をすることはまったく構わない。ただし「はじめに」でそれら三つの理論的視点の相互連関を論じておくこと。その際には下記のような疑問を考察してみること。

  1. 同質化戦略を取って、先駆者になることは可能か?
  2. 同質化戦略とdifferentiation戦略を同時に採用することは可能か?あるいは、有意味か?
  3. 差異化戦略を取って、後発者になるということはありうるのか?あり得るとしたらそれはどういうことなのか?差異化戦略を取っている面に関しては先駆者ではないのか?
  4. 同質化戦略を取っている企業同士でも、収益など企業業績に差が出るのはなぜか?cost leadership戦略をうまく実行できている企業とそうでない企業との間で企業業績に差が出るのではないか?
 
■■構成サンプル1■■イノベーションに関する「先駆者戦略/後発者戦略」論に基づく各種製品の事例分析
下記では9つの事例で、3,000×9=27,000字以上を書くことになる。

  1. はじめに — イノベーションに関する「先駆者戦略/後発者戦略」論
    [佐野正博(2006,2011)「技術戦略論的視点から見たイノベーションに関する先駆者戦略vs後発者戦略論」の文章をまず読んだうえで、先駆者戦略/後発者戦略に関する文献を他に3つ以上参考にしながら、先駆者戦略/後発者戦略のメリット・デメリットを自分の言葉で1,000-2,000字程度でまとめること。事例研究に関わる理論的視点についての説明それ自体は、事例分析ではありませんので、「各事例3,00字以上という原則」に該当しません。それゆえ、その程度の文字数でまったく構いません。もちろん、3,000字以上書いても構いません。]

  2. 家庭用据置型TVゲーム機に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  3. TVの製品イノベーションに関する「先駆者戦略/後発者戦略」論視点からの分析
    a. 表示方式に関する製品イノベーション — 液晶式TV, プラズマ式TV, 有機EL式TV
    b. 画面解像度に関する製品イノベーション — ハイビジョンTV, フルハイビジョンTV, 4K TV, 8K TV

  4. 家庭用掃除機に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
    a. ロボット型掃除機
    b. サイクロン型掃除機

  5. セグウェイに見る先駆者戦略型製品のメリット・デメリット
  6. スマートフォン製品セグメントに関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
    a. SharpのW-ZERO3(2005)
    b. AppleのiPhone型スマートフォン[初代iPhone(2007),iPhone 3G(2008)ほか]
    c. GoogleのAndroid OSを採用したAndroid型スマートフォン[GoogleのNexus One(2010)ほか]

  7. タブレット製品セグメントに関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
    a. AppleのiPad(2010)
    b. GoogleのNEXUS 7(2012)
    c. その他

  8. ウエアラブル端末製品に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  9. ロボット製品セグメントに関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
    a. ホンダのASIMO(1996)
    b. SONYのAIBO(アイボ,1999)
    c. ソフトバンクのPepper(2014)

  10. 超音速旅客機に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
    a. 英仏共同開発のコンコルド(1976)
    b. 21世紀アメリカにおける超音速旅客機開発プロジェクト
    c. 21世紀日本における超音速旅客機開発プロジェクト

  11. おわりに

上記以外にも下記のような事例研究が考えられる。

  1. 3D表示製品に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析 — 任天堂3DS、3Dテレビほか
  2. 携帯型TVゲーム機に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
 
■■構成サンプル2■■イノベーションに関する「先駆者戦略/後発者戦略」論に基づくゲーム機製品の事例分析(タイプ1)

参考資料1.http://www.sanosemi.com/biztech/document/game-console-performance-innovation-ver2.pdf

  1. はじめに — イノベーションに関する「先駆者戦略/後発者戦略」論[佐野正博(2006,2011)「技術戦略論的視点から見たイノベーションに関する先駆者戦略vs後発者戦略論」の文章をまず読んだうえで、先駆者戦略/後発者戦略に関する文献を他に3つ以上参考にしながら、先駆者戦略/後発者戦略のメリット・デメリットを自分の言葉で1,000-2,000字程度でまとめること。事例研究に関わる理論的視点についての説明それ自体は、事例分析ではありませんので、「各事例3,00字以上という原則」に該当しません。それゆえ、その程度の文字数でまったく構いません。もちろん、3,000字以上書いても構いません。]
  2. 8ビットTVゲーム機における先駆者的製品としての任天堂・ファミコン(1983)およびセガ・SG-1000(1983)
  3. 16ビットTVゲーム機における先駆者的製品としてのセガ・メガドライブ(1988)
  4. 16ビットTVゲーム機における後発者的製品としての任天堂・スーパーファミコン(1990)
  5. 32ビットTVゲーム機における先駆者的製品としてのSONY・PS(1994)およびセガ・セガサターン(1994)
  6. 32ビットTVゲーム機における後発者的製品としてのマイクロフト・XBOX(2001)
  7. 64ビットTVゲーム機における先駆者的製品としての任天堂・N64(1996)
  8. 32ビットTVゲーム機における技術的後発者戦略に基づく製品展開としての任天堂・GAMECUBE(2001)、Wii(2006)、Wii U(2011)
  9. 64ビットTVゲーム機のソニー・PS2(2000),PS3(2006),PS3(2013)に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  10. 64ビットTVゲーム機のマイクロソフト・XBOX360(2005),XBOX One(2013)に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  11. おわりに
 
■■構成サンプル3■■イノベーションに関する「先駆者戦略/後発者戦略」論に基づくゲーム機製品の事例分析(タイプ2)

本テーマのように、かなりまとまった一つの視点から卒論を作成する場合には、各事例の最低文字数制限(3,000文字以上)を緩和することも教員との相談・承認の上で認めます。
例えば、下記に掲げたような事例の中から14個を選び各事例で2,000字以上を書き、「はじめに」と「おわりに」を含めて全体で3万字以上になれば構いません。

  1. はじめに —- イノベーションに関する「先駆者戦略/後発者戦略」論
    [佐野正博(2006,2011)「技術戦略論的視点から見たイノベーションに関する先駆者戦略vs後発者戦略論」の文章をまず読んだうえで、先駆者戦略/後発者戦略に関する文献を他に3つ以上参考にしながら、先駆者戦略/後発者戦略のメリット・デメリットを自分の言葉で1,000-2,000字程度でまとめること]

  2. 任天堂のゲーム&ウオッチ(1980)に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  3. 8ビットTVゲーム機における先駆者的製品としての任天堂・ファミコン(1983)およびセガ・SG-1000(1983)
  4. 8ビットTVゲーム機のNEC・PSエンジン(1987)に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  5. 8ビットTVゲーム機のバンダイ・プレイディア(1994)に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  6. 16ビットTVゲーム機における先駆者的製品としてのセガ・メガドライブ(1988)
  7. 16ビットTVゲーム機における後発者的製品としての任天堂・スーパーファミコン(1990)
  8. 16ビットTVゲーム機の日本ビクター・ワンダーメガ(1993)に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  9. 32ビットTVゲーム機における先駆者的製品としてのSONY・PS(1994)およびセガ・セガサターン(1994)
  10. 32ビットTVゲーム機のNEC・PC-FX(1994)に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  11. 32ビットTVゲーム機のパナソニック・3DO REAL(1994)、三洋電機・3DO TRY(1994)に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  12. 32ビットTVゲーム機の日本ビクターのVサターン(1994)に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  13. 32ビットTVゲーム機のバンダイ、アップル共同開発のピピンアットマーク(1996)に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  14. 32ビットTVゲーム機における後発者的製品としてのマイクロフト・XBOX(2001)
  15. 64ビットTVゲーム機における先駆者的製品としての任天堂・N64(1996)
  16. 32ビットTVゲーム機における技術的後発者戦略に基づく製品展開としての任天堂・GAMECUBE(2001)、Wii(2006)、Wii U(2011)
  17. 64ビットTVゲーム機のソニー・PS2(2000)に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  18. 64ビットTVゲーム機のソニー・PS3(2006)に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  19. 64ビットTVゲーム機のソニー・PS4(2013)に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  20. 64ビットTVゲーム機のマイクロソフト・XBOX360(2005)に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  21. 64ビットTVゲーム機のマイクロソフト・XBOX One(2013)に関する「先駆者戦略/後発者戦略」論的視点からの分析
  22. 任天堂・横井軍平の「枯れた技術の水平思考」的戦略に関する技術的後発者戦略という視点からの分析
  23. おわりに
 
■■構成サンプル4■■ポーターの競争戦略の4類型論に基づく各種製品の事例分析

佐野正博(2008,2010,2013)「ゲーム機の製品イノベーションにおける技術戦略論的視点から見た「位置取り」問題」Ver4.5
佐野正博(2013)「製品イノベーションの歴史的展開構造—ゲーム専用機を事例として」

  1. はじめに — ポーターの競争戦略の4類型論
    ポーターの競争戦略の4類型論に基づく1983-1984年当時の情報処理機器製品の事例分析
      a. cost leadership的戦略に基づくMSX PC(1983) — 汎用的な情報処理が可能な低価格・低性能PC(文書作成処理、数値データ処理だけでなく、ゲームもできるマシン)
      b. differentiation的戦略に基づくApple Macintosh(1984) — 汎用的な情報処理が可能な高価格・高性能PC(文書作成処理、数値データ処理だけでなく、ゲームもできるマシン)
      c. cost focus的戦略に基づくセガ SG-1000(1983) — 低価格を最優先として開発されたゲーム専用マシン
      d. differentiation focus的戦略に基づくApple Macintosh(1984) — 差異化を志向して開発されたゲーム専用マシン
  2. ポーターの競争戦略論的視点から見た各種スマートフォン製品の位置づけ — cost leadership戦略的製品、differentiation戦略的製品、cost focus戦略的製品、differentiation focus戦略的製品
  3. ポーターの競争戦略論的視点から見た現在の各種TV製品(画面サイズの異なる各種TV、フルハイビジョンTV,4K TV, 3D TVなど)の位置づけ — cost leadership戦略的製品、differentiation戦略的製品、cost focus戦略的製品、differentiation focus戦略的製品
  4. おわりに